2020年1月25日(土)東京・後楽園ホール『Krush.110』で、横山巧(リーブルロア)を挑戦者に迎えてKrushライト級タイトル2度目の防衛戦に臨む、王者ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ)が20日(月)都内所属ジムにて公開練習を行った。
ゴンナパーはタイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代王座に就き、同年9月には大沢文也の挑戦を退けて初防衛に成功。同年12月のK-1ライト級世界最強決定トーナメントでは1回戦でまさかのKO負けを喫したが、昨年3月にリュウ・ウェイを破って復活勝利を挙げた。戦績は105勝(22KO)29敗3分。
3月の試合後、父親が亡くなったことからタイへ帰り、家族を支えての生活をしていたが、今回試合へ復帰することになった。
パワフルなパンチをミットに打ち込み、最後はラッシュも見せたゴンナパーは「もう戦う準備は出来ていて体調はとてもいいです」と微笑む。
試合は10カ月ぶりとなるが「ムエタイの頃からでもこんなに試合間隔が空いたのは初めてです。しっかり練習して身体を戻しているので大丈夫。このスポーツは身体よりも心の方が大事なので心の準備はできています」と心技体ともに万全のようだ。
特に身体は以前よりも引き締まっている上に筋肉が隆起し、上半身が以前よりも大きくなったように見える。ウェイトトレーニングをしているのかと聞かれると「普通に練習しているだけですし、筋トレも腕立て伏せくらいですよ」と、以前と練習は変わらないとした。「リングに戻れることはとても嬉しいです。Krushは自分を有名にしてくれたリングなので帰ってこれたのは嬉しいことです」と、試合が待ち遠しそう。。
そのままタイに残ってムエタイの試合をやるとの選択肢もあったのでは、との問いには「タイにいる時はほとんどの時間を家族との時間に費やしました。その時は家族のことに集中しようと思いましたが、戦うのはベルトを持っているKrushへ戻ってくるのがいいと思いました」と、戦うならKrushと決めていたという。
家族からは「ちゃんと試合してきてね。いつでも応援しています。全力で戦ってきてね」と送り出されたそうだ。
対戦する横山については「パンチが強い選手だと思ったのでパンチに力を入れて練習しています。今回は相手のパンチ対策をしつつ、こっちもパンチを入れていくつもりでいます」とパンチ勝負を予告。「相手は最近頭角を表してきたいい選手だと思いますが、僕がいい練習をして対策を練っていれば相手に倒されるようなことはない」と、横山のパンチは通用しないとする。
その横山は「いくら相手にパワーがあっても当たらなければ意味がない。スピードは自分の方が上」と記者会見で発言していたが、ゴンナパーは「ぜひパワーが勝つかスピードが勝つか見て欲しい。自分が相手よりスピードが遅いのも自覚しています。でも試合当日はどうなるか見て欲しい」とニヤリ。「自分のいつものスタイル通りに戦って、ファンに喜んでもらえたらと思います」と今回もアグレッシブに行くと宣言した。
しかし、最近のK-1・Krushでタイ人選手は苦戦が強いられている。ムエタイトップクラスも、ゴンナパーと同門のゲーオも勝てない状況。そのことを聞かれるとゴンナパーは「同じタイ人として悲しい。でもこれはスポーツなので勝ち負けがあるのは仕方がないこと。自分は自分が勝つごとだけを考えています」と気にしないと言い、「K-1での経験のなさ、ルールに慣れていない。そこが影響していると思っています」とゲーオを除くタイ人選手たちが勝てない理由をあげた。
そして「今年、機会があればK-1の62.5kgのタイトルを懸けて試合をさせてもらいたいです」と、改めてK-1王座獲りを目標に掲げた。