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【DWCS】UFC、ロス五輪、BJJ、ボクシングも──同時四冠目指すベラ・ミア「“ミア”の名を持つ者として」×アポダカ「これはMMA、すべての融合こそが選手を際立たせる」=8.25『Dana White's Contender Series 2026:Week 3』

2026/08/25 21:08
 2026年8月25日(日本時間26日)米国ネヴァダ州ラスベガスの Meta APEXにて、UFCとの契約を賭けた『Dana White's Contender Series 2026: Season10 Week 3』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)が開催される。前日計量が同地にて行われ、全選手がパスした。 ▼バンタム級 5分3Rベラ・ミア(米国)4勝0敗(0KO/3SUB)23歳 136lbs/61.68kgアレックス・アポダカ(米国)3勝1敗(0KO/0SUB)32歳 135.5lbs/61.46kg (C)Zuffa LLC/UFC, Getty Imeges  シーズン10が始まって2ウィーク目で、すでに10選手の契約が決まっており、そのうち第1週のヘビー級で34秒 TKO勝ちした元NFLのアンソニー・ウィント(米国)は、なんと11日後の8月22日にUFCデビューを果たし、1R 一本勝ちを収めている。  同じく第1週で45秒 TKO勝ちしたフライ級のビラル・ハサン(インドネシア)は、朝倉海、鶴屋怜が出場する8月29日の『UFC Fight Night: Nurmagomedov vs.Song』上海大会でニルソン・ロハス(ペルー)との9勝無敗対決に臨む。  また、第2週で66秒 TKO勝ちしたクリスチャン・ペレス(メキシコ)も、9月12日の『UFC Fight Night: Rodriguez vs. Silva』=UFCノーチェ)でオクタゴンデビューが示唆されている。 父フランク・ミアゆずりのキムラ (C)Zuffa LLC/UFC, Getty Imeges  そんななか、今週の第3週では既報通り、メインイベントに、元UFC世界ヘビー級王者フランク・ミアの娘でMMA4勝無敗のベラ・ミア(米国)が登場。3勝1敗のアレックス・アポダカ(米国)と対戦する。  ミアは、UFCがNIL契約(Name, Image, and Likeness)を結んだ史上初の学生アスリート。2021年にNCAAのルールが変更され、学生アスリートが自身の名前や画像、肖像権を利用してスポンサー契約を結び、報酬を受け取ることが法的に認められるようになると、幼少期からベラを知るダナ・ホワイト代表率いるUFCが、NIL契約でバックアップしてきた。  センテニアル高校時代にネバダ州王者に4度輝き、2021年のジュニア・フォークスタイル全米選手権でも優勝。2023年にU20全米選手権68kg級優勝。U20世界選手権同級5位、U23世界選手権8位。2026年3月に開催された『第1回NCAA女子レスリング選手権』の145ポンド級で優勝し、初代全米王者に輝いている。  さらにグラップリングでも、2024年のIBJJFノーギ世界選手権 青帯優勝、2025年の同大会では紫帯ノーギでミディアムヘビー級で優勝。すでにUFCでも『UFC BJJ』でキャロル・ジョイアをダースチョーク、ラナ・ウィリンクに判定勝ち、26年6月にニシェル・ジョンソンをキムラからの腕十字で一本で仕留めている。  MMAはレスリングと並行して、2020年10月にメキシコでプロデビュー。判定勝ちスタート後、同年12月にリアネイキドチョークで一本勝ち。22年6月に米国XFNで腕十字で一本勝ち。25年7月のテキサスFury Challenger Seriesで立ち技ベースのステファニー・カルデロン相手に1R、父ゆずりのキムラを極めてMMA戦績を4勝0敗とした。  しかし、MMAでは育成マッチでキャリアを積んできたミアにとって、今回のアレックス・アポダカが初の同程度のキャリアの相手との対戦となる。  アポダカは、ムエタイ&柔術ベース。19歳で広告業界の営業職のインターンシップのときにUFCジムに足を踏み入れ、ロンダ・ラウジーの動画を見て「またここに戻ってきて、自分もこれをやるんだ」とMMAに取り組むことを決断したという。  ブランドン・ロイバルも練習するFactory Xからハイ・アルティチュード・マーシャルアーツ(HAMA)を経て、現在はタイガー・ビートル所属。左右スイッチスタンスで、身長170cmに対してリーチ182cmの長さを活かしたスタンドでの距離支配と打撃のコンビネーションを得意とするMMAストライカー。  MMA3勝1敗でプロデビュー戦でスプリット判定負けも、その後、3試合を判定勝ちしており、アウトキックボクシング、ムエタイクリンチも駆使するアポダカは、ケージレスリング、グラップリングにも積極的だ。 「ミア」の名を持つ者としての覚悟 (C)Zuffa LLC/UFC, Getty Imeges  そんなアポダカとの試合に向け、ミアはローカル大会で対戦相手を見つけるのが難しかったと『MMA Fighting』のインタビュー動画で明かしている。 「大学から戻ってきてダナとミーティングをしたんです。その時に、小規模な興行の下で対戦相手を見つけてもらうのが本当に難しいという話をしました。実際、誰も対戦を受けてくれなくて、1年間誰とも試合ができなかった時期もあったんです。20人くらいに断られましたからね。だから彼には『ただ自分の実力を試せる場に身を置きたいんです』と伝えました。全米オープンに行って国内最高峰の選手たちとレスリングをするのと同じように、MMAでもそういうことがしたいんです。それで彼が『じゃあ、コンテンダー(シリーズ)に出てみるか?』って言ってくれて、すぐに話が進みました」  実は、9月25日に米国オハイオ州コロンバスで行われるレスリングの世界選手権(U23およびシニア)のアメリカ代表チーム決定戦でミアは、2024年パリ五輪銀メダリストのケネディ・ブレイズと、世界選手権の代表権(68kg級)をかけて対戦も決まっており、連続で大一番に臨むことになる。  ダナ・ホワイト代表はミアについて「彼女はUFC王者になりたいだけでなく、ZUFFAボクシングの王者、五輪金メダリスト、そしてBJJの王者にもなりたい、と言っているんだ。彼女なら本当にやり遂げられると思う」と語っていたが、その4冠発言について、ミアは「ほんとうです」という。 「私はいつもみんなにこう言っているんです。『なぜダメなの?』って。逆境に直面したときや、何か困難なことが起きているときのときの私の口癖なんです。“世界タイトルのためだけに戦いたい”とは思っていません。私はレガシー(歴史に遺る偉業)を残したい。伝説的な存在になりたいんです。到達できる限りの最高峰を目指したい。『最高のMMAファイターになりたい』わけでも『最高の格闘アスリートになりたい』わけでもない。『史上最高のアスリート』になりたいんです。人間が到達できる最高の目標を打ち立てたい。だからこそ集中を切らさず、常に自分の夢を自分に言い聞かせています」 (C)Zuffa LLC/UFC, Getty Imeges  DWCSでインパクトのある勝利を掴めば、UFCと契約。年内にもオクタゴンで試合を望むミアは、同時に2028年7月に米国ロサンゼルス開催のオリンピック出場も狙っている。過去にヘンリー・セフードやロンダ・ラウジー、ケイラ・ハリソンらが金メダリストから転向し、UFCチャンピオンへと駆け上がったが、現役UFCファイターとしてオリンピックに出場した選手はいない。  ミアは、ダナとのミーティングで「2028年を本気で狙いたいんですが、それは(UFCとの間で)問題になりますか?」と尋ね、ダナは、「いや、すべてを同時にやり遂げようとするなんて最高にイカれてると思うよ、全く問題ない」と返答、バックアップを約束している。  父のフランク・ミアをはじめ、レスリングでは13歳から指導を受けるセンテニアル高校のHCドン・マクレガーに師事し、MMAでもマンチェスター・トップ・チームのHCカール・プリンスの指導を受けている。 「ミア」の名前を持つ者としての覚悟は、若き頃からあったという。  UFCの事前動画で、「初めて柔術の大会に出場できたのは、緑帯になってからでした。お父さんが『お前の名前を聞いて、みんな腕を引きちぎろうとしてくるぞ』ってすごく心配していたからなんです。中学でレスリングをしていた時は、高校生なのに、私を何とかして叩きのめそうとするためにわざわざ中学の部に階級を下げて来るような男子がいました。自分の苗字のせいで、正直そういうのには慣れっこですし、覚悟はある。お父さんが心の準備を本当によく手伝ってくれたんです、ずっと昔から」  それでもミアは常に「挑戦者」の立場でいるという。 「コンテンダー・シリーズ出場決定のニュースが出たとき、自分の携帯の通知が鳴り止まなくて、“えっ、私がコンテンダーシリーズのメインイベントだって? 嘘でしょう、マジで狂ってるわ”と思いました。みんながこれほどまでに自分を信じてくれていること、そしてその期待には心から感謝しています。『誰も信じてくれない』なんて言うつもりはありませんが、私はいつだってアンダードッグの立場にいると感じてきたので。みんな口々に『ああ、ベラはレスラーだから』『彼女は柔術はあまりやらない』『彼女は本当のMMAファイターじゃない、だから今回は勝てないだろう』って言うんです。だからこそ、私はそのプレッシャーの中で生きるのが好きなんです。ただ、最近は“みんなが私に勝つことを期待しているぞ”という状況に変わってきていて、それはこれまでとは違う感覚ですね。あまりにも急速に状況が押し寄せてきているので自分でも少しおかしくなりそうです。“えっ、みんな何の話をしているの?”って、自分のマインドセットを少し調整しなければならないくらいです」と笑顔を見せる。 [nextpage] サンドヘイゲン門下のアポダカが払ってきた犠牲 (C)Zuffa LLC/UFC, Getty Imeges  一方、対戦相手のアポダカにとって、今回のDWCSは「人生を変える」試合になるという。  地元テキサスでジムに通うとすぐにムエタイと柔術に「恋に落ちた」アポダカだが、「当時はそれぞれの格闘技の種目を別々に練習するだけで、それらを組み合わせて練習できる場所が本当になくて、それがいつも大きな苦労でした」と感じ、本格的にMMAを学ぶため単身、デンバーに単身、引っ越した。  UFCの事前ビデオで、「私はフルタイムで仕事もしています。ほとんどの人がこなせないようなものすごいハードなスケジュールを、もう8年間もこの競技と並行してやりくりしてきました。だから今回の試合は、夢を叶えるということだけでなく、人生を大きく変える出来事になるはずです。  家族全員がテキサスに住んでいて、私はいまコロラドに一人でいる。たくさんの犠牲を払ってきました。だからこそ、この挑戦を最後までやり遂げることができたら、どれほど意味が大きいことか。リカバリーに使う時間の重要性が増しているのに、今の私にはその余裕がありません。常に動き続け、週末にやっと休息をとるか、週末に仕事の遅れを取り戻すという生活で、それは本当にタフです。もしUFCに行ければ人生のその部分も向上させることができるだろうと思います」と、これまで払った犠牲をこの試合に賭けて取り戻すとした。  コーリー・サンドヘイゲン、キャリントン・バンクスがオーナーのタイガー・ビートルで、7月24日のFury FC 122の勝利後もトレーニングを続けた。 「主に男性選手たちと練習することが多いですが、あらゆるレベルの多くの女子選手たちとも手合わせをしてきました。自分のスキルや強み、そしてファイトIQにはかなり自信を持っています」  4試合はいずれも判定。デビュー戦以外は1R決着のミアに比べ、1時間をケージのなかで過ごし、競り勝ってきたともいえる。 「ケージが大好きなんです。15分を通して、心のどこかでは長くケージの中にいることに対して全然抵抗がない。プロとしてケージの中に計1時間も身を置いてきた経験があります。色々な苦難を耐え抜き、様々な状況を経験し、たくさんのものを見てきました。私の自信はそこから来ています。あのドアが閉まった瞬間、私はその空間を心地よく感じられる」とアポダカは言う。  両者ともに、対戦相手を過小評価することはない。  アポダカは、「彼女があれだけのグラップリングの実績を持っている以上、間違いなく脅威だとは思います。彼女のゲームのどの部分も過小評価したくはありません。ただ、一日の終わりに、もしかしたら見落とされているかもしれないことというのは、“これはMMAだ”ということです。打撃やその他のあらゆる要素において、彼女がその状況で私よりも圧倒的に多くの経験を積んでいるとは思いません。彼女のグラップリングが脅威であることは確かです。私の打撃が脅威であるのと同様に。だから、良い試合になると思っています」と、グラップリングに警戒しながらも、MMAでの武器、経験値で戦えると自信を持つ。 「ストライカー対グラップラーの対決」と呼ばれるが、アポダカは「実は、全くそうは思っていません」と言う。 「単に私の経験の大部分が打撃にあるからそう見られますが、最終的にはいつも“これはMMAであり、そのすべての融合こそが選手を際立たせるものだ”という点に戻ります。どこかのコメントで『ロンダ・ラウジー対ホリー・ホルムのような展開になるかもしれない』と比較しているのを見かけましたが、そんなに単純な白黒つけられるものではないです。頭の中では何千通りもの展開を想像しました。具体的なアイデアをここで明かすわけにはいきませんが、これはファイトですから、どんな瞬間にも何が起こるか分からない」  対するベラ・ミアも、「対戦相手について徹底的にリサーチして熟知しておくのは当然のこと。いつだって相手に敬意を持って試合やファイトに臨んでいます。“誰かを過小評価する”という致命的なミスを犯すつもりは絶対にありません。だから、私の意識は彼女に集中しています。彼女の打撃に対するリスペクトもあるし、ケージ際でのクリンチの巧さも警戒しています。彼女はケージ際で非常に重いプレッシャーをかけるのが好きで、打撃を出さないときはそのままプレッシャーをかけ続けてきます。リーチも非常に長いので、その長さを武器としてうまく活用していますね。パンチやキックの回転も非常に良いし、手足も長い。だからこそ、彼女の優れた長所にはしっかりと敬意を払っています。自分の前に立ちはだかるいかなる相手も過小評価することは絶対にありません」と、アポダカの武器を冷静に評価している。  と同時に「もちろん、だからといって自分のスキルに対する自信が揺らぐわけでもありません」ときっぱりと語る。 [nextpage] ミア「そのモードに入ったときの私は本当に危険」 (C)Zuffa LLC/UFC, Getty Imeges  これまでのDWCS出場選手たちの証言通り、ダナ・ホワイト代表をはじめUFC首脳陣がケージサイドに陣取るコンテンダー・シリーズでは、ファイターたちに「フィニッシュすること、エキサイティングな試合をすること」が事前に喚起される。たとえ勝利しても、その内容次第で契約が見送らるケースは少なくない。  しかし、そのプレッシャーゆえに、普段の自分らしからぬ戦い方をしてしまう選手も出てくる。  アポダカは『MMA Junkie』のインタビューで、「実はそれについてはすごく考えました。シリーズが始まってから、自分の持ち味から少し外れた無理な戦い方をしている選手たち何人かを見てきたからです」と吐露し、続けて「自分は絶対にそんなことはしないと心に決めました。自分らしさを貫き通すことが一番大切だと思っています」と、自身の強みを出すためにもスタイルは崩さないと語った。  そして、ミアにとってそれは普段通りの自分を出すことが、周囲が求める戦いになるという。 「NCAAの試合映像を見れば分かると思いますが、試合であれファイトであれ、どんな競技であれ、その“モード”に入ったときの私は、自分の中で『このタイトルを私から奪いたかったら、私を殺すしかない。これを自分の腰に巻くまで絶対に家に帰らない』というスイッチが入るんです。そのモードに入ったときの私は本当に危険ですよ」──『Dana White's Contender Series 2026:Week 3』は、日本時間8月26日(水) 7時45分から、U-NEXTで配信予定だ。 [nextpage] 『Dana White's Contender Series 2026: Season10 Week 3』全計量結果と写真 ▼バンタム級 5分3Rベラ・ミア(米国)4勝0敗(0KO/3SUB)23歳 136lbs/61.68kgアレックス・アポダカ(米国)3勝1敗(0KO/0SUB)32歳 135.5lbs/61.46kg ▼ヘビー級 5分3Rマリオ・ピアゾン(ブラジル)10勝1敗(7KO/0SUB)28歳 238lbs/107.95kgギリェルメ・ウリエル(ブラジル)7勝2敗(4KO/3SUB)29歳 241.5lbs/109.54kg ▼ウェルター級 5分3Rショーン・クランシーJr(スコットランド)8勝0敗(5KO/3SUB)23歳 170lbs/77.11kgゲイリー・バレット(米国)11勝3敗(4KO/7SUB)31歳 169lbs/76.65kg ▼ウェルター級 5分3Rロナルド・ハンフリー(米国)4勝0敗(4KO/0SUB)25歳 169lbs/76.65kgアレクシス・ミランダ(メキシコ)9勝2敗(4KO/1SUB)27歳 170lbs/77.11kg ▼ミドル級 5分3Rニック・ガランティ(米国)7勝1敗(1KO/4SUB)28歳 185lbs/83.91kgルロス・ペトルッツェラ(アルゼンチン)15勝1敗(8KO/7SUB)29歳 185.5lbs/84.14kg
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