10月20日(日)「PANCRASE 309」新木場スタジオコースト大会に出場する海外からの3選手が17日、西新宿のHIDE'S KICKにて公開練習を行った。
第2試合のウェルター級戦では、クロアチアのアレキサンダー・ラカス(クロコップ・チーム/AFSO・KFN・CFC世界王者 )が、ランキング4位の高木健太(リバーサルジム川口REDIPS/4位)と対戦する。
高木は、2019年6月のウェルター級暫定王座決定戦で手塚裕之に一本負け以来の再起戦。当初、手塚裕之と対戦予定だった三浦弘光が欠場したため、高木は代役で手塚との暫定王座戦に臨み、リアネイキドチョークで一本負けしていた。
その高木と対戦するのが、クロコップ・チーム所属で、AFSO、KFN、CFCというローカル王座三冠のラカスだ。
ミルコ・クロコップ自らスカウトしたラカスは、松濤館空手のクロアチア王者。キックボクシング時代にミルコから声をかけられ、MMAを始め、現在15勝7敗の戦績を残している。
公開練習では、サウスポー構えから伝統派空手出身らしく、少し遠い間合いからミルコ譲りの左の蹴りをミットに叩き込んでいったラカス。
これまでの試合では、サウスポー構えで圧力かける左ストレート、左ミドルを効かせてテイクダウン後は、キムラロックを極めるなど、クロコップ・チームのミルコ・石井慧との練習の成果を発揮している。
またストライカーのイメージが強いラカスは、テイクダウン耐性は強くないものの、自身より組み技が弱い選手には自ら積極的にダブルレッグテイクダウンを仕掛け、関節技を仕掛けるなど、トータルファイターとしての臨機応変さも見せている。
公開練習後、ラカスは「ミルコの蹴りをコピーしている。キムラはイシイから教わった。11月にKSWでの試合も決まっているので、今回の高木戦で怪我無く次のファイトに望むことを希望しています」と、淡々と語った。
──現在のコンディションは?
「とてもコンディションはいいです。初めての日本、東京、素晴らしい方々に囲まれています」
──MMAを始めたのは?
「マーシャルアーツが好きでしたし、小さい頃に日本で試合するミルコの試合を見ました。それで自分もやりたいと思いました。ミルコは世界でベストのファイターのひとりだし、クロアチアでアイドル的な存在です。そのミルコが戦った日本に来れて試合をすることが幸せです」
──格闘技のバックボーンは?
「空手とキックボクシングをやっていて、5年前からMMAを始めました。空手は松濤館空手です。7年間やって茶帯になり、クロアチア王者になりました」
──クロコップ・チームでの練習環境は?
「クロコップ・チームはプロのみのチームで、ヘビー級の選手が多く、軽量級のプロ選手は自分一人のため、スパーリングは別のジムで行うことが多いです。今回はファーストコーチがベガスで試合のため、セカンドコーチでムエタイやBJJのコーチであるニコライがセコンドに就いてくれます」
──PANCRASEからオファーが来たことについては?
「とても興奮しています。世界でもベストのひとつの団体だし、そこで戦えて幸せです」
──高木健太選手の印象は?
「高木選手は非常にいいファイターで尊敬しています。戦えることが楽しみです。打撃で勝負してくる? 私も打撃タイプなのでベストを尽くしたいです。ケージのなかでプラン通りに試合をしたいと思います」
──同じサウスポーのミルコ選手の蹴りについて何か指導を受けていますか。
「同じ左足の蹴りはコピーしています。左ハイキックでのKOも? そうなるかもしれません(笑)。いつも通りミルコからも激励やベストのアドバイスをもらってきました」
──2019年10月の前戦では、テイクダウンからキムラロックを極めていました。これは石井選手から?
「イシイから教わりました。彼のベストテクニックのひとつです。彼からのアドバイス? 彼は柔道の伝説的な存在なので、いろいろアドバイスをもらいましたが、内容は内緒です(笑)」
──201911月9日にはKSWも参戦決定しています。PANCRASEからわずか20日後の試合ということは、高木戦で怪我無く勝利する自信の表れでしょうか。
「たしかに11月にKSWでの試合が決まっています。高木戦の後に怪我無く次のファイトに臨むことを希望しています」
石井慧(※プレスリリース)「この度はチームメイトのラカスを戦わせて頂きありがとうございます。彼はサウスポーの打撃が素晴らしく、ポテンシャルがある選手です。今から日本での戦いを非常に楽しみにしていて、きっと素晴らしい試合をしてくれます」