Suk Wanchai MuayThai Super Fight vol.112025年9月21日(日)愛知・LivesNAGOYA※昼夜2大会
▼NIGHT FIGHTメインイベント 日タイ国際戦 127ポンド契約 3分3R〇チェップカート・ポーポンサワン(タイ/現PrydeTVフェザー級王者、ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級1位)判定3-0 ※29-28×3×カイト・ルーククロンタン(=福田海斗/IMSA世界フェザー級王者)
日本とタイを股に掛けて活躍する福田は8月、RWS(ラジャダムナン・ワールド・シリーズ)でスペインの強豪カルロス・コレオ(WMCインターナショナルフェザー級王者)をフルマークの判定で下し、好調をキープ。
対するチェップカートはここ最近12戦して10勝2敗とトップ選手としては驚異的な好成績。8月28日(木)のラジャダムナンスタジアム興行『スックペッティンディープレミアム』ではセミファイナルに出場しサミンデーン・ワンコーングオームWKO(タイ)を2Rに左フックでKO、以前自身が保持していたPrydeTV 126ポンドタイトルを奪還しラジャダムナンスタジアムではランキング1位に入っている。
両者過去2度対戦し、1勝1敗のイーブン。お互い手の内を知り尽くしているため、一瞬のミスが大きく勝敗に響く可能性がある。
この試合は3R制のためか、序盤からカイトが素早いステップでジャブからカーフキック、前蹴りと間髪入れず攻め立てる。チェップカートは攻撃を遮断しようと組み付こうとするがカイトは手を伸ばして抑え、逆に左フックを叩き込む。今度はチェップカートがボディストレートで踏み込んだところに右ヒザのカウンターを合わせ、さらに左フックを合わせるとチェップカートはグラつき、カイトが一気にラッシュ! 完全に距離感が狂ったチェップカートに今度は飛びヒザ。クリーンヒットはしなかったものの、このラウンドはカイトが完全にリード。
続く2R、チェップカートが王者の意地を見せる。パンチで前進するカイトに対し、首相撲で真っ向勝負のチェップカート。組み際にオーバーハンドのパンチをもらいながらも執拗に組み付く。強引に腰をタックルして投げ込むラフファイトを見せ、カイトのスタミナを奪っていく。
そして3R、ポイントリードしていると確信してか、チェップカートはそれまでとは違って前に出ずカウンター戦法。とはいえ3R制のためカイトは依然としてパンチとヒザで攻め込んでおり、ジャッジの判断が難しい内容となったが、レフェリーはチェップカートの手を挙げカイトは判定負けとなってしまった。
判定読み上げの瞬間、客席からはどよめきと共に「なぜカイトの負けなんだ?」との声が多く聞かれた。試合後、佐藤孝也代表は「伝統的な5R制の判定基準と、ONEムエタイやRWSなどのNEWERAムエタイの基準が混在してしまい、審判団を悩ませてしまいました。次回大会からはそのあたりの方針を明確に定め、よりムエタイの魅力が伝わるものしていきたいと思います」と述べた。
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▼NIGHT FIGHT セミファイナル 日タイ国際戦 55.5kg契約 3分3R〇ティー・JSK(タイ/治政館)判定3-0 ※30-28×2、29-28×中島大翔(GETOVER/NJKFスーパーバンタム級6位)
ムエタイレジェンド選手ウティデート・ルークプラパーツ(2008年ムエタイ最優秀選手)を父に持つ、最強遺伝子のティー・JSKは7月の『スックワンキントーン』では元JKAフェザー級王者・皆川裕哉(KICK BOX)を判定で下し、国内では負け無しの連勝中。サウスポー独特の距離感支配とテクニックはまさに難攻不落を感じさせる。
対する中島は所属するGETOVERの中島稔倫会長(第18代全日本バンタム級チャンピオン/第2代NJKFフェザー級王者)を父に持ち、現在NJKFスーパーバンタム級6位で伸び盛りの注目選手。
1R、中島は早いリズムからジャブ、インロー。ペースがつかめないティーは遠い間合いからいきなり左ヒジを振り回し首相撲へ。中島は左前蹴りを顔面に当て、右ローから右ミドルのコンビネーションもヒットさせる。このラウンドはやや中島が有利か。
2R、リズムを取り戻したティーは遠い間合いから左ミドル、組むと再三中島のバランスを崩しリード。打撃勝負に持ち込みたい中島だが、間合いをうまくコントロールされなかなか懐に入ることができない。
そして3R、先に右ミドルを当てる中島だがそのままティーに組まれ体勢をコントロールされてしまう。逆にティーはサウスポー特有の遠い間合いからの左ミドルをヒットさせ印象が良い。余裕の出てきたティーは後ろ回し蹴りも見せ試合終了。判定は3-0でティーが勝利した。
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▼NIGHT FIGHT第4試合 日タイ国際戦 65kg契約 3分3R×エークモンコン・MFC(タイ/ムエタイファイタークラブ/元ルンピニースタジアムフライ級王者/元タイ国プロムエタイ協会同級王者)判定0-3 ※28-30×2、27-30〇天野颯大(キング・ムエ/K-1甲子園2021 -60kg王者)
天野は今年5月31日(日)の『K-1 BEYOND』(横浜BUNTAI)にてレオナ・ぺタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)とスーパーフェザー級(60㎏)で対戦予定であったが計量をクリアできず、当日再計量65㎏で試合は行ったものの1RでKO負け。一時は引退もほのめかしていた天野だが、あらためて戦線復帰を決意。階級をアップし、今回はムエタイルールでの再出発となった。
その天野と対戦するのはエークモンコン。関西のムエタイ界で大きな勢力を誇るMFC(ムエタイファイタークラブ)に所属する元タイ3階級制覇王者。2023年には『K-1 WORLD GP 2023両国大会』で当時K-1ライト級王者だった与座優貴と対戦しており(1R KO負け)、奇しくもK-1というフィルターを通じて非常に興味深い対戦となる。
試合はエークモンコンと共に天野も華麗なワイクルーを披露した後、K-1での試合時と同じように小刻みに上体を揺らして天野がプレッシャーをかけ、エークモンコンが右ミドルを放つとキャッチしてパンチ・ローを返していく。左三日月蹴りを当てると今度はフェイントからの左ボディアッパーが爆音を立ててクリーンヒット! 場内からドッと歓声が沸き、さらにエークモンコンに右フックのカウンターを合わせペースを掴む。首相撲でもエークモンコンの顔をおさえ体勢を有利に進める。しかし中盤からエークモンコンも距離を修正し、遠い間合いから前蹴りや左ミドルをヒットさせるが、天野も左ミドルで対抗。
2R、頭を振ってリズムの早い天野に対しエークモンコンはハイキックを狙い撃ち。天野の側頭部をかすめ、パンチを打ち返してきたところにヒジのカウンターを合わせうまさを見せる。リードを守りたい天野は近い間合いから右の飛びヒザ。お互いのパンチが交錯する中でもエークモンコンはミドルキックを織り交ぜ、首相撲でも体勢をうまく作り天野の攻撃を遮断。
展開が膠着しつつ迎えた最終R、若干動きが鈍ってきたエークモンコンに対し天野は接近戦を仕掛け縦ヒジを強振! 中盤はお互いヒジの打ち合いとなり、場内は大盛り上がり。エークモンコンがハイキックを見舞うと運動量の落ちない天野はバックハンドブローを返し、ラスト30秒はパンチでラッシュしてお互い激しい打ち合いに。
レフェリーが終了のゴングを聞き分けられないほどの大歓声が上がり、勝敗は判定に。30-28が2名、30-27が1名、天野を支持し天野の判定勝ちとなった。
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▼DAY FIGHTメインイベント バンタム級 3分3R×ルイ_KMG(クラミツムエタイジム/元スックワンキントーン認定スーパーフライ級王者、元S-1ジャパンレディース同級王者)判定3-0 ※28-29×3〇SHIORIN(=名前の後ろにハートマーク/GRATINESS/WMC日本女子スーパーバンタム級王者、ミネルヴァ同級2位)
ルイはヒジとヒザを得意とする純ムエタイスタイルで、2024年1月には『RWS~ラジャダムナンワールドシリーズ~』にも登場、今年4月の『スックワンキントーン』後楽園大会ではスーパーフライ級王者Micky (Y'sPromotion)との王者対決を制し連勝中。
対するSHIORINは名選手・大和哲也率いる「GRATINESS」の看板選手。今年3月には地元愛知での試合はダウンを奪い判定勝利。9戦6勝1敗2分と好成績を残しており、空手をベースとした攻撃力は女子随一の高い殺傷能力を誇る。
1R、じっくり構えるルイに対し、SHIORINは早いステップから飛び込んでのワンツー! 不意を突かれたルイは後方に吹っ飛びいきなりダウンを奪う。“ムエカオスタイル”(首相撲からのヒザを得意とするタイプ)のルイはローキックから入って前に出て組み付きたいところだが、SHIORINのフットワークにかわされペースを巻き返せない。
2R、ルイがさらに出足のスピードを上げいきなり組み付いて首相撲へ持ち込み、この体勢になるとやはりルイが有利か。しかし、SHIORINもカウンターで縦ヒジやパンチを当てていく。
3Rもルイが前進し、徹底して首相撲勝負でSHIORINの体力を奪う作戦だが、そのタイミングに慣れてきたSHIORINは右ストレートをクリーンヒットさせる。この一撃でやや出足が鈍ったルイにSHIORINは単発ながらパンチをヒット、途中ルイがヒジを当てるも決め手がなく終了のゴング。序盤にダウンを奪ったSHIORINが王者対決を制し、バンタム級のトップに君臨することとなった。
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▼DAY FIGHT セミファイナル 日タイ国際戦 60㎏契約 3分3R〇ラチャシー・ノーナクシン(タイ/ノーナクシンジム東京)判定3-0 ※29-28×3×山田哲也(LEGENDGYM)
強豪ジュニア選手を輩出し、全国的にもその名が轟くLEGEND GYMの山田哲也会長が引退試合に臨んだ。現在47歳、2017年にタイのリングで試合して以来、8年ぶりのリング復帰&引退試合ということで、セコンドには“星野姉妹”として女子キック界でその名が知られる星野依莉&楓姉妹の実娘2人が就く。
対するラチャシーは現在32歳。今年1月の青木大好き(OZジム)との試合を最後に、リングから離れようとしていた時に山田哲也との試合オファーがあり、「それならば!」ということでダブル引退試合を受けて立った。
山田は47歳とは思えないほどシャープなボディで登場、場内にひときわ大きな歓声が響く。対するラチャシーは歴戦の雄らしく落ち着いた表情でリングイン。両者の対決はいきなり動いた。
1R早々、右ミドルキックを繰り出す山田にラチャシーは柔らかい動きで捌くと左フックにカウンターの左ヒジをドンピシャで合わせダウンを奪う! その後もサウスポーのラチャシーに距離をコントロールされヒットさせることが出来ない山田。
続く2R、山田は距離を潰してパンチ勝負に切り替えるとラチャシーは徐々に失速、山田のパンチを被弾する場面が多くなる。ロープを背負いカウンターを狙うものの、山田のミドルキックとパンチのコンビネーションがクリーンヒット、場内も大いに沸きあがりこのラウンドは確実に山田がリード。
3R、ポイント的には後が無い山田は前に出てパンチを振るう。しかし、踏み込んでワンツーもラチャシーに組み付かれパンチをまとめ切ることが出来ない。それでも山田は驚異的なスタミナでヒジも振るいラチャシーの体力をさらに奪っていく。
最後はフラフラになりながらもラチャシーは要所要所で効果的な左ミドルをヒットさせ必死にポイントを守る。ジャッジ泣かせの試合内容となったが、レフェリーは最後まで踏ん張ったラチャシーの手を挙げ、ラチャシーが判定勝利。敗れたとはいえ山田にも場内から万雷の拍手が送られた。試合後、リング上で両者の引退セレモニーが行われ、佐藤代表から両者に花束が贈られた。
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~DAY FIGHT~
▼DAY FIGHT第5試合 日タイ国際戦 フェザー級3分3R〇コッチャサーン・FELLOWGYM(タイ/元ルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級7位)TKO 2R ※セコンドよりタオル投入×一仁(真樹ジムAICHI/第8代J-NETWORKフェザー級王者/第22代MA日本フェザー級王者)
▼DAY FIGHT第4試合 日タイ国際戦 69㎏契約 3分3R×ケンサック・ナヤバシキック(タイ/納屋橋キック/Ford Ranger Tournamentバンタム級優勝/元スックアッサウィンダムバンタム級王者)判定1-2 ※29-28、28-29×2〇滝口幸成(KONGS/元WMCインターコンチネンタルウェルター級王者)
▼DAY FIGHT第3試合 スーパーバンタム級 3分3R△中島凛太郎(京都野口ジム/NJKFスーパーバンタム級5位)ドロー 判定1-1 ※29-29、28-29、29-28△大岩竜世(KANALOAGYM/WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級6位)
▼DAY FIGHT第2試合 セミプロルール 日ブラジル国際戦 73kg契約 2分3R〇鈴木浩佑(WINRAD)判定3-0 ※30-28、30-27×2×HIDEYUKI VINICIUS(INFINITE THAI BOXING)
▼DAY FIGHT第1試合 セミプロルール 42kg契約 2分3R〇裕歩(納屋橋キック)判定3-0 ※29-28、30-28、30-27×朔・PSKムエタイ大阪(PSKムエタイ大阪)
~NIGHT FIGHT~
▼NIGHT FIGHT第5試合 日タイ国際戦 62kg契約 3分3R×ペットナードゥーン・OISHIGYM(タイ/OISHIGYM)判定1-2 ※29-28、28-29×2〇ハル・ルーククロンタン(秋田巴琉/キング・ムエ/元スックワンキントーン スーパーフェザー級王者)
▼NIGHT FIGHT第3試合 セミプロルール 90kg契約 2分3R〇ナギチャイ・フブキジム(風吹ジム)TKO 1R ※パンチ連打でレフェリーストップ)×山本“バッファ”弘樹(Buffa GYM/元NJKFスーパーウェルター級1位)
▼NIGHT FIGHT第2試合 セミプロルール バンタム級 2分3R×岡本翔悟(風吹ジム)判定0-3 ※28-29×2、27-30〇高山 敦(ストライキングジムAres)
▼NIGHT FIGHT第1試合 アマチュアルール 55kg契約 2分3R〇武智代(神風蹴殴)判定3-0 ※29-28×3×木村琉誠(Taisho GYM handa)