2026年9月12日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX 2026』にて、【株式会社 torio PRESENTS】K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ3分3R延長1R]で対戦する王者・朝久泰央(朝久道場)と挑戦者アラッサン・カマラ(セネガル&フランス/Emergence Le Havre)のインタビューが主催者を通じて届いた。
朝久「1秒でも早く倒しに行きます」
朝久は、24年12月にRIZIN大晦日大会でYURAから勝利。25年5月もRIZINに参戦し、ウザ強ヨシヤからTKO勝ち。7月はK-1でダニラ・クワチから勝利し、11月に稲垣柊を破り第8代K-1 WORLD GPK-1スーパー・ライト級王者となった。今年4月のRIZINではシンパヤックから1RKO勝ちを収めている。今回が初防衛戦。
――カマラ選手を相手に初防衛戦をすることになりました。
「自分では、もう次はカマラになるだろうなって思っていました。決まった瞬間は、やっぱりそうなるよねという感じでしたね」
――カマラ選手の試合を見て強いなと思っていたということですか?
「もちろん、強いとは思ったんですけど、逆に彼以外に該当する選手がいないんじゃないですか。みんなの知ってる相手だとカマラになるだろうなと思ったし、そうじゃないなら初来日の海外選手になるだろうなと思っていました。でも、カマラとやるつもりでいましたね」
――カマラ選手の前回の佐々木大蔵戦は、ジャブというか左ストレートで倒していますね。
「いや、そんなもんだろうなって思いましたね。なんか、みんな大蔵選手を崩してるとか、技巧派に対してっていうけど、大蔵選手の何が技巧派なのか正直俺には分からない。それに勝って、いやカマラやべえなって。そのやべえなの意味が、逆にお前らの頭大丈夫? っていう感じですよ」
――すみません…。
「でも、シンプルにカマラのジャブが良かったですね。その2人の試合の次の日に自分がちょうどRIZINで試合があったので、計量の合間に見るという感じでした。いいジャブだなと思ったし、個人的に敵としては見ていますけど、カマラは“ブラザー”と言ってよく声をかけてくれるくらいなんですよね」
――そうなんですか。
「自分は、あまりどちらのカマラか見分けはつかないですけど…。でも、『ブラザー、めっちゃ強いね』みたいな感じでよく言ってくれるので、好きな選手ではあります」
――朝久選手の王座陥落危機みたいな印象もありますが。カマラ幻想は感じますか?
「全然思わないですね。逆に、そのくらいで来てくれた方が、もっと早く自分が倒せると思っています。逆に、稲垣(柊)君みたいに倒されないように勝ちに来るっていう感じだと、やっぱりどうしても…」
――やりにくい?
「やりにくいというか、判定になってしまうというか。普通に『朝久さん勝ったね』といいう試合になるくらいだと思うんですけど、逆に倒してやるぞって意気込んで来てくれた方が早い段階で倒せると思っています」
――最初の数秒は、危険だなという声もあります。
「でも、やっぱりチャンスを掴むやつは危険の中から取るじゃないですか。危険なところを凌いで、じゃあ次は自分のチャンスを探っていこうというやつは、人生においてもそうだし、戦いにしてもチャンスは取れないと思っています。危険の中に飛び込めるやつが、やっぱり強いし、チャンスを掴めるんですよ」
――では、危険の中へあえて飛び込むと。
「そうですね。1秒でも早く倒しに行きます」
――えっ、マジですか。
「館長の教えですけど、やっぱり格闘技の華のある選手は、1秒でも早く倒しに行くことだと思います。カマラは序盤が強いから、そこを凌いで倒しに行くとかじゃなくて、俺は秒で倒しに行きますよ」
――素人の考えだと、序盤は凌いで後半勝負の方が勝率は上がりそうに思います。
「スポーツのゲームで勝つというよりも、強さというか、本能として勝ちたいので。野生の強さみたいな、そういう勝負で俺は勝ちたい。だから、今回の試合で朝久泰央は強い、それだけで終わります。カマラ幻想とともに」
――チャンピオンになると守りに入りたくなると思いますが、そこはあまりないと。
「全くないです。俺はRIZINで試合していたじゃないですか、前回。それは防衛戦よりもきついと思っていて。ベルトはかかってないけど多団体に出て、なおかつチャンピオンという立場もあって、K-1から唯一来たという立場。そして地元で負けられないし、なおかつ相手は強いと言われるタイ人。自分が負けるようなことがあったらベルトは返上しようと決めてました(結果は1RKO勝ち)。だから、防衛戦だから手堅く勝ちたいとか、そんなぬるい次元で俺は戦っていないんですよ」
――でも、今回のカマラ選手は過去最強の相手じゃないですか?
「今までやってきた中で一番強いと思ったのは、ダニラ・クワチですね。空間の歪みじゃないけど、そんな強さを体感しました」
――空間の歪み?
「うーん、うまく表現するのは難しいんですけど、例えば普通の選手が、1・2・3みたいなリズムで攻撃するところを、1.2、2.1、3.5で打ってくるようなイメージ」
――分かるようで、分からないですね。ともかく一定のリズムではないと。
「簡単に言うと、攻撃のリズムのズレですね。戦ったやつは分かると思うけど…。映像で見ると意外とやれそうな感じがあるんですけど、戦ったら強いタイプ。リトルアラゾフという印象でした。それに比べたら、カマラは戦いやすいです」
――クワチ選手は、元K-1王者のチンギス・アラゾフ選手の影響を受けていますからね。ただ、今回のカマラ戦について専門家も最初の数十秒は強いから警戒した方がいいと見ていました。
「そこは納得できない部分もありますけど、逆に専門家がそう思うってことは、逆にカマラ陣営も同じことを考えているでしょう。ならば、俺はその裏をかきますよ」
――すでに試合が始まっていると。その駆け引きが面白いです。 朝久選手は、K-1に所属しながらRIZINで試合をして結果を出している唯一無二の存在ですよね。
「自分が他団体に移籍して、そこで勝ちましたでは意味がないんです。K-1の朝久泰央が一番強かったってしないといけないと思っています。そうじゃないと、ただ自分だけが目立ちたいエゴになってしまう。その意味でもK-1とRIZINの壁を壊したのは自分ですけど、(平本)蓮君と(朝倉)未来さん、RIZINが対抗戦をやってくれたおかけで壊れた壁だと思っています」
――朝久選手は、どんな存在になろうとしているんですか?
「絶対的な存在ですね。なんかK-1の顔になりたいとかそんなハリボテ感じゃなくて、朝久じゃないとダメだなっていう、K-1の絶対的な軸になりたい。ならないといけないと思ってるし、本当になっていると思っています。逆に今のK-1チャンピオンって誰がいるの?って言われたら、自分も分からないレベルですから」
――また炎上するような発言が飛び出しましたね。
「格闘技は華ももちろんそうだし、人気も大事だし、集客力も大事。だけど、やっぱり強さも大事で、全部が必要だと思う。自分をアンチする奴でも、朝久は強いのに何々がもったいないとか、何々が嫌いだって大前提で強いが入ってくるんで、それは最高の褒め言葉だなと。むしろサンキューみたいに思っていますね」
――炎上上等ですか。
「炎上というとただ燃えてるみたいだけど、自分としては花火を打ち上げたぐらいの気持ちなんですよ。花火に観衆が集まってきていると。自分の正義は何も間違ってないので、その花火を見てみんなが騒いでくれたらラッキーみたいな感覚ですね」
――次の試合は、アンチファンを含めての注目度が高いです。
「アンチどもはカマラを応援しに来い! 俺が倒れるところを見たいやつは。でも、俺を倒せるもんならやってみろって感じですね。今回の試合は対カマラであり、対世間であり、対K-1選手であり、すべてが敵です。俺は誰かの子分で100年生きるよりかは、自分の正義を貫いて一日で死ぬ方が価値があると思っています。お前らのそのいいね稼ぎでK-1の顔になりたいとか、格闘技を引っ張っていきたいに何の価値があるんだと思っています」
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カマラ「自分の目標は歴史に名を刻むこと」
ジェロム・レ・バンナのサポートを受けるカマラは、26年2月のK-1 WORLD MAX 2025 -70kg世界トーナメント準々決勝でダリル・フェルドンクと対戦。当初、フェルドンクの相手はカマラツインズのアルフォセヌーが戦う予定だったがアクシデントで欠場となり、アラッサンが代替出場した。前回は今年4月にK-1スーパー・ライト級(65kg)に階級を落として佐々木大蔵からTKO勝ちしている。
――前回の佐々木大蔵戦は、ジャブで倒したとファンが驚いています。振り返ってみて、どんな試合でしたか?
「自分にとって、とても重要な試合でした。強烈な攻撃だけでなく、あらゆる武器で相手を倒せることを証明できたからです」
――なるほど。
「ジャブでのKOはファンにとって意外だったかもしれませんが、自分にとっては、練習と準備を積み重ねてきた結果でした。絶好のチャンスを逃さず、正しいタイミングで仕留めることができました」
――今回、朝久泰央選手との試合オファーが来た時は、どう思いましたか?
「すぐに“これは非常に大きなチャンスだ”と思いました。朝久選手は日本で高く評価されているファイターです。そのようなレベルの相手と、この舞台で戦うことは、まさに自分が求めている挑戦です。迷うことなくオファーを受け、すぐに準備を始めました」
――それでは、朝久選手の印象を教えてください。
「非常に完成度が高く、経験豊富で、頭の良いファイターだと思います。特に蹴りの技術が優れていて、試合の中で相手に合わせて戦い方を変えることもできます。彼のことは大いにリスペクトしていますが、自分は彼に勝つために準備をして来ました」
――朝久選手は、あなたが「ブラザー」と声かけてきてリスペクトはしているけど、リングに上がったら叩き潰すと宣言しています。それを聞いてどう思いますか?
「面白い発言だと思いました。自分もファイターとして朝久選手をリスペクトしています。ただ、リングに上がれば、もう“ブラザー”ではありません(笑)。彼は自分を倒そうとしていて、自分も彼を倒そうとしている。それだけのことです。試合の前後は互いをリスペクトしますが、試合中はそれぞれが自分の仕事をするだけです」
――朝久選手は、蹴りがうまい選手ですが、注意すべき点があれば話せる範囲で教えてください。
「彼の蹴りが大きな武器であることは間違いありません。蹴りの種類が豊富で、さまざまな距離から危険な攻撃を仕掛けてきます。そのため、攻撃のタイミングや動き、リズムの変化には細心の注意を払う必要があります。ただ、自分にも長所と武器があります。それらを最大限に生かすつもりです」
――朝久選手との試合は、どんな試合展開を予想していますか?
「激しく、技術レベルの高い試合になると思います。自分から前へ出て、自分のリズムを押しつけながら、相手の隙を狙います。具体的な予想はしたくありませんが、ひとつだけ確かなことがあります。判定になる前に試合を終わらせるため、全力を尽くします」
――朝久選手を破ってチャンピオンになったら、どんな王者になっていきたいか教えてください。
「ただチャンピオンになるだけではなく、世界を代表する大スターの一人になり、K-1をさらに高いレベルへ引き上げたいです。朝久選手に勝ってチャンピオンベルトを手にすることができれば、自分の人生は大きく変わると思っています」
――自分がK-1の顔になると。
「最近では、別の世界的な団体で王者になった“Reug Reug”の例があります。彼は王者になったことで、SNSのフォロワーが約3,000人から60万人以上に増えました。ベルトには人生を変える力があり、格闘技の枠を超えて、より多くの人たちに自分の存在を知ってもらえるようになる。そのことを証明した例だと思います」
――ONE世界王者になった“Reug Reug”ことオマール・ケイン選手のことですね。自分はK-1で同じような革命を起こすと。
「自分は、さらに上を目指しています。武尊選手のような大スターを超え、世界的な存在になりたい。そして、自分が世界最高のファイターの一人だと、世界中の人たちに認めてもらいたいです」
――野望が大きいですね。
「ただし、自分が求めているのは、SNSの数字や知名度だけではありません。積極的に試合をする王者としてタイトルを防衛し、最高の選手たちと戦い、素晴らしい試合を見せたいです。そしてK-1の発展に貢献し、新しい世代の人たちがK-1を見たいと思うきっかけを作りたいです」
――まるで、あなたの師匠のジェロム・レ・バンナさんのようですね。
「自分の目標はシンプルです。歴史に名を刻むことです」
――日本のファンから最強ツインズと呼ばれること、日本で人気が出てきたことをどう思っていますか?
「本当にうれしいです。自分たちはいつも一緒に練習し、互いを高め合いながら成長してきました。日本のファンの皆さんに応援していただけることは、自分たちにとって大きな名誉です。これからも素晴らしい試合を見せ、“最強ツインズ”の物語をさらに大きくしていきたいです」
――同じ大会で、ツインズのアルフォセヌー選手がMAX世界トーナメントに出場します。2人で一緒に試合をするメリットがあれば、教えてください。
「自分たちにとって非常に大きな力になります。幼い頃から一緒に成長し、練習してきたので、互いの長所も短所もよく理解しています。同じ大会に出場することで、さらにモチベーションが高まります。試合前は互いに支え合いますが、リングに上がれば、それぞれが自分の仕事をしなければなりません」
――アルフォセヌー選手とジョニス・コリセウ選手の試合は、どんな展開を予想しますか?
「非常に激しい試合になると思います。ジョニスは良いファイターなので、しっかりとリスペクトしなければなりません。ただ、自分はアルフォセヌーのことをよく知っていますし、このトーナメントに向けて、どれほどの努力を重ねてきたかも知っています。アルフォセヌーが自分のリズムを押しつけ、持っている力を発揮し、最後まで勝利を狙い続けると思います。もちろん、自分は100%アルフォセヌーを応援します」