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【修斗】加藤ケンジが齊藤曜に逆転KO勝ち、飯野タテオが牧ヶ谷篤を完封、「格闘代理戦争」木下タケアキが鮮烈KO勝利、野尻定由が新人王に

2019/12/22 17:12
2019年12月22日(日)新宿FACEにて「SHOOTO GIG TOKYO Vol.29 Supported by ONE Championship」が開催された。 ▼メインイベント 第12試合 バンタム級 5分3R×齊藤 曜(同級環太平洋9位/トイカツ道場)61.2kg[3R 1分51秒 TKO]〇加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM)61.2kg※加藤がロープ詰め左フック、右ストレートで逆転KO [レフェリー]片岡誠人[サブレフェリー]豊永 稔 1R 10-9/2R 10-9田澤康宏 1R 10-9/2R 10-9大内 敬 1R 10-9/2R 10-9 メインに登場するのは約1年振りの復帰戦を迎える“ギロチン”齊藤曜(トイカツ道場)。齊藤は2018年の1月大会で世界王者・佐藤将光(坂口道場一族)を見事に完封し判定勝利。 同年5月に平川智也にTKO負け後、11月に王座挑戦のチャンスを掴むも前戦と同様とは行かず将光の牙城を崩せずに敗戦。その後は負傷箇所もあり休養期間を経て、今回満を持しての復帰戦を迎える。 その対戦相手は10月の新宿FACE大会に続きメインを張る加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM)だ。加藤は倒れされずに打撃で相手を仕留めるストライカータイプで昨年新人王のガッツ天斗(パラエストラ綾瀬)との試合でもその戦法をいかんなく発揮。フルマークの判定で退けた。 対する齊藤はその異名の通り相手の首を抱えるギロチンからの展開を得意とする典型的なグラップラーで、粘り強いケージレスリング&スクランブルから様々なトラップを仕掛けてギロチンチョークに持って行く流れは芸術的ですらある。 真逆のスタイルで共に勝利の方程式を持つ両者。複雑な方程式でギロチンへと誘う斎藤か? 単純な数式で分かりやすく相手をぶっ倒す加藤か? どちらが得意の戦法に持ち込めるかが勝負の鍵となるだろう。 1R、サウスポー構えの加藤に齊藤はボディロックテイクダウン。クローズドガードの加藤を持ち上げ再三スラムしパウンドで削る。クローズドを割らない加藤を持ち上げコーナーまで運びパウンドを入れる。 2R、齊藤はセコンドからの「オーソのときはパンチが来る、サウスポーのときは蹴り」のアドバイスを聞きながら詰めて組むと首投げテイクダウン。背中着きクローズドに入れる加藤は下からヒジ狙い。しかし齊藤もヒジを落とす。 3R、詰める加藤は、前蹴り、右ロー。オーソドックス構えから左フックを当て、右ストレート! 齊藤が崩れ落ちた。逆転勝利をきめた加藤は「1、2Rは作戦通りでした。浜松から3時間かけて来ました。これからも応援よろしくお願いします」と語った。 ▼セミファイナル 第11試合 ストロー級 5分2R〇飯野タテオ(同級世界5位/和術慧舟會HEARTS)52.0kg[判定3-0] ※20-18×3×牧ヶ谷 篤(和術慧舟會群馬支部)51.7kg [レフェリー]豊永 稔[サブレフェリー]片岡誠人 20-18(1R 10-9/2R 10-9)田澤康宏 20-18(1R 10-9/2R 10-9)松村 慶 20-18(1R 10-9/2R 10-9) 現在3連勝中と波に乗る飯野タテオ(和術慧舟會HEARTS)がセミに登場。2018年8月の小川竜輔との復帰戦、2019年3月の児玉勇也戦をいずれもKO勝利すると、2019年6月には、木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅を相手に死闘の末、判定3-0で再戦を勝利、リヴェンジを果たしている。 対するは、阿部マサトシ(AACC)の欠場で、牧ヶ谷篤(和術慧舟會群馬支部)が緊急参戦。2011年の第18回全日本アマチュア修斗選手権フライ級3位からプロ昇格。PANCRASE、修斗、GRACHAN、ZSTなどを経て、2019年は修斗ですでに4戦をこなし1勝3敗。田上こゆるに判定負け後、内田タケルにチョークで一本勝ちしており、上位陣との対戦のチャンスをものにできるか。 1R、開始早々、右ストレートでダウン奪う飯野。パウンドアウトを狙うが牧ケ谷も下から腕十字へ。腕を伸ばしかけた牧ケ谷だが飯野もヒジを抜いて上から細かいパウンド。牧ケ谷はガードで凌ぐ。 2R、早々にテイクダウン奪う飯野。下から蹴り上げを効かせてハーフから鉄槌打つ牧ケ谷。しかし飯野もかつぎパス。牧ケ谷は片足を戻す。ハーフから肩固め狙う飯野。 判定は3-0(20-18×3)で飯野が勝利。4連勝を決めた飯野は「自分は一応、世界ランキングに入っていますが、僕の立ち位置、ストロー級で気になっていることがあるんですけど、まだ発言権が無いと思うので、一戦一戦目の前の試合を勝っていきます」と謙虚に語った。ストロー級は世界王者の猿田洋輔が12月に王座を返上。2020年1月26日の後楽園大会で「王座決定戦」として小巻洋平と箕輪ひろばの対戦が決定している。 [nextpage] ▼第10試合 バンタム級 5分2R〇一條貴洋(ブレイブハート)61.2kg[1R 0分18秒 KO]×水島 宏(roots)61.0kg [レフェリー]豊永 稔 一條は2019年7月に田丸匠に腕十字で一本負け後、10月に榎本明に判定負けで、現在修斗で6連敗中。対する水島は2016年のプロ修斗デビューから1勝2敗1分。前戦は2019年10月に岩鬼に判定0-1のドローとなっている。 1R、オーソドックス構えの一條はサウスポー構えの水島に右ストレート! 後方に倒れた水島を見てレフェリーが試合を止めた。 勝ち名乗りを受けた一條は、「2016年に新人王を獲ってから崖っぷちならぬ崖の下にいたんですけどみんなが支えてくれて、全日本獲ったことを……喜んでくれた兄が今年亡くなって(言葉に詰まる)勝ったことを報告できることが嬉しいです。戦ってくれた水島選手、試合を組んでくれた方々ありがとうございました」と涙を流しながら語った。 ▼第9試合 フライ級 5分2R〇鎌田悠介(ピロクテテス新潟)56.4kg[1R 2分33秒 三角絞め]×代輔(秋本道場JungleJunction)56.7kg [レフェリー]片岡誠人 ピロクテテス新潟から誕生したもう1人の新人王(2016年フライ級)の鎌田が充電期間を経て約二年振りの戦線復帰を果たす。秋本道場のレスリングマスター・代輔と対戦する。 1R、代輔がダブルレッグテイクダウン。しかし鎌田は下から三角絞めへ。ヒジを固めてから内側に流し極めた。 復帰戦で勝利した鎌田は「約2年ぶりの試合でした。豪州を自転車で一周してきました。豪州のジムでも出稽古して強くなった実感があります。また修斗に来たいと思っています。外は寒いですけどFACEは熱いのでこの後も応援よろしくお願いします」と挨拶した。 [nextpage] ▼第8試合 フェザー級 5分2R△須貝THE YAMANBA(ピロクテテス新潟)65.6kg[判定1-0] ※20-18,19-19×2△小林孝秀(トイカツ道場/ファイティングラボ新潟)65.4kg [レフェリー]片岡誠人[サブレフェリー]豊永 稔 19-19(1R 9-10/2R 10-9)大内 敬 19-19(1R 9-10/2R 10-9)松村 慶 20-18(1R 10-9/2R 10-9) ピロクテテス新潟から誕生した新人王・須貝は11月24日地元新潟で行われたプロ修斗公式戦「越後風神祭り7」に出場し勝利したばかりだが、今大会への連続参戦を志願。毎回熱戦を展開する藤木龍一郎(和術慧舟會AKZA)と激突する。 1R、須貝のダブルレッグにギロチンを合わせた小林。クローズドに入れて絞るが、須貝も空いた右手でパウンドでブレーク。ボディロックから小外がけでテイクダウン狙う小林。耐える須貝。 2R、小林は低いダブッレッグもがぶる須貝に小林はジャンピングガードに。須貝はインサイドからパウンド。脇差し立つ小林に須貝は首相撲ヒザ。右で差してテイクダウン奪うと、小林はディープハーフからスイープ狙いもパスガードする須貝がサイドに。脇差しからスイッチで立つ小林はボディロックに入るが、正対する須賀が小外テイクダウンで上に。すぐに小林も脇差し立ってゴング。判定は1-0でドローに。 ▼第7試合 バンタム級 5分2R△よしずみ(HAGANE GYM)61.2kg[判定1-0] ※20-18,19-19×2△大越崇弘(TRIBE TOKYO M.M.A.)61.0kg [レフェリー]片岡誠人[サブレフェリー]豊永 稔 19-19(1R 10-9/2R 9-10)田澤康宏 20-18(1R 10-9/2R 10-9)大内 敬 19-19(1R 10-9/2R 9-10) 1R、ともにオーソドックス構え。左で差してコーナーに押し込む大越に体を入れ替えるよしずみは突き放す。大越のダブルレッグを差し上げるよしずみ。大越は離れ際にヒジを狙う。 2R、互いに激しい差し合いから右を振りシングルレッグでテイクダウンは大越。背中着かせハーフから細かい鉄槌もディープハーフからスイープを狙うよしずみが立つ。左右で前進しテイクダウンはよしずみ。しかし大越もスクランブルから立ち両者打ち合いでゴング。判定は1者よしずみも2者ドローでドローに。 ▼第6試合 72kg契約5分2R〇上原 平(リバーサルジム横浜グランドスラム)71.8kg[1R 0分33秒 KO]×水野 怜(roots)72.0kg [レフェリー]豊永 稔 水野の左ミドルを掴んだ上原がテイクダウン。インサイドから強いパウンドを当てると水野が防戦一方に。レフェリーが間に入った。 ▼第5試合 バンタム級5分2R〇鬼神光司(ブレイブハート)61.2kg[判定2-0] ※20-18×2,19-19×三好涼太(総合格闘技道場CROWN)60.9kg [レフェリー]豊永 稔[サブレフェリー]片岡誠人 20-18(1R 10-9/2R 10-9)田澤康宏 20-18(1R 10-9/2R 10-9)大内 敬 19-19(1R 9-10/2R 10-9) 1R、シングルレッグの鬼神に下から腕十字狙う三好は下から鉄槌も。2R、右ロー蹴る三好の蹴り足掴む鬼神。テイクダウンに下から三好はアームロック狙いも外す鬼神。蹴り上げで立つ三好を追う鬼神は再びシングルレッグテイクダウン。インサイドに入りパウンド。亀からシングルレッグで立とうとする三好の腕を刈り、腹固めチョーク&パウンド。判定2-0で鬼神が勝利。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級 5分2R〇木下タケアキ(和術慧舟會HEARTS)65.7kg[1R 0分31秒 KO]×平澤克明(飛翔塾コンドル)65.6kg [レフェリー]片岡誠人 「格闘技代理戦争」でユン・チャンミンを左ハイでKOした木下。前戦は久保村 ヨシTERUに1R KO負けを喫している。平澤は修斗1分1敗。オーソドックス構えの平澤にサウスポー構えの木下は左ストレート当てパウンドラッシュ。 ▼第3試合 2019年度新人王決定トーナメント決勝戦 バンタム級5分2R(延長1R)〇野尻定由(赤崎道場A-spirit)61.0kg[2R 2分43秒 KO]×林 宏仲(パラエストラ岐阜)60.6kg※野尻が2019年度バンタム級新人王に。 [レフェリー]田澤康宏[サブレフェリー]豊永 稔 1R 9-10大内 敬 1R 9-10松村 慶 1R 9-10 1R、詰めてシングルレッグ狙う野尻に右ストレートでダウン奪う林だが、パウンド受けながら野尻はダブルレッグテイクダウン。スイープした林に両者スクランブルで立つ。林のダブルレッグを切る野尻が鉄槌で1Rが終了。 2R、いきなり左右ラッシュからダブルレッグに入る野尻。ハーフガード取る林は下からアームロック狙い。さらに腕十字に入るが、スラムしてヒジを抜いた野尻がパウンドラッシュ! レフェリーが間に入った。野尻がバンタム級新人王に。 野尻はリング上で「ありがとうございます。自分はセンスも運動神経もないですけど、一生懸命頑張ってきました。バンタム級は激戦区ですが、臆することなく入っていきます。これから修斗で一番の選手になるので応援よろしくお願いします」と、たどたどしくも力強く語った。 ▼第2試合 55kg契約5分2R〇高橋“SUBMISSION”雄己(和術慧舟會HEARTS)53.4kg[1R 1分13秒 フットチョーク]×大城匡史(シマジリアンズ)55.0kg [レフェリー]田澤康宏 1R、シングルレッグからジャンピングガードで引き込んだ高橋はインサイドサンカクからヒールフック狙い。背中見せて足を抜こうとする大城が上を取ると、ラバーガードからフットチョークを極めた。 ▼第1試合 バンタム級 5分2R△新井拓巳(ストライプル新百合ケ丘)61.2kg[判定0-0] ※19-19×3△中桐涼輔(トイカツ道場)61.2kg [レフェリー]田澤康宏[サブレフェリー]片岡誠人 19-19(1R 10-9/2R 9-10)大内 敬 19-19(1R 9-10/2R 10-9)松村 慶 19-19(1R 9-10/2R 10-9) 1R、ボディロックからテイクダウン狙う新井。中桐の蹴りがローブローに。再開。中桐の右にフラッシュダウンする新井だがシングルレッグからバックへ飛び乗りリアネイキドチョーク狙い。中桐の正対際にマウントを奪いパウンド。 2R、シングルレッグでテイクダウンは新井。シングルバック、バックマウントからリアネイキドチョークへ。正対し立つ中桐に新井はアームロック狙いで下に。外して立つ新井はシングルレッグへ。しかし切った中桐がダブルレッグテイクダウン、パウンドもタイムアップ。試合は判定甲乙つかずドローに。
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