12月3日(火)東京ドームシティ(TDC)ホールで開催される2019年ビッグマッチ『GROUND ZERO TOKYO 2019』のメインイベントで、RISEウェルター級王者・“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館)と対戦するS-cup2018世界王者・海人(TEAM F.O.D)。これまで65kg級戦線で活躍してきたが、階級を上げ元Krush-70kg級王者・中島弘貴、RISEミドル級王者イ・ソンヒョンを下し、現在2連勝中だ。SBの若きエース、海人は再び立ち塞がるRISE王者との一戦をクリアできるか。
▼SB日本ウェルター級(67.5kg) エキスパートクラスルール 3分5R延長無制限R ※ヒジ打ち無し海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者、SB日本スーパーライト級王者)“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/RISEウェルター級王者)
――2019年SBのビッグマッチでの試合が近づいてますが、調整はいかがでしょうか。
「順調に仕上がっていてバッチリです。過去最高だといってもいいぐらいですね」
――今回対戦するベイノア選手にはどのような印象がありますか?
「僕とは階級が近いということもあって、いつかやるんじゃないかという意識はしていた選手の一人です。極真空手をやっていて、バネがある選手だなと。お互いに身長が高いですし、リーチも長く、噛み合う試合になりそうだなと思います。僕とも対戦しているタップロン選手との対戦が印象的で、ベイノア選手は1度KO負けしていますが、半年後の再戦ではしっかりダウンを取って勝っていたので、精神面でも絶対にやり返すという強さがあるのかなと思いました」
――警戒している部分は?
「後ろ廻し蹴りですね。顔面にも飛んできますし、ボディにも飛んでくるのでそこはわかりづらい攻撃ではあるかなと思います。ちなみに僕は後ろ廻し蹴りをやる選手とは今まで対戦したことがありません。出稽古先での練習では後ろ廻し蹴りを出してくれる人がたくさんいるのですが、ちゃんともらったことは一度もないぐらい反応も良いのでベイノア選手のものも一発も当たることはないですね」
――練習で一番強化していることは何ですか。
「前回のイ・ソンヒョン戦でまだ足りなかったのは自分のパンチの技術でした。そのレベルアップを意識していて、今回はさらにいい攻撃が出せるようになっているので期待していて下さい」
――レベルアップするためにどういうことを?
「パンチのコンビネーションを増やしたり、ソンヒョン選手にやられたフェイントを自分の技術に吸収しようと、ソンヒョン選手の試合映像をYouTubeを見て勉強させてもらっていて練習でも取り入れています」
――海人選手は以前にも宮越慶二郎選手と対戦(2017年9月16日)したことで宮越選手の独特なステップであるニンジャステップを習得したこともありましたが、やはり強豪選手と拳を交えることで学ぶことは大きいですか?
「そうですね。ソンヒョン選手はRISEのチャンピオンであり、世界的にも活躍している選手だったので、そういう選手とリング上で実際に殴リ合えたことで、見るだけのこととは違って試合中に凄く勉強になることが多かったですし、彼の技術を吸収することで今後にもつなげられると思いました。身体の強さも凄く感じましたし、こういう選手が世界でも通用するんだなと感じましたね」
――6月の中島弘貴戦に続いて階級を上げての2戦目でしたが、動きはどうでした?
「自分のパワー、身体には全然違和感がなく動けているので階級を上げても問題はないのかなと。スピード面も落ちたとは思っていませんし、むしろ気持ちも乗っているぐらいかなと思います」
――65kg級よりも戦いやすい?
「これから69~70kgで戦うとなると自分の身体的にはまだ早いかなと思うと部分もありますが、次のベイノア戦は67.5kg契約での試合なのでそれぐらいの階級が一番自分に合っているのかなと思いますね」
――ここまで階級にこだらわない戦いをするチャンピオンはなかなかいません。
「そうですね。65kg級だとなかなかいい対戦相手もいないですし、それなら僕が階級を上げてでも相手を見つけてもらって強い相手をぶつけてもらった方が自分的にはモチベーションは上がりますし、強くなっていけると思います」
――前回のソンヒョンに続いて、RISE王者との対決になりました。団体王者対決との意識は強いですか?「SBが立ち技最強だと証明していきたい」と以前から言われてましたが、今回のように王者対決を制することでそれを証明する時が来たと感じますか?
「そこはやはり意識しますね。SBのチャンピオンが他団体のチャンピオンに負けることは許されないことですし、しかもホームリングでの戦いになるのでそこで他団体の王者に乗り込まれて負けたら格好がつきません。今回RISE王者二連戦ですが、前回は倒しきれなかったので次はしっかり倒して白黒はっきり付け、SBの選手がどれだけ強いかを世間に認知してもらえるようにするだけです。
これからも他団体のチャンピオンに勝ってしまえば、その階級のどの選手と戦わずとも強い存在を証明することができます。そしてチャンピオンたちにどんどん勝っていけば、自然にSBが最強だと証明できるのでそれを意識して戦っていきます」
――今回の一戦をクリアーして、来年の目標はありますか?
「来年も上の階級に上げて世界の強い選手たちと渡り合えるようになれたらいいなと思います。リベンジしたい3選手(チャムアトーン、ザカリア・ゾウガリー、チャド・コリンズ)がSBのリングに上がってもらえるのであれば65kgで戦いますが、それ以外の選手だと65kg級ではもう対戦相手がいないので、階級を上げて戦っていこうと思っています」
――ちなみに年末が近づいてますが、大晦日のRIZIN興行出場は狙っていますか? もし出場となれば昨年8月のRIZIN以来の出場となります(小川翔に判定勝ち)。RIZINの榊原信行代表は海人選手のことを高く評価しているとお聞きしました。
「今回しっかり勝たないと何も言えないのですが、しっかり倒してケガなく終わり、シーザー武志会長やSB協会からGOサインが出ればもちろん僕は前向きに出たいですね。試合後のマイクでもアピールしたいと思います」
――大晦日出場は格闘家にとっては大きな夢でもありますが、海人選手も憧れのリングでしょうか。
「夢や憧れではありませんが、SBの大会だけではなく、色々な大会に出て試合をさせてもらうことは凄く嬉しいことですし、多くの人たちが見てくれることでSBを有名にするチャンスでもあります。大晦日の大会ということで注目度が高いのでシュートボクサーとしてチャンスかなと。あと、シュートボクサーとしてRENA選手が活躍してくれているので、男子選手には海人がいるんやぞ、というのを見せていきたいですね」