【写真】「江幡睦・塁チャンネル」より
2019年の大晦日『RIZIN.20』(さいたまスーパーアリーナ)で那須川天心(TARGET/Cygames)と対戦し1R2分46秒、TKOで敗れた江幡塁(伊原道場本部)が、自身のYouTubeチャンネルで、那須川戦を振り返った。
WKBA世界スーパーバンタム級王者・KNOCK OUTスーパーバンタム級王者として、33戦全勝25KOの“怪物”天心と、対戦した塁。
サウスポー構えの天心は、オーソドックス構えの塁に序盤から圧力をかけて、強烈な左前蹴りで塁のマウスピースを吹き飛ばした。この1発が合図のように、天心は一気に詰めて塁をコーナーに追い詰めた。
この際、塁はマウスピースが外れたことを左手を前に出し、右手を挙げて軽く合図。レフェリーはマウスピースを拾いに行くが、当然、試合はプレーオン。構わず詰める天心はスーパーマンパンチ気味の左ストレート、右フックで最初のダウンを奪っている。
このマウスピースが外れた瞬間を塁は、「普段から練習でも試合でも、ワンデートーナメント(8.18「KING OF KNOCKOUT初代スーパーバンタム級王座決定トーナメント)でもずっとしてきたマウスピースで、本当に1回も外れたことがなかったので、正直外れたことは想定外というか、僕自身、初めての経験だったのでびっくりしました」と、全く想定していなかった出来事だったことを語った。
「たぶん、縦から斜めに入ってきました。マウスピースを外すときはこっち(パンチが入った斜めの角度)から外すんですけど、本当にちょうどよく斜めの方から外れるところに入ってしまったのかなと思います」
塁が振り返る通り、天心は左の高い前蹴りを振り上げてから、最後のインパクトで塁の顔面をこするように左から右に振り下ろしている。この1発で塁のアゴが上がり、そこを逃さず天心は攻めていった。
天心にとってもこの短期決戦は、「対峙した瞬間に行けるなっていうのがありました。あと、試合前にアップした時に鼻血が出ちゃって。止まらないと(攻撃を)もらって(試合を)止められちゃうかなと思って早く倒さないといけないと思いました」と、向かい合った感覚と、試合前の鼻血によって決断したことを語っている。
キックボクシングファンが待ち望んでいた一戦に、ホームリングから出て挑んだ塁は、あらためて天心について「スピード・パワーは警戒していたけど、一番特徴的だったのは出入りの速さ。本当に素晴らしい選手で勉強になりました」と賞賛。
今後について、「たくさん初めての経験もしました。8月のトーナメント、そして(12月)31日の天心選手との試合、勝ち負けを経験して本当に僕は格闘家としてだけでなく、人生の成長をさせてもらったと思っています。これを糧にして前に進んでいきたいと思いますので、今後とも江幡塁をお願いします」と、前向きな言葉で2020年の抱負を語っている。
2020年2月1日には、ホームである新日本キックボクシング協会が後楽園ホール大会で開幕する。同門の泰史(伊原道場本部)がWKBAジャパン・スーパーフライ級王座決定戦に臨むなか、新たなスタートを切る江幡塁のファンへの挨拶にも注目だ。