10月20日(日)「PANCRASE 309」新木場スタジオコースト大会に出場する海外からの3選手が17日、西新宿のHIDE'S KICKにて公開練習を行った。
同大会にはブラジルから2人の女子選手が参戦する。第5試合の女子バンタム級で東陽子(和術慧舟會AKZA/1位)と対戦するタチアネ・フォンテス(ブラジル/ウォリアーズ・フォンテス)と、第4試合の女子フライ級でライカ(RIGHT THING ACADEMY/3位)と対戦するアニー・カロリネ(ブラジル/ナジャ・ファイトチーム)だ。
柔道で2002年全国高等学校選手権優勝、2003年フランスジュニア国際大会3位などの実績を持ち、現在MMA4連勝中の東と対戦するフォンテスはMMA3勝1敗。6パックの腹筋を誇り“BRUTOS”の異名も持つフォンテスは、インドのMMAリアリティショーに出演し、「Super Fight League」で1勝1敗。2019年5月の修斗ブラジルでも勝利するなど2連勝中だ。
一方、元女子プロボクシング世界三階級制覇王者でMMA10勝6敗1NCのライカと対戦するカロリネは、MMA6勝7敗。散打、アマチュアムエタイを経てMMAファイターとなり、現在は柔術でも茶帯。ナジア・ファイトチームでムエタイトレーナーを務めながらMMAの試合を行っている。
「相手が柔道エリートだろうと、私は準備万端。スタンドの殴り合いになっても1秒でも速く終わらせたい」というフォンテス。
「PANCRASEはブラジル人選手が参戦してからずっと見ていた。シッジ・ホシャ(女子フライ級王者)のようにベルトを巻きたい。どう終わるか想像できないけど、自分の手が挙げられていることだけは分かる」とライカ戦に自信満々のカロリネ。
初来日の2人のブラジリアンがPANCRASEでどんな試合を見せるか、注目だ。
タチアネ・フォンテス「1秒でも速く終わらせたい」
「日本は整理された国、親切な人が多いと感じます。格闘技のキャリアは仕事しながら23歳から柔術を始めて5年目で青帯です。リオデジャネイロ州の大会で64kg級で優勝しました。
MMAは26歳で初めて2年目。柔術をやっているときは、本当はあまり好きじゃなかったのですが、MMAの試合で他の選手が出られなくなってしまって、3週間前に言われて出場することになり、その試合でアームロックで勝って、MMAが好きになってしまいました。
その後、インドに行って、リアリティショーに出演(Super Fight League)して戦い、2試合で1勝1敗でした。今では何でもできるトータルファイターになっていると思います。
PANCRASEからのオファーをもらって、自分のキャリアのチャンスになると思い、即決しました。対戦相手の東の資料はあまり見つからなかったのですが、どんな選手がきても大丈夫です。
相手が柔道エリートだろうと準備万端です。首相撲からのヒザ蹴りは練習でもよく使っています。スタンドでも殴り合いでも、とにかくフィニッシュしたい。1秒でも速く終わらせたいと思います。
MMAでは、UFCのポリアナ・ボテーリョが目標で、ハビブ・ヌルマゴメドフのような選手が好きです。PANCRASEような大きな大会に参加できて嬉しいですし、強くなって有名な選手になりたいです。相手は経験豊かですが、私が勝ちます」
アニー・カロリネ「試合後、自分の手が挙げられていることだけは分かる」
「長い旅でしたが、コンディションはいいです。日本は初めてで、まだ来て間もないですが、ハイテクの素晴らしい国だと感じています。
格闘技のキャリアは、14歳で散打を2年間習い、いったん中断してから、2009年にアマチュアムエタイの大会で優勝しました。自分の地元ではムエタイや柔術よりMMAが盛んだったのでムエタイをやりました。
2012年に格闘技の選手になりたくて、ちょうどMMAを始めたときにクリス・サイボーグ選手が活躍していて憧れました。
MMAは相手が何をしてくるか分からない、予測不可能なところがあって、そこが面白いです。いまは私もMMAの選手、何でもできるファイターだと思います。
(三角絞めや腕十字での一本勝ちもあるが柔術の帯は?)茶帯です。現在はムエタイの先生をしながらMMAの試合を行っています。
(前戦の試合が2019年6月で、約3年ぶりの試合だったのは?)特に理由はありません。ただ練習をしていただけです。
(PANCRASEからのオファーについて)初めて聞いて信じられないくらい嬉しかったです。すごくモチベーションが高いです。いい試合をしたいと思います。
実はPANCRASEは、ブラジル人が参戦してからずっと見ていました。当時は自分がそこに参戦するとは思っていませんでしたが、シジ・ホシャ、マイラ・カントリアらが活躍する姿を(UFC Fight Passで)見ていました。ホシャはベルトを持ってますね。もちろん私も巻きたいです。
2016年4月のヴィルナ・ジャンジローバ(現UFCファイター。2018年のInvicta FC世界ストロー級王座決定戦で魅津希にスプリット判定勝利)との試合(2R 腕十字で一本負け)は、私にとって大事な試合でした。現在のような精神状態で臨めばもう少し違った結果になったと思いますが、当時は連敗もあり、あまりいいコンディションではありませんでした。今回はできるだけいい試合をしたいですし、殴り合いでみんな感動させたいと思っています。
ライカの試合のビデオはたくさん見ました。殴り合いが上手いと思いますが、その展開は自分も好きです。柔道も上手いように感じますが、もしそうきたら私が極めるだけです。
(フィニッシュは?)どう終わるか想像できないけど、自分の手が挙げられていることだけは分かります。今後の目標は、またPANCRASEに参戦して試合をしたいと思います」