4月21日(日)横浜アリーナにて開催される「RIZIN.15」の記者会見が1月31日、都内ホテルにて行われ、以下のカードが発表された。
会見で、榊原信行実行委員長は60kg契約でUFC4勝3敗のベン・ウィンと対戦する堀口恭司について、「4月からいきなりきつい相手を用意した。タイトルマッチではないけれども決して侮れる選手ではない。堀口は4月大会で怪我がなければ、(大晦日に堀口が一本勝ちしたBellator王者の)ダリオン・コールドウェルと早いタイミングで、アメリカで再戦になります」と語った。
なお今回の会見は高田延彦統括本部長が欠席。榊原委員長は「今後は統括本部長ではなく新しいご意見番的な立ち位置に立ってもらいたいと考えています。私も実行委員長の肩書を変えるつもりです」と説明した。(※詳細は後ほど追加)
▼60kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R ヒジあり堀口恭司(ATT)vsベン・ウィン[Ben Nguen](米国)
◆堀口恭司「自分の方が全然、スピードがある」
「相手がすごい打撃が得意な選手なんで、しっかりKOして会場を盛り上げる試合をするので、皆さん、ぜひ会場へ足を運んでください。お願いします。(ベン・ウィンは)UFCで戦っていた選手で何回か試合を見たことがありますが、打撃が得意で寝技もできるので、しっかり仕留めたいと思います。(ウィンはテコンドー出身で、左右どちらでも構えて、半身から飛び込む打撃が少し堀口と似ているが、印象は?)まあ、うまい選手だと思いますけど、試合を見ている限り、たぶん自分の方が全然、スピードがあるので、仕留められるかなと思っています。(チャンピオンとして1発目の試合になるが)チャンピオンとしてというよりは、しっかり日本を盛り上げる試合をしようと思っています。日本の格闘技をもっともっと広めていきたい。『面白いんだよ、日本の格闘技は』というのをもっと世界に発信したい。(4月横浜大会以降のダリオン・コールドウェルとの米国での再戦に向け)戦略的には1回勝っているので、(コールドウェルも)ああいう戦い方はしてこないと思うんですけれども、あれに近い形で自分はプランを組んでいこうかなと思っています。(相手のホームで、リングからケージになり、細かいルールも異なるが影響は?)自分にとっては金網の方がやりやすいし、何度かBellatorも会場で見ているので、そんなに変わんないかなと思います」
◆ベン・ウィン(vs.堀口恭司)※コメント代読「子供の頃PRIDEを見て育った身としては日本で試合をする夢が現実になった。堀口は素晴らしいファイターで今最も勢いがあると思うが、俺には勝算がある。両者とも打撃が得意なので激しい試合になる事は間違いない。とにかくこの試合待ち遠しい!」※UFC4勝3敗
◆柏木信吾氏(マッチメイク担当)評「ベン・ウィンはアグレッシブで打撃が魅力的な選手。ハートが強く下がらずにずっと前に出てくるファイター。実力的には、2016年のTUFで扇久保博正選手を降しているティム・エリオットにウェンは一本勝ち(リアネイキドチョーク)しています。UFC(4勝3敗)をリリースになって、大晦日にRIZINの試合を観に来ていて、どんなパフォーマンスをしなくてはいけないかがわかっている選手」
▼61kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R ヒジあり朝倉 海(トライフォース赤坂)vs佐々木憂流迦(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)
◆朝倉海「寝技を得意とする相手が一番やりやすい」
「今回は僕の方から(佐々木憂流迦を)指名させていただいたのですが、こういうことを、自分から言うのは好きじゃないですけど、憂流迦選手との試合を見たいという声がすごく多くて、みんなが見たい人とやるのがファイターの使命と思いアピールしました。受けていただいて感謝していますが、勝てると思って対戦要求しているので、しっかり倒したいと思います。
(佐々木の印象は)まず、寝技の極めがとても強い。多分、頭がいい。試合運びが上手な選手だと思っています。
(今年の目標は)去年は全勝でこれたので、今年も全勝でいきたいと思います。あとは、バンタム級強い選手がいっぱいいるので、一人ずつ倒していきたいです。
(佐々木憂流迦のチョークに対して自信は?)今まで寝技で極められたことがないし、(寝技で)漬けられたこともないので、正直、寝技を得意とする相手が得意だし、一番やりやすいと思っています」
◆佐々木憂流迦(vs.朝倉海)「4月はぶっ潰し合おうぜ」※コメント代読「佐々木憂流迦です。昨年の大晦日、初めてRIZINの舞台を経験させて頂いて、沢山のファンの熱を体感できた事、心より感謝致します。次戦の横浜アリーナ大会では朝倉海選手との試合が決まりました。またRIZINの舞台でみんなと一緒に熱を作れるのが嬉しいですし、彼が名指しで試合をしたいと言ってくれたことをとても光栄に思っています。お互いが尊敬の念を込め、しっかりと準備をして、全力のぶつかり合いになるでしょう。RIZINにはたくさんの良いファイターがいます。横浜大会もメチャクチャに熱い4月になる事かと思います。ぜひファンの皆さまには会場に足を運んで頂けると幸いです。海君、4月はぶっ潰し合おうぜ」
▼68kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R朝倉未来(トライフォース赤坂)vsルイス・グスタボ(ブラジル)
◆朝倉未来「グスタボとやるかやられるかの試合をしたい」
「対戦相手(ルイス・グスタボ)の試合は去年、会場で見ていたんですけど、急なオファーにも関わらず結構実力差があったように見えたので、強敵なのかなと思います(※欠場した同門選手の代わりに参戦し、矢地祐介を右欠場した同門選手の代わりに参戦して矢地祐介と対戦したが、矢地を2R右フックでKO)。それとちょっと懐かしい気持ちにさせてくれると言うか、久しぶりにちょっと楽しい喧嘩が出来そうなので、すごい楽しみにしています。わざわざ地球の裏側から来てくれるんでね、やるかやられるかの試合をしたいと思います。皆さん会場に足を運んでください。(グスタボは)全試合フィニッシュして勝ってるみたいなんで、すごいアグレッシブで、体力考えずに攻め続けてくる選手なのかと思います。(榊原委員長からライトGP出場を要請されているが?)今、体重を増やす努力をしているので……、うーん、まあ、期待に応えたいなとは思っています。普段の体重は72~73kgくらい。ウェイトトレーニングとか、体のアレルギー検査とかして、食べ物の食事改善などをして体を大きくしていこうと思っています。(2019年の目標は)一戦、一戦、しっかり勝って、総合格闘技界の中心に、朝倉兄弟で、なっていきたいと思います」
◆ルイス・グスタボ(vs.朝倉未来)※コメント代読「昨年の夏に名古屋で矢地を倒して、俺の実力は証明済みだと思う。そのあと怪我でしばらく戦線を離れていたが、もう完全に怪我も治り準備万端だ。今回の相手の朝倉未来は、俺と同じニュージェネレーションの選手だと聞いている。お互いの死力を尽くして、最高の試合をしようじゃないか。もちろん最後に勝ち名乗りを受けるのは俺だ。未来よ、かかってこい!」
▼RIZIN ライトヘビー級タイトルマッチ 93kg契約 5分3R ヒジありキング・モー(米国)vsイリー・プロハースカ(チェコ)
◆イリー・プロハースカ(vs.キング・モー)※ともにコメント代読「RIZINが私にこのような機会を与えてくれた事を非常に嬉しく思う。このライトヘビー級のタイトルを獲るために全力で勝ちに行くつもりだ。特に相手がキング・モーだという事でモチベーションが上がっている。彼にこの3年間の自分の成長を見せたい。その上で勝つ!」
◆キング・モー選手(vs.イリー・プロハースカ)「4月に再び日本で戦い、RIZIN2本目のベルトを獲得できる事を嬉しく思う。相手に対して敬意を表するが、俺はベラトールを代表して日本のファンの為に素晴らしいショーを見せるということ任務がある。奴では俺が王者になるのを止められない。試合を見れば分かることだ」
【出場予定選手】武田光司(BRAVE)
◆武田光司「ライト級GP出場に大きくアピールしたい。今年全勝できるように」
「BRAVEジムの武田です。去年、BRAVEの宮田和幸先生がこのRIZINで引退をしたんですけれども、僕は今回ジムを背負って、強い選手がいるってことをこのRIZINの舞台でお見せできればと思っています。4月に参戦させていただきますが、ライト級GPに大きなアピールができればと思っています。対戦相手は決まっていませんが、誰でもいいと思っていて、自分の力が出せれば勝てるので、4月に向けて身体をつくっていきたいと思います。
大舞台になってくるとフィニッシュという声もあると思いますが、プロで試合を初めて1年と半年くらいですけれども、まだまだ自分も強くなると思っていて、一本を求められていく、そういう試合ができるようにしたいと思います。
(2019年の目標や野望は)野望というか目標なんですけど、さっきも話した通りまだプロデビューして1年と半年とお伝えした通り、まだまだ絶対強くなれると思っているので、今年出していただける試合を全勝できるよう、それを目標に毎日練習頑張っています」
【2019年 RIZIN大会予定】
・4月21日(日) 「RIZIN.15」横浜アリーナ・7月28日(日) 「RIZIN.16」さいたまスーパーアリーナ・8月18日(日) 「RIZIN.17」愛知県体育館・10月 「RIZIN.18」※「関東圏ではなく大阪、福岡あたり」(榊原氏)・12月29日(日)「RIZIN.19」さいたまスーパーアリーナ・12月31日(火)「RIZIN.20」さいたまスーパーアリーナ※榊原氏「10月のRIZIN.18は関東圏ではなく大阪、福岡あたりで開催。また、9月末もしくは10月に関東圏での大会も視野に入れている」
◆榊原委員長が掲げる「2019年 RIZINの6つの目標」。
「これから(会見後に)選手とミーティングをするためのもので、会見で言うつもりはなかったのですが、目標を作って来たので、ここでブチ上げておいた方がいいかなと思って、発表します。目標というからには達成して初めて、夢ではなくなるので、できること、やらなきゃいけないことだと思っています。
1:全大会SOLD OUT
2:フジテレビ平均視聴率8%以上獲得
3:世界中の格闘技大会での1大会の動員数1位を目指す。
2018年中で言うと、世界中の格闘技の大会の中でNO.1は、大晦日のさいたまの2万9千人でした。2位もRIZINの9月、さいたま大会。3位がUFCのロシア大会。
去年はUFCのビッグマッチがなかったというのもあると思うのですが、2019年も世界中で数多くある大会の中で、最高にお客さんが入ってくれて、最高に熱のある空間を作ることを掲げます。
4:海外のプレゼンスを高める
2015年に打ち出した時は海外も視野に入れて垂直型に立ち上げようとしましたが、そんなに甘くない中で、2016年の名古屋大会以降、大きくローカライズして日本に大きく舵を切る、日本で圧倒的に熱を作り直し、ファンに愛してもらえる選手と舞台を作ろうと3年間取り組んで来ましたが、2019年からは海外のプレゼンス(存在感・影響力)をもっと高める。世界中の人たちがRIZINの開催を待つように、海外のプレゼンスを高めていきます。
5:海外での大会を開催
海外でのプレゼンスを高めるととともに、世界と戦う選手、堀口選手はBellatorで近々試合をすることになっていますが、朝倉未来も海も武田も、海外で試合をする機会にどんどんチャレンジして欲しい。海外での大会にRIZINの冠つけた大会──それがハワイなのかマカオなのか分からないですが、海外での大会にRIZINの冠をつけた大会をやりたいです。
6 : 世界中の人たちから愛される大会と選手になる世界中の人たちからとことん愛されて必要とされる選手と大会になること。この6つの目標を、これから選手に伝えたいと思います。運営としての目標を、発表させていただきました。
◆榊原実行委員長「4月大会で那須川天心、RENA出場の可能性もある」(※会見後コメント)
「4月横浜大会には組みたいカードが多い。午前と午後に分けようかなというぐらい。11試合くらいに収めたいけど、13~14試合になるかなと。できれば7月28日までの中のどこかで、大阪府立のようなキャパの大会を物色していて、決まれば2大会に振り分けられる。女子の試合で当然、浜崎朱加選手も組みたいし、DEEPの浅倉カンナ、元谷友貴の試合も考えたい。
那須川天心も3月10日RISEで怪我がなければ4月大会に出てもらうし、RENAも4月復帰の可能性があります。これからしっかりRENA選手サイドと今年の方向性を話し合います。
新しい選手も起用して、ライト級GPに向けてファンの審判を仰ぎたい。そしてバンタム級の次の挑戦者が誰になるか、そしてライト級GPに向けて、秋からの開催予定なので4月、6月、7月、8月の大会までサバイバルの期間になる。ニューカマーも用意しています。重量級の試合もしっかり根付かせたい。女子はスーパーアトム級の浜崎選手の対戦相手として海外のトップどころからも手が挙がっているので、タイトルに向けたチャレンジャーが誰になるのかも一つの軸です。
ヒョードルの試合 (写真(C) Bellator)を現地で生で観て、うーん……一抹の寂しさがある。出会い頭のような感じでファーストコンタクトであの左をもらっちゃうんだなと。崩れ落ちる、あんなに一撃で見事に沈むヒョードルを観るのは……。桜庭vsヴァンダレイの3回目を髣髴とさせた。ここが潮時、ライトタイミング、最終終着点かなと思わせる試合だった。
2015年にRIZINで3年半ぶりに復帰し、そこから3年間良く頑張ったと思います。引退試合を日本でやれたらエモーショナルでいいなと思い、スコット・コーカー(Bellator代表)とも話しましたが、ヒョードル次第だと思います。
(2019年のトライとして)現行のルールに固執することで選手の進化を止めたくない。いろんな意味でマイナーチェンジしたルールだったり、少し違う競技種目が入ったり。日本の人は異種格闘技戦を見たいと思うので、エッセンンスを醸し出せるようなルールのトライアウトをしたい。無茶変なことをしますよ、今年も。他の人が真似できない、真似したくないかもしれないけど(笑)。いろいろやります。
(高田統括本部長の役割変更について)RIZINは高田(延彦)さん無くしてはない。『統括本部長』という肩書のまま入ってもらいましたが、統括本部長って日々、我々と業務をしているわけではなく、もっと象徴的な立ち位置で、50歳すぎて見えてくることを選手に伝えてほしい、大切なスポークスマンです。僕よりも高田延彦が話す方が世界への発信力があるので、それにふさわしい肩書に変えていく。もっと自由に発言できる。僕が『白い』というと、横にいて『白い』と言わなければいけず、窮屈な思いをしていたと思うので、僕にももっと厳しいことを言い、選手を叱咤激励し、ファンの意見にも沿い、と大晦日の前にも二人で話し合いをし、できればご意見番のような形で『喝!』と言ってもらえるように、身内でもダメなものはダメと僕らに言ってもらえる立ち位置がいいと思っています。
(2018年大晦日に高田本部長が褌姿にならなかったのはこの流れもあった?)褌(ふんどし)を止めたほうがいいというのは僕が言いました。4回目の大晦日だったので、『一旦、高田さん封印しましょうか』という話しをしてやらないことになったけど、永遠にやらないというわけでもない。もしかしたら今年の年末、褌姿になっているかもしれないし、そこは相談ですね。無いと寂しいという声もあって、『褌があると思った』『なんで褌にならないんだ』と高田さんも僕もいろんな人に言われて、『あっ、見たかったんだ』と気付きもあって。リングを清めるという意味で神事としての褌というのも何ですが(笑)、また相談ですね。ファンからも『高田●●』といい呼び名があったら教えて欲しい。しっくりくるものがない状況です。RIZINはフェデレーションの中で運営していますが、僕の『実行委員長』という肩書きもどうなんだと思っていて、肩書きを変えるつもりです。役割にふさわしいタイトルをこれから1カ月以内に見つけ出します」
◆スコット・コーカーBellator代表(※会見を生視聴)「モーにはチャンピオンになってアメリカに帰って来てもらいたい」
「日本で格闘技がこれからも続くために私はなんでも協力していくつもりだ。榊原さんといっしょに仕事をするのも嬉しく、長く続けていけるよう、キング・モーには(RIZINライトヘビー級)タイトルマッチで頑張ってきてもらいたい。チャンピオンになってアメリカに帰って来てもらいたいと思う。いろんなことを共にやっていけることを楽しみにしている」
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