MMA
インタビュー

【RIZIN】手術から復帰に向かうあいの勇気と挑戦「悔し涙で終わりにしたくない」

2020/03/29 12:03
昨年末の「Bellator JAPAN」で元KOTCアトム級王者のアンディ・ウィンに判定勝利したあいが、1月末の手術を終え、今夏の復帰戦に向け始動。4月19日の「RIZIN.22」横浜大会に出場予定のKRAZY BEEの先輩・朴光哲にエールを送っている。 2019年年末のウィン戦前に怪我(負傷箇所は公表せず)をしていたというあい。 同ジムの服部竜真マネジャーによると、ウィン戦が決まった後に診断結果が出たこと、「何よりあい本人が『1年間、やりきりたい』という強い思いがあったため、欠場の判断はしませんでした」という。 負傷箇所は「応急処置だけして、ぶっつけ本番でした」(服部氏)というあいは、得意のレスリングのダブルレッグ(両足タックル)でウィンを再三テイクダウン。ウィンの下からの仕掛けを警戒し攻めあぐねた場面も見られたが、スプリット判定で接戦をモノにしている。 試合後、あいは「打撃で打ち合うことはそんなに出来なかったですけど、初めて冷静に打撃で“向き合う”ことが出来ました」と成果を語りながらも、「今回はテイクダウンからパウンドよりもバックを取ろうという方向だったのが、思ったよりコントロールできませんでした。グラウンドで極める技をいっぱい練習してきて、グラップリングを結構やりこんできたので極めたかったですけど、下から腕十字のプレッシャーがあって極めに行けませんでした」と課題も語り、今後については「ちょっといまはまだ先のことは考えられないです」としていた。 試合直後のコメントで今後について明言できなかったのは、怪我を抱えていたためだった。応急処置のなかで競り勝った「あいの気持ちの強さには頭が下がります」と服部マネージャーは評価するも「ドクターからは試合後でも『必ず手術をしないといけない』とのアドバイスもあり、2020年に入って手術を行いました」という。 年が明けた1月27日、あいはSNSで「報告。手術しました。一度救急車にお世話になってしまったこともあり、怪我を気にしながらの練習で、前回の試合前は上手くいかないことも多く、過去1番不安な試合でした。自分で出場すると決めたのに、怪我を気にして攻めきれなかった事が悔しかった。悔し涙で終わりにしたくないです。皆様の前に1日でも早く戻れるよう頑張ります!」と、手術が無事に終わったことと、「悔し涙で終わりにしたくない」とあらためて復活を誓っている。 レスリング時代には、2006年のアジア・カデット選手権52kg級で優勝。2007年ジュニアオリンピックジュニアの部優勝。2009年には全日本学生選手権51kg級で優勝し、翌年2010年の世界学生選手権では3位という実績を誇るあい。MMA(総合格闘技)では、アマチュア修斗を経て、AbemaTVの『格闘代理戦争』に参戦。チームKRAZY BEEから朴光哲、矢地祐介の推薦選手としてトーナメントを戦った。 自身は試合間隔が空いたが、4月19日の「RIZIN.22」横浜アリーナ大会では、いつもセコンドについてくれる先輩・朴光哲が朝倉未来との「進退を賭けた」大一番に臨むことが決定している。 現在のところRIZINでは横浜大会開催の可否について「検討中」としているが、練習に励む朴に向け、あいは、「いつも私の傍には朴さんがいてくれる。試合直前は必ずパワーを入れてくれる。私は力不足で何もできないけど、4月の横浜大会は心の底から応援します」と、熱いエールを送っている。 自身の復帰は今夏を目指している。 ウィン戦を経て、「去年とは違う実績ある選手に勝てて、皆が『自信を持っていい』と言ってくれたので、自信持っていいのかなと思います。成長できたかなと」と手応えを得つつも、「自分の未熟なところとか、(試合)回数を重ねることで逆に思い切り行けなくなっているところもあって、どうすればいいかなと。勇気が足りませんでした。美憂さんからもアドバイスをいただいて考えたい」という逡巡もある。 会見では、同階級の浅倉カンナ、RENAらとの対戦の可能性を問われ、「無くはないのですけど、まだMMAを始めて1年3カ月しかありません。カンナ選手(2014年10月~)もRENA選手(2015年12月~)も4年くらいやっていますよね。まだ(自分は経験が)ちょっと足りないのかなと今回の試合で強く感じて、1年3カ月で挑戦してもいいのかなというのはあります」とMMAの経験が不足していることを吐露しながらも、「いずれかは挑戦したい、というのはあります」とも語っている。 2020年、あいがMMAで開花するのはいつになるか。“プリンセス・ビー”は復帰に向け、針を磨いている。
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