2026年5月2日(土)東京・後楽園ホール『Krush.184』のメインイベントにて、Krushスーパー・ライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rで塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)の挑戦を受けて2度目の防衛戦に臨む王者・稲垣柊(K-1ジム大宮チームレオン)のインタビューが主催者を通じて届いた。
稲垣は極真空手出身で少年時代に数々の大会で優勝・入賞を果たす。中学・高校はバレーボールで全国大会に出場するなど活躍。高校卒業後に格闘技に戻ると「格闘代理戦争」出演を経て2019年9月にプロデビュー。2023年1月・4月の王座決定トーナメントを制し、第9代Krushスーパー・ライト級王者に。2024年9月の「第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもヨードクンポンに敗れた。
2025年2月、佐々木大蔵に判定勝ち。5月にヨードクンポンとの再戦に臨んだが、体重超過で王座をはく奪された相手にKO負けを喫した。11月、朝久泰央との第8代K-1スーパー・ライト級王座決定戦を争うも判定2-0で惜敗。戦績は15勝(7KO)4敗。
全く油断してないので100%の準備で臨む
──前戦は昨年11月K-1での王座決定戦、朝久泰央戦でした。あの試合を今振り返ると?
「負けるべくして負けたなって感じですね。自分のレベルが相手より低かったし、自分がチャンピオンになる器ではなかったなと思いますね。僕は、チャンピオンの器ではない人はどんなに強くても絶対にチャンピオンにはなれないと思ってる派なんですよ。自分の人間力もまだまだ足りないし、技術も足りなかったなと、振り返って思います」
──あの時点ではそうだったと。今回がKrushの防衛戦ということも含めて、王座に絡んだ試合が続いてますよね。その意味では、緊張感のある日々が続いているのでは?
「最近はもうずっとそうですね。実力的には、もう絶対にK-1でもトップ10位内、その中でもトップの方にはいると思ってるんですけど、もう一つ、頭一つ抜け出していない自分も感じていて、実力も人気も含めて、突き抜けたいなと思っています」
──そこを突き抜けるために、何が必要だと感じていますか?
「実力はもちろんですけど、やっぱり見られてナンボの世界なので。もちろん強さだけでメチャメチャ有名になれればいいですけど、そういう時代でもないので。その面でも努力しているつもりです」
──今回はKrushの防衛戦で、相手は挑戦者決定戦を勝ってきた塚本拓真選手です。まずその挑戦者決定戦、近藤拳成選手との試合はどう見ましたか?
「タイでの合宿中だったので、現地で見ていたんですけど、別に煽りとかでもなく言葉を選ばずに言ってしまうと、『僕はこのレベルではない』というのは本当に感じました」
──では、勝って挑戦してくる塚本選手に対してもそういう気持ちだと。
「そうですね。でも本当に、初心に帰ったような気持ちでもあります。僕がK-1に出る以前、Krush王座を獲る前ぐらいに考えていた気持ちが今、蘇ってきていて。どんな相手に対しても100%の準備をして、絶対に油断しないで試合に挑むという気持ちですね。それが本当に最近、蘇ってきたというか。だから『レベルが違う』と言ってますけど、全く油断とかもしてないので、100%の準備で臨みます」
──その中で塚本選手に対して、警戒する部分はありますか?
「塚本選手は最近、いい意味でも悪い意味でも自分の闘い方を掴んだなと、客観的には思ってるんです。ドロドロにして判定で勝つみたいな。だから今回は、いつものように自分のレベルを上げる練習ももちろんしてるんですけど、相手の対策をいつも以上にやっていて、今は8割ぐらいがそれですね。今回は『相手の土俵でも勝ち切る』ということをテーマに設定しているので」
──その上で、レベルの違いを見せつけてやる、味わわせてやるという感じですか?
「それとはちょっと違うというか。最近の、K-1での僕の試合を振り返ってみると、もちろん相手の対策もしてるんですけど、自分のレベルを上げる方をメインにやっちゃってて。試合中に『あれ、いつもと違う』みたいな感じで、相手の動きに戸惑うような感覚があったんですよ、何回も。それはK-1になってから、初めて感じたことなんです。もちろん相手のレベルが上がってるのはありますけど、『俺はここまで準備できないでリングに上がってたんだ』ってリングの上で思ってたので。それはもう絶対にイヤなので、どんなパターンでも勝ちきるために、相手の対策しかしていないです、今は」
──なるほど。K-1での闘いを通じて意識が変わったんですね。ではその上で、どういう闘いをしてどう勝ちたいと思っていますか?
「この試合は絶対に、キレイな展開だけで終わらないと思うので、相手が得意とするようなドロドロの場面になった中でも、『あれ、何もできない』って塚本選手が思うような試合になると思います」
──ドロドロの展開になるのは構わないということですか?
「はい、それはもう覚悟の上です。ただ、もちろんフィニッシュは絶対に狙っています。絶対に倒せると思っていますし」
──今回は2度目の防衛戦になりますが、今はK-1の王座にも挑んでいっている中で、Krush王座への思いというか、位置づけはどういう感じですか?
「僕は毎回、K-1の会見とかでもちゃんとKrushのベルトを持っていくんですけど、それは本当にKrush王者としての誇りは持っているからなんです。絶対に僕はKrushのベルトを持ったままK-1王座を獲りたいと思っていて。K-1とKrushが上とか下とかじゃなくて『俺がチャンピオンだ、ナメんな』という感じですね」
──K-1王座を獲ることで、Krush王者の強さを証明することになるというか。
「そうですね。だから本当に、同時に獲りたいんです、僕は」
──ところで塚本選手は、同じ日に東京ドームで開催されるボクシングの試合について言及していました。それについてはどう思っていますか?
「二つの気持ちがあって。客観的に見たら、その試合に比べて認知度が違うというのは、事実ではあるじゃないですか。だから『その試合に勝つ』という塚本選手の言葉に『何言ってんだ』って思う気持ちもありましたけど、でもそんな反面、僕も絶対に、今度の試合は東京ドームよりも盛り上げたいという気持ちはあるんです。すごいことを成し遂げる人って、笑われても馬鹿にされても、本当にやり切る人だと思うんです。僕も『盛り上げる』という気持ちについては、塚本選手と本当に同じ気持ちです」
──では最後に、改めて今回の試合への“決意”をいただけますか?
「いつも応援ありがとうございます。本当にいい意味で自然体の稲垣柊が戻ってこれたと感じていて、会場に来ている皆さんと一緒に楽しみたいので、当日は楽しみにしていてください」