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【PFL】石井慧「死んだものだと思って戦う」=10月31日ラスベガスで試練の決戦へ

2019/10/31 18:10
【PFL】石井慧「死んだものだと思って戦う」=10月31日ラスベガスで試練の決戦へ

写真提供=石井慧

2019年10月31日(日本時間11月1日)米国ネバダ州ラスベガスのマンダレイベイで開催されるPFL(プロフェッショナル・ファイターズ・リーグ)のヘビー級プレーオフに向け、30日、石井慧(32/チーム・クロコップ)が前日計量に臨み、230ポンド(104.32kg)で計量。対戦相手のデニス・ゴルゾフ(29/ロシア)が239ポンド(108.4kg)で計量した。

ミルコ・クロコップのもとチーム・クロコップで練習を積む石井はクロアチア国籍を取得し、8月のレギュラーシーズン2戦目でジャレッド・ロショルト(米国)に判定負けも、1勝1敗の3Pでランキング8位、準々決勝8人のなかに滑り込む形でプレーオフ進出を決めた。

準々決勝の対戦相手は予選を1位突破したゴルソフ。2016年、2017年のコンバットサンボ100キロ級の世界王者でもあるゴルソフは、MMA戦績は脅威の24勝5敗。2019年6月のPFLヘビー級では、石井に判定勝ちしたロショルトを1R2分03秒、左フックから鉄槌でTKO。2戦目ではケルヴィン・ティラー(米国)に2R3分40秒、エゼキエル・チョークで一本勝ちしている。

196cmの長身から繰り出す左ジャブが長く、フィニッシュも右ハイ、左フックからのパウンド、腕十字、三角絞め、袖車絞めと、打倒極のすべてにおいて秀でているゴルソフを相手に、180cmの石井はジャブを被弾しない距離、接近戦の打撃、そしてテイクダウンプレッシャーをかけるなかでトップを奪いたい。上からのパスガードが強い石井だが、ゴルソフはオーバーフックからテイラーを2度スイープしており、下からの仕掛けにも注意が必要だ。

5分2Rの短期決戦となる準々決勝でゴルソフに勝てば、同日にティラーvsアリ・イサエフ(ロシア)の勝者を相手に準決勝に臨むことになる。大晦日の決勝、優勝賞金100万ドル(約1億1000万円)を賭けたフィナーレ出場に向け、石井は今回のプレーオフで1日2試合の死闘を戦い抜くことができるか。

UFCのお膝元であるラスベガスでの試合は、2018年10月の「QUINTET3」でフランク・ミア(米国)に勝利して以来の試合。MMAでは自身初となる。UFCで戦い勝つことを目指す石井にとって、UFCと関係が深いPFLで優勝候補のゴルソフに勝つことは、その目標に大きく近づくことになる。

決戦に向け、石井は「I'll rest after I die. Until then I'll keep fighting(死の後に休息は訪れる、それまで私は戦い続ける)」と山本常朝の『葉隠』の言葉を引用してツィートした。その意味を石井は「『死んだものだと思って戦う』気持ちです」と本誌に語ってくれた。

一度は死んだ身という思い、そして「死を想って生きる」メメント・モリに重なる『葉隠』の「常住死身」の覚悟には、生の哲学がある。180cm、104kgとヘビー級としては小柄な体躯で「世界で一番強い男になる」ことを柔道時代から、そして2009年12月31日のMMAデビュー戦から、石井は諦めていない。死者も蘇るハロウィンの10月31日、その10年目の決算に注目だ。

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