1勝1敗の大沢(左)と大谷が決着戦、大谷はこの試合で引退することを表明した(C)KNOCK OUT
2026年2月15日(日)東京・後楽園ホールで開催される『MAROOMS presents KNOCK OUT.61』の記者会見が1月6日(火)都内にて行われ、追加対戦カードが発表された。
出場が決定していたKNOCK OUT-BLACKライト級王者・大沢文也(ザウルスプロモーション)の相手は大谷翔司(KNOCK OUTクロスポイント渋谷)に決定。KNOCK OUT-BLACKライト級3分3R延長1Rで対戦する。

大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」で準優勝。2022年4月に瓦田脩二を破り、第7代Krushライト級王座に就くも2023年6月の初防衛戦で里見柚己との再戦に敗れ、王座を失った。2024年12月、KNOCK OUT初参戦を果たすとUNLIMITEDルールでバズーカ巧樹に判定勝ち。2025年5月、大谷翔司との再戦を判定3-0で制して第4代KNOCK OUT-BLACKライト級王座に就いた。
6月には再びUNLIMITEDに挑み、祖根寿麻から判定勝ちしている。11月に初のREDルールでゲーオガンワーンに挑んだが、判定2-0で敗れた。戦績は33勝(3KO)22敗3分1無効試合。

大谷は陸上自衛隊徒手格闘部隊出身。2016年にデビューし、2020年8月にJAPAN KICKBOXING INNOVATIONライト級王座に就いた。2023年6月はKrushに乗り込んで児玉兼慎から判定勝ち、12月には再びKrushで大沢文也に延長戦の末に勝利。2024年12月、セーンダオレックとの再戦でTKO勝ちし、第3代KNOCK OUT-BLACKライト級王座に就いた。しかし、2025年5月の初防衛戦で大沢にリベンジを許し王座を奪われた。7月の再起戦では木村涼仁にKO勝ちしたが、9月にKrushで児玉兼慎に敗れた。戦績は24勝(15KO)11敗3分。
山口元気KNOCK OUT代表によると、大沢の対戦相手を交渉中だったところ、大谷本人から『自分でどうでしょうか』と連絡があり、今回の3度目の決着戦に至ったという。
会見に出席した大谷は「まず皆様にご報告があります。2月15日の試合をもちまして現役を引退します。このマッチメイクに携わっていただいた山口代表をはじめとするKNOCK OUT関係者の皆様、試合を受けていただいた大沢選手に心から感謝します。最後、皆さんに対して感謝の気持ちを込めて全力で準備して、過去最強の状態を作って試合に臨もうと思います」と今大会をもって引退することを表明。
「年齢を重ねるにつれて、将来のことを真剣に考える機会が増え、その中で今後の人生を考えたときに大きな深刻なダメージなく選手生活を終えて次のステップに進みたいという気持ちが大きくなったことが最大の理由です。自分自身としては9月のKrushを最後の挑戦ということで、覚悟を決めてベルトを獲りに行ったけどダメで。
もう試合をすることはないんだろうなと思っていた中で、どういう形で引退を迎えるのが自分にとっても、皆さんにとってもいいのかと考えたときに、やっぱり自分をここまで育ててくれたKNOCK OUTのリングで試合をした方が皆さんにとってもいいのかなと思い、たまたま大沢選手の相手が空いているということと重なって僕が名乗り出ました」と、引退を決めた理由を説明。

これに大沢は「大谷選手とは1勝1敗だったので、いつか決着を付けたいと思っていたのですが、(3度目は)今じゃないんじゃないかなと最初は思っていました。大谷選手が引退することを聞いて、その時に僕の名前を出してくれたみたいで、それを言われた瞬間に即答で『やらしてください。大谷選手が引退するんだったら、相手は僕しかいないです』と率直に思って、やりますと返事しました」と即試合を決めたと明かす。
どのような試合にしたいかと聞かれた両者。大谷は「皆様に感謝の気持ちを込めて、最高の状態で臨んで、それがみんなに届けばいいなと。あと、自分自身としては引退に向かうことは貴重な経験なので、そこをいろいろ考えながら、楽しみながら、試合に臨めたらいいなと考えています」と答える。
大沢は「正直に言えば、勝ちに徹底するんだったら正直、完封できます。ただ、僕自身、今年は変わりたくて。負けてもいいからというのは本当は良くないんですけど、倒されてもいいから打ち合いたいと思っています。記録じゃなくて、今年は記憶に残る試合がしたいなと。前回の試合で負けて、その思いがすごい強く出てきました。僕はメンタルが弱く、勝ちに徹底して逃げちゃうんですけど、男としてカッコよくなりたいし、他のKNOCK OUTの選手みたいに本物の格闘家になりたい。本物の格闘家になるには、大谷選手みたいな、すごいファイターとしっかりと打ち合いたいと思っています」とこれまでとは違う戦い方を見せたいとする。
大沢の言葉を受けて、大谷は「大沢選手のことを心からリスペクトしています。ただ、その今の発言も含めて本当に一筋縄ではいかない相手だというのは、自分が一番分かっています。その上で勝ちをもぎ取りにいく準備をすることで、皆様に感動や勇気を与えられるファイトにつながると思うので、そこを見せていきたい」と、大沢の言葉を鵜呑みにはしないが、アツい試合をしたいとした。
大沢と大谷はこれまでに2度対戦(2023年12月17日のKrushで大谷が判定勝ち、2025年5月18日の KNOCK OUT-BLACKライト級タイトルマッチで大沢が判定勝ち)しており、1勝1敗とイーブン。
3度目の対戦を前に、大沢は「もちろん完全決着はちゃんと付けたいんですけど、大谷選手の引退試合の相手を務めることに重きを置いてます。僕はこの前のKrushの大谷選手の試合を見て、全然落ちてないと思ってるし、ダウンがあったから負けたなと思いましたが、ダウンがなければ全然延長戦に行ってたかなと。強いままの大谷選手と戦えることをすごい楽しみです」とする。

大谷は「最初に大沢選手とやったときの僕は、KNOCK OUTチャンピオンになる前に一度辞めようかなと思っていた時期に大沢選手と試合が決まって息を吹き返し、そこで勝利することができ、もう一回ここから頑張ろうと思って頑張ってこれました。その後、KNOCK OUT-BLACKでタイトルを獲ることができて、その時は逆に自分が大沢選手をKNOCK OUTのリングで迎え撃つ立場でした。今回また僕が大沢選手に挑戦する立場になり、自分のキーポイントで交わる縁がある相手だと感じています」と、縁を感じるとした。
やり残したことがないかとの問いに、大谷は「全くないと言ったら嘘になるんですけど、今、僕が考えるのは健康を第一というか、第二の人生でチャレンジするにあたって健康な状態で引退を終える、というのがベストな選択だと思って、この選択を取りました。第二の人生で決まっていることは具体的にはないんですけど、まずはこの2月の試合に集中して、その試合が終わったら、ジムの会長でもある山口代表に相談しながら、今後の進路を慎重に決めていきたいと思っています」と答えた。
最後にファンにメッセージを求められた両者。大沢は「大谷選手が『大沢選手にお願いする形で決まった』と言っていたのですが、全く違います。大谷選手が引退すると最初に聞いていたら僕から対戦相手に名乗りを挙げていました。それがたまたま大谷選手が僕に挑戦する形になってますけど、これは別に大谷選手の挑戦でもなければ僕の挑戦でもないです。これは2人の完全決着。大谷選手の引退試合だからといって、別に華を持たせる気は全くありません。引退試合ですけど、しっかりぶっ倒します」とKOを予告。
これに大谷は「この試合が最後になりますが、最後にこの曲者の大沢文也選手を必ず超えます」と、こちらも完全決着を予告した。



