2026年7月25日(土)東京・後楽園ホール『Krush.190』の前日計量が、24日(金)都内にて行われた。
メインイベントのKrushスーパー・バンタム級(-55.0kg)で対戦する黒川瑛斗(team VASILEUS)と橋本楓汰(POWER OF DREAM)は、黒川が55.0kgジャスト、橋本が54.95kgでそれぞれパス。グータッチで健闘を誓い合った。
以下、両選手の試合前インタビュー。
黒川「俺が何しに来たと思ってんだよ」
──前戦、4月の芝宏二郎戦は残念な結果でしたが、あの試合を今振り返ると?
「7月のK-1福岡大会もあったし、自分的にはあそこで勝って、チャンピオンの石井一成君に対して『K-1のタイトルに挑むのは俺しかいないだろ』って言おうと思ってたので、あの結果にはすごく落ち込んだし、いろいろ考えましたね。落としちゃいけない試合を落としたかなと思って。ただ逆に言うなら、K-1バンタム級のベルトを前々回、石井君に挑戦したけど逃して、直近何試合かは減量もキツかったので、もう階級を上げようかなとかも考えてたんですよ。石井君に負けた後、すぐのタイミングで」
──そうなんですね。
「だけど、自分の立ち位置も考えたんです。Krushのベルトも巻いて、バンタム級でおいしい思いもたくさんしてきてるわけじゃないですか。そういう過去に囚われていたというか、それでまだバンタム級でやろうと思って、前回、芝選手に負けたんですよね。試合中の自分の体調的とか、練習過程でもバンタム級の限界を感じる部分はあって、それが前回の試合の結果を通して、より『もう俺、バンタムでは限界なんだな』と思って。だから今となっては、階級を上げるのはこのタイミングしかないのかなとは思いましたね」
──だいぶ前から、減量はキツかったんですね。
「そうですね。初防衛の大夢戦(25年3月)……いや、何ならその前、白幡裕星君とやった時(24年10月)もすごくキツかったし。計量の1週間前のランニング後に血尿が出たりもしたし、直近3~4試合は、もうずっとキツかったですね。それでも、落ちるのは落ちるし、落ちれば勝てていたし、パワーも違ったので、スーパー・バンタム級はあんまり考えてなかったんですよ。でも逆にそれで削りすぎて、自分のパワーだったりが 出し切れてないなら本末転倒だし、本当にこのタイミングなのかなとは思ってますね」
──では今は、その分気持ち的にも体調的にも万全で臨めるという感じですか?
「そうですね。すごく楽しみで、自分でも『どこまでできるのかな』というのもあるし。デビューした頃の気持ちをすごく思い出しますね。減量もそうですし、何より試合までの練習の過程がすごく充実してるなと思いました。やっぱり前回までは、減量のための練習になっていた部分が少なからずあって、試合に向けて100%の練習ができてるのかなという疑問はすごくあったので、そこが変化してメンタル的にも安定していますし、この差はすごく大きいのかなと思いますね」
──今回は階級アップ初戦で橋本楓汰選手との対戦です。どういう部分を警戒していますか?
「彼は今、7連勝中とかで勢い的な部分が一番乗ってるのかなと思うし、そこが強みにもなってるんじゃないかなと思いますね。POWER OF DREAM(POD)の選手なので、パンチが上手で、PODらしさというか、強みの部分が生きてる選手だなとは思います。でも、そんなに何かを警戒してるというわけではないですね。とにかく自分の動きとか、スーパー・バンタム級でどんなもんなのかというのが楽しみです」
──では、どういう試合にしてどう勝ちたいと思っていますか?
「今回は久々のKrushだし、メインイベントだし。僕自身、メインは3回目なので、メインの締め方とか、Krushがどうあるべきかというのはよく分かってるつもりだし、1個下の階級ではありますけど、仮にもKrushのベルトも巻いてたわけだし。だから、そこを見せようかなと思います。『Krushっていうのはこういうもんだよ』というのを、相手にも、見に来てる人たちにも見せようかなと思ってますね」
──このところ、Krushの存在が問われている感じもありますよね。その中で「Krushらしいメイン」というのは、黒川選手の中ではどういうイメージですか?
「いやもう、『Krush』という団体名、そのままかなという感じですね。それを見せるだけかなと。今までKrushで、そういうものを見て育ってきたんで。Krushを作り上げてきた人たちにそういう背中をいっぱい見せてもらってたし、そういう人たちに囲まれて生きてきたんで。今は僕も、逆にKrushを作っていく側にいると思うし、前回、6月の大会がなくなったというタイミングも含めて、いいタイミングなのかなと思うし。ここで僕自身もそうだし、Krush自体の真価も問われると思うし。そこを全部見せようかなと思ってますね。黙って俺の試合を見とけよって思ってます」
──おお!
「K-1と統合するとか、Krushをなくすとか、そういう意見が出るのもしょうがないと思うけど、黙って俺の試合だけ見とけよとは思いますね。あと何日かして、7月25日になれば分かると思うし、Krushをどうこうするっていう意見を全部、吹っ飛ばしやろうかなと思います」
──そして、スーパーバンタム級という新たな階級に挑んでいく意気込みはどんな感じですか?
「今回勝って言いたいこともいっぱいあるんですけど、一番簡単に言うと、やっぱり、『この新生K-1は誰が作ってきたの?』っていう話じゃないですか。それはやっぱり武尊さんで、その武尊さんがK-1で一番最初に獲ったのがスーパー・バンタム級で。そこから武居由樹選手だったり金子晃大選手が出てきたり、金子選手とライバル関係にあった玖村将史選手とか、いつの時代もK-1のスーパー・バンタム級って、日本格闘技界の話題の中心にいたと思うんですよ。K-1のスーパー・バンタム級があって、他の団体がある、他の格闘技が存在してるという認識だし、その中で金子選手がもう5年ぐらい、ずっとチャンピオンでいるわけじゃないですか」
──確かに。
「そして切磋琢磨していく場所であるKrushでは、チャンピオンの璃明武選手が4年ベルトを持ってる。やっぱり変わり映えがないし、いつまで金子と璃明武がベルト持ってんの、って話じゃないですか。それだけ時代を変えられる選手がいないし、流れを変える力のある選手が出てきてないっていうのが、K-1スーパー・バンタム級が衰退していった一番の理由なのかなと思うし。僕はその黄金時代を取り戻したいなと思っているので、僕がこの階級で絶対的な存在になろうかなと思って階級を上げてきました。K-1の考えとかもいろいろあると思うんですけど、僕が全部グッチャグチャにしてやろうかなと思ってるので、そこは楽しみにしててほしいですね」
──「俺が来たからには」と。
「というよりは、俺が何しに来たと思ってんだよ、って感じですね、どっちかというと」
──黒川選手自身は、team VASILEUSに移籍して1年ちょっと経ちました。4月には武尊選手の感動的な引退試合があったり、所属選手はそれぞれに活躍していますが、その中の一員としてはどういう気持ちですか?」
「やっぱり、その人たちの背中を見て、追っかけてここまで来てるわけだし、そこに関しては変わらないというか。カッコよくて大きい背中を見せてくれる人たちがいっぱいいるので、学ぶものはたくさんあるし、それを自分の中に落とし込んで、答え合わせするだけかなと思ってます」
──また先日の記者会見では、宮田プロデューサーがメイン・セミの4人から、次の王座に関わる選手を選ぶ可能性が高いと発言していました。そこに関して、他の3人に対して思うことは?
「宮田さんが言ってたのは、今は璃明武君が持っているKrushのベルトの動向だと思うんですよ。でも僕からしたら、Krushは別にそいつらでやっとけよ、と思ってるんで。今回はメインベンターとしてKrushを見せるし、だからこそ、この試合で勝った方が、それを引っさげて9月のタイトルマッチで勝った方、その時のK-1チャンピオンにやっていいだろうと思ってます。璃明武君どうこうというよりは、今回勝った選手はK-1のスーパー・バンタム級の一番てっぺんに挑んでいいと思っているので」
──なるほど。
「もちろん自分がそれを見せるつもりだし、それはさっきも言った通り、スーパー・バンタム級の選手たちが軒並み金子君と璃明武君に負けてるからそうなってるわけで。逆に僕は階級を上げてきたばっかりだし、金子君とも璃明武君とももちろんやったことがないし。たぶん、俺がこういうことを言ったら、今スーパー・バンタム級にいる選手たちがいろいろ言ってくると思うんですよ。『俺とやれ』とか『俺を通っていけ』とか。いや、お前らが上に負けてるから、こんなことになってんだろ、っていう話なんで、俺からしたら。お前らが変えられなかったスーパー・バンタム級を変えてやるよ、って感じなんで。じゃあ、うるせえヤツらは別に、俺がK-1チャンピオンになってから挑戦者として指名してやるよ、って話なんで」
──では最後に、改めてこの試合に向けての“決意”をいただけますか?
「今回から階級を上げるってことで、新しくなった黒川瑛斗というものを見せようと思ってるし、またゼロから復活しようかなと思ってるので、そこに期待しといてほしいですね」
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橋本「金子選手に勝つ自信もある」
──橋本選手はここのところ7連勝中と絶好調ですね。自分では好調の理由は何だと思っていますか?
「POWER OF DREAM(POD)に移籍して、今までの練習量に比べて倍になったし、古川会長からのご指導もあって、それがうまく自分とマッチしているんじゃないかなと思ってます」
──はいはいはい。弟さんの橋本雷汰選手とともに上京はしたものの、所属ジムはそれぞれで決めて、楓汰選手はPOD、雷汰選手はALONZA ABLAZEに入ったそうですね。同じジムに入ろうというつもりは、そもそもなかったんですか?
「なかったですね。別に、お互いが行きたいところが同じなら、そうなってたかもしれないですけど。それぞれの行きたいところが全然違ったので、別に無理に合わせる必要もないかなって
──その中で楓汰選手がPODに入ろうと決めたのはどういう理由だったんですか?
「キックボクシングを習い始めた頃から、PODの選手が好きだったので。ちょうど、江川優生君がものすごい活躍ぶりで、メッチャ好きだったので、そういう憧れもあってPODに入りたいと思いました」
──PODのスタイルも好きだったんですか?
「はい、メッチャ好きでした。PODの選手って、どの距離でも強いじゃないですか。近い距離でも強いし、間合いがある中でも強いし。ああいう完璧なスタイルがカッコいいなと思って、憧れてました」
──でも実際に入ったら、練習が大変だったのでは?
「最初はヤバかったですね、ホントに。すぐ慣れるかなって思ってたんですけど、今でも全然キツいですね。毎日やってるから慣れはあるんですけど、それでもキツいです」
──でもその分、憧れのスタイルは身についてきていますか?
「着々とついてきてはいるんですけど、でも、全然まだまだですね。もともとの自分の動きとうまく混ぜ合わせようとしている感じなんですけど、まだそんなにPODっぽくないというか。それがよさでもあるんですけど、まだまだ身につけないといけないことはいっぱいあります」
──今の練習で一番、よくなったなと思うところというと?
「ディフェンス面ですかね。もともとはただ前に出るだけで、本当に雑だったんですけど、PODの選手は細かいところで独特な動きが多いので、そういうところを会長に教えてもらっていて、試合でも、少しですけど、ちゃんと出るようになったところかなと思います」
──逆に、もっと伸ばしたいところは?
「前半はいいんですけど、後半になるともともとのクセが出て雑になって、ただ前に出るっていう流れが多いので、最後までしっかり落ち着いてゲームができるようになればいいなと思ってます」
──「ゲーム」という言葉は、PODの選手からよく聞きますね。
「そうですね。会長がいつも『ゲームしろ』『ゲームしろ』って言うので、自分でも心がけています」
──7連勝の一番直近の試合は2月のK-1での池田幸司戦でした。スーパー・バンタム級のトップ戦線の一角を食って評価を上げたあの試合を今、振り返ると?
「代打出場で急きょ決まった試合ではあったんですけど、池田選手っていう、スーパー・バンタム級の中でもタイトルマッチも経験している相手に、接戦だったんですけど勝てたのはホントにデカいと思いましたね。9月に金子晃大選手と璃明武選手でタイトルマッチが決まっちゃいましたけど、自分ももうタイトルマッチに近い存在になったんじゃないかなと思ってます」
──今回は黒川瑛斗選手との対戦です。黒川選手のどういうところを一番警戒していますか?
「K-1のバンタム級でタイトルマッチも経験している選手だし、元Krushチャンピオンでメインも何回か経験してるし、そういった場慣れという面では黒川選手の方が一枚上手だと思うんですけど……でも、まだ4月にバンタム級で試合してて、そんなすぐにスーパー・バンタム級にアジャストはできないと思うので、返り討ちにできたらいいなと思ってます」
──どう勝ちたいと思っていますか?
「もちろんKOで勝ちたいというのはあるんですけど、さっきも言った通り、3Rしっかりゲームして、何もさせずに勝ちたいというのが一番ですかね。盛り上げるのは前提として、最低でも面白い試合をしっかりしたいなと思ってます」
──この一戦は今大会のメインでもあります。先輩の岩尾力選手をセミに差し置いてのメインですが、決まった時にはどう思いましたか?
「正直、メインだろうなとは思ってました。相手も黒川選手ですし、僕も一応、これだけ連勝も重ねてますし。もう全然K-1でも組んでもいいカードだなと自分でも思ってたので」
──自分がそのメインを務めるということに関しては、どういう思いがありますか?
「もちろん、後楽園で初メインなのでうれしいですけど、別にいつもと気持ちは変わらず、普通に試合して盛り上げられればいいなと思ってます」
──そして先日の記者会見では、メイン・セミの4人の中から次のタイトルマッチに絡む選手が選ばれるという話がありましたが、そこについては?
「4人の中でと言わず、僕と黒川選手の勝った方が次の挑戦者でいいんじゃないかなと思ってます。それがK-1でもKrushでも。まあ正直に言えば、仮に璃明武選手が勝ってKrush王座が空位になったとしても、K-1王座の方に挑戦したいですけどね」
──ただ、同門の岩尾選手と2人で勝った場合、対戦ということはないにせよ、勝ち方を比べられることになる可能性はあると思います。岩尾選手がまたすごいKOを見せる可能性もけっこうあるわけですが、そこに関してはどうですか?
「でも、力君に負けないぐらい、僕もいい勝ちっぷりを見せればいいだけなんで。もちろん倒し方とかは意識はしてますけど、順当にやっていけば、ファンのみんなからも『橋本楓汰でいいんじゃないか』っていう声が自然に上がると思うので」
──改めて、K-1 GROUPでも盛り上がっている階級の1つであるスーパー・バンタム級のトップ戦線に入っていく意気込みはどうですか?
「僕はもう全然、いつだって金子選手に勝てる気でいます。でも璃明武選手が次に挑戦するのはもう決まってるので、僕が黒川選手に勝ったら、タイミングを見て金子選手とやりたいですね。もちろんベルトも欲しいですけど、金子選手が次に勝っても負けても、金子選手とやりたいという気持ちはありますね。昔、自分がアマチュアの頃からずっと見ている選手なので、リスペクトも込めてやってみたいし、勝つ自信もあるので。メチャクチャ盛り上がる試合ができる気もするんで」
──そういうところにつなげていくためにも、今回の試合はかなり大事ですね。
「そうですね。本当に落とせない試合ですね、今回は」
──それから雷汰選手にも、活躍という点で負けたくないという気持ちは強いんじゃないですか?
「もちろんそうですね。最初のほうは雷汰の方がずっと目立ってたので、ホントに悔しいなと思いながら見てたんですけど、最近は僕も勝つことができてきましたからね。アイツはアホなことばっかしてるんで、けっこう注目されてますけど、実力だけ見たら僕も雷汰も並んでるぐらいだと思うんで。雷汰は8月に王座決定トーナメントがありますけど、2人で勝って、2人でK-1を盛り上げたいですね。ずっと雷汰ばっかに任せっきりになってたんで、 2人で盛り上げたらなと思ってます」
──盛り上げるという点でも、負けずに頑張りたいと。
「はい。しかも雷汰は、8月はトーナメントじゃないですか。雷汰もしっかりそこで勝って、2人でベルト巻いた姿をみんなに見せたいですね」
──それこそ8月は上野兄弟がねセミ・メインで出場しますし。
「そうなんですよね。やっぱり同じ兄弟として、雷汰とジムは違いますけど、他の兄弟に負けないぐらい目立ちたいんで。しかも僕ら、双子ですからね。まあ、最近はカマラ・ツインズもいますけど」
──「兄弟」だけじゃなくて、「双子」のライバルも出てきちゃったわけですね。
「ホントですよ! しかも正直、僕らよりそっくりじゃないですか」
──双子としても負けてられないと(笑)。では最後に、改めて今回の試合への“決意”をいただけますか?
「今回は9月にK-1のタイトルマッチも決まってる中で、本当に次のチャンスのためにも絶対落とせない試合なので、油断せずに臨みます。体もしっかり仕上がってきてるので、みんなが盛り上がるような試合をしっかりしたいと思ってます」