2019年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.20』のセミファイナルで、WKBA世界スーパーバンタム級&KNOCK OUT同級王者・江幡塁(伊原道場)を1R2分46秒、KOに破ったRISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)が、試合後インタビューに応えた。
「1RでKO出来て凄い嬉しかったのもありますし、久しぶりに適性階級に近い体重(56.0kg契約)で試合が出来て凄く調子が良かったのでいい結果になってよかったです」と那須川。
江幡については「一発一発重かったですし、強かったですし、気持ちのこもったパンチでいい攻撃でした」との戦った感想。「江幡選手は強いよ、負けるかもと周りから言われていたので、全部引っ繰り返してやろうと思っていました」と、危機感を煽られたことが燃える要因に。
試合後、江幡には4月からRISEで開幕する『RISE ASIA SERIES 2020 -55kg Tournament』への出場を呼び掛けたという。トーナメントの優勝者は秋に都内で開催予定の『RISE WORLD SERIS Final Round』で対戦する権利を得られる。「トーナメントに来てくれればまたやるチャンスがある。待っています」
圧倒的な力を発揮することができた理由には、「今回は本気で力を抜いてやるのがテーマ、悪魔的な強さを見せようというテーマがあったんです。最近試合前にリキんでいたので、調整方法を変えてリラックスして戦えるようにしてきました。変わったことはやってないけど、イメージを変えたって感じでした。ここ最近リキみすぎだったので、リラックスしていいリラックス状態で力を抜いているのが上手くハマった。試合1週間前の調整方法も変えて、緩い感じで調整したのが上手くいったかなって感じです」と、“脱力”できたことが技の威力につながったと説明した。
それよりも大きかったのは、やはり適性体重に近い体重でできたことで真のスピードや技のキレなどが発揮できたことだと振り返る。
「ブランクは全く問題ありませんでした。試合前から早く試合がしたいって思っていましたね。気分も凄い高かった。勝てる気しかなかったし、倒せる気しかなかった。変な自信と言うか、自信が凄いあった。気を抜かなければ勝てるなって。アップのキレも良くていい緊張感もあった。56kgっていいなって実感できていました。アップの時点でめちゃくちゃ調子いいなって。キレもあるし、動けるし。これくらいの迫力、動き、今年の中でも一番の動きだったと思うので、それが江幡選手だからこそできたのはあります。外国人じゃなくて、日本でも最強と言われた選手だったので、そういう選手とこういう舞台で戦えたのは嬉しい」
今後も適性体重でやりたいのではとの問いには「55kgでやりたいですけど、自分の適性ですが相手がいない問題もあるのでそこは考えながら。身体を大きくして階級を上げていこうとは思っていないんです、今後のこともあるので」と、適性体重では対戦相手がいないのが悩みだとした。
また、短期決戦になったことについては「そういうこともプランの中にありましたが、対峙した瞬間に行けるなっていうのがあった。あと、試合前にアップした時に鼻血が出ちゃって。止まらないと(攻撃を)もらって(試合を)止められちゃうかなと思って早く倒さないといけないと思いました」といった理由もあったと笑った。
試合前に予告もし、実際に試合で見せた2回転しての蹴りは「あれはフィギュアスケートにちなんでアクセルキックです。あれを今回狙っていたので倒せなかったのは残念。でも当たったので凄い衝撃だったと思います」と、アクセルキックと命名。
試合前に言っていた「大晦日の借りは大晦日に返す」と、昨年のメイウェザー戦での屈辱を晴らすような試合をしたいとのことには、「相手はメイウェザーではなかったけれど、去年はここ(インタビュールーム)には来たくなかったですからね。今年は笑顔で行けそうです」と、気持ちが晴れた様子。
今後については「とりあえず終わってホッとしている感じなので、まだ分からないです」と明言は避けたが、「自分が勝ち続けること、輝き続けることかなって。また、今日みたいな試合ができれば。誰も勝てないだろうってくらいの位置に行きたいですね」と、変わらず最強を追及していきたいと語った。
最後には、地上波でRIZINの裏番組である大晦日に放映された『ガキの使いやあらへんで』にも出てていたことを指摘され、「僕のメインはRIZINなのでフジテレビを盛り上げる方なので…話しづらいというか(苦笑)。テレビ業界の掟があまり分からないので、フジテレビで結果を残せたのが嬉しいですね。大会の中で一番目立った試合ができたと思います。いい経験になりました」と、回答に困っていた。12・31「RIZIN.20」の写真と全試合結果