「The Battle of Muaythai BOM2-6」第1部2019年12月8日(日)東京・NEW PIER HALL
▼第9試合 WMCピン級 2分5R〇伊藤紗弥(尚武会/WPMF・WMC・WBCムエタイ女子世界ミニフライ級王者)判定3-0 ※50-45、50-46、50-45×奥脇奈々(エイワスポーツジム)
世界三冠王・伊藤紗弥が約1年ぶりに復帰、奥脇奈々と対戦した。
伊藤はジュニアキックで“天才ムエタイ少女”として名を馳せ、数々のタイトルを獲得。ほぼ男子選手を相手に勝利を収め、あの那須川天心とも対戦している。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王者を獲得。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界ミニフライ級王座を制覇。
しかし、2018年12月の『KNOCK OUT』で新世代の小林愛三に判定負けを喫し、以後はリングから遠ざかっていた。とはいえまだ20歳であり、ここから巻き返しなるか。戦績は16勝(4KO)3敗2分。
復帰戦の相手・奥脇もジュニアキック出身で、2017年1月にプロデビュー。アグレッシブな打ち合いを挑み、今年6月にはWMC日本女子ピン級王座決定戦に挑んだが、判定で敗れて王座獲得ならず。今回の伊藤戦決定に「過去最強の相手だと思いますが、強い相手と戦えるのが楽しみです」とコメントしている。21歳。
1R、奥脇がローで先制するが、すぐに伊藤が圧力をかけて右ミドルを蹴る。右ローを連発する伊藤に奥脇は右フックをヒットさせた。
2R、細かいステップを使って動く奥脇はサイドキック、ミドルキックを放つ。伊藤は右ミドルを主軸に右ローとヒザ蹴りを的確に当てていく。
3R、蹴りの伊藤にパンチで対抗する奥脇だが、伊藤は歩くように前蹴りとヒザ蹴りを出して前へ出る。伊藤のヒザが次々と突き刺さり、奥脇はフックを繰り出すが距離が遠く届かない。
4Rも伊藤が左ミドルと前蹴りでどんどん前へ出る。距離を詰めるとヒジ打ち、ヒザ蹴りも繰り出す。奥脇のパンチにはパンチを打ち返し、すぐに前へ出て蹴りを見舞う伊藤。奥脇は自分のやりたいことをやらせてもらえない様子。
5R、奥脇の右ローにバランスを崩した伊藤だが、すぐに前へ出て左ミドルと前蹴りを蹴り、奥脇のパンチにはよく伸びるジャブで対抗。さらに右ヒジを直撃させ、レフェリーがスタンディングダウンを宣告。奥脇が打ち合いに行き、伊藤もこれに応じて打ち合いの中、終了のゴング。
伊藤が完勝の形で大差の判定勝ち。復活勝利をあげた。
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▼第8試合 WMC日本ウェルター級タイトルマッチ 3分5R×誠(レンジャージム/王者)TKO 4R 1分06秒 ※ヒジによるカット→レフェリーストップ〇KAZU(GTジム/蒼天塾/挑戦者)※KAZUが新王座に就く。
1R、サウスポーのKAZUは右ミドルを蹴りながら左ストレートを狙う。誠は様子見か。
2R、蹴りからのパンチで順調に攻めていたKAZUだったが、誠のヒザ蹴りをボディにもらってダウン。さらにもつれて倒れ際に顔面へヒザをもらって2度目のダウン。
3R、左フックとヒジでプレッシャーをかけていく誠。KAZUは右三日月蹴りで対抗するがカットしてドクターチェック。ラウンド終盤、KAZUが右の縦ヒジで誠を流血させた。
4R、眉間から流血する誠にドクターチェック。再開後、しばらくしてすぐにドクターチェックとなり、ここでストップ。2度のダウンを奪われたKAZUが逆転TKO勝ちに成功した。
男泣きするKAZUは「チャンピオンになれました。ただでさえ活舌悪いんですが、本当に嬉しいです。何を言っていいのか分からないのでありがとうございました。名前だけでも覚えていってください」とマイクアピールした。
▼第7試合 WMC日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R×リク・シッソー(トースームエタイシンジム/王者)KO 4R 2分58秒 ※右飛びヒザ蹴り〇梅沢武彦(東京町田金子ジム/挑戦者)※梅沢が新王座に就く。
1Rは蹴り合い。梅沢が左右ミドルとローを蹴り、リクはじっくりと相手を見た。
2R、梅沢は左ミドルに手応えを感じたか、前蹴りとパンチでもボディを攻める。常にロープやコーナーを背負うリクは見栄えが悪い。終了間際、右ハイで梅沢がダウンを奪う。
3R、リクは左ヒジ狙いだが、梅沢がバンバンと蹴りを放つ。左ミドルが強烈に決まり、リクは前へ出られない。
4Rは前に出るリクを梅沢が前蹴り、左ミドルで押し戻す。次第に手数が少なくなるリクに梅沢の左ミドルが何度も決まる。そして試合終了間際、梅沢の右飛びヒザ蹴りが炸裂。吹っ飛ぶようにダウンしたリクを見て、レフェリーが即座にストップ。梅沢がKO勝ちで王座奪取に成功した。
梅沢はマイクを持つと「めちゃめちゃ嬉しいです。いろいろな人の支えがあって獲れました。会長と会長の奥さんにお礼を言いたいです」と様々なお礼だけを述べた。
▼第6試合 WMC日本ライト級タイトルマッチ 3分5R×伊東伴恭(LAILAPS 東京北星ジム/王者)判定0-3 ※47-49、48-50、48-50〇雅 駿介(PHOENIX/挑戦者)※雅が新王座に就く。
1R、サウスポーの伊東は左の蹴りを多用。雅はジャブを出しながら前へ出ていく。
2R、伊東は左ハイで先制し、前に出てくる雅に左ミドルを合わせに行く。雅はジャブで詰めながら前蹴りとヒザでボディを攻めつつ、パンチを繰り出す。
3R、序盤は膠着状態が続いたが、雅が右ボディを連続ヒットさせ、伊東が組み付いてくるとヒジを見舞う。
4R、雅は右ミドルを連打したかと思えば、ジャブと右ストレートを当てていく。伊東も蹴りを繰り出すが前に出る雅のヒザを連続でもらう。
5R、雅が手数を出してジャブ、右ストレートとパンチを当てに行く。ここで大きな差が生まれたが、伊東も最後の30秒は打ち合いに行って試合終了。判定3-0で雅が3本目のベルトを手にした。
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▼第5試合 WMC日本スーパーバンタム級タイトルマッチ 3分5R×MAIKI FLYSKY GYM (FLYSKY GYM/王者)判定0-2 ※48-49.49-49、48-49〇加藤有吾(RIKIX/挑戦者)※加藤が新王座に就く。
両者は過去に対戦し、加藤が勝利している。
1R、サウスポーからミドルとローを蹴るMAIKIに加藤はパンチを返していく。序盤は見ていたMAIKIが後半は蹴りを当てに行き、加藤は入りにくそう。
2R、序盤はMAIKIが左ミドル&左ローでペースを握るが、中盤からは加藤が必ず連打でパンチを放ちヒットを奪っていく。前へ出るのは加藤。
3Rも左の蹴りを上中下と蹴り分け、左ストレートも突き刺してくるMAIKIに、加藤は組んでの投げで応戦。加藤の左フックが連続ヒットするも、MAIKIはすぐに蹴りで反撃。
4Rは試合が大きく動いた。加藤の右ストレート、左フックがヒットし、加藤がラッシュ。MAIKIもヒジを打ち返すが加藤は連打からの投げで優勢を印象付ける。
5R、逆転を狙って前へ出るMAIKIに加藤は苦しそうな表情を浮かべながらも下がってパンチを出す。それでも時折連打を出して左フック、右ストレートをヒットさせ、最後もラッシュをかけて試合終了。判定2-0で加藤が勝利、師匠である元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者・石井宏樹がその腰にベルトを巻いた。
加藤はマイクを持つと「MAIKI選手は本当に強くてぎりぎり何とか勝てました。今日みたいな試合ではまだアレですが、最近仲良くなってしまったんですが朝陽選手とやってみたいです。今の実力ではダメですがいつか朝陽選手とやってみたいです」と、朝陽・PKセンチャイジムへの対戦に名乗りをあげた。
▼第4試合 WMC日本フェザー級タイトルマッチ 3分5R〇佐野貴信(創心會/王者)判定3-0 ※49-47×3×松本龍斗(京都野口ジム/NJKFフェザー級王者/挑戦者)※佐野が初防衛に成功。
1R、佐野は得意の右ミドルから右ローに手応えを感じた様子。松本はローを返しつつ、右ヒザを放つ。
2R、佐野は右ローと左フック&右ストレートで自分の距離を保ちつつ攻める。松本は離れては不利と見たか、組んでのヒザ蹴り。
3R、前に出て組んでくる松本に佐野は前蹴り、左ミドル、右ストレートで迎え撃つ。両者とも手数は少なめ。
4Rも下がって距離を取る佐野と前へ出て蹴りながら組みに行く松本。佐野は足払いでコカしに行き、松本は右ストレートをヒットさせる。
5R、佐野は左右ミドルと前蹴りで距離を取り、松本の蹴り足をキャッチしてコカす。松本はどんどん前へ出てヒジから組んでのヒザ。残り30秒で松本が左目まぶたをカットすることに成功し、佐野は流血するが蹴り続け、判定勝ちで初防衛に成功した。
佐野はマイクを持つと「3日後、僕は誕生日なんですが、お父さん、お母さん、僕を頑丈な身体に産んでくれてありがとう」と両親にお礼を言った。
▼第3試合 WMC日本 スーパーバンタム級 3分3R△大野貴志(士道館 新座支部/WMC日本スーパーバンタム級王者)ドロー 判定1-1 ※28-29、29-28、29-29△昭彦(尚武会)
▼第2試合 WMC日本ミニフライ級 3分3R×中野伊織(ウォーワンチャイプロモーション)判定0-3 ※28-29×3〇天馬(WSR)
▼第1試合 WMC日本スーパーフェザー級 3分3R△大滝真吾(レンジャージム)ドロー 判定0-1 ※28-29、29-29、29-29△聡之晟 (TSK japan)