2025年12月14日(日)東京・後楽園ホール『RISE 194』のメインイベントにて、SuperFight!のRISEバンタム級(-55kg)3分3R延長1Rで元RISE同級王者・鈴木真彦(TEAM 寿)と対戦するRISEスーパーフライ級(-53kg)王者・花岡竜(橋本道場)のインタビューが主催者を通じて届いた。
花岡はしばらく55kgに専念し、バンタム級王者である大﨑孔稀からタイトルを奪取しての同時2階級制覇、そして孔稀の兄であるRISE世界スーパーフライ級王者・大﨑一貴への挑戦を狙うという。
ずっと55kgには上げたいと思っていた
――先日、同門の安本晴翔選手がSHOOT BOXINGのS-cupで優勝してチャンピオンになりましたが、1番近くで見ていていかがでしたか?
「刺激にもなりつつ、年内最後が自分なので『締めないとな』っていう責任感が生まれました」
――2人は昔から一緒にやってきていると思うのですが、同じ道を辿りつつも一歩先を行かれたような悔しさもありましたか?
「去年も晴翔くんが10月に先にベルトを獲っていて、やっと追いついたと思ったんですけど、また抜かされたなっていう感じですね」
――安本選手が優勝する結果は想像できていましたか?
「1回戦目が勝負どころだなと思っていたので、そこを勝てば優勝するんじゃないかなと思っていました」
――じゃあ想像通りの結果になったんですね。
「そうですね」
――花岡選手は今回12月14日に試合が決まっております。前回はオープンフィンガーグローブマッチ(以下OFGM)で塚本望夢選手とのスリリングな対戦でしたが、あの試合を改めて振り返ってみていかがですか?
「オープンフィンガーなのでパンチのガードができなかったのと、シンプルに打撃が痛いって思いましたね」
――OFGMを経験した選手は「痛い」っていう事をよく言いますけど、普通のグローブのようにダメージが蓄積して“効く”っていうよりは“ガチン”っとハンマーで殴られたような感じの痛さなんですか?
「“ゴツン”って感じで素手で殴られている感覚に近いので痛いですね」
――ご自身でパンチを打った時の感触はどうでしたか?
「グローブとあまり感覚は変わりませんでした」
――ファイトスタイルや戦術という部分では違いはありましたか?
「距離感だったり普段よりガードができない分、ステップを使わないといけなかったり、そういうところは変わりますね」
――今年1年試合をやってきて、大﨑一貴選手へのアピールを大々的に行ってきましたけど、望む通り対戦という形には至らなかったですが、その事についてはどう捉えていますか?
「2戦しか今年はできていなくて、見せる機会も少なかったのでそこが悔しいのと、ガザリ戦でKOできていればというのもあったので、そこは自分の力不足かなと感じています」
――その大﨑選手は逆にビッグマッチという形で、ラジャダムナン王座へ、まさかのムエタイへの挑戦が決まりましたけど、その試合についてはどう思っていますか?
「シンプルに頑張ってきてほしいというか、行くからには絶対に負けないでほしいし、ベルトを獲ってきてほしいです」
――2026年も大﨑一貴という存在は追っかけていきますか?
「そこは-53kgのチャンピオンである限り追っていかないといけないと思っていますし、そこに勝てば『日本で1番強い』と言えるのでずっと追っていきます」
――今回は-55kgでまさかの鈴木真彦選手との対戦ですが、-55kgに挑む理由は?
「僕は上に挑戦していきたいタイプなので、-53kgにこだわりがないわけではないんですけど、-53kgのベルトを取ったから次は-55kgを取ろうって感じで、ずっと55kgには上げたいと思っていました。こんなに早くなるとは思わなかったんですけど、タイミング的に-53kgに相手もいなかったし、丁度よく決まったので今回はチャレンジって感じです」
――今まで-55kgを引っ張ってきた鈴木真彦選手との対戦という部分ではいかがですか?
「僕が名前を出させてもらったんですけど、まさか決まると思わなかったし受けてくれると思わなかったので、正直びっくりしました」
――以前にも鈴木選手の名前を出していたことがありましたよね。
「6月の試合の後、一緒に一夜明け会見に出た時ですね。バンタム級の皆んなが鈴木選手の名前を出していたので、1階級下ですけどついでに名前を出した感じです」
――鈴木真彦選手と戦いたいと言う選手って、SNSや会見で多いじゃないですか。選手目線で見た時に、鈴木選手には戦いたくなるような魅力があったりするんですか?
「鈴木選手がベルトを持っていた時って、正直言って“手の届かない存在”だったじゃないですか。でも今は負け込んだりしていて、“手の届く美味しい相手”っていう感覚だと思うんですよね。だけど僕はなめている訳ではなくて、加藤有吾選手とかも勝てなかったし実績もすごいあるので、ここで勝てたら美味しいしって感じなんです。最近は隙も出てきているので、そういう所を他の皆は『俺でもいけるんじゃないかな』って思って調子に乗っているんじゃないかなと思います」
――なるほど。ランキングがトップまでいかない選手も最近口に出すのは、そういう部分もあってなんですかね。
「そういう奴らは『俺でもワンチャンいける』みたいな、なめた考えでやっていると思います」
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キレも上がって倒せる可能性も上がるかも
――実際に花岡選手は鈴木選手と手を合わせる事になりますが、鈴木選手はフィジカルやパワーのある選手ですよね。その辺りは階級を上げる上で不安になる要素はないですか?
「めちゃめちゃ怖いというか、未知の領域なのですごく不安はあります。だけどスピードとテクニックなど、今まで培ってきたものは負けないと思っているので、そこでいかに自分が勝負できるかだと思っています」
――鈴木選手は対戦相手でファイトスタイルを変えずに、ガンガン前に出てパンチでくるスタイルですよね。花岡選手は対照的にステップを使ってタイミングで倒す選手だと思うのですが、鈴木選手のスタイルはどう思いますか?
「疲れそうですよね。鈴木選手ってやっぱりパンチのコンビネーションも上手かったり考えていたりするので、そうそう避けられないとも思っています。圧も凄いしパンチも的確に当ててくるので、怖いなと感じています」
――花岡選手は-55kgに階級を上げてみていかがですか?
「期間的にも体を作る時間がなかったので、いかに筋肉を残したまま体重を落としてスピードを維持していけるかを考えています。-53kgの時だと結構筋肉が削れちゃうので、そこをいかに残してやろうかなっていうぐらいで、自分のスタイルを貫いていきます」
――逆にやってみたら-55kgの方が階級的に合う可能性もありますか?
「もしかしたらキレも上がって倒せる可能性も上がるかもしれないですね」
――試合が終わってからの事になりますが、今後は-55kgを主戦場にしていこうという思いもどこかにありますか?
「僕は-55kgを主戦場にしていきたい気持ちの方が強くなってきているんですけど、世間の人たちはvs.大﨑一貴もみたいと思うし、それをやるからには防衛戦もしないといけないし、自分のやるべき仕事も多いのでそこは兼ね合いを見てやっていきたいです」
――両方の階級でできるように、-53kgに落とせるぐらいのコンディションを作っていくイメージですか?
「でも-53kgに落とすのが少し厳しくなっていて、今回の-55kgでも結構しんどいので、どこかで振り切らないといけないなとは考えています」
――-53kgだと、残すところ那須川龍心選手と大﨑一貴選手って感じだと思うんですけど、那須川選手に関してはどう考えていますか?
「言ったら悪いですけど、正直僕からしたら眼中にないです。挑戦者の立場だし上がってきたらやるし、向こうは『格闘技界を背負っている』とか言っててそれも分かるけど、でも“那須川”って名前がなかったら『お前ただの一般選手だからね』って思っちゃうんですよね。与えられてきたチャンスをものにしてきたのは凄いと思いますけど、それでデカい顔されて“お前らは何も分かってない”みたいな感じの態度をされるのはムカつきますね。今回で言ったら向こうは挑戦者だし、僕は大﨑一貴しか見ていないので、本当に眼中にないけどやるとなったら全力で潰しにいきます」
――なるほど。チャンピオンだし、そこは防衛戦が組まれる状況になったら戦うと言う事ですね。
「はい。それはもちろん」
――ただ、大﨑一貴を目指すという部分は変わらない?
「はい」
――ちなみに-55kgで鈴木選手と戦って、今後他に戦ってみたい相手とかはいますか?
「3人いるんですけど、玖村選手と大﨑孔稀選手と志朗選手と戦いたいです」
――その階級のトップと戦ってみたいんですね。
「鈴木真彦選手と合わせて4選手だったんですけど、他に興味がなさすぎて誰がいるかも分からないし、その他はやる意味があるのか分からないので興味がないです」
――-53kg、-55kg界隈で見ても世界トップどころの人たちなので、そういう部分ではこのトップ選手たちを倒して自分を証明していきたい?
「それもあるんですけど、皆んな本当に強いのでやる方も見る方もワクワクするじゃないですか。すごく良い試合ができる気がするので、そういう面でも戦いたいし目指していきたいです」
――噂では来年のRISE WORLD SERIESは-55kgで開催されるという話もあるようなので、それが決まったらそこを目指していきたいですか?
「その話を聞いてより一層今回勝たなければいけないなと思ったし、-55kgに上げてそういうチャンスが転がってくるなら僕は絶対に出たいです」
――大﨑兄弟を2人とも倒せる可能性があるのも花岡選手ぐらいになりますね。
「唯一無二というか、僕ぐらいチャレンジ精神に溢れているチャンピオンはいないと思うので、他のチャンピオンにはできないいろんなことをやっていきたいです」
――チャンピオンとはいえ、色んな事に挑戦して上を目指していきたいわけですね。
「はい。それはもちろんです」
――次の鈴木真彦戦に向けて、ファンにメッセージを。
「年内最後の試合になります。今年はvs.大﨑一貴が叶わなかったですけど、今回倒して来年は大﨑孔稀も一貴もその他-55kgのトップ選手をみんな倒していくし、それができるって思わせる試合をするのでぜひ応援をお願いします」