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レポート

【Bellator】ハワイで地元マクファーレンが4度目王座防衛に成功、ストラッサー起一が判定負け、AJ・マッキーがフェザー級GP準決勝進出

2019/12/22 13:12
2019年12月21日(日本時間22日)、米国ハワイ州ホノルルのブライスデル・アリーナで「Bellator 236」が開催された。 メインイベントでは、地元ホノルル出身のイリマレイ・マクファーレン(米国)とケイト・ジャクソン(英国)によるBellator世界女子フライ級タイトルマッチが行われた。 前日計量では、MMA10戦無敗(+アマチュア5戦無敗)、現在5試合連続フィニッシュ中の王者マクファーレンは、“パイナップル・プリンセス”のコールとともにハワイのレイを首にかけて登場。124.8ポンド(56.60kg)で計量をパス。 チーム・ハリケーン・オーサムと同時に10th Planet柔術サンディエゴ所属でもあるマクファーレンは、スケールの上でシャカのハンドサインから、両手で神聖なるマウナケアの三角形を作ってみせた。 対戦相手のジャクソンは124.4ポンド(56.42kg)でこちらも計量をパス。11勝3敗1分とマクファーレンよりキャリアで勝るジャクソンは、2016年「The Ultimate Fighter Season 23」ストロー級で準決勝進出。後にUFCで朱里を下すアシュレイ・ヨーダを判定で下すもタチアナ・スアレス(8勝無敗)に一本負けでオクタゴンデビューはならなかった。 しかし、その後「British Challenge MMA」での勝利を経て、Bellator参戦。3勝1敗の戦績で王座挑戦にこぎつけた。Bellatorでの唯一の黒星はヴァレリー・レターノーに判定負け。そのレターノーは2018年12月に王者マクファーレンに3R三角絞めで一本負けしており、柔術茶帯のジャクソンとしては無敗の王者に得意とする粘り強い戦いで土をつけたいところだ。 本計量後の公開計量では、マクファーレンがジャクソンの首にもレイをかけ、ジャクソンも用意していたプレゼントを渡すなど、互いに細かい気配りを見せている。 ▼Bellator世界女子フライ級タイトルマッチ 5分5R〇イリマレイ・マクファーレン(米国)Ilima-Lei Macfarlane (124.8) [判定3-0] ※50-45,50-44×2×ケイト・ジャクソン(英国)Kate Jackson (124.4)※マクファーレンが王座防衛に成功 ハワイアンミュージックを歌いながら入場する地元出身のマクファーレン。ブライスデル・アリーナでのマクファーレンの試合は特別だと感じさせる荘厳な雰囲気。 1R、ともにオーソドックス構え。左を振るマクファーレン。最初の組み付きにはジャクソンがヒザを合わせ突き放す。しかし二度目の組み付きに小手巻き投げを狙うジャクソンに右を差して押し込むマクファーレンは小外掛けを合わせてテイクダウン! バタフライガードから腕を狙うジャクソンに鉄槌を入れるマクファーレンが片足を抜く。ハーフから首を抱えるマクファーレンに右で差して立ち上がるジャクソン。そこにギロチンを合わせるマクファーレンだが、がぶりに移行。ヒザを突き上げる。 首を抜き、金網際でヒジを返すジャクソンはスタンドバックに。背後からヒザを突くが左手を差して腰に回したマクファーレンが正対、右ヒジを突いて前蹴りで前進したところでゴング。 2R、左前蹴りで牽制するジャクソン。かわすマクファーレンはいきなりの右ストレートの飛び込み。ジャクソンは左右のローキックを返す。右で差して金網まで押し込むマクファーレン。右アッパー、ヒジも当てるが左で差すジャクソンが体を入れ替える。左腕をしぼって内側に流すジャクソン。腕を差し返したマクファーレンが再び体を入れ替えダブルレッグへ。持ち上げてテイクダウンを奪うと、ジャクソンは左で差して起き上がろうとするがそこを潰して右ヒジを落とすマクファーレン。鼻血を出すジャクソンにかつぎパスからマウント。ジャクソンの左脇を差し上げて絞める。マクファーレンのラウンドに。 3R、ボディロックから小外テイクダウンを狙うジャクソンに小手巻き凌ぐマクファーレン。さらに左ミドルへ。体格で勝るジャクソンは左で差して前進。金網にマクファーレンを押し込むとヒザ。マクファーレンのスイッチ狙いを外すが、マクファーレンも正対。突き放す。右ストレートを当てるマクファーレン! さらに右アッパー、左フックも。ジャクソンは左サイドキック。しかしボクシングで勝るマクファーレンは頭を振って左右で前進。ダブルレッグでヒザ下でクラッチしテイクダウン! 下から左で脇を差してくるジャクソンにマクファーレンは右腕を腹に差し入れて起き上がりを阻止する。 4R、右アッパーカットから組みテイクダウン奪うマクファーレン。バタフライガードから跳ね上げるジャクソンだが、マクファーレンはケージウォークでバランスを戻し上に。バタフライガードのジャクソンを潰し、かつぎパスから亀のジャクソンのサイドに。またいでバックマウントになると前へ落とそうとするジャクソンに腕十字へ。柔術茶帯のジャクソンも腕をロックしまたいで凌ぐ。 5R、右から左の対角に突くマクファーレン。ジャソンも左ミドルを返す。先に組むマクファーレンは払い腰を狙うが、そこはかからないジャクソンがシングルレッグへ。マクファーレンは腰を金網につけて3点で立つとヒジ打ちから突き放す。詰めるマクファーレン。その左を掻い潜り右で差すジャクソン。金網際の攻防で首相撲で回してダブルレッグが強いマクファーレンは中腰でテイクダウン。そしてすぐにマウントとフィニッシュを諦めない。後ろを向くジャクソンに激しいパウンドもジャクソンも凌ぐ。大歓声のなかゴング。両者はハグした。顔を腫らしたジャクソンと綺麗なままのマクファーレン。判定へ。 判定は3-0(50-45,50-44×2)の大差でマクファーレンが勝利。4度目の防衛に成功した。 [nextpage] また、フェザー級ワールドGP準々決勝では、デレック・カンポスとAJ・マッキーが対戦。前日計量では144.9ポンド(65.72kg)で笑顔のカンポスに対し、144.6ポンド(65.58kg)のマッキーはいつものようにスニッカーズを口に銜えてスケールの上でポーズを取っている。 ▼フェザー級ワールドGP準々決勝 5分5R〇AJ・マッキー(米国)A.J. McKee (144.6lb/65.58kg)[3R 1分08秒 腕ひしぎ三角固め]×デレック・カンポス(米国)Derek Campos (144.9lb/65.72kg) 1R、いきなり左跳びヒザを見せるAJ。さらに左ミドルに続いてそのまま低いダブルレッグでカンポスをテイクダウンするとバックへ。アゴ上からリアネイキドチョークを極めにいくがアゴを引くカンポスは極めさせず。 腰をずらし正対するがそのままAJは上に。中腰からパウンドで飛び込んでいく。亀から立とうとするカンポスだが、すぐにバックを奪うAJは両足を胴にボディトライアングルで組むと背後からパームトゥパームでチョークへ。首のデフェンスが堅いカンポスはラウンドの大半をバックを奪われながら首を守った。 2R、今度はカンポスが右の跳びヒザで飛び込み中央を取るが、遠間から左ストレートを当てるAJ! ヒザから崩れるカンポスにパウンドに行くAJ。ガードの中に入れるカンポスは起き上がりもそこにAJはダースチョークを合わせる。首を抜いたカンポスはスクランブルから上に。クローズドガードを取るAJのインサイドから細かいパウンドを放つ。AJは腰を切って腕十字狙いへ。そこは腕を抜くカンポスがそのまま上をキープしパウンド。 3R、圧力をかけて前進するカンポスに最初のダブルレッグのトライでテイクダウンを奪うAJ。蹴り上げで立とうとするカンポスのバックを奪うと後ろ三角絞めの体勢に。三角に組んだままカンポスの左腕を伸ばしたAJがタップを奪った。 [nextpage] また、メインカードのウェルター級戦に、日本のストラッサー起一こと国本起一(20勝8敗2分)が登場。ジャマイカのジェイソン・ジャクソン(10勝4敗)と対戦する。 前日本計量では、ストラッサーが170.1ポンド(77.15kg)でキレのある身体で計量をパス。公開計量では笑顔でスケールの上でガッツポーズを作ると、対するジャクソンもジャマイカの国旗を手にラスタカラーの帽子にサングラス、アロハシャツのまま170.6ポンド(77.38kg)のコールを受け、満面の笑顔。 しかし、フェイスオフでは、ストラッサーと鼻を突き合わせんばかりに近寄り強気なところを見せると、最後は自ら右手を差し出して握手した。 ストラッサーは、UFCで3勝2敗と勝ち越しながら、2015年のニール・マグニー戦と2017年のザック・オットー戦の2連敗で契約解除。2017年12月からRIZINに主戦場を移し、北岡悟に75kg契約で判定勝ち、2018年8月にはウェルター級で住村竜市朗に肩固めで一本勝ちし、2連勝を飾った。その後、2019年7月の「Bellator 224」でBellatorデビューを果たすも、NCAAディビジョン1で3度優勝経験のある強豪エド・ルースに2R TKO負け。今回が再起戦となる。 当初の予定ではウェルター級ワールドGP準決勝進出のネイマン・グレイシーと対戦予定だったストラッサーだが、試合1週間前にジェイソン・ジャクソンに対戦相手が変更となっていた。寝技が武器のネイマンに対し、打撃で圧力のあるジャクソンは正反対のタイプだが、「すぐに気持ちを切り替えた」というストラッサーは、Titan FCでディエゴ・リマを破りウェルター級王者にもなっている強豪ジャクソンを相手に、Bellator初白星を掴むことができるか。 計量を終えたストラッサーは本誌に、「無事に計量を終えることができました。減量も順調にいきコンディションも良好です!」と、その肌艶通りの体調の良さを伝えると、フェイスオフでのジャクソンの挑発について、「公開計量で向き合いましたが、闘志むき出しで良い選手だと思いました。噛み合う試合になると思います」と、落ち着いた様子で、しかし試合に向け気合いが漲っていることを明かした。 最後に、「明日は自分発信で冷静にぶっ倒して勝ちます。日本の皆さんの応援は凄く力になるので、応援宜しくお願い致します」と、受け身にならず、自分の試合をして勝利を掴むと意気込みを語っている。 ▼ウェルター級 5分3R〇ジェイソン・ジャクソン(ジャマイカ/170.6lb/77.38kg)[判定3-0] ※30-27×3×ストラッサー起一(日本/170.1lb/77.15kg) RIZINでの北岡悟戦などが場内のスクリーンに流されたストラッサーが先に入場。セコンドには岡見勇信、岸本泰昭らがつく。続けてジャクソンがジャマイカの国旗を手に入場。エド・ルースに敗れた者同士のサバイバルマッチとなる。 1R、ともにオーソドックス構え。先に右ミドルを当てていくジャクソンが圧力をかけると金網につめて左ジャブから右ストレート! そこに左を合わせにいったストラッサーはカウンターでもらいいきなりダウン! ガードを取るとジャクソンは付き合わず立たせる。 シングルレッグに入るストラッサーだが、切るジャクソン。左ジャブをヒットさせるストラッサーは、ジャクソンの前足にシングルレッグ&小外がけでテイクダウン! すぐにバックを奪うが腰をずらし正対したジャクソンが上に。ストラッサーはガードの中ジャクソンを入れてキムラクラッチ! 足もかけて前転を防ぐが、足を外したジャクソンが2回前転して外すことに成功。 スタンドに戻すジャクソン。左ジャブを当てるストラッサーは。ジャクソンは右ミドルハイ。ガードするストラッサーは組み付くが体を入れ替えるジャクソンは尻下でクラッチし肩に乗せてリフトし前方にスラム! サイドを奪ったところでゴング。ジャクソンのラウンドに。 2R、左から右が伸びるジャクソン。ブロックするストラッサーは右ローをヒット。再び左前足にシングルレッグに入るが切るジャクソン。ジャブ・ストレートで圧力かけるストラッサー。ジャクソンは左をフックから飛び込むとストラッサーも左ボディを当てて飛び込む。左フックが強いジャクソン。シングルレッグを切られたストラッサーはガードを取るがジャクソンは立たせる。 左ジャブをダブルで突くジャクソンは右ハイも。互いに危険な右の突き合いの距離に入っていくストラッサー。さらに詰めるストラッサーはボディロックからバックに回りかけるがそれを差した一本で前方に突き崩すジャクソン。ガードを取って来いとポーズするストラッサーだがジャクソンは付き合わず。 3R、左ローを打ち、遠間から低いダブルレッグに入るストラッサーだが切るジャクソン。スタンドに戻すと互いに左ジャブの刺し合いはジャクソンが長い。近づき小外を合わせようとするストラッサーを突き放すジャクソンは右ハイも。ブロックするストラッサーは右ストレートも浅い。ステップインして右を当てるストラッサーだが続かず。左前蹴りを腹に当てるストラッサー。手数が落ちて来たジャクソン。右ローを当てるストラッサーは詰めると四つ組みに。クラッチ組むストラッサーに頭を下げたジャクソン。ギロチンで引き込むところに前方にジャンプして頭を抜いたジャクソン。 残り時間30秒でインサイドに入り抑え込むジャクソン。残り10秒の拍子木に詰めていくストラッサーだが、右一本で差したジャクソンは後方にすくい投げ! ストラッサーをテイクダウンしたところでゴングが鳴った。 判定は3-0でジャクソンがBellator初白星を飾った。ストラッサーは厳しいBellator連敗に。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)Julianna Velasquez (125.1) [判定3-0] ※30-27×2,30-26×ブルーナ・エレン(ブラジル)Bruna Ellen (125.8) 長身でサウスポー構えのヴェラスケスとオーソドックス構えのエレン。右ミドル、左回りのエレンに、ヴェラスケスは1Rに左ストレートでダウン奪うと、右ジャブ、左ストレート、左跳びヒザ。 左の攻撃が長いヴェラスケスが3Rにも金網に詰めてのクリンチボクシング、ヒジ・ヒザのラッシュも見せて判定3-0勝利。 ▼バンタム級 5分3R〇ラフェオン・ストッツ(米国)Raufeon Stots (135.7)[判定3-0] ※29-28, 30-27, 29-28×シェイデン・レイアロハ(米国)Cheyden Leialoha (135.7) 【Preliminary Card】 ▼フライ級 Preliminary Bout×ネイト・ヨシムラ Yoshimura (125.3)[2R 2分46秒 TKO]〇カス・ダナー Chas Dunhour (125.6) フライ級戦。1R、オーソドックス構えのヨシムラ。サウスポー構えのダナー。右ローで足払いするダナー。ヨシムラも右インロー・左ローを返す。小刻みにステップを踏むヨシムラに、どっしり構えるダナーは右ミドルを打つが、それを掴んだヨシムラがテイクダウン、立ち上がるダナーにボディロックから再び崩すが立つダナーは離れると、今度はダナーがダブルレッグへ。切るヨシムラ。 2R、ダナーの右ローに右ストレートを合わせたヨシムラ! サウスポー構えのダナーは左ミドルをヒット。さらにヨシムラの前進にカンターの左フックを当てて前へ! 金網に詰めて左ヒジを当て、さらに左ヒジでヨシムラがダウン! パウンドにレフェリーが間に入った。 ▼Lightweight Main Card Bout〇Zach Zane (155.9)[判定3-0] ※29-28×3×Nainoa Dung (155.7) ▼Bantamweight Preliminary Bout〇Swayne Makana Lunasco (142.8)*体重超過[3R 3分29秒 TKO]×Kaylan Gorospe (135.9) ▼Welterweight Preliminary Bout〇Ben Wilhelm (168.4)[1R 2分24秒 リアネイキドチョーク]×Keali'i Kanekoa (168.2) ▼Lightweight Preliminary Bout〇Dustin Barca (153.3) [1R 0分58秒 リアネイキドチョーク]×Brandon Pieper (156) ▼Featherweight Preliminary Bout〇Kai Kamaka III (145.9) [判定3-0] ※30-27×3×Spencer Higa (145) ▼Lightweight Preliminary Bout〇Keoni Diggs (155.8) [2R 2分23秒 リアネイキドチョーク]×Scotty Hao (155.2) 【追記】※前日の12月20日(日本時間21日)『Bellator 235』のメインイベントで行う予定だったジョシュ・バーネット vs ホニー・マルケスが、大会当日にジョシュの体調不良により中止に。
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