MMA
インタビュー

【UFC】朝倉海と対戦するティム・エリオット「“ゲートキーパー”で結構。フライ級でティム・エリオットに勝てないなら、UFCに出場する資格はない」

2025/08/14 16:08

戦う意欲や欲望は「チャンピオンになりたい」とか「勝つため」だけじゃない。戦うことが好きなんだ

──UFCで20試合を戦ってきましたが、あなたは階級転向を経て、このフライ級に戻ってきました。どんな変化がありましたか。

「ずっとこの階級を廃止する予定だったんだ。そして、フライ級全体で4~5人しかいなかった頃を覚えている。でも、俺は常に信念を貫き、その階級に残ろうとした。135ポンドで戦うことはできるけど、俺はUFCでフライ級の道を切り拓いた一人だと感じているよ。ジョン・ドッドソンやイアン・マッコールと共に。当時は選手数が少なかったけど、今は状況が違う。今やここでは多くの強豪がおり、最も興奮する部門の一つだ。常に興奮する部門だったけど、今はスター選手がいて、タイトルもマイティ・マウス(DJ)からパントージャに変わった。今後は誰がチャンピオンになるかも未定だ。良い選手がたくさんいる。俺の『ジ・アルティメット・ファイター(TUF)』のシーズンで、異なる国から来た“野蛮人たち”がいたのを見た。だから、続けてきてよかったと思う。俺のレガシーは最高ではないかもしれないが、この階級を維持する一員として常にいるだろう」

──そして、あなたの最後の試合は2023年12月でした。土曜日(日本時間日曜日)に海と対戦する際に、リング錆(ringrust=リングから遠ざかることで試合感覚がズレること)や調子の悪さを心配していますか?

「正直、心配事はたくさんあるけど、リングラストは特に心配していないんだ。この地球上で自信を持ってできることはほとんどないけど、死の床に伏せても、15分間は戦えると思う。たとえスタミナが持たなくても、それでもリングに立って良いパフォーマンスを見せられるはずだ。

 確かに歳を取ってきて、年齢を感じ始めているけど、戦う意欲や欲望は“チャンピオンになりたい”とか“勝つため”だけではない。戦うことが好きなんだ。UFCで報酬を得ていなくても、デニーズの駐車場で戦っていただろう。だから、好きなことをして生計を立てられる幸運な一人であることに感謝しているよ」

──あなたはまだこの階級で11位にランクインしています……。

「それはおかしいな。俺は600日ほど試合をしていないのに(笑)。この人たちは一体何をしているのかな」

──海を倒した場合、トップ10の中で戦いたい相手は他にいますか?

「戦いたい相手はたくさんいる。誰もが“ゲートキーパー”(門番)を軽蔑しているようだけど、俺にとってはそれは妥当な評価だと思う。フライ級でティム・エリオットに勝てないなら、UFCに出場する資格はないだろう。俺はそれでいいと思っている。この試合の問題は、海が(日本で)パントージャのような存在で、今度は俺と戦うことになったこと。2人のタフな相手と連続して戦うことになるんだ。彼が立ち直れないと言っているわけではないが、2連敗は彼にとって本当に痛手だと思う。

 俺はUFCチャンピオンになるつもりはないし、たとえなったとしても、それは俺の立場を目指している若い選手たちから何かを奪うことになるだろう。今、俺がやりたいのは、興奮する試合を繰り広げ、自分がやっていることを楽しみ、お金を稼ぐことだ。でもトップ10には戦いたい相手が山ほどいる」

──ここでその件についてフォローアップすると、あなたはUFCチャンピオンにはならないと思っているのか? それがあなたの言いたいことか?

「それは俺がそう思っていないわけではなく、単に俺の目標は世界チャンピオンになることではないからだ。俺はそれに特に興味はない。お金も同じ。俺はただ、良いパフォーマンスを披露し、興奮する試合を繰り広げ、この仕事で家族を支えられるようにしたいだけだ。2010年から続けているこの仕事は、俺を多くの場所へ連れて行ってくれた。最も重要なのは、娘と多くの時間を過ごせること。ベビーシッターを雇う必要もなかった。みんなが見てくれたからこそ、それができたんだ」

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