堀口「ここに来たらすぐに『答え合わせ』ができる」

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現在、ATTには堀口恭司、中村倫也、元谷友貴、牛久絢太郎、金太郎らに加え、野村駿太が「所属選手」として加わった。
野村は、出稽古のつもりでATTを訪れたが、稽古3日目には、「これ以上の環境はないな」と感じ、ATT所属となってチームのメンバーの一員となって、より細やかな指導を受けていくことを決めたという。
堀口との対談で「これがMMAなんだ」と評した野村は、「みんな技術の一つひとつが丁寧で、そのポジションになったら一個一個ちゃんと遂行していく。僕がいままでいかに1個飛ばしでやっちゃったりとかしていたことをすごい感じました」と、感覚ではなく理詰めの動きがあるとした。
「日本で1日ぐるぐる、2、3カ所に行ったりとかしていたけど、もっと大事なことにフォーカスして練習した方がいいんじゃないかと。“どれができてなかったか”を無視して次の練習場所に行っちゃったりしていて。ATTで組みの雑な部分を感じたり“ここが苦手”“ダメ”というのをすごく感じた」と問題点が洗い出せたという。
堀口も「ここに来たら“答え合わせ”がすぐできる。てっぺんにたどり着くには、時間が無いから近道をしないと」と、限られた選手生活のなかでいかに回答を得て、勝率を上げていくかが重要と諭す。
そのなかで自身の軸をいかに持ち、武器をいかに生かすか。
あらためて野村が米国で感じたのは「空手は世界の誰にでも通用する」ということ。堀口は、MMAの最適解をATTで学び、いちはやく自身の空手をMMAに融合させた。
「やっていた身からすれば空手は強いからね。めっちゃ使えるし、似た競技が無い。人によるから、いずれにしても“どれだけ考えて実行できるか”が重要」と、それを活かすも殺すも自分次第という。
堀口にとっても野村がATT入りしたことで、これまで日本帰国時に確認していた「空手の打ち込み」が米国でできることになる。
「こっちで空手が出来ないから、空手ができるようになってよかったな」と、笑顔の堀口に、野村も「7割くらい僕がそのまま教えてもらっている(苦笑)。どうやってやるのかという移行の仕方もあって、これまで掘口選手が考えてやってきたから言語化もされていて、すぐに答えが出てきてめちゃくちゃ勉強になる」と、先駆者・堀口の背中に続く。
大晦日には5度のライト級王座を防衛中の“絶対王者”ホベルト・サトシ・ソウザに挑戦するが、堀口はこの対戦を「今でも勝率はある。その勝率を上げるためには来てよかったんじゃないかなと思う」と、打倒サトシに必須のピーズがATTで揃うとエールを送った。
野村は、「いまサトシ選手がチャンピオンなんで、そのサトシ選手に勝つためにやるべきことが明確になったのでそれをやっていく。サトシ選手ですら通過点でもっと先までいけるようにしたい。やっぱり世界最高峰のUFCに、堀口選手のように行って、そこでチャンピオンになれるように」と、今後を語る。
そして、堀口も「11月23日の次の試合に勝つこと。その後何戦やるか分からないけど、UFCのベルトを巻く」と、世界の頂に立つとした。
元谷も含め、ATTの新たな日本チームは、年末の大一番に向かう。



