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【RIZIN】榊原CEO、斎藤裕の試合中止に補償。負傷欠場のYA-MANには「肋骨折れても出てくるような選手。何か予兆があったんじゃないのか」

2025/12/26 17:12
【RIZIN】榊原CEO、斎藤裕の試合中止に補償。負傷欠場のYA-MANには「肋骨折れても出てくるような選手。何か予兆があったんじゃないのか」

(C)RIZIN FF

 2025年12月31日『Yogibo presents RIZIN師走の超強者祭り』(さいたまスーパーアリーナ)のフェザー級(5分3R)で実施予定だった「斎藤裕(パラエストラ小岩)vs.YA-MAN(TARGET SHIBUYA)」が、YA-MANの左眼窩底骨折により「試合中止」となった。

「麺ZINさいとう」の現場を周囲に託し、沖縄と東京でファイトキャンプを敢行。1年5カ月ぶりの試合に備えてきた斎藤について、榊原CEOは、会見後の囲み取材で「金銭的なものをお支払いする」と語った。

「契約の中では(試合中止の場合のファイトマネーの補償は)うたわれてないんですよね。でもまあ、僕らはそういう十分な準備をかけてここまで作って──計量で体重作って乗って、そこで試合が無くなるとかよくあるけど──今回の場合は、僕らは少し経費の負担を含めて、斎藤選手には金銭的なものをお支払いするということで考えてます」(榊原)

 榊原CEOが明かした通り、対戦相手が計量ミスした場合、マネジメントがファイトマネーの補償や、次戦の条件交渉をすることがあるが、今回のように試合直前の負傷は、ケースバイケースとなる。

「選手が変わったり、大晦日で言えば野村(駿太)選手が怪我してサトシに(ノジモフへの対戦相手変更で)お金払うとかっていうのは試合が成立するんで、そこのファイトマネーで済むことだけど、『試合を中止にする』ってこと自体がRIZIN的には異例じゃないですか。まあ(ファンは)“絶対無理やり榊原がなんかねじ込んでくるよ”って思ったはずだと思うんですよ。でも今回は本当にそれを無理強いするべきじゃないなと。

(パトリシオ)ピットブルと(鈴木)千裕の時のように、千裕がそこからガンガンチャレンジしていかなくちゃいけない時だったり、AJ・マッキーが怪我して出られなくて、急遽サトシに(パトリッキー)ピットブル戦を受けてもらったときも背景にはBellatorとの関係があり、Bellatorの配信も含めて考えると、何か穴を埋めなくちゃいけないっていう、ウチのことや選手の都合だけじゃない、Bellatorの考えもあった。

 今回で言うと、やっぱり斎藤の今日の表情を見ても皆さんに届いていたかもしれないですけど、(YA-MANの欠場に)僕らは提案しましたよ。通常のいつも通りに『じゃあこうしようよ。これでなんとかやって、これだったらファンの溜飲が下がるんじゃないの?』っていう。ファン目線で言えばそうだけど、斎藤がそこまで肉体と精神を研ぎ澄ましていて、最高のパフォーマンスで向かえないなっていう感じだったんですよね。だから僕らがオファーした後も、一日“ちょっと考えさせてください”っていう感じで。RIZINのプロモーターとしての思いなり、考えなりは全部伝えた中で、総合的に判断してやっぱり(中止にした)。

 本人の中では言葉に出さないけど、これで燃え尽きるつもりで、『魂を置いていく』っていう言葉に置き換えてたんだと思うんで。その思いで作ってきたのに、ここでなんかみんなのことを考えて忖度して、自分が割くって自分自身が納得する形にならないフィニッシュは嫌だなっていうふうに、斎藤は思ったんじゃないですか。そこまでの言葉は言わないけど。そこがもう感じ取れたんで、これは無理してもいいものは見せられないなと思って。組むところまでは行っても、その先にもう結果が見えてるんだったら、みんながっかりしてしまうし。最終的には(試合を)させるだけで、大切な斎藤裕の格闘家人生の最後を僕らが潰しちゃってっていうのはさすがにできなかった」と、今回の斎藤の試合を「中止」とした思いを語った。

 一方、緊急手術となったYA-MANだが、先週の追い込み時のスパーリングによる左眼窩底骨折という試合前、最終局面でのアクシデントだった。

 榊原CEOは、「直接は話してないです。ただ、そんな……眼窩底骨折やるかねと。分からない。ヘッドギアをして16オンスで……でも、そんなんでも起きちゃうんだなと。だからひょっとすると(骨折前に)なんか予兆があったんじゃないの? っていうふうに思ってしまうくらい。その最後、本人も慎重にラストの局面のもう最後の最後のスパーリングぐらいのところだと思うんですよ」と、苦渋の決断だったという。

「だから『バラ散歩』(25日配信)の中でも言ってた通り、(YA-MANは)肋骨折れても出てくるような選手だし。まあ斎藤ともYA-MANだったらこういうことは──“絶対”はないけど、(欠場は)起きにくい選手だし、何があってもリングに上がってくるなという思いをベットできたんで、(斎藤も)もう自分も全力で作ったと。沖縄行ったり東京行ったり、大変だったと思う。今回もそれぐらいかけてやった最後が、なんとなく全体の周りのことを考えて、自分を最後に犠牲にしてっていう形でリングには上がりたくなかったっていうことで、そうとははっきり言わないですよ、本人は。でもまあそこは僕らが汲み取ってあげるべきタイミングだなというふうに強く思いました」と、YA-MANに限っては欠場はないだろうと考えていたと吐露した。

 そのABEMA『バラ散歩』では、YA-MANが2年半通い詰め、総額5000万円以上を費やしたというなじみのキャバ嬢にじほに告白をする場面が映し出されていたが、あえなく轟沈。

「これでにじほがお見舞いに来なかったら、もう完全にアウトでしょうか」の問いに、榊原CEOは「いやもう無理ですよ。もう本当に全力でやったんですよ。でももうあの……告白して2、3秒で“ノー”って言われてるんです。にじほもダメで試合もダメで……」と苦笑いして囲み取材を終えた。

 これでオープニングファイト含めて15試合が決定。

 榊原CEOは「僕の仕事って本当にマッチメイクして、それがそのまま素直に当日を迎えてくれて無事に終われば、むちゃくちゃ楽なんだけど、毎年、年末になるとなぜかこういろいろなことが起きて、そのくらい選手たちが前のめりにこの試合にかけて思いを持ってトレーニングしてくれてるから起きることなのかもしれないけど、本当にみんな怪我に気をつけて、残り5日間、しっかり準備して残された選手たちには、もう穴を開けることないように努めてほしいなと、本当に切に願います。もうほぼ追い込みや試合に向けたハードなトレーニングは終わって打ち上げて、今は身体のトリートメントをして、体重をどう作るかっていうところにみんな注意していると思います。なんとかしっかり計量もクリアしてこのまま無事に行けるといいなということを願っています」と語っている。

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