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インタビュー

【UFC】世界女子ストロー級王者マッケンジー・ダーン「私は一本負けをしたことがないけど、彼女に間違いなく弱点や穴はある」×遠回りしてきた挑戦者ジリアン・ロバートソン「“私たちのベルト”だと思っている。私というファイターを形作ってくれたディン・トーマスに勝って捧げる」

2026/08/16 00:08
 2026年8月15日(日本時間16日朝6時半~)、米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのXfinityモバイルアリーナで開催される『UFC 330: Makhachev vs. Machado Garry』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)にて「UFC世界女子ストロー級選手権試合」(5分5R)として、UFC3連勝中の王者マッケンジー・ダーン(ブラジル)に、UFC5連勝中のジリアン・ロバートソン(カナダ)が挑戦する(※試合速報はこちら)。 ▼UFC世界女子ストロー級選手権試合 5分5Rマッケンジー・ダーン(ブラジル)16勝5敗(UFC 11勝5敗)※UFC3連勝中 115lbs/52.16kgジリアン・ロバートソン(カナダ)17勝8敗(UFC 14勝6敗)※UFC5連勝中 115lbs/52.16kg  柔術世界王者・ADCC王者のダーンは、24年2月にアマンダ・レモスに判定負けも、8月にルーピー・ゴディネスに判定勝ちすると、25年1月にジャンジロバを下しているアマンダ・ヒバスに3R 腕十字で一本勝ち。当時の王者ジャン・ウェイリーが階級を上げてワレンチナ・シェフチェンコのフライ級王座に挑むためにストロー級王座を返上(※シェフチェンコが防衛)。25年10月『UFC 321』でヴィーナ・ジャンジロバと空位の「王座決定戦」で再戦し、判定勝ちでベルトを巻いた。33歳。  対する挑戦者のロバートソンは、UFC戦績14勝6敗(3KO、7一本勝ち)で7一本勝ちはUFC女子ファイター史上最多。ストロー級に落としてからは6勝1敗で5連勝中。バックボーンはダーンと同じ柔術で、MMAとしてポジションを奪ってのパウンドでのTKO勝ちも増えている。ストロー級で23年6月にタバサ・リッチに判定負けも以降、ポリアナ・ヴィアナを2R TKOに下すと、ミシェル・ウォーターソン、ルアナ・ピニェーロに判定勝ち。25年5月にマリナ・ロドリゲスを2R TKOに下すと、26年3月にアマンダ・レモスに判定勝ちで王座挑戦を掴んだ。31歳。  ともに柔術をベースとしながら、MMAのなかでその強みを発揮できるように戦ってきた。スタンドから始まるMMAで、どちらが先に組み、どちらがトップを奪うか。 マッケンジー・ダーン「ジリアンは、自分とグラウンドでやりたくない相手としか戦ったことがないんじゃないかしら?」 ――マッケンジー、こちらです。チャンピオンとしてのファイトウィークの調子はいかがですか? 「ファイトウィークは最高よ。間違いなく少し違っているわね。ベルトを手に持ってフェイスオフをするから、ちょっと“どうやって彼女と握手しよう?”って思ったりして。でもそうね、インタビューの嵐なんかを除けば、そんなには変わっていないわ。ただ、ファイトウィークのほとんどの時間、ベルトを肩にかけていることに慣れようとしているところよ。でも楽しいわね」 ――ジリアン・ロバートソンとのフェイスオフがありましたが、少し前に彼女にもここで話を聞く機会があったのですが、初めて彼女と向き合ったその瞬間から、何か読み取れたことや収穫はありましたか? 「ううん、特にないわ。つまり、彼女に会うのはそれが初めてだったし、生で見るのも初めてだったから。でも、彼女は幸せそうに見えたし、自信に満ち溢れていたわね。私たち二人とも、暴れに来たんだっていう感じだったわ」 ――なかなか興味深い前哨戦になっていますね。先ほども言ったように彼女はここにいましたが、あなたは自分のことが好きではないと思っているようです。分からないのですが、彼女のことが好きではないのですか? それは本当ですか? 「彼女が好きとか嫌いとかじゃないわ。彼女のことを知らないもの。でも、彼女が最多フィニッシュ記録の保持者(タイ記録)であるというのは、本当にすごいことだと思うわ。今週、彼女についていろいろと学んでいるところよ。彼女に対して何か恨みがあるわけじゃないの。彼女の方が、私よりも私に目を向けていたんだと思う。だって彼女は125ポンド(フライ級)の階級にいて、私たちの階級ですらなかったんだから。その後、彼女が階級を落としてきて……。つまり、私は自分自身と、その時に自分の前方にいたジャン・ウェイリーに集中していて、自分の後ろで戦っている選手にはあまり注目していなかったの。だから、彼女のことを気にしたことはなかったし、好きでも嫌いでもないわ。彼女のことは知らないけれど、UFCでの彼女の歩みには心から敬意を払っているわ。  彼女は『The Ultimate Fighter』に出ていて、私もD.C.のチーム・ビスピンでTUFに参加する機会があったの。だから、女性選手や男性選手がどんな経験をしてきているか、その苦労はよく分かるし、リスペクトしているわ。彼女が優勝したかどうかは分からないけど、優勝したと思うわ(※バーブ・ホンチャックにTKO負け)。ここまで這い上がってきて、タイトルマッチを戦うのは素晴らしいことよ。でも、彼女は私のことが嫌いな人みたいね。さっきの彼女のインタビューでも実際にそう言っていたみたいだし。だから、そうね……。 ――チャレンジャーが誰になるのか少し不透明な時期があって、ウェイリーの状況もよく分からない状態でしたが、今こうして目の前に彼女がいることで、十分にタイトル挑戦者にふさわしいレベルの相手だと感じますか?彼女について研究してみてどうですか? 「アマンダ・レモスとジリアンの勝者が次のタイトル戦になるかもしれないって言われていたとき、アマンダには一度負けていたし、ジリアンは4連勝中だった。ストロー級がどういうものか、あなたたちも分かっているでしょう。2試合、いや3試合連続で良い勝ち方をすれば、簡単に列を飛び越えることができるの。彼女は4連勝していて、今は5連勝中だから“なるほど、これは妥当だわ”って思ったの。もちろん、彼女がグラップラーだからこそ嬉しかったし、良いマッチアップだと思っているわ」 ――多くのファンがこの試合に興奮しているのはまさにそこですよね。彼女は柔術で知られていて、あなたももちろんそうですから。グラップラーとしてどちらが上かと聞かれたら「自分」と答えるでしょうけど、10段階評価で彼女に何点を与えますか? 「MMAとしてなら……そうね、8とか9、8くらい、近いところね」 ――では、もし試合がグラウンドの展開になっても、どちらが優れているかについてはかなり明確な差が出ると自信を持っていますか? 「ううん、そうとは限らないわ。だって5分だから。各ラウンドたったの5分よ。特に彼女は実力者で何をしているか分かっているから、5分というのはあっという間よ。彼女が何色の帯かは知らないけど、黒帯ならね。まあ、他にも黒帯の選手はいるわよ、ヴィルナとかね。でもジリアンはアグレッシブで前に出て、攻撃を狙ってくる選手よ。ただテイクダウンして安全にやり過ごすんじゃなくて、試合を展開させようとしてくるはずだわ。バックを奪おうとしてくるだろうし、私が悪いポジションにはまりたくない相手の一人よ。彼女も安全を保つ方法を知っているし、私も安全を保つ方法を知っている。お互いに攻撃の仕方も分かっている。それに、打撃やケージ際での攻防があるから、グラウンドに持ち込むまでに2分半かかったとしたら、残りはたったの2分しかないわ。MMAの試合ってそういうものよ。  UFCが今週公開した映像で彼女のサブミッションをいくつか見たけど、みんなそんなに簡単には見えないかもしれないわね。腕十字とか、下からも上からも仕掛けてくる。腕十字は腕十字だけどね。でも、タイトルがあるし、選手が試合に持ち込む実績もある。彼女も一本負けした経験はあるわ。腕十字でね。あと、柔術の試合では足関節を取られたりもしていたはずよ。だから、間違いなく弱点や穴はあるわ。私はまだ一本負けをしたことがないから、今回の試合で“わあ、彼女がやったことのないようなとんでもないことを私がやっている”というような場面は見られないかもしれないわね。でも、私にもいくつか隠し球はあるわよ」 ――5年前、あなたは私たちのインタビューで、男性に比べて女性はMMAでリスペクトを得るために、より多くの努力をしなければならないと感じていると語っていました。今、目の前にそのベルトがあって、MMAを見るファンからのリスペクトをやっと得られたと感じていますか? 「ううん、まだ同じよ。相変わらず『トイレ休憩の時間だ』なんて言われるし、分かるでしょう? ファンが求めているのはトラッシュトーカーなのよ。女性の場合、私たちのほとんどは、もっと優雅な側面やシックな部分をMMAに持ち込んでいると思うの。もちろん、私たちはそれを切り替えたりできるからクールだと思っているわ。  私は格闘技のバックグラウンドがあるから、3歳の頃からやっているの。柔術の大会では、同じ日の同じトーナメントで勝つこともあれば負けることもある。だから、1勝したから、あるいは1敗したからといって、相手より優れているわけではないのよ。1年間を通じての一貫性こそが、世界一を決めるものであって、たった1日の勝利で決まるわけじゃない。  でももちろん、ファンはクレイジーよ。女性ファイターたちは、レベルがどんどん上がっているからこそ、ますますエキサイティングな試合をもたらすようになっていると思う。でも、彼らが本当に求めているのは、ロンダ・ラウジーのようなトラッシュトークやライバル関係なのよ。それは男性選手を見ても同じでしょう。男性でも、謙虚だったり物静かだったりすると、ファンがあれこれ言うものよ。でも同時に、彼らは私たちのファンだからね。嫌っていようが好いていようが、私たちが必要としているのは彼らなのよ。私たちはファンのために戦っているんだから。  ただ、エキサイティングな試合を続けられれば……ローズ・ナマユナスがジャン・ウェイリーをノックアウトしたような、そういうクレイジーな出来事が起きれば、私たちが求めているリスペクトを維持し続けることができる。だから、私たちはハードにトレーニングして、良い試合をするよう努めるだけよ」 ――ファンから「女子の試合のときはトイレ休憩だ」といった声を聞くことに対して、キャリアの中で悩んだことはありますか? それとも、「彼らは何も分かっていない」と受け流してきましたか? 「どうかしら。そうね“何も分かっていない”というわけではなくて、なんていうか、個人の好みや意見の問題よね。でも、私が殴られるとか、そういう風に言われたり、私の実際の技術を見てくれないときの方が、確実にショックを受けるわね。ただ、『試合が面白くない』と言われることに関しては、そこまで気にしていないわ」 ――UFC参戦時に素晴らしい柔術の実績を持っていたあなたですが、今回のタイトルの獲得によって、「柔術王者マッケンジー・ダーン」と「MMAファイター」を切り離して見てもらえるようになると思いますか? 「うん、間違いなくね。私が勝ったことは、自分のスポーツや武道である柔術、そしてコミュニティに対する最大級の表現であり、恩返しの一つだったわ。でも、MMAファイターとしての自分をしっかりと固めることができたのは本当に良かったわ。  だって、今回の試合やタイトル獲得は、主に自分の打撃のおかげで勝ち取ったと感じているから。もちろん、人々を怖がらせるのは私の柔術だし、それが試合で大きなアドバンテージを与えてくれるのは確かよ。みんな私の出方を警戒して、普段とは違う戦い方をしてくるからね。だから、それがここまで来た大きな理由であることは間違いないわ。  でも、打撃に自信が持てるようになって、相手が何をしてきても適応できるようになった。私は今や、まったく異なるスポーツのチャンピオンになったのよ。だから間違いなく柔術を代表しているけれど、今やそれは切り離されて、私はMMAのチャンピオンだと思っているわ」 ――グラウンドに持ち込むのが好きな相手と対戦することについて、この試合がよりエキサイティングなものになると感じますか?「私とグラウンドでやりたいなら受けて立つけど、ここにもレベルの違いがあるってことを教えてあげるわよ」という気持ちですか? 「あぁ、もちろんよ!『レベルの違いがある』っていうのとはちょっと違うかもしれないけど……彼女は、自分とグラウンドでやりたくない相手としか戦ったことがないんじゃないかしら? だから、間違いなく噛み合うはずよ。この試合がこれほどエキサイティングになると思うのは、スクランブルやグラップリングの攻防が必ず起きるからよ。本当にワクワクしているわ。今回のキャンプでは柔術の練習にすごく力を入れたから、まるで15年前に世界選手権に出場していた頃に戻ったかのような安心感があったの。だから楽しい試合になると思うし、良い戦いになるはずよ」 ――チャンピオンになった今、タイトルを獲得したときに自分の歩みを振り返って、「適応し、成長し、あちこちで変化を加えなければならなかった」と感じましたか? 振り返ってみて、特定の試合や、あるいは特定の敗戦が「私をここまで必死に突き動かしてタイトルに導いた」と思えるものはありますか? 「ヤン・シャオナンとの試合ね。あれはメインイベントだったの。マーク・ザッカーバーグも来ていて、ジャッジの1人がドローをつけて、結局彼女がマジョリティ判定2-0で勝ったの。あの試合では、グラウンドで散々攻め立てたのに、ジャッジやコミッションは、私が彼女に与えた実際の危険度よりも、彼女がすべてのサブミッションやピンチをディフェンスしたことに対してリスペクトを与えているように感じたの。彼らがそういう見方をしたものだから、私がグラップラーとして立ち合って、打撃でも彼女を痛めつけたという点を見てくれなかったのよ。だから、私はあの試合はドローか勝ちにできたはずだと思っていたわ、柔術のメンタリティとしてはね。  あの敗戦を喫したことで、MMAのゲームというものを理解したの。『グラウンド&パウンドの方が、オモプラッタやチョークで私が彼女を追い詰めて“苦しそうな声が聞こえる、柔術ならこれですごく有利になるのに”と思うことよりも、価値が高くて評価されるんだ』ってね。それが本当にMMAという競技を理解する助けになったし、自分のメンタリティを変えてベルトにたどり着く原動力になったわ。タイトルマッチのときには、『いかにダメージを与えるか、ダメージを与えることだけを考えよう。ただ攻撃して、見ている観客が求めているのはダメージなんだから、無駄にエネルギーを消耗するのはやめよう』って考えていたわ。 ――今季のTUF(The Ultimate Fighter)でコーチとして少し参加されましたよね。将来的に自身がヘッドコーチを務めたいと思いますか? 「あぁ、もちろん! 楽しかったわ。女子や男子の選手たちに会えて本当にクールだった。ストロー級の階級だったから、私も一緒にトレーニングができてラッキーだったわ。でも、なんていうか……可哀想だとは思わないけど、彼らにかかるプレッシャーはすごいものよ。月曜日の午後4時に『お互いをボコボコにして、来週にはまた試合をして減量しなければならない』なんて状況なんだから。彼らが自分をどれだけ追い込んでいるかを見ると、“これはクレイジーだわ”って思うの。でも、その場にいて、手本というか、少しでもインスピレーションを与えられる存在になれたのは楽しかったわ。いつかヘッドコーチとして参加して、最後に誰と戦うことになるのかを見るのも興味深いかもしれないわね」 ――ジリアンに全ての注目が集まっていますが、彼女のあとに明確な次期挑戦者はいますか? ジャン・ウェイリーがストロー級に戻ってきた場合、彼女が明確な挑戦者になると思いますか? 「分からないわ。全く見当がつかない。ウェイリーが私の初めての防衛戦の相手になると思っていたくらいだから、この後に誰を用意されるかなんて本当に分からないわ。誰のことも意識していないし、今はただリラックスしているところよ」 ――マッケンジー、あなたがベルトを獲得したとき、娘さんが世界で一番幸せそうな顔をしていましたね。画面越しにもすごく嬉しそうでしたが、初めての防衛戦に向けて、彼女から何か言われましたか? 「『たくさん練習してね』って言われるわ。だよね、勝てばまたこういうのがもらえるんだって彼女も理解したから。誰かに渡しちゃうものじゃないって分かったの。だから、こういうのを家中にたくさん飾るために、『いっぱい練習してまたこれを手に入れてね』って言われるわ。すごくクールだと思っているみたいだから、家じゅうに置きたがっているのよ」 ――素晴らしいです、健闘を祈ります。チャンピオンになってから、ファイターは最初のタイトル獲得後に30%強くなるという古い表現があります。あなた自身もそうなったと感じていますか? 「100%ね。タイトル獲得後の最初の練習のとき、自分のパンチ、キック、動きが、もう……本当に信じられないくらいキレていたの。コーチに『これ信じられないわね!』って言ったくらいよ。私の意見では、それは肩の荷が下りるからなのよ。プレッシャーがなくなると、純粋にトレーニングに打ち込んで進化し、強くなることができる。もうプレッシャーを感じなくていいのよ。達成したかった目標をすでに成し遂げたわけだから、ここからさらに強くなれるのは間違いないわ」 ――女子MMAを取り巻く興奮や、現在の状態についてお聞きしてきました。ここ18カ月ほど、女性がメインイベントを務めたことがありません。今度の土曜日にエキサイティングなパフォーマンスを見せなければならないというプレッシャーは感じますか? 「そうね、エキサイティングなパフォーマンスを見せなければならないというプレッシャーはいつも少しはあるわ。自分自身で常にそれを課しているからね。素晴らしい試合がしたいし、ボーナスも好きだし、ファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得するのも好きだから。だから、さっきも言ったように、もし少しでも力になれるなら貢献したいわ。私は上手なトラッシュトークができないから、そのルートは無理だけど、特に今ではパラマウント・プラス(の配信)もあるし、普段格闘技を見ない人たちが試合を見て“おい、彼女は何をやっているんだ? 体があんな風に曲がって、まるでプレッツェルや結び目みたいじゃないか!”とか、特に私がチャンピオンであり母親であるという立場で、それを最高の形で表現できればいいなと思っているわ。だから、女子MMAやUFC全体を盛り上げるために、エキサイティングな試合を見せなければならないというプレッシャーは確実にあるわね」 ――イアン・ギャリーが最近、「女性が牛耳っている方が世界は良くなるだろう」と発言しました。UFCの女子チャンピオンとして、この発言に対するあなたの意見や、彼に同意するかどうかを教えてください。 「うーん、それは難しいわね。私はもう少し伝統的な家庭環境で育ったから。私の家族の女性たちはめちゃくちゃ強くて自立していて、強い女性になる方法を教えてくれたわ。でも、何ていうか……私は男性に守ってもらいたいし、リードしてもらいたいタイプなのよ。そういう役割を彼らに任せるのが好きなの。もちろん、彼と一緒に戦わなきゃいけないときは戦うけどね。  でも、私は母親でもあるし、強い女性であることや、男性に依存せず自立していることは素晴らしいことだと思うわ。それでも私は、男性にリードしてもらうのが好きなのよね」 ――マッケンジー、まず今回の試合がこの大会のコ・メインイベント(セミファイナル)に決まったと聞いたときのリアクションは? 「うーん、なんとなく予想はしていたわ。私のタイトル戦はコメインイベントになるだろうなって思っていたから。ファイトナイトの大会で、ポスターが私と対戦相手だけだった頃も好きだったけど、これもクールよ。2つのタイトルマッチがあって、イスラム(マカチェフ)のような男子のトップ選手たちと同じ大会で戦えるなんて、私にとっては最高よ。 ――それと、7年以上ぶりとなるここフィラデルフィアでのUFC開催が決まったと聞いたときはどう思いましたか? 「もう、すごくワクワクしたわ! 特に『ロッキー』のストーリーやフィラデルフィアのチーズステーキサンドイッチのことを考えるとね。ここに来られて本当に興奮しているわ。東海岸ではあまり良い結果を残せていないから、そのジンクスを何とか破りたいのよね。ジンクスというか、私はそういうのを取っ払いたいタイプだから、ここフィラデルフィアで暴れまわるのが楽しみだわ」 ――最後の質問です。対戦相手を見たとき、最大の挑戦の一つになるのは何だと思いますか?ジリアンとの戦いにおける最大の挑戦は……彼女がミスをしないこと、これに尽きると思う。 「彼女は自分の魂を込めてぶつかってくるはずよ。それほどまでに必死に成し遂げたいものがあるんだから。だから最大の挑戦は、彼女の集中力をコントロールし、試合を通じて彼女の自信を削ぎ落としていくことね」 [nextpage] ジリアン・ロバートソン「MMAだからこそ私が輝ける場所だと思っている。マッケンジーは後半にスタミナが切れてくるはず。そこで私が輝く」 ――ジリアン、あなたはタイトル挑戦に向けて遠回りの道のりを歩んできたように感じます。UFCでの初のタイトルマッチまであと数日となった今、キャンプの調子は、生活はどうですか、そして今の心境は? 「実は、女子選手の中でタイトルマッチまでに一番遠回りをしたのは私なのよ。今回がUFCでの21戦目になるわ。今回のキャンプは本当に絶好調で、これまでにないほど自分の自信を感じているわ。このチャンスに向けて準備万端よ」 ――例えばチャールズ・オリヴェイラや他の選手たちが連勝街道を突っ走ってタイトル挑戦権を掴んだときのように、ファンからの大きなサポートを感じることはありますか? マッケンジーの最後の試合の後、みんなが次は『タチアナだ』『ウェイリーだ』と言っていた中で、あなたのパフォーマンス以降、あなたの名前を推す声が徐々に高まってきたように感じますが、ファンの後押しは感じていますか? 「多少はあるわね、半分半分といったところかしら。カナダのファンからの後押しは100%、感じているわ! カナダは全面的にサポートしてくれているの」 ――マッケンジーの分析についてですが、誰もがグラップリング対グラップリングだと言うでしょうけど、カウントダウン番組の中であなたは「彼女は伝統的な柔術のアプローチで来るが、自分はMMAグラップラーだ」と語っていました。マッケンジーのスキルセットを分析してどう思いますか? 感心する部分はありますか? 「彼女の何かを過小評価するつもりはないわ。ブラジリアン柔術のスキルは本当に高いと思う。ただ、ここはMMAだからね。だからこそ私が輝ける場所だと思っているわ。彼女はすごくアグレッシブに攻めてくるだろうけど、後半のラウンドではスタミナが切れてくるはず。そこで私が輝くのよ」 ――歴史的に見て、ハイレベルなグラップラー同士が対戦すると、お互いに技を相殺し合って打撃戦になることがよくありますよね。彼女のグラウンドの技術は誰もが知るところですが、彼女の打撃についてはどう見ていますか? なんせこれはMMAの試合であり、最初は必ずスタンドから始まるわけですから。 「彼女の打撃はアグレッシブだと感じているわ。ただ、私の打撃に対してもディフェンス面でかなり隙があるわね。とはいえ、彼女は間違いなく全力で突っ込んでくるだろうけど」 ――以前のインタビューで、「彼女は自分のことが好きではないと思う」と話しているのを見かけました。昨日の時点でマッケンジーにそのことを聞いたら、「彼女に会ったこともないし、どこからそんな話が出てきたのか分からない」と言っていました。本当に彼女はあなたのことが嫌いだ(または嫌っていると感じる)と思いますか? それとも、自分の中でメンタルを作るためにそう思い込んでいるのですか? 「彼女はキャンプ中ずっと、『相手のことは知らない』『相手の柔術は大したことない』みたいなことをあちこちで言っていたのよ。それなのに今になって『いや、そんなことない、嫌いなわけじゃない』なんて言い出して。“ちょっと待ってよ、なんで今さらそんなこと撤回しようとしてるわけ?”って感じだわ。“キャンプ中ずっとそんな風にビッグマウス叩いてたんだから、その姿勢を貫き通しなさいよ”って思うわね」 ――もし彼女が面と向かって「実はあんたのことが嫌いなんだ」と言ってきたら、逆にリスペクトしていましたか? 「もちろんよ! だって、今まさに今週戦おうとしているんだから。“健闘を祈るわ、この野郎”って感じよ」 ――この多忙なチャンピオンシップキャンプの最中で、フィラデルフィアでの経験はどうですか? やりたかったバケットリストはできた? 「何もやる時間がなかったわ。月曜日にメディアツアーのためにトロントへ飛んだんだけど、飛行機が欠航になっちゃってね。だからフィラデルフィアに着いたのは昨日で、ちょっと予想外のハプニングだったの。だから観光なんて全然できていないわ」 ――日曜日にベルトを持って何かやりたいバケットリストはありますか? 「まだそこまで考える余裕がないわね」 ――ディン・トーマスはずっとあなたをサポートし、指導してくれた人物です。彼のもとにベルトを持ち帰ることはあなたにとってどれほど意味がありますか? そして、彼から教わった一番大切なことは何ですか? 「15歳の頃からディンとは一緒にやってきたから、これは私個人のものというより、何よりも“私たちのベルト”だと思っているわ。今日の私というファイターを形作ってくれたのは彼だから、これを勝ち獲って彼に捧げることができたら、私にとって世界を意味するほどの価値があるわね」 ――土曜日の健闘を祈ります。昨夜マッケンジーとのフェイスオフがありましたね。そのときの感想と、有名なロッキーの階段(Rocky Steps)であの場に立てたことについて教えてもらえますか? 「予想していたよりも彼女が少しアグレッシブではなかったことね。彼女は私と2回も握手をしてきたんだけど、それが逆に拍子抜けしちゃって“あれ、私たちバチバチにやり合うんじゃないの?”って思っちゃったわ」 ――月曜日にトロントにいた際、「あのベルトはすでに自分のものだと感じている」と言っていましたね。あのフェイスオフでベルトを間近で見たことで、さらにモチベーションが上がりましたか? 「まあ、少しはね。でも私にとっては、あれはただの“もう一つの試合”にすぎないわ。やるべきことは、ケージに入って自分のパフォーマンスを発揮する機会を得ること、ただそれだけよ。それをやり遂げられることを願っているわ」 ――公開記者会見にはどんな期待を持っていますか? 彼女にもっとトラッシュトークをしてほしいと言っていましたが、今では展開が変わると思いますか? どうなると予想していますか? 「どうなるかは正直分からないわ。でもさっきも言ったように、私のスタンスは変えないわよ。今でも彼女のことは嫌いだからね」 ――UFCが今週発表したデータによると、あなたは女子MMA最多フィニッシュ数でアマンダ・ヌネスとタイ記録とのことです。今週末にフィニッシュを決めてその記録を単独で塗り替えることは、あなたにとってどういう意味を持ちますか? 「彼女は私の絶対的なアイドルだからね。彼女より優れた女性ファイターなんていないと思っているから、彼女の記録を破ることができれば、本当に大きなステップになるわ。それが本当に意味のあることよ」 ――では、自分自身はどのようなチャンピオン像を描いていますか? タイトル防衛を積極的に行いたいか、あるいは二階級制覇への興味など、どう考えていますか? 「間違いなくアクティブでありたいわね。自分のキャリアを通じてずっとアクティブに戦ってきたし、自分の階級を完全に制覇するまでは上の階級に上げるべきじゃないと思っているの。だから、自分の階級をクリアできたら、上の階級を考えるかもしれない。でも現時点では115ポンド(ストロー級)に留まる」 ――次の質問です。少し気が早いかもしれませんが、現在のあなた以外に、階級内で明確な次期挑戦者はいますか? 「ウェイリーが現在どの位置にいるのか、いつも疑問符がついている状態よね。ファティマ(クライン)が上がってきているし、(アレクシア)タイナラもいる。彼女たちは今後数年にわたってしっかりとマークしていかなければならない選手たちだと思っているわ」 ――ここまで長い道のりを歩んできたと話していましたが、敗戦や挫折、そして自分やファンがチャンスに値すると感じていながらも他の選手たちが先にチャンスを掴んでいくのを見る中で、「本当にこの場所にたどり着けるのだろうか」と疑心暗鬼になったことはありませんか? 「ううん、旅の楽しさを味わっていただけだから、疑ったことはないわ。私が学んだ最高の教訓の一つは、メイシー・バーバーにTKO負けした直後、オクタゴンから降りる階段でのことよ。コーチのディンが私に近づいてきて、『終わったんだ』と言ったの。その瞬間に気づかなきゃいけないのよ。“もうどうにもできないことだってある。次の瞬間に進んで、ただ前進し続けるしかないんだ”ってね。 ――あなたはUFC屈指の素晴らしいグラップラーの一人です。もし試合になってグラウンドの展開になり、マッケンジー・ダーンのような実績を持つ相手からサブミッションを奪うことができたとしたら、あなた自身のグラップラーとしての評価はどれくらいの順位になりますか? 「それは、UFCにおける私の最高峰のサブミッションの一つになるはずよ。UFCやブラジリアン柔術で彼女ほどの実績を持つ選手は他にいないし、彼女はまだ一度も一本負けをしたことがないからね。その栄誉を手に入れられたら本当に素晴らしいわ」 ――土曜日に勝利した場合、デイナ(ホワイト)に「ここで防衛戦がしたい」と頼むとしたら、どこが良いですか? 「もちろんカナダでやりたいわね! でも、もしウェイリーが戻ってくるなら、上海まで乗り込んでもいいわ」 ――健闘を祈ります。今回のタイトル挑戦に向けてキャリア最長の連勝中ですが、これだけの連勝を重ねられるようになったのは、キャリアの何が変わったからだと思いますか?「コーチのディン・トーマスや“ゴート・シェッド(Goat Shed)”の環境のおかげで、自分に自信を持ち、万全の準備をしてオクタゴンに向かうために必要な“正しい組み合わせ”を見つけることができたからだと思うわ」 ――素晴らしいですね。皆さん非常にハイレベルなMMAグラップラーですが、パンチやキックを一切なしにして、もし純粋な柔術だけのマッチだったら、マッケンジー・ダーン相手にどう戦えると思いますか? 「正直に言って、純粋な柔術なら彼女に軍配が上がるでしょうね。UFCに入ってから純粋な柔術の練習なんてしていないし、打撃ありの柔術しかやっていないから。今となっては、相手の顔面を殴ることなしにクローズドガードを開く方法かすらよく分からないわ。だから、もし純粋な柔術ルールだったら、彼女にアドバンテージがあっても驚かないわね」 ――ありがとうございます。カナダを代表する存在として、GSP(ジョルジュ・サンピエール)以来となるカナダ人王座獲得の可能性や、カナダの新しい世代の男女ファイターを代表することについてどう感じますか? 「それを聞くたびに、なんだか現実離れしているように感じるわ。カナダ初の女性チャンピオンになるなんて……自分でも“そんなにイケてる人間じゃないよ”って思っちゃうの。ただ楽しくこれをやっているだけだから。だから自分がカナダのMMAを引っ張っているなんてそこまで大ごとに考えていないけれど、それでも本当に現実味がないわね」 ――このタイトルマッチがイスラム(マハチェフ)がメインを務める大会のコ・メインイベント(セミファイナル)に組まれたことについてはどう思いますか? 「現在最強であるイスラムがメインの大会でコ・メインを張れるなんて、最高のポジションであり、最高のチャンスだと思っているわ。多くの人たちにこのショーを見てもらえることを願っているわ」 ――この試合がフィラデルフィアで開催されると聞いたときの最初のリアクションは? 「アリーナがものすごく大きくて、ファンがめちゃくちゃ熱狂的だって聞いたわ。私が楽しみにしているのはまさにそこよ」
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