2025年12月1日から4日まで、タイ・バンコクのクイーンズパークにあるマリオット・マーキス・ホテルにて『第63回WBC総会』と『第1回WBCムエタイ総会』が初めて同時開催され、世界各国から約1300人が参加した。
開会式では、WBCのマウリシオ・スライマン会長が参加者たちが夢の実現に向けて懸命に努力したことを称賛し、4日間に渡る総会が開幕。タイ国政府観光庁長官タパニー・キアットパイブール氏は、自国を「ムエタイの祖国」と位置づけ、誠実さと共通の夢を築くことに尽力していると述べた。【写真】リアム・ハリソン(右)とシャノン・ガーディナー 続いてムエタイのスターであり、WBCムエタイ・ダイアモンドベルト保持者リアム・ハリソン(イギリス)と現女子スーパーフェザー級王者シャノン・ガーディナー(オーストラリア)による挨拶が行われ、リアムは「この様な場所で、この様な形でムエタイとボクシングが同じところに立てることの意味の深さを痛感すると共に、非常に嬉しく思います」と語った。
【写真】オレクサンドル・ウシク その後、現WBAスーパー・WBC・IBF世界ヘビー級統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)と、現WBA・IBF・WBO女子世界スーパーライト級統一王者で、元WBA・WBC・IBF・WBO女子世界ライト級統一王者のケイティ・テイラー(アイルランド)がステージに招かれ、オレクサンドルは「私のカラーはグリーンです。マウリシオ会長に感謝します!」と語り、WBC総会に初めて参加したケイティは、「これは最も名誉あるベルトです。私たちに舞台を与えてくださり、本当にありがとうございます」と語った。
また、WBCムエタイの父、コヴィッド・ブクチャプミ将軍への生涯功労賞授与された。同授与式には株式会社東京ドームの北原義一代表取締役会長も参加。
コヴィッド将軍とドン・ホセ・スライマン名誉会長は、2001年にタイ国王に厳粛な誓約を交わし、ムエタイの発展のためにWBCムエタイを設立。現在WBCムエタイを率いるコヴィッド将軍の息子タナポン大佐は、父親と共に賞を受け取り、「この賞をいただき、大変光栄に思います。私たちの二つのファミリーの間には、強い絆があります」と述べた。
【写真】WBCムエタイの各国ベルトを含む様々なベルトの展示 今年はWBCムエタイの設立20周年にあたり、世界規模での拡大に向けた取り組みの進展もあり、この総会は大変意味のある総会となった。
【写真】男女ムエタイ世界王者のパネルには士門、竜哉、阿部、撫子、大田拓真、藤原乃愛の写真 会場にはWBCムエタイの各国ベルトを含む様々なベルトの展示や、男女ボクシング・ムエタイ世界王者のパネルが設置されており、日本人のWBCムエタイ世界王者6名の写真と名前も掲示されていた。
【写真】タナポン・ブクチャプミWBCムエタイ会長&WBC副会長(左)、中央が米田、ケビン・ヌーンWBCムエタイジム局長&WBC理事(右) また、日本のアマチュア大会『EXPLOSION』代表の米田貴志(真王杯-55㎏トーナメント優勝、元WMCインターコンチネンタルスーパーバンタム級王者、元NJKFバンタム級王者)がWBCムエタイアマチュア部門日本代表に就任。
『EXPLOSION』では、2024年、2025年にWBCムエタイが開催した世界大会への査定試合とし、トーナメント優勝者が参加資格を得る形で参戦者を選出。2024年のバンコク大会へは10人、2025年のイタリア大会へは6人が参加している。
さらに総会では、WBCムエタイ理事でWBCアンバサダーの山根千抄氏が史上初、ボクシングとムエタイの双方で表彰された。日本人選手の世話役としての貢献で「WBCボクシング:アンバサダーアワード」、日本におけるWBCムエタイの立て直し及び6名の世界王者を輩出したことで「WBCムエタイ:ウーマン・オブ・ザ・イヤー」の2つを受賞。
受賞に関して山根氏は、「この様にムエタイとボクシングの双方で受賞出来たことは大変光栄ですし、WBCでのみ成し得ることです。WBCのマウリシオ・スライマン会長、WBCムエタイのタナポン・ブクチャプミ会長、そして支えてくださっている皆さまに心から感謝致します。皆様のご協力が無くては、全く叶わなかった受賞です。これからも、少しでも選手の皆様のお役に立てるように精進します」と述べた。
なお、山根氏はWBCの慈善事業を行っているWBCケアズの日本代表でもある。