2019年11月8日(金)東京・新宿FACEにてRISE初となる女子だけの大会『RISE GIRLS POWER』が開催される。同大会のメインイベントで、RISE QUEENアトム級王者・紅絹(NEXT LEVEL渋谷)と対戦する同ミニフライ級王者・寺山日葵(TEAM TEPPEN)のインタビューが、主催者を通じて届いた。
寺山はジュニア時代から数々のアマチュア大会で好成績を残し、高校生になった15歳でプロデビュー。得意の蹴りを駆使してシュートボクシングで活躍中のMISKAIやMIOといった女子トップファイターたちとしのぎを削り、7戦目でMISAKIに初黒星を付けられたが、2018年11月のJ-GIRLSミニフライ級タイトルマッチでリベンジを果たしている。9月に佐藤レイナを破り、初代RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座に就き、J-GIRLSミニフライ級王座と合わせて2冠王となった。
■前回の試合後、休んだのは4日だけ
──RISE初の女子だけの大会で紅絹選手との現役王者対決が決定しました。
「正直、この大会で決まるとは思っていなかったです。ワンクッション置かれるかなと思っていたので、受けてくれた紅絹選手には感謝しかありません」 ──9.29「RISE134」でRISE QUEENミニフライ級王座を奪取したばかり。波に乗ってますね。
「試合が終わった週の金曜には練習を再開したので、モチベーションは維持したままです。休んだのは4日くらいだけですね。 ──闘いが終わったらノーサイド。王座を争った佐藤レイナ選手と一緒に食事に行った写真をSNSで見ました。
「試合前のサイン会とかで結構話す機会もあったけど、やはり次に闘う相手だったのでお互いピリピリしたものはありました。それがなくなったので本当に良かったです」 ──試合後だったら分け隔てなく話せた?
「ハイ、普通に。試合の話もしたし、『あの時、こんな選手も出ていたよね』という昔話もしました」 ──そのまま出世した選手もいれば、消えてしまった選手も?
「当時ものすごく強かった子でもポッといなくなったり。ただ、もうレイナちゃんとはお互いやりたくないという話をしました。共に成長した上でプロとして試合ができたことは嬉しかったですけど」 ──成長を感じた?
「感じました。昔は私もそうだったけど、どっちともガチャガチャだったので(苦笑)。そういう要素はなくなってきた気がします」 ──最大の勝因は?
「5Rまで体力が持ったことがひとつですね。周りから『体力がない』と指摘されていたので、結構不安でした。あと結構見てくれる人には『パンチがうまくなった』といわれました。まだまだだとは思うけど、練習してきたことが少しは出せたかなと思います」 ──TEAM TEPPENという恵まれた環境で練習できていることも大きかった?
「環境がいいだけで強くなれるかといったら、そうではないと思います。大学に入るまでTEPPENに来るのは週1度で、あとは地元で父親と弟(11.4「RISE135」でデビューする寺山遼冴)と一緒に自宅や地元(群馬県)の体育館でやっていました。やっぱり家族間でやると気持ちに浮き沈みがあるけど、3人で練習してきたことは身になっていると思います。TEPPENは志の高い選手ばかりなので、私も高い意志を持たなければならないと思いながら練習しています」 ──寺山選手もひとりの人間。疲れなどが原因で時にはジムには行きたくないという日もあるのでは?
「受付の由美子さん(那須川天心や梨々の母)もトレーナーも笑顔で迎えてくれるし、乗せられてしまいますね(微笑)。だからジムに行くと、私の気持ちも必然的に上がります」 ──ところで今回対戦する紅絹選手にはJ-NETWORKで一度勝っています。その分、アドバンテージはあると思いますか?
「いや、あれから私も紅絹さんもチャンピオンベルトを獲得しているので、お互い置かれている状況が違います。しかも紅絹さんは経験がたくさんあるので、前回と同じような試合はさせてくれないでしょう。油断は全くできないですね」 ──しかも、今回は寺山選手にとっては初となる女子だけの大会でメインを張ることになります。
「いつもとは違いますよね。男子の中の女子だったらある程度目立ちます。でも女子の中の女子だったら当たり前なので、何か個性がないと目立たない。盛り上がる試合をして目立てるように頑張りたいです」 ──でも、気負いすぎは禁物です。
「そうなんですよ。気負いすぎたら空回りしてしまうので。だから試合前は試合直前まで周りと話をしたり、好きな音楽を聴いてリラックスするようにしています。岡本トレーナーはテーピングを変なところに張り付けたりしてくれるのでクスッとさせてくれます」 ──今回は同門の那須川梨々選手や村上悠佳選手も一緒に出場します。お互い刺激しあいながら調整に励んでいる?
「もちろん。私がメインだとしたら、二人が(白星で)繋げてくれるでしょう。同じジムの選手が勝てば嬉しい。反対に負けたりしたら、『自分が頑張らなきゃ』と思います。ここ1年くらい、同じ大会に同じジムの女子選手が出ることが増えたことは本当に心強いです」 ──大学の友達の間でも話題になっている?
「それが大学の友達には恥ずかしくてキックをやっていることを言っていないんですよ。別に隠しているわけではないんですけど。でも、今はSNSの普及がすごいので、中学や高校の友達からは連絡がきます。この間の試合は中学の時の男の同級生が見に来てくれました。私がベルトを獲った姿を見て、『すげぇ。明日から俺も仕事を頑張るよ』と言っていました」 ──知人・友人の励みになるなんて、いい話ですね。ところで紅絹戦のイメージは?
「ある程度は固まっています。でも、それを試合に出さないと意味はないです」 ──どんなところに注目してほしい?
「私の得意技は蹴り。対照的に紅絹さんはパンチなので、蹴りVSパンチの構図になると思いますね。前回やった時以上にパワーアップした私を見せられたらと思います」