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2026年10月31日(日本時間11月1日)米国ネバダ州ラスベガスのMETA APEXにて『UFC Fight Night: Moicano vs. Nolan』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)が開催された。そのメインイベントで行われたライト級(5分5R)の2R目に起きた、ヘナート・モイカノのバックからのボディトライアングル(4の字ロック)でのレフェリーによる「ブレーク」が物議をかもしている。
▼ライト級 5分5R
〇トム・ノーラン(豪州)12勝1敗(UFC 6勝1敗)※UFC6連勝 155.5lbs/70.53kg
[3R 1分28秒 TKO] ※左ヒザ→パウンド・ヒジ
×ヘナート・モイカノ(ブラジル)21勝8敗1分(UFC 13勝8敗)156lbs/70.76kg
モイカノは、22年11月からブラッド・リデル戦からドリュー・ドーバー、ジェイリン・ターナー、ブノワ・サン・デニ戦まで4連勝。しかし、25年1月にアルマン・ツァルキャン欠場の代役で緊急参戦したイスラム・マハチェフとの王座戦で1R ダースチョークで一本負けで連勝ストップ。
さらに、6月のベニール・ダリウシュ戦では先にダウンを奪うも、打撃・テイクダウンで劣勢となり判定負けで2連敗。20勝中10の一本勝ちを誇るMMAグラップラーで25年11月にはACAで3連勝中のユサフ・アイゾフと『ACBJJ 19』グラップリング戦でテイクダウンを受けて下になり判定負けも、26年4月のUFCでは、クリス・ダンカンと対戦。ダンカンの右に左を当ててダウンを奪うと、リアネイキドチョークで一本勝ちしている。37歳。
ノーランは、MMA10勝1敗(5KO・1一本勝ち)、UFC5連勝中。ラグビーがバックボーンで、身長188cmの長身で長いリーチを活かした打撃を武器とする。23年のDWCSで1R TKO勝ちで、24年1月にUFCデビュー。ニコラス・モッタに1R TKO負けを喫したが、24年5月のUFCでビクター・マルティネスに1R TKO勝ちすると、アレックス・レイエス、ヴィチェスラフ・ボルシェフに判定勝ち、25年9月にUFC2勝0敗のチャーリー・キャンベルと対戦、1R リアネイキドチョークで極める初の一本勝ちでUFC4連勝に。26年6月の前戦では、UFC6連勝中だったファレス・ジアムに判定勝ちでUFC5連勝をマーク。26歳。
試合は、1Rから打撃で攻めるノーランに対し、モイカノがダブルレッグテイクダウン、ボディトライアングルを組んでリアネイキドチョークを狙い、立ち上がるノーランがモイカノを背負って首を守る展開からスタート。
Neither is backing down 👊@MoicanoUFC & Tom Nolan are going back and forth!
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問題の2R、ノーランの左をかわしたモイカノはボデイロックからバッククリンチで回してテイクダウン。バックからすぐに足を差し入れ、胴に足を4の字ロック=ボディトライアングルを組んだ。
これまでオクタゴンでUFC歴代3位タイの7度のリアネイキドチョークを極めているモイカノにとって、優位な体勢。
日本の平良達郎も得意とするおたつロックでヒザ裏に二重にからめれば向き直りを許さず、無理に正対しようとすれば、第10試合でコディ・ダーデンが勝利の決め手としたツイスター等も狙える形だ。
現代MMAのバックで最も強力なポジションと言われる形から、モイカノはリアネイキドチョークを狙う。ノーランは時折、脇を潜りながら首を守り、モイカノが4の字に組んだ足の太腿にヒジを落とした。モイカノも背後から細かいパンチも、ヒジを腿に突くノーランは何度かレフェリーを見て、何かをアピール。しかし、モイカノも脇下からこつこつパンチ。
How did you feel about Dan Miragliotta standing up the fight here?
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場内から時折ブーイングも起きるなか、モイカノは背後から頭、脇腹にパンチを打ち分ける。ノーランがモイカノの腕を掴んで動きが止まったところで、ノーランがまたもレフェリーを見やると、ダン・ミラーリオッタ レフェリーはブレークを命じる。
目を見開いて驚きの表情を浮かべるモイカノ。
TOM NOLAN IN RD2 👀
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スタンドで再開。ノーランは左の蹴りの上下に打ち分け、三日月蹴りを効かせると、モイカノの組みにカウンター左ヒザ! 鼻血を出して倒れたモイカノにパウンド・鉄槌連打。モイカノは何とかケージで立ち上がるもスラムされて大きなダメージを負っている。
流れが変わった2Rのブレーク後のノーランの猛攻撃。
ESPECTACULAR ⚠️
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Este es el resumen del segundo e intenso round 🛑#UFCVegas123 | Estamos en vivo por @PPlusDeportes pic.twitter.com/GnfY0cyQtH
3Rも左ストレート、ヒザを被弾しながらもモイカノは組んでボディロックからテイクダウン。バックに回り、左足を胴に巻くが、右足と4の字で組む際で、今度はノーランが前転でグランビーロール。トップを取り返すとパウンド連打、ハーフでヒジ連打を被弾するモイカノを見て、レフェリーが間に入った。
このボディトライアングルでのブレークは、日本のファンにとっては、2月のLFAで上久保周哉(頂柔術/TRY H Studio)がハファエル・ド・ナシメントと対戦したときにも起きており、物議をかもしたレフェリングだ。
メインイベントで劇的決着‼️
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トム・ノーランがTKOで激闘を制す😤👊#UFCVegas123
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解説のダニエル・コーミエーは、試合後、「何が一番問題かって、僕が(モイカノを)好きだからとかそういう理由じゃなくて、あのポジションにたどり着くことがいかに難しいかってことなんだよ。本当に圧倒的な支配ポジションだよね。それに彼は殴っていなかったかもしれないけど手を伸ばし、ハンドファイトをしてチョークを狙っていた。あれこそがやるべきこと。あれはアクティブと言える状態だ」とブレークに異議を唱えた。
同じく解説のローラ・サンコも、「あのポジションでずっとそこに座って、ずっとパンチを打ち続けるなんてことはできない。そのスポットに到達すること自体が、グラウンドでのポジションを進めているということなんだから」と同意。
Daniel Cormier on Dan Miragliotta standing up the fight:
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"I just don't think a ref should take anybody out of mount, ever. Should never take anybody off the back like that. I just don't think you take those type of positions and change it. They're just too dominant." pic.twitter.com/TWjUmvAS2H
続けてコーミエーは「だからこそ、誰もがそのポジションに行けるわけじゃない。たどり着くのがそれほど難しいからさ。(ATT)コーチのパルンパ(パルンピーニャ)が顔を覆ってレフェリーに話しかけているのを見たか。“自分が何をしたか分かっているのか”って感じでね。どんなポジションだって引き離す(ブレークする)ことはできるかもしれないけど、レフェリーがどんな状況であれマウントから選手を引き離すべきじゃないと私は思う。バックからあんな風に引き剥がすなんて絶対にすべきじゃない。あんなタイプのポジションをそのまま変えさせてしまうべきじゃない。あまりに支配的すぎる」と語った。
試合後、右腕をアイシングして会見に現われた26歳のノーランは、この場面について「ちろんモイカノが背中に張り付いている時はめちゃくちゃ重要だ。彼が花道に出てくる時、スクリーンに彼のスタッツが表示されているのを読んでいたんだ。UFC史上3番目に多いリアネイキドチョークで極めている記録だったと思う。だからもちろん、彼が僕の背中に乗ってきたとき、最初のゲームプランはボディトライアングルをエスケープすることだった。でも第2のゲームプランは、そこで賢く立ち回ること、自分には25分間(5分5R)の持ち時間があるということを知っておくことだったんだ。
それに、彼は相手のミスにつけ込むのが上手い。本当にベテランだからね。あそこで彼は人々を捕まえるんだ、例えば脱出しようと必死になりすぎたりとか、あるいは前回の彼の試合みたいに、ダンカンがあのようなヒジ打ちを放って捕まってしまったようにね。だから、ただ25分あるということ、毎ラウンドがまたスタンドから始まるということを分かっていたんだ。あのパンチをヒットさせる場所が必ず見つかると分かっていた。だから、そう、そこで冷静さを保ち、安全を維持し、あまりダメージを受けないようにした。それに、ヒザへのヒジ打ちを活用したんだ。スタンドにいない時は、彼の足を攻めたいと思っていた。下から彼の足をズタズタにしてやりたかったんだ。
もちろんスタンドにいる時は前足を蹴って、彼の足を機能させなくしてやろうとしていた。でもね、チャンスを見つけたんだ。本当はゲームプランの一部じゃなかったんだけど、彼の足が見えて、“おっ、これはローキックと同じだな? この足をメチャクチャにしてやろう”と思ってね。そして、かなり深刻なダメージを与えることができた。正直、彼がよくあのボディトライアングルをキープし続けられたなと驚いているよ。彼の太ももにあのヒジをガンガン打ち込んでいたからね」と、自身の対応を説明。
さらに、「まあ……はっきりさせておくと、レフェリーと話していたとき、僕はスタンドアップを求めていたわけじゃないんだ。彼は僕の後頭部を殴っていたんだよ。僕はただレフェリーに伝えていただけなんだ、彼は僕の頭を前に固定して左手を振り上げ、後頭部を殴ってきているってね。だからダンにこう伝えていたんだ、『おい、ルールでは後頭部への打撃は禁止だろ?』ってね。それがルールじゃなければ構わないけど、ルールなんだからさ。だから、何とかしてくれよって。僕が後頭部を殴られているのをただ見つめているんじゃなくてさ。意味わかるだろ? だから僕はレフェリーにそう言っていたんだ。『レフェリー、彼は僕の後頭部を殴っている。正面からの攻撃なら問題ない、どんどんやってくれ。でも後頭部を殴らせるな』ってね。――あそこを打つのが危険な場所なのには理由があるんだ。あそこを殴ったら人を殺しかねない。だから僕はその話をしていたんだ。スタンドアップを求めていたわけじゃない。さっきも言ったように、僕には戦うための5ラウンドがあった。もし彼が背中に乗っていたという理由でそのラウンドを落としていたとしても、僕は完全に納得していたさ。レフェリーが試合を立たせたことなんて僕には関係ない。僕のせいじゃないんだからさ。
(過去のケースを見ると、レフェリーはもう少し様子を見ることが多かったような気がしますが、あんなに早く起きたことには驚きましたか?)いや、僕は試合の真っ最中だからね。そんなことすら……ただ言われた通りにしただけだよ。『立て』と言われたから立ったんだ。『嫌だ、マットの上に残ろうぜ』なんて考えて座り込んでいたわけじゃない……。それに、個人的な意図なんて何もないよ。言われた通りにしただけだ。レフェリーが立てと言ったから、立ったんだ」と、試合中のレフェリーのアピールは後頭部打撃についてのものとし、ブレークについては、当然、自身の問題とは関係ないと語っている。
「膠着」をどうとらえるか。多くのフィニッシュは、そこに持ち込む位置取り、動きのセットアップの末にKOや一本がある。絶対的なドミネートポジションからのブレークは、少なくともレフェリーから事前に「動きがなければ止める」と注意があってしかるべきだ。
UFCでも起きたボディトライアングルからのブレークで議論が起きたことは、今後のMMAのレフェリングに影響を及ぼしそうだ。





