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【ONE FF】和田竜光がピンチからホルミルザエフにおたつロックで反撃も激闘の末に判定負け。箕輪ひろばがニアフィニッシュ作るも判定負け、スンチョルは10連勝。三浦彩佳があやかロックで一本勝ち、日本大会で王者ザンボアンガに挑戦決定!

2025/07/18 20:07
 2025年7月18日(金)午後9時30分から、タイ・バンコクのルンピニースタジアムにて『ONE Friday Fights 116』(U-NEXT配信)が開催された(※立ち技リポート)。  その第3試合にて、当初「ONEストロー級(※56.7kg)」で予定されていた、和田竜光(日本)vs.アバズベク・ホルミルザエフ(ウズベキスタン)の試合が、「127ポンド(57.60kg)契約で行うことを両選手が同意した」(ONE発表)ため、127ポンド契約で計量・試合が行われることが分かった。ストロー級ランキング入りを目指していた和田は、126ポンドでパスしており、ホルミルザエフ側の要望と思われる。 [nextpage] 和田竜光、三浦彩佳、箕輪ひろば MMA試合リポート 2025年7月18日(金)午後9時30分~タイ・バンコク ルンピニースタジアム ▼第3試合 ONEストロー級(※56.7kg)→127ポンド契約 5分3R×和田竜光(日本/フリー)MMA26勝14敗2分 1.0049、126.0lbs[判定0-3]〇アバズベク・ホルミルザエフ(ウズベキスタン)MMA13勝2敗 1.0245、127.0lbs  和田は、2024年7月の『ONE Fight Night 23』のフライ級MMAで、シェ・ウェイ(中国)に判定3-0勝利で、アーネスト・モンティーリャ戦の一本勝ちに続く2連勝。ストロー級挑戦を宣言し、2025年1月に10戦無敗のサンジャル・ザキロフに判定負け。今回もストロー級戦での再起戦となる。  MMA12勝2敗のホルミルザエフは、7KO・TKOと5一本勝ちで決着率100%のフィニッシャー。『ONE Friday Fights』では5勝1敗。24年9月にキルギスのベクトゥル・ジェニシュベク・ウフールに判定負けも、25年2月にボラット・ザマンベコをノーアームのギロチンチョークに極めると、5月の前戦ではホビソン・ジ・オリベイラを左右のヒジ打ちからの連打で2R TKOに沈めている。  和田は、ホルミルザエフが黒星を喫したウフール戦をU-NEXTの解説として見ている。オーソからの長い右ロー、かかと落とし、二段蹴り、回転系の蹴りなどリーチを活かした大きな打撃のホルミルザエフに対し、ウフールは蹴りに合わせてダブルレッグテイクダウン。マウントや肩固め、クルスフィックスの体勢になりかけるが、ホルミルザエフもスクランブルで極めさせず、判定まで持ち込んでいる。その一方で背中を見せての立ち上がりではバックも許しており、テイクダウンから和田はおたつロックで逃がさず削りたいところ。  ホルミルザエフの14戦に対し、約3倍の試合キャリアを持つ和田は、24歳のホルミルザエフの粗削りながらも試合毎に成長している動きを封じ込めることができるか。  しかし、当初「ONEストロー級(※56.7kg)」で予定されていた、和田竜光(日本)vs.アバズベク・ホルミルザエフ(ウズベキスタン)の試合が、「ファイトウィークに入る前に127ポンド(57.60kg)契約で行うことを両選手が同意した」(ONE発表)ため、127ポンド契約で計量・試合が行われることに。ストロー級ランキング入りを目指していた和田は、126ポンドでパスしており、ホルミルザエフ側の要望と思われる。  1R、ともにオーソドックス構え。先にカーフの和田に、ホルミルザエフは右の顔面前蹴り! さらに後ろ廻し蹴りにダウンした和田にパウンドも和田の身体はロープ外に。  ダメージがある和田。ドントムーブで中央再開。スタンドに戻し、右ストレートを当てるホルミルザエフに、ガードを固めダブルレッグテイクダウンから組んで払い腰狙いのホルミルザエフに対し、大腰で投げた和田がバックを奪って4の字ロックからおたつロックへ。  ホルミルザエフの向き直りにおたツイスターを狙う! 極めかけるが凌ぐホルミルザエフ。レフェリーを見る和田。ホルミルザエフは座って亀から立とうとすると、和田は足を持ってスロエフストレッチ狙いで立たせず。バックマウントから側頭部付近にヒジ! カットしたホルミルザエフにドクターチェック。  反則の後頭部打撃とされて和田にイエローカード(10%減点)。スタンド再開。ホルミルザエフが後ろ廻し蹴り、かかと落としを放ち、ゴング。  2R、右前蹴りのホルミルザエフ。右のカウンターを当てる和田。首相撲ヒザのホルミルザエフを剥がす和田だが、左ジャブの刺し合いはホルミルザエフ。右から後ろ廻し蹴りが長い。  カーフから組んだ和田は右で差してやぐら投げへ。残すホルミルザエフ。コーナー背にするホルミルザエフに、ボディロックからバック狙いの和田。ここで向き直り離れるホルミルザエフに、前に出るのは和田。  下がりながらも組むホルミルザエフ。右を突くが、左から右の二段蹴り。さばく和田が圧力をかけて右。さらに左ジャブから右ストレートへ。ここでダブルレッグテイクダウンはホルミルザエフ。バックを奪い、足をかけたところでゴング。  3R、ホルミルザエフは和田の組みにがぶりからギロチンチョーク! 動きが止まりかけたところでレフェリーが両者を分けようとする。掴みを注意か? いったん離すもすぐに和田はダブルレッグへ。そこにニンジャチョークを合わせるホルミルザエフ、仰向けになって抜く和田。  後ろ蹴り、危険な打撃のホルミルザエフに、さばく和田は右で差して押し込み。しかし突き放したホルミルザエフが右から右ヒザ! しかし和田は押し返して右!  ホルミルザエフはバックヒジ、さばく和田の組みを切ってバックへ! バックマウントからボディトタイアングル、背後からパウンド連打! 手首をコントロールして背後からパンチ。  ゴングにホルミルザエフは座り込むも、セコンドから立たされる。判定は3-0でホルミルザエフが勝利。ホルミルザエフは和田の強さを認めるように和田の手を挙げた。ホルミルザエフには本戦契約と10万ドルボーナスがコールされた。 [nextpage] ▼第2試合 ONEアトム級(※52.2kg)5分3R〇三浦彩佳(日本/TRIBE TOKYO MMA)MMA16勝5敗 1.0172、114.8lbs[1R 3分53秒 あやかロック]×ジュリアナ・オタロラ(コロンビア)MMA3勝1敗 1.0124、110.6lbs  三浦は、2023年11月にONEストロー級でメン・ボーを1R スカーフ・ホールド・アメリカーナ=アヤカロックで極めると、2024年1月にONEアトム級で平田樹に判定勝ち。2024年11月にマカレナ・アラゴンにもアヤカロックを極めると、25年2月にはリトゥ・フォガットから1R ヒザ十字でタップを奪い、怒涛の4連勝中。うち3試合を一本勝ちでフィニュシュしている。今回もアトム級で参戦。  対するコロンビアのオタロラはMMA3勝0敗。アマチュアMMAで11戦後、地元コロンビアのEmpire MMAで3連勝中。23年3月の初戦をリアネイキドチョークで一本勝ち後、同じ相手との再戦でも判定勝ち。24年9月の前戦では右三日月蹴りをみぞおちに突いて1R TKO勝ちをマークしている。  データ上では身長で三浦が4cm、リーチで10cm長く、キャリアでも大きく上回るが、29歳のオタロラは、初戦の寝技に加え、オーソからの左の蹴り、近距離のヒジ・ヒザのムエタイ、右カーフに三日月蹴りと危険な打撃を持つ。その一方で、首投げでテイクダウンも奪われており、三浦としては、自身の距離で戦い、組み伏せて極めたい相手だ。  女子アトム級では、王者デニス・サンボアンガと1位スタンプ・フェアテックとの試合が3度流れており、2位につける三浦としては(※3位ハム・ソヒ、4位メン・ボー、5位澤田千優)、今回のオタロラとの試合を制して、11月16日(日)のONE有明アリーナ大会でタイトルマッチを実現させたいところ。  なお、前週の7月12日の『ONE Fight Night 33』では、同階級の澤田千優がマカレナ・アラゴンに勝利しており、上位の三浦にとっては取りこぼしができない試合が続く。  1R、いきなりダブルレッグからコーナーに詰めて四つから首投げの三浦は袈裟固めからオタロラの左腕を両足で挟んであやかロックへ。しかしオタロラも腕を戻すと横に流して肩固めへ。ここも凌いだオタロラ。三浦はパウンドを入れながら再び肩固めへ。ここも凌ぐオタロラに、三浦はあやかロックに切り替えて極めた。  笑顔もなく、厳しい表情でコーナーで登り、ガッツポーズで観客を煽った三浦。  試合後のインタビューでは、「コップンカー。まず、そうですね。見てくださった皆さん、ありがとうございます。私はどんくさくてなかなかこう……試合では今すごいフィニッシュできてるんですけど、日本のみんなのおかげで、こうやって5大会連続で勝つことができてます。今回も勝てたんですけど、まだまだ反省点が残る試合だなとも思ってますと。私一人の力じゃなくて、みんなが支えてくれてるおかげでしっかり勝つことができてます」と涙ぐみながらコメント。  リング上で三浦に、11月の日本大会でアトム級王者デニス・ザンボアンガへの挑戦権を獲得したことが伝えられると、「チャトリさん、ありがとうございます。ストロー級でタイトルマッチをやったんですけど、負けてしまって。私はまだベルトが獲れてないです。ストロー級で獲れなかった忘れ物を、アトム級でしっかり獲りたいと思います。  そして日本大会でオファーをくださったこと、すごく嬉しいです。しっかり勝って日本のファンの皆さんの応援にも感謝したいと思ってます……すみません。今日泣くつもりなかったんですけど、やっぱ泣いちゃいました。本当にいつも応援してくださってる皆さん、ありがとうございます」と語った。 [nextpage] ▼第1試合 ONEストロー級(※56.7kg)5分3R×箕輪ひろば(日本/総合格闘技道場STF)MMA14勝6敗 1.0078、124.0lbs[判定0-3]〇イ・スンチョル(韓国)MMA10勝1敗 1.0159、124.2lbs  箕輪は、2024年1月の有明大会で、グスタボ・バラートにスプリット判定の惜敗。ONE2連勝から3連敗を喫したが、黒星の相手はジャレッド・ブルックス、ボカン・マスンヤネ、バラートと強豪のみ。24年7月にジェレミー・ミアドと対戦し、初回にダウンを奪われるもテイクダウンからパウンドで、スプリット判定を制し、再起を遂げた。  イ・スンチョルは、MMA9勝1敗。2023年10月の『Angel's Heroes 6』でレネ・カタランを1R 72秒 KOに下すと、2023年12月にGLADIATORで初来日を果たし、澤田政輝に右ストレート一発で初回KO勝ち。  24年3月のGLADIATORフライ級トーナメント準々決勝では、ツェルマー・オトコンバヤルに左右のグラウンドヒジで2R TKO勝ち。24年8月の『ONE Friday Fights 74』でONE初参戦すると、フィリピンのモイセス・ロイス・イロゴンを1R、右フックでTKO。12月の前戦『ONE FF 91』でもベトナムのファム・ヴァン・ナムをマウントからのヒジで2R TKOに下している。  グラウンドヒジ、ヒザなどがぶりからの際の攻撃に殺傷能力があるONE FF2連勝中のイ・スンチョルを相手に、箕輪は「全局面で勝負したい」と語っている。  1R、ともにオーソドックス構えから、先に右を突く箕輪は右で差してクラッチして崩すがコーナーに戻すスンチョル。左で細かいパンチの箕輪。右で差して細かいヒザを突く箕輪。四つにして体を入れ替えたスンチョルがクラッチして崩してすぐにがぶりヒザ。箕輪はシングルレッグで戻してボディロックからバック引き込み。シングルレッグの箕輪にスンチョルはグランドヒザを突くが、すぐに箕輪も押し込み。  コーナー背にする箕輪はリング中央にダブルレッグテイクダウン。立ち際にバック狙いも足はかからず。スンチョルはロープ背に立ち体を入れ替え、外がけテイクダウン。バック狙いも箕輪もすぐに胸を合わせて両者立ち上がる。箕輪がコーナーに押し込みゴング。  2R、右ローのスンチョルに左右で詰めて組む箕輪。体を入れ替えるスンチョルは四つから小外がけで再びテイクダウン。すぐに立つ箕輪にがぶりヒザ。すぐに立つ箕輪を大内刈テイクダウン。ここもすぐに立つ箕輪がシングルレッグテイクダウン。スンチョルの立ち際にバックからたすきがけもシングルバック。コーナーを蹴ってバック狙いも両足はかからず。木村狙いから正対してトップのスンチョルが際でパンチ、ヒザ。  みたび足技を混ぜてテイクダウン。箕輪はここもすぐに立つが崩すのはスンチョル。しかし、箕輪はここも先にスクランブルしてダブルレッグテイクダウン! すぐにバックについてリアネイキドチョーク! タップしかけるスンチョルだが凌ぐ。  3R、右ローを当てて前に出る箕輪に左を当てるスンチョル! しかし前に出るのは箕輪。右を返してシングルレッグも、切ってトップはスンチョル。パウンドのスペースで立つ箕輪はシングルレッグからダブルレッグテイクダウン。しかし崩れても立つスンチョルがヒザ! 立って後退する箕輪に左ボデイ! 箕輪の打ち返しが軸がブレる。右で差して押し込むのはスンチョル。  体を入れ替えた箕輪が肩パンチ、互いに体を入れ替えて最後に押し込む形はスンチョル。こつこつヒザ。しかし箕輪も体を入れ替えブレーク。  箕輪の右ローに右を返すスンチョル! 四つから小外がけテイクダウン。ここすぐ立つ箕輪がシングルレッグから四つも押し込むのはスンチョル。そのままゴング。スンチョルはロープにもたれかかる。  判定は3-0でスンチョルが勝利した。
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