2026年9月12日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館にて開催された『K-1 WORLD MAX 2026』。
第8試合のK-1 WORLD GPスーパー・ライト級(-65kg)タイトルマッチで、挑戦者アラッサン・カマラ(セネガル)を判定3-0で破り、初防衛に成功した朝久泰央(朝久道場)が試合後インタビューに答えた。
朝久は1R序盤から猛攻を仕掛け、カマラと真っ向勝負。フルラウンド攻め続ける試合をした。その理由とは?
顔が吹っ飛ぶかと思った
――試合を終えて率直な感想をお願いいたします。
「リング上で話した通り、勝利の喜びはあるんですけど、なんかブラザーを傷つけたような…。(昨日の計量時に)今日まではブラザーで、試合の時だけは敵だねって言ったけど、試合で勝敗が出た後もカマラ見てるとなんか悲しい気持ちになっちゃって。嬉しいよりほっとしたというか、儚いというか、そんな気持ちでいっぱいです」
――試合前と試合終わった後で印象の違いはありますでしょうか。
「殴り合いだけは避けた方がいいかなと思ったんですけど、1Rにちょっとパンチをもらって“わっ、めっちゃパンチあるな”と思ったけれど、途中からは打ち合いでも勝てるなと思ったんでノーガードにした瞬間もありましたし、殴り合いやってやろうじゃないかという気持ちがありましたね」
――今回想定していた作戦プランを教えていただけますでしょうか。
「技術に走った、この攻防凄いねっていうのがキックボクシング界で多い中で、もうちょっと野生的な強さを見せたいと思ったので、殴り合いだったり蹴り合いだったり、野野的に行きたいなと思ったんですけど。その中で倒すのを目標としてたんですけど、そこは思ったように行かずに倒すことはできなかったなっていうそんな感じですね」
――今回過去最強の相手とも言われているカラを倒したことをどのように思っていますでしょうか。
「カマラも70kgで戦っててフェルドンクと延長まで行ったりとか実績のある選手だったんで、そこでこうやって70kgとか先を見据えていく中で、全然ちゃんと鍛えていけば70kgとかでもいけるんじゃないかっていう手応えも感じました。今の身体ではまだ70kgから劣る部分があると思うんで、そういうところが感じましたね」
――試合を重ねていくにつれて70kgへ向かっていくという解釈でよろしいでしょうか?
「そうですね。70kgって今海外からこうやって集まってくる中で、日本人誰がいるのかと言うと松本選手も頑張ってますけど、誰もいないから松本っていう空気感も感じてるんで。より世界路線として行く中で、65kg以上が特に海外勢が強い。62.5kgとかもちろん強いですけど、65kg以上が特に層の厚い階級になってくるんで、そういうとこを見据えていきたいなって思いますね」
――カマラとは試合後、何か話すことはありましたでしょうか。
「めちゃくちゃ強いなみたいな、ラブ・ユーみたいな感じでありましたね。いま試合が終わってみると、向こうも殴ってごめんねじゃないけどそんな優しさもありましたし、好きなヤツよりバカみたいなヤツを殴る方が気持ちいいですね。遠慮なく殴ってざまあ見ろっていう感じで終われるんで。あまりこういう好きなヤツとはやりたくないですね。気持ちが自分甘いから」
――フルラウンド攻め込んだとは思うんですけど、そこでもKOを逃したというのは単純にカマラ選手がタだったからですか?
「そうですね。逆にスポーツ的なとこで戦えれば、もっと倒す隙とか自分突けれたと思うんですけど、カマラ相手にそういう点取りゲームじゃないけど隙を突いてポコっと倒して『はい、勝ちました』っていうのよりも、殴り合いで勝つことにこの戦いの意味があると思った部分もあったので。極力殴り合いしたいなというか、自分の欲が出てしまったというか、そんな感じでありましたね」
――自分のやりたい動きはできたんですか?
「いや、全然ですね。なんかさせてもらえなかった。そこを超えた闘争心を感じたからそこに付き合ったというか。作戦は多少ありましたけど、殴り合いで勝つことに自分の成長というか生き甲斐を感じるなと思ったので、それを望んだところがありました」
――ちょっと顔が腫れてらっしゃるみたいですけど、結構もらった感じですか?
「いい男になったでしょう(笑)。カマラにいい感じでメイクしてもらったみたいな感じで。1Rでパンチ力どんなもんかなと思ったら、顔が吹っ飛ぶかと思いました。めっちゃ威力ありましたね」
――今日は第1部でチャンピオン交代が続いたじゃないですか。嫌な流れだなみたいな感じはしてましたか?
「(横山)朋哉くんと後半戦の前に、チャンピオン負け続きだから、この中で俺らチャンピオンで勝ちの流れに持ってこうぜって2人で声をかけ合ったりもあったので。7代目スーパー・フェザー級王者の朋哉くんが7試合目、8代目スーパー・ライト級チャンピオンが8試合目みたいな感じで。7・8でこれは勝つ流れだからって、ポジティブな流れに変えていったっていうのはありますね。
自分はチャンピオンが交代したっていう言い方はあまり好きじゃなくて。石田(龍大)くんも勝負を仕掛けた瞬間に散ったりとか、(里見)柚己もしょっぱな仕掛けていっての逆転負けとか、チャンピオンとしての姿を見せたと思います。中でも金子(晃大)くんが負けた時に、金子くんが自分と同じ境遇というか似てるなと思うところがあって。彼からはすごい孤独を感じるというか、地獄の中で一人でもがいてるようなそんな感じがするので。交代したっていうか挑戦者がより頑張っただけで、散ってしまったチャンピオンもこれからまた返り咲いてほしいなという。K-1っていう団体にいることが誇らしいと思えるようなチャンピオンたちだったなと思いますね」
――孤独を感じるっていうのは朝久選手も孤独なんですか?
「そうですね。違いますかね」
――仲間に恵まれてる感があるんですけど。
「なんか敵ばかりな感じしませんかね、自分。もう負けたらカスみたいな人生なんで、自分の場合は。でもその中でハチ…今日、小さい豆柴(のぬいぐるみ)ずっとお守り代わりに持ち歩いてたんですけれど、いざ勝って引き上げてる時に、そのハチのぬいぐるみがい なくなっちゃって。探したけどいないから ハチも自分のバカみたいな殴り合いだった かもしれないけど、満足して会場をうろついてんのかなというか、そんな感じでありますね。孤独というか、そういう和やかな空気も感じたというか。いろんな感じはあります」
――ぬいぐるみ、なくしちゃったんですか?
「なくしちゃいました。昨日持ってたやつを今日も持ってて、リング上で、ハチ勝ったよみたいな感じでトロフィーに一緒に付けて行ったんですけど、控室にトロフィーを置いたらもうそこにハチがいなくて。ハチは食べるのが好きだったんで、ご飯食べに行ったのかなっていうか。寂しいですけど、また会えたらなと思います」
――見つけた方は連絡してほしいですね。
「はい、是非また戻してください」
――最後にファンの皆様へメッセージを。
「たくさん応援していただいてありがとうございました。いろんなアンチの声ももちろん起爆剤として力になりますし、こういったとこで奮い立たせてくれるのもみんなの応援があってこそだと思うので。K-1だったりいろんな団体がある中で、ここで必要なのって『K-1最高』っていうか、それももちろん大事ですけど『K-1ナメんじゃねえぞ、クソ野郎』ぐらいの、それぐらいの攻撃性と突き抜けていくものが必要だと思ってるんで、そういった突き抜けた強さを求めて頑張りたいと思います。また会いましょう。やったぜベイビー」