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レポート

【Bellator】ドゥグラス・リマがローリー・マクドナルド下し、賞金1億円と2つのベルトを獲得=「Bellator 232」詳報

2019/10/27 14:10
Bellatorが2019年10月25日(日本時間26日)と26日(日本時間27日)、米国コネチカット州アンカスビルモヒガンサン・アリーナにて、「Bellator 231」と「Bellator 232」を連続開催した。 2日目のメインイベントはBellator世界ウェルター級選手権試合&ワールドGP決勝。現ウェルター級王者のローリー・マクドナルド(カナダ)が、2018年1月に王座を奪ったドゥグラス・リマ(ブラジル)と立場を変えての再戦に臨んだ。 試合は前戦同様にローキック、さらにジャブを効かせたリマが、今回はマクドナルドのテイクダウン狙いも切り、判定3-0で完封。王座を奪還し、GPのベルトと併せて2つのベルトを戴冠。優勝賞金100万ドル(約1億866万円)を獲得した。 なお、プレリムでは、GLORYで元ライト級&フェザー級王者ロビン・ファン・ロスマーレンがMMA3戦目(2勝0敗)にしてBellator初陣に挑む予定だったが、9.25ポンド(4.19kg)の大幅体重超過でクリス・レンチオーニとの試合がキャンセルされている。 【メインイベント】 現ウェルター級王者のマクドナルドは、GP初戦にして初防衛戦となった元WSOF王者ジョン・フィッチとの試合で判定0-1のドロー防衛。トーナメントルールにより辛くも準決勝に進出した。 続くネイマン・グレイシー戦では、ネイマンのテイクダウントライを切って上を取ったマクドナルドが打撃で優位に立ち、ボディロック&小外テイクダウンも。5Rは下になったもののガードで逃げ切り決勝進出。2度の王座防衛にも成功している。 対するリマは、2018年1月に当時王者としてマクドナルドと対戦し、ローキックを当てながらも詰め切れず判定負けで王座陥落。 しかし2018年9月にアンドレイ・コレシュコフをリアネイキドチョークに仕留め、2019年5月には“MVP”ことマイケル・ペイジをローで崩して右アッパーで失神KO。ペイジにキャリア初黒星を与えて決勝進出を決めた。 GPの優勝賞金は100万ドル。マクドナルドが3度目の防衛とGP優勝を勝ち取るか。リマが再戦でリヴェンジし、2つのベルトを獲得するか。 ▼Bellator世界ウェルター級選手権試合&ワールドGP決勝 5分5R×ローリー・マクドナルド(王者/カナダ)[判定0-3]※46-49,45-50×2〇ドゥグラス・リマ(挑戦者/ブラジル)※リマが新王者に。GP優勝100万ドル獲得 50セントがケージサイドで見守るなかメインのゴング。 1R、ともにオーソドックス構え。圧力をかけるリマにステップを踏むマクドナルド。リマは左ジャブで牽制し、右ローを当てる。右に回るマクドナルド。止まるとリマが右ミドル! マクドナルドも右から打ち下ろしの左をガード上から当てる。 遠間から右ボディストレートはリマ。右にサークリングするマクドナルドはシングルレッグへ。金網まで片足で向かうリマは右でパンチを入れながら着地。四つから両脇差したマクドナルドはボディロック。引き出して小外でテイクダウンを狙うがリマは金網背に立て直し。再びダブルアンダーフックから引き出すマクドナルドだがリマは倒れない。 2R、中央を取るリマ。マクドナルドの左はステップでかわす。右回りのマクドナルドを追って右ローを当てるリマ。さらに右ジャブをかすめると再び右ロー! リマの右の打ち終わりにダブルレッグに入るマクドナルドを差し上げるリマ。金網に押し込むマクドナルドだが、突き放すリマ。ワンツーの右をヒット! マクドナルドも右ストレートもリマはブロッキング。リマの遠いワンツーをかわしたマクドナルドは後ろ蹴り。リマが防ぎゴング。 3R、リマの右ローに合わせてダブルレッグに入るマクドナルドだが切るリマ。右回りのマクドナルドを追い続ける。ジャブの刺し合いはリマがマクドナルドのアゴを上げさせる。マクドナルドはダブルレッグから金網まで押し込み両差し。しかし突き放すリマ。左ジャブを突くリマ。さらに右で踏み込むがかわして組み付くマクドナルド。リマもすぐに突き放す。 右のカーフキックはリマ。効いたか逆に詰めてきたマクドナルドは左右もリマはさばく。マクドナルドのヒザつきの低いダブルレッグは難なく切るリマ。マクドナルドは右フック左ボディのコンビネーション! 4R、マクドナルドのダブルレッグを切り、ガードのマクドナルドを蹴るリマ。立ち上がるマクドナルドに右ハイも! 常に圧力をかけるリマに右回りのマクドナルド。リマの右ストレートの打ち終わりにダブルレッグに入るが切るリマは左ジャブ。再度のダブルレッグも切るリマにマクドナルドはガードポジションに。その足を蹴るリマにマクドナルドは立ち上がり右で差して押し込む。さらにボディロックへ! 体を入れ替えたリマは四つに。マクドナルドは離れ際にバックフィストを打ち込むが空振り。右ローを当てるリマ。一瞬サウスポー構えにしたマクドナルドはオーソに戻しスーパーマンパンチを狙う。 5R、マクドナルドは右ローをヒット。リマの右ローの打ち返しにマクドナルドは低く素早いシングルレッグ、アンクルピックに。バランスを崩したリマは一瞬下になるが跳ね上げてスイープ! 上を取るとマクドナルドはクローズドガードに。足を解き手首をつかみ腕十字を狙うが、察知していたリマは腕を抜き、かつぎパス! サイドに回るが背中を見せながらマクドナルドは背後のリマにヒザ十字狙い。これを鉄槌で潰したリマ! マクドナルドからいったん体を離し、再びインサイドガードに入っていく。 オモプラッタを狙うマクドナルドをまたいだリマのヒザ裏をかつぎスイープしたマクドナルドが上に! しかしリマもクローズドガードでデフェンス。インサイドから左右を振るマクドナルドだが、決定打は当てられず。マクドナルド上のままゴング。 GP決勝&ウェルター級王座戦の判定は3-0で挑戦者のリマが勝利。王座に返り咲き、歓喜にひざまずいて咆哮したリマはスコット・コーカーからひとつ目のベルトを腰に巻かれ、もうひとつのベルトを肩にかけ、100万ドルのプレートを受け取った。 50セントからシャンパンシャワーで祝福されたリマは、「マクドナルドをリスペクトしている」と語り、最後はポルトガル語でブラジルファンに感謝の言葉を送った。 ▼175ポンド契約 5分3R〇ポール・デイリー(英国)[2R 1分30秒 TKO]×サヤッド・アワッド(米国) 2019年2月のウェルター級ワールドGP1回戦では、マイケル・ペイジ相手に2Rからテイクダウン勝負を仕掛けたデイリー。判定負けで敗退したが、6月にエリック・シウバに判定勝利し再起を果たしている。 対するアワッドは2017年4月から2018年6月までライアン・クートゥアーにTKO勝ちするなど4連勝していたが、ライト級でベンソン・ヘンダーソン、ブランドン・ガーツ、ゴイチ・ヤマウチ相手に3連敗中。連敗を止めたいところ。 1R、ともにオーソドックス構え。スリップしたアワッドはガードを取るがデイリーは付き合わずスタンドを要求。アワッドのダブルレッグを切ると詰めて飛び込んでの左ジャンピングキック。回るアワッド。そこにデイリーは強烈な右ローを当てる。 右ロングフックを打つアワッドに金網背にしながら左ヒジを突くデイリー! 前がかりになったデイリーに右ストレートを当てるアワッド。しかしデイリーは再び右ロー! 圧力をかけてまたも左のジャンプキックを放つ。組み付き離れ際にバックヒジを打つアワッド。防ぐデイリーに草刈から立ち上がりを狙うアワッド 2R、圧力かけ左右で詰めるデイリーがスリップ。すぐに組み付き立ち際にバックを狙うアワッドだが、突き放すデイリー。常に金網に詰めると右ストレート、強烈な右ロー! アワッドの体が流れる。アワッドが右から左を打ってきたところにデイリーはカウンターの左フック! アワッドがもんどりうって大きな音を立てて倒れると、一瞬躊躇しながらもデイリーが鉄槌を連打。レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇パトリック・ミックス(米国)[1R 3分49秒 スロエフストレッチ]×イザイア・チャップマン(米国) アマチュアで11戦無敗、プロで11勝無敗のパトリック・ミックス。主にKOTCでキャリアを積み、2019年6月の前戦でBellatorデビュー。ジェームス・ギャラガーを破ったリッキー・バンデハスに1Rチョークで一本勝ちしている。 対するイザイア・チャップマンはMMA9勝3敗。メジャープロモーションではWSOFでティムール・ヴァリエフに判定負けの戦績を持つ。今回がBellatorデビュー戦。 1R、テイクダウンからすぐにバックを奪い4の字ロックしたミックス。亀のチャップマンにパウンドし引き込み、アームインギロチンへ。逃れるチャップマンに再びバックマウントに移行し、背後からパウンド。中腰まで立ったチャップマンの左足を背後から4の字ロックのまま前かがみにつかみヒザを伸ばしてスロエフストレッチを極めた。 パトリック・ミックスはMMA12戦無敗に。 ▼160ポンド契約 5分3R〇マニー・ムロ(米国)[判定2-1]※29-28×2,27-29×ニック・ニューウェル(米国) 2019年8月にコーリー・ブラウニングに1R肩固めで一本勝ちし、Bellator初陣を飾った隻腕ニック・ニューウェル。前回はプレリムだったが今回はメインカードに登場。 Bellator2戦目の相手はMMA11勝6敗のマニー・ムロ。Rage in the Cage OKCで活躍し、2017年10月にはBellator184に出場しエマニュル・リベラに判定勝ちしている。前戦は6月にRITC OKCで一本勝ち。 1R、四つから金網に押し込み左で差して崩すムロ。ニューウェルのサイドバックに着くが頭をがぶったニューウェルは右腕でギロチン。鋭角に左腕を差し込みロムを座り込ませて金網に押し付けて絞める。背中をついて逃れたムロはハーフガード。 オープンフィンガーグローブの無い左手で背中にパウンドするニューウェル。ヒザ立ちになるムロのバックに回るが、ムロも右手掴み脇を潜る。腕を外したニューウェルはマウントを奪い、左手の無い腕でヒジ! 2R、ニューウェルの右ストレートを掻い潜り左で差すムロ。しかしニューウェルは右腕で小手に巻き、払い腰テイクダウン! すぐにバックを奪うと亀からニューウェルを背負ったままムロは立つ。足を着いたニューウェルはダブルレッグで金網に押し込み、シングルレッグへ。クラッチが通常と異なるためハイクラッチでヒジを持ち崩す。頭を突っ込んでムロの左足を狙うニューウェルだが、ムロもその右足首をつかむ。 シングルレッグを試みるニューウェルは潰され下に。立ち上がるとそこにムロは、ニューウェルはのガードが甘くなる左側に右ストレート! たまらず組み付くニューウェルをがぶる。ニューウェルは肩で息をする。 3R、すぐに押し込み左で差してボディロックするムロは回してテイクダウン。すぐに立つニューウェルは正対。今度は右で差すムロ。さらに左も差して両差しに。ニューウェルは左腕で差し返すことは難しい。回してテイクダウン。しかしここも立つニューウェルにロムはスタンドでシングルバックから引き込み。 亀から何度も立つニューウェルを崩してバックを奪い両足をフック。たすきがけからチョークを狙うが、中腰まで立つニューウェル。スタミナを削られる。ムロが背後からパウンドしゴング。 判定は2-1と割れてムロが勝利。マイクになぜかブーイングを浴びたムロは苦笑して「オクラホーマ!」と観客に叫んだ。 [nextpage] ▼160ポンド契約 5分3R〇ベイビー・スライス(米国)[1R 0分38秒 TKO]×クレイグ・キャンベル(米国) キンボ・スライスの長男ベイビー・スライスことケビン・ファーガソンJrは4戦目。2018年10月の前戦では序盤に攻めすぎてガス欠。コーリー・ブラウニングに2RパウンドアウトされMMA4勝1敗と土がついた。今回は再起戦でメインカード登場。 対するクレイグ・キャンベルはMMA3勝3敗。前戦はLFA27でクリス・ムリンズにマジョリティ判定負け。同じく再起戦となる。 1R、ともにオーソドックス構え。ベイビー・スライスは右ロー。その蹴り足をつかんだキャンベルはシングルレッグへ。下げた頭にヒジを落とすベイビー・スライスは1発目を側頭部に、2発目は後頭部もお咎め無し。 3、4発目のヒジを側頭部に落とすと力が抜けたキャンベルが崩れ、そこにベイビー・スライスは鉄槌連打。TKO勝ちとなった。 ▼ウェルター級 5分3R〇ライアン・エヴァンズ(米国)[3R 3分03秒 リアネイキドチョーク]×デメトリオス・プラザ(米国) ▼ライト級 5分3R〇ランス・ギブソンJr(カナダ)[1R 1分58秒 TKO]※バックマウントからパウンド×ドミニク・ジョーンズ(米国)※ギブソンJrはMMA3勝無敗に。 プレリミのライト級でランス・ギブソンJrがBellatorに初参戦、1R TKO勝利で初陣を飾った。父ランス・ギブソンは、2000年と2002年の修斗・後楽園ホール大会で須田匡昇と1勝1敗、1999年のSuper Brawlでは郷野聡寛に勝利、UFC 29ではエヴァン・ターナーと対戦するなど日本マットでも活躍したファイター。 1R、金網に押し込み、首相撲ヒザを突いたギブソンJrは、ジョーンズのダブルレッグをがぶるとバックを奪い、ジョーンズの身体を伸ばしてパウンド。レフェリーが間に入った。 1分58秒、TKO勝利飾ったギブソンJrは試合後、父と義理の母で現Bellator世界女子フェザー級王者ジュリア・バッドと記念写真に収まった。 ▼ライト級 5分3R〇デヴィン・パウウェル(米国)[2R 5分oo秒 ギロチンチョーク] ×マーカス・サーリン(米国) ▼フライ級 5分3R〇ジョニー・ロペス(米国)[判定3-0]※29-28, 30-27×2×ダン・コーミエー(米国) ▼バンタム級 5分3R〇ジョン・ドゥマ(米国)[判定3-0]※30-26, 30-27×2×ジョーネル・ルゴ(米国) ▼フライ級 5分3R〇ザルルフ・アダシェフ(米国)[2R 1分39秒 TKO]×デヴィン・ダイス(米国)
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