2025年12月30日(火)東京・国立代々木競技場第二体育館『KNOCK OUT.60 ~K.O CLIMAX 2025~』(U-NEXT配信)にて、KNOCK OUT-UNLIMITEDフェザー級王座決定戦3分3R延長1Rで、カルロス・モタ(ブラジル)と王座を争う有川直毅(K-PLACE)が12日(金)都内にて公開練習を行った。
シャドーの途中に、無言で乱入してきたKNOCK OUT撮影スタッフのドンジローへ容赦なくパンチ、テイクダウンするとパウンド、踏み付け、サッカーキック、さらにはリアネイキドチョークまで繰り出した有川は「今までで一番の仕上がりじゃないですかね。それくらい結構動きも良くて体調もいいので、このまま続けたいですね」と絶好調宣言。
UNLIMITEDルールをトーナメントで経験し、「相手を倒しに行かなければいけないんだなっていうのを、やってみても一番に感じました。倒しに行く気持ちがポイントとかにも繋がりますし、試合にもより出るルールだなとは思いました」と、倒しに行くことが最も大事だと感じたという。
試合前の会見では「自分のためのルール」と言っていたが、それは実際に戦った後も「変わらない」とする。
「より確信に変わったかなと思います。僕、ステップを結構踏むのでタックルに入られづらいっていうところと、打撃も好きで自信があるので。MMAって、正直タックルとかで削られちゃったりするのがあるから、普通にレスリング選手が相手だと結構削られちゃったりもするんですけれど。より打撃に相手も特化してきてくれるので。そういうところでは、より好戦的な試合も出来るので、僕の中でも自分のルールかなと感じましたね」
有川は「刺激」との言葉をよく使うが、それはどういうものなのか。
「普通に生きていてもつまらなくないですかね。格闘技やってるヤツは頭おかしいと思うんですよ、みんな。ホントに飛んじゃってるなとか思いますし。でもそのぐらいじゃないと、楽しい人生を送れないのかなって。僕は大学出てるんですけれど、意外とこんな顔して教職とか持ってるんですよ。体育なんですけれど。
大学を卒業する時にみんな就活活動するじゃないですか。僕は結局、就活しなくて、何かしらでプロになりたいなと思ってて。その時に格闘技に出会って、卒業した時に社会人になったら、仕事を終えて酒飲んでめちゃくちゃ楽しいと思うんですよ。 僕も飲むの大好きだし、めちゃくちゃ楽しい人生だなと思うんですけれど、物足りないなと。
男だとやっぱり強さが一番じゃないですか。憧れるじゃないですか。そこに僕は刺激を見いだしてるじゃないですけれど、身体も小さい頃からずっと動かしてたので、生きてきた環境の中でスポーツが、身体を動かすっていう刺激があったので、その刺激を閉ざしたらどんな人間になっちゃうんだろうなって。
普通じゃ嫌だなって気持ちと、この楽しみがなくなったらどうなっちゃうんだろうっていう怖さから刺激を求めに行ったのかもしれないですね。例えば戦ってる時は凄いアドレナリンが出るじゃないですか。パチンコを打ってる人がめちゃくちゃ楽しいみたいな感じじゃないですかね。僕は格闘技をやってる時が一番楽しいです」
試合をしていて、どういう時が一番刺激があるのか、との問いには「相手が本当に殺しに来るじゃないですか。その時にやっぱり、生きてるんだなって、リアルだなって。俺はやりに行くわっていうのが、凄く生きてる感じがしますよね。とは言ってもバンジージャンプとかそういうの苦手なんですけれど(笑)。人と戦ってる時が生きてる感じがするかな、って思います」と、生きていることを実感するとニコニコ。
今回の相手、カルロス・モタはかなりの刺激をくれそうかと聞かれると「ヤバいですね。あいつは凄いです。試合を見たんですよ。まず身体から刺激的じゃないですか(笑)。凄い刺激的なので、どんな戦い方で来るんだろうってめっちゃ楽しみです。人というか生物じゃないですか。その生物を倒したらもっと俺、強くなれるなと。自分の価値も上げられるかなと思うので、めちゃくちゃ楽しみですね」とワクワク感を隠しきれない様子。
相手が強ければ強いほどアドレナリンは出るのか、との質問には「間違いないですね。そっちの方が燃えるし、自分より強いなって思う人間に戦いを挑むことが格闘家としての使命かなと思うので。格闘家を目指した理由もそういうところかなと思う。超えられない壁じゃないなとは思ってるので、超えたいなとは思っています」と答える。
試合に勝った後には、また別のアドレナリンが出ると言い、「もう凄いですよ。デビュー戦はTKOで勝ったんですけれど、その後気付いたらボウリングでまさかの14ゲームくらい投げてました(笑)。注目がめちゃくちゃ上がるじゃないですか。体育祭でリレーとかで1位を取ったり、徒競走で1位を取ったりすると、めちゃくちゃチヤホヤされるじゃないですか。あれの感覚がめちゃくちゃ昔から好きで、あれの延長線上です。そこから刺激が来てるかもしれないですね。それが僕の人生の楽しみじゃないけれど、そういうところがあるので」という。
どんな試合を思い描いているか、との問いには「大まかに言うと、闘牛士みたいな試合をしてやろうかなと思いますね。僕のファイトスタイルとかいいところは、その言葉に集約されるのかなと思います。見ている人が『そういうことね』って思ってもらえるような試合が出来たら、面白くて刺激的で、出会いも楽しみてるから、勝てるかなと思います。ステップ、あとはタイミングとか。リングの上で踊れてるか踊れてないかしっかり見てほしいです」とした。
イメージとしては「須藤元気さんとか山本KIDさんとかめっちゃ好きだったので、憧れはあります」と、2人の名前をあげた。