MMA
インタビュー

【PANCRASE】南アフリカから衝撃のボカンに続く柔道家ビコが来日「生きるためにMMAを選んだ」=12月8日(日)新木場

2019/12/05 22:12
2019年12月8日(日)東京・新木場のスタジオコーストで開催される「PANCRASE 311」に向け、フライ級で秋葉太樹(総合格闘技道場Reliable/4位)対戦するルサンド・ビコ(PESFA/南アフリカ)が来日。5日に西新宿のHIDE'S KICKで公開練習を行った。 柔道で、2013年アフリカ選手権シニア-60kg級で7位、2014年アフリカンオープンポートルイスで5位、2016年コモンウェルス柔道選手権男子シニアで優勝するなど活躍し、MMA転向後、6勝2敗の戦績を挙げているビコ。 この日の公開練習では、スタンドサイドについての大腰、引手を取っての大内刈、背負いから小内刈の連携などの柔道技に加え、打撃で相手を詰めてのニータップ、ボディロック&小外がけ、がぶりからのシングルレッグなど、レスリングと融合させた見事な投げ技を披露。腕十字などの極め技まで見せた。 「柔道では生活できなくて生きていくためにプロのMMAファイターになった」というビコは、7月のPANCRASEで豪快な投げの連発でインパクトを残し、ONE Championship行きを決めたレスリング出身のボカン・マスンヤネ(※12月6日のONEマレーシア大会で澤田龍人と対戦)に続き、南アフリカ旋風を巻き起こすか。 ▼第7試合 フライ級 5分3R秋葉太樹(総合格闘技道場Reliable/4位)10勝8敗1分ルサンド・ビコ[Luthando Bico](PESFA/南アフリカ)6勝2敗 ──柔道出身のルサンド・ビコ選手は初来日でしょうか? 「日本に来るのは2回目です。2015年に南アルリカの柔道代表として東海大学に合宿で来ました。とても美しい国で、人々はフレンドリーで好きな国です。そこにはUAEやウクライナ、英国などからも選手が参加していて、200人くらいの選手がいました。南アルリカからは4人だけ参加しました」 ──柔道のキャリアについて教えてください。 「7歳から柔道をはじめ南アフリカ国内で優勝し、コモンウェルス(2016年コモンウェルス柔道選手権男子シニア優勝)、アフリカ選手権(2013年シニア-60kg級7位)などに出ています。2015年からMMAを始めましたので、20年近くやってきたことになります」 ──MMAを始めたきっかけは? 「2015年に初めてのアマチュアMMAの試合を行って、このままMMAをやっていきたいと思いました。南アフリカには自分以外にも柔道の強い選手はいます。国内王者でも柔道を続けるには資金が必要で、いつもそれを自力で作ってきました。トレーナーなどもやりましたが将来が見えませんでした。ですから、プロとして生きるためにMMAを選びました」 ──主戦場としてきたEFCはかなり大きな団体のようなのですが、南アフリカでどんな団体ですか。 「EFCはアフリカ最大のMMA団体です。ボカンや私など地元のいい選手を発掘してくれていると思います」 ──プロデビュー戦となった2017年3月の「EFC Worldwide 57」で同国のボカン・マスンヤネと対戦し判定負けをしていますね。当時の印象は? 「プロデビュー戦でしたし、当時の僕には大きな挑戦でした。また、自分にとっては慣れない高地での試合(ヨハネスブルクから東のブラックパン、標高5,300メートル)でしたので、1Rでスタミナ切れを起こしてしまいました。それに、自分より小さな選手(プロフィール上は身長150cm。ボカン・マスンヤネより5cm低い)との試合は初めてで、レスリングの強いボカン相手に柔道技を出すのはとても大変でした」 ──同じ階級でもほかの選手のほうが身長が高いことで、小さな選手であることの利点を感じたことはありますか。 「相手にとってはパンチが当てにくいと思います。ボカンはプロフィール上は僕の方が小さいのでしょうけど、少し僕の方が大きかったかな。でも、ほぼ世界一小さなMMA選手と言っていいと思います(笑)」 ──現在もマスンヤネ選手と交流はありますか。 「ボカンはとてもいいファイターで友達です。PANCRASE参戦が決まったときもFacebookとかでチャットで話して、PANCRASEのことや、いろいろ日本のいい想い出話を聞きました。彼の日本での試合も見て、とてもいい仕事をしていて、南アフリカの誇りだと思いました」 ──マスンヤネ選手はビッグインパクトを残しました。ビコ選手も? 「自分とボカンのファイトスタイルは違いますが、初めての日本でファンは僕のスタイルを知ることになると思います。柔道、柔術、キックボクシング……持てるテクニックをすべてを出したい。みんなを魅了したいと思います」 ──マスンヤネ選手はPANCRASEでの1試合でONE Championship行きを決めました。彼に続きたいという気持ちもありますか。 「最初は自分のキャリアを積むことに集中したいです。ここPANCRASEでチャンピオンを目指して戦いたいです」 ──柔道からMMAに転向し、どのようにアダプトしましたか。 「柔道でたくさんの動きを学びましたが、そのほとんどが活かされています。今回の試合でも、もちろんチャンスがあれば発揮したいです」 ──今回の公開練習では大内刈を見せましたが、ほかにも柔道技でMMAで得意としている技は? 「基本的には足技が好きですが、オオウチガリ、コウチガリ、ササエツリコミ……などを使っています。オオソトガリ、それに柔道技ではありませんがスピニングエルボーが好きです(笑)」 ──飛行機投げやボディロックでのテイクダウンも見せました。レスリングの専属コーチなどもいるのでしょうか。 「レスリング専任はいなくて、いまいるコーチにレスリングを教えてもらっています。シングルレツグ、スープレックスなどが好きです」 ──柔道出身のMMAファイターで参考にしている選手はいますか。 「うーん……ロンダ・ラウジーですかね。元柔道家として参考にしています。ほかにはあまりいません(笑)」 ──対戦相手の秋葉太樹選手の印象は? 「秋葉のビデオはもちろん見ました。とてもいいファイターです。自分にとってこの試合は新しいチャレンジだと思っています。勝ちたいです」 ──どんなフィニッシュが理想ですか。 「KOで勝つのが最高です。初めての日本でみなさんが喜ぶ試合をしたいと思います。楽しみにしていてください」
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