2025年12月27日(土)タイ・ラジャダムナンスタジアム『RWS ラジャダムナンスタジアム80周年記念大会 R80』にて、ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級世界タイトルマッチに出場するRISE世界スーパーフライ級王者・大﨑一貴(OISHI GYM)が、試合直前インタビューに答えた。
26日には前日計量が行われ、王者ジャルンスック・ブーンラナームエタイ(タイ)は53.34kg、大﨑は53.47kgでともにバンタム級リミットの53.52kgをパス。いよいよ明日の決戦のゴングを待つのみとなった。
22日に現地入りし、24日には記者会見に出席した大﨑。「ある程度というか、分かる単語もあったりしたので、今こういうことを言ってるのかなと思ったりとか。あとはラジャで会見をやったんですけど。実際に試合をする場所なので、どういう感じの作りで意外と客席とリングが近いなと思ったりとか。ちょっと会場の雰囲気を味わえたりもしましたし、そういった部分はすごい良かったなと思いましたね」と、スタジアムの雰囲気を感じることが出来たとする。
2023年12月にRISEで対戦している王者ジャルンスックについては、「前回会った時もそうなんですけど、普段あまり顔に出ない相手ですね。 顔に出ないで、どういうこと考えてるのかはちょっと分かんなかったですけど、緊張してるのかなと思ったりとか。でもやっぱり喋った内容とかを聞くと、気合いは入ってるなっていう思いもありましたし、僕も実際相手を見て、より気合いが入った部分もあって、いよいよ近づいてるなっていう思いもありますし、やらないといけないなっていうふうに、もうめちゃくちゃ気合い入りましたね」と、気合いが入ったという。
1回戦って勝ってる相手はやりやすい面はあるのか、と聞かれると「やりやすいというか、どういう感じで来るかがある程度わかるので、そういった部分では、お互い様ですけどやりやすいですし、対策を立てる時にイメージしやすいので。そういった部分では普段の練習で、相手のことをイメージしやすかったですね」とする。
前回は延長戦にもつれ込み、判定も2-1と接戦だった。今回も接戦のイメージがあるかとの質問には「接戦の展開も全然あると思いますけど、僕的にはやっぱりKOで、倒して勝ちたいなと思ってるんで。そういった技をずっと会長と一緒に練習をしてきてるんで、そういう技を出してKOで勝ちたいなと思ってます」と、今回はKOで決着を付けたいとした。
ラジャダムナンスタジアムの80周年記念興行という特別な大会でのセミファイナルということで、「今回このRISEとRWSで提携して初めての試合で、こういう80周年っていう記念興行に僕が出させてもらえるっていうのはすごい光栄なことですし、そこに選んでもらった身として、やっぱり結果を出さないといけないと思ってるので、そういった部分でも、日本の皆さんにもそうですし、タイの人にも、RISEで強ていうところを見せないといけないと思ってるので、そこはやっぱり僕が結果を出さないといけないなと思ってます」と、気を引き締める。
タイ特有の会場の雰囲気については「当日はチケットも完売してるみたいで、観客が凄いと思うんですけど、その中で多分タイ人の方が多くて、絶対アウェーだと思う。そういったところもちょっとイメージしています。(弟の)孔稀や後輩がONEに出たルンピニーの時は試合会場でアウェーの中、相手の歓声の方が大きい中でっていう部分で、僕はセコンドとして体験させてもらったので。ああいうイメージかなと。その中でどれだけタイ人の応援してる人たちを、僕が“すげぇ”って思わせられるかなって想像してました」と、アウェーの空気はセコンドとして体験済みだとし、その空気を試合でどう変えられるかをイメージしているとした。
RWSはトラディショナルなムエタイに比べるとキックボクシング寄りのジャッジとなっているが、それでもムエタイ特有のジャッジがある。その部分については「やっぱり蹴りだったりとか、相手の攻撃で終わらないように、蹴られたら絶対蹴り返すとか。RWSは毎ラウンドの判定が出るので、そういったのも見ながら。基本的にはそれこそチャド・コリンズからもアドバイスをもらったんですけど、自分で攻めて自分の攻撃で終わるっていうのは練習の時から凄く意識しているので、そういう作戦でいきたいとは思ってます」と、チャド・コリンズとの対談でもらったアドバイスを活かしたいとする。
ルンピニー王座に挑んだ時(2018年6月)と今のムエタイの違いを感じるところはあるか、との質問には「少し今のムエタイは攻撃的になったというか。流すところが少なくなったとか。そういったところがちょっと変わったのかな。より打撃に少しずつシフトしてっているのかなっていうところは若干ありますね。昔よりも今のムエタイの方が、僕のスタイル的には勝ちやすくは少しなったかなと思います」とし、「もちろん前回挑戦した時からだいぶ時間も経ってますし、かなり僕も進化してるので、そういったところを出して、勝ってベルトを巻きたいですね」と、自分自身も進化していると答えた。
練習でムエタイルールの感覚はすぐ戻って来たのかと聞かれると「意外とそうですね。ヒジも昔やってただけあって、結構すんなり練習でも出せるようになりましたし、そこら辺の問題はあまりないかと思います。出せる技は何でも出そうと思ってるので、勝ちに行くために出せる技は何でも出します。実際相手とその時やってみての感じもあるんですけど、首相撲があるので、いつもだったら多分一歩も下がらずにそのまま打ち合いでっていうのもあるんですけど、組まれないぐらいの距離にいたいなと僕は思ってるので。ちょっとムエタイに合わせて、少し距離を保ちながらっていう戦い方もイメージしてるので、そういった部分ではいつもとはちょっと違うところが見られるかもしれないですね」と、RISEの試合とは違う部分が見られるかもしれないとする。
今回の試合には最大で1,600,000バーツ(約800万円)という高額なKOボーナスが出ることが発表されているが「ボーナスは正直あんまり考えてなくて。やっぱりタイのラジャのベルトっていうのは、ムエタイの中ではトップのベルトだと思ってますし、相手も強いので、その選手に勝ってベルトを獲るっていうところを今はずっと見てやってます」と、ボーナスよりもベルトに集中しているとした。
世界の舞台に挑戦するということについては、「じゃあこれからってなると、RISEのベルトの防衛っていう形になってくと思うので、そうじゃなくて挑戦するっていう部分では、今回いいチャンスを頂いたと思ってますし、自分自身前回ルンピニーでタイトルマッチに挑戦させてもらって、獲れなかったっていう部分もあったので、今回は本当にラストチャンスぐらいだと思ってます。ここであの時の借りを返してラジャのベルトを獲らないとっていう思いもあるので、そういった部分で勇気はそんなに自分の中ではいらなかったというか、すぐやりたいっていう思いが強かったですね」と、RISE王者としてムエタイに借りを返したいとの想いが強かったと答えた。
もし今回、ラジャダムナン王座を獲得したらRISEと並行して防衛戦を行っていくのかとの問いには「多分そういうことになるんじゃないかなとは思うんですけど、そこら辺はRISEの試合もありますし、話をしながらこれから決めていけばいいかなと思っているところで。とりあえずは、今回もうベルトを絶対巻くっていうのは決めてタイに来てるんで、何が何でもベルトは巻きます」とする。
RISEの代表という意識は「めちゃくちゃありますね」とし、「試合が決まった時からそうですけど、日本人一人だし、その中でRISEのチャンピオンとして来させてもらっているので。僕がここで結果を出さないと次につながらないと思うので、僕自身もそうですけど、これからのRISEとRWSの交流含めて、僕が結果を出して次につなげていかないとっていう思いもある。そういった部分で最初に僕が試合をさせてもらうことで、結果を本当に出さないといけないと思っています」と、今回がスタートとなるRISEとRWSの交流のためにも勝ちたいとした。