あと1年で引退を表明し、試合に臨むぱんちゃん(C)KNOCK OUT
2025年8月29日(金)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT.56 New beginning』(U-NEXT配信)にて、KNOCK OUT-BLACK女子ライトフライ級3分3R延長1Rでアム・ザ・ロケット(タイ)と対戦するぱんちゃん璃奈(フリー)のインタビューが、主催者を通じて届いた。
「あと1年で現役引退」を表明したぱんちゃんはどのようにそう決意し、その初戦となる今回はどう戦おうとしているのか?
体調が全然違って追い込めない

──2月の山田真子戦以来、久々の試合になりました。6月23日にSNSで「色々まだまだかもだけど 自分の中では充分やり切ったかな!」と発言したりしていて、ファンの中では「このままやめるのかな?」という思いもあったと思うんですが。
「2月の試合が終わって、『引退だなあ…』とは正直思っていたんです。でもいろんな人と話し合った結果、そのまま引退という形で終わるより、格闘家のぱんちゃんとしていろんな方が見てくださったので、最後に1年猶予を設けて、頑張ってから終わった方がいいかなと思って。ラスト1年なら頑張れるかなという思いもあって、ラストイヤーということにしました」
──山田戦後に引退を考えたのは、その先の道が見えなくなったから?
「昨年末からずっと体調がおかしくて、病院で検査もしていて、『治ったら試合に出よう』と思っていたんですよ。でもそれが長引いていて、『これは治らないな』と思って。このまま治るのを待っていても試合ができないので、先に試合をやって引退した方がいいかなと。1年前とかと体調が全然違って、追い込めないんですよ。正直厳しくて、練習に行くのもしんどいんですけど、最後1年と決めれば頑張れるかなという感じですね。だから最近は、練習以外は疲れて寝ちゃってます」
──そうですか…ただそういう状況だと、この1年間のラストイヤーで試合をするために準備するのもなかなか厳しいのでは?
「だから頑張ってますよ(笑)。今も体調が悪い中で2部練したりして、頑張ってます。山田戦の前は正直休んでいて、週2~3回の練習で試合に臨んだんです。タイとかにも行ったけど、現地でも体調を崩しちゃって。週2~3回ぐらいの練習だと体力も落ちてるし、試合の日は大丈夫だったんですけど、追い込みもできなかったんですね。今回は試合当日にもっと動けるように、練習も休まないようにしています。そういうのもあって、『あと1年』って決めたら頑張れるかなと」
──なるほど。
「最初はメンタルから来てるのかなと思ったんですけど、さすがに長すぎますよね(笑)」
──いや、確かに長すぎると思いますよ。
「だから『諦め』です。最後に1年頑張ってやめよう、という感じです」
──ただ、「試合が決まったからスッキリ!」というわけでもないんですよね?
「試合が決まらないと練習にも行かないで、家に引きこもっちゃうんですよ。それよりは、毎日練習に行けてるだけでも最近は違うかなと思いますね。レベルは低いんですけど、ちゃんと毎日練習に行けてるので。それも『あと1年』と決めたからなんですよね。私はこれ一本で生活しているので、試合しないと食べていけないですし(笑)」
──そういう状況の中ですが、アム・ザ・ロケット選手という強い相手との対戦になりました。今は、どう戦いたいと思っているんですか?
「スタイルチェンジしないとですね。今までは圧とパンチで行っていましたけど、それは体力があったから最後までそれでいけたんだと思うんですよ。でも、自分が最後までそれでいけなかったら、前回みたいな結果になっているので、今はパンチに頼らないようにしようと思って、今回の試合が決まってからはパンチの練習はしてないです」
「もともとは蹴り中心のスタイルだったんですけど、前十字靱帯断裂のケガをしてから1年間蹴れなかったりして、可動域も狭くなって以前みたいには蹴れなくなったんです。もともとパンチも出してたんですけど、蹴りがあるからパンチが当たるわけじゃないですか。今回は逆に、フィジカルとかスタミナとかで圧倒的に勝っているわけではないので、蹴りに戻さないと勝てないなと思っていて。相手はフィジカルも強いので、やっぱりテクニックで勝負しないとなと思ってるんですよ。それもあって、蹴り中心に戻して頑張っています。パンチは、試合になったら出るので(笑)」
──そういうことですか。
「やっぱり、蹴りがあるとパンチも入るんですけど、パンチだけでいくとうまく入らないんですよね。そこが、最近の試合ではワンツーからいってうまく攻められないということにつながってたのかなと思ってます」
──その練習の手応えはどんな感じですか?
「今は、これまでやったことのない技を教えてもらってるんですけど…今は良太郎さんとはほとんど練習してないんですよ」
「彼はパンチがうまいんですけど、それだとやっぱりパンチ中心になってしまうので、ずっと見てもらっているFighter's Flowの鈴木隼人トレーナーをメインにして、その方と、今回の試合で使おうと思っている“ある技”の練習をしています」
──それがこの試合への“秘策”ということですか。
「そうですね。でもたぶん、開始早々に出すと思うので、すぐ分かると思います(笑)。今まではトレーナーがいて、指示をしてもらって動くという形だったんですけど、自分のいいところ、悪いところは正直、もう自分で分かっているので、練習の内容も自分で決めるし、トレーナーさんにも自分で決めて『こう戦います』と伝えて、ミットもその分だけをやってもらう形にしています。隼人さんに技は教えてもらっているんですけど、今は自分がメインでやっている感じですね。良太郎さんのところでの練習は、サンドバッグとか、ミットも限定の内容です」





