2025年6月22日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2025 act.3』でSB日本フェザー級2位・魁斗(立志會館)と対戦するSB日本スーパーバンタム級王者・山田虎矢太(シーザージム)のインタビューが主催者を通じて届いた
前回2月の川上叶との一戦では2度ダウンを奪われて判定負けを喫し、今回再起戦となる。11月のS-cup世界トーナメントでの山田ツインズ対決実現に向け、難敵攻略なるか。
いつも以上に勝ちを意識して掴みに行く
――再起戦が決まりました。
「前回、川上選手に負けてからより一層練習に取り組んできたので、気合いが入ってますし、何が何でも勝ちたいという気持ちが強いです」
――キャリア2度目の敗戦のショックは当然ながら大きかったですか?
「もちろん落ち込んだんですけど、それよりももっと強くなりたいという気持ちの方が大きかったので試合が終わった直後からリベンジに燃えるというか、俺ならもっともっとできるという燃えたぎるものがあったので、すぐ次に向けて動こうと思いました」
――ご自身としては、敗因をどう考えていますか。
「正直言うと、昨年の12月のシッティチャイ戦が終わって2月に試合があり、今までスパンが短い試合を経験したことがあまりなかったので、コンディションの調整の難しさに戸惑ったり、川上選手は上手い選手なのですが、作戦を考えずにいつも通りの動きで挑もうと思ったのがダメでしたね」
――今は川上選手へのリベンジしか見えていないですか?
「そうですね。とりあえず次の魁斗戦で必ず勝って、今年S-cupで対戦することになれば、そこでやり返したいという気持ちが一番強いです」
――S-cupに向けて次の試合も重要な一戦になる中、魁斗選手という難敵との対戦が決まって最初に聞いた時の心境はどうでした?
「僕は4月大会に出場していないんですけど、魁斗選手は勝利を収めていて、僕の周りからは『虎矢太と同じ階級の魁斗選手は強いね』と。もしかしたら6月に僕とやるのかなと思っていたので、決まった時は『やっぱり来たか!』という気持ちもありましたし、S-cupに出るためには、魁斗選手に勝って出れば文句なしの出場権を得られると思ったので燃えましたね」
――選手としてはどういったイメージがありますか。
「相手の良さを消したり、ディフェンスが上手で、負けない戦い方をする選手という印象です。決してめちゃくちゃ怖い攻撃があるというわけではないと思うんですけど、総合的に器用に何でもこなす印象もあります」
――相手の良さを消す戦いという点では川上選手の戦い方と同じですね。
「そうですね。魁斗選手は似たような類の選手かなと思います」
――そういう相手にどう戦いますか。
「前回も相手の上手さに翻弄されて負けちゃったので、今回はその反省も活かして、かつS-cupに向けて必ず誰が見ても『勝った』と分かるような試合をしないといけないと思います。もちろんいつも全力で戦っているのですが、今回はいつも以上に勝ちを意識して掴みに行こうと思います」
――KOを意識することもなく?
「いつもKOを心掛けているのですが、KOを意識しすぎると自分のいい動きができなくなってしまうのでKOよりもとにかく勝ち星が欲しいですね」
――魁斗選手はなかなか穴のない選手と言われてますが、そこに関しては?
「相手のペースやリズムで戦うと勝つのは難しいと思うので、そういう展開にならないように自分のテンポ、リズムで戦っていきたいと思います」
――前回の川上戦での反省を活かして今回の試合に活かせるものはありますか。
「ずっと昔から言われているんですけど、僕は攻撃が単調なので、バリエーションを増やしたりしてきました」
――トレーナーのダムさんからはどういうアドバイスをもらっていますか?
「前回2回ダウンをしてしまったので、ダムさんからは『打たれ強さを強化しよう』と。そのために首を鍛えたり、土台作りをやっています。毎日首を鍛えていると、見た目的に首が太くなったりとか、スパーでパンチを受けても効かなくなったとは思うので、多少は鍛えられていると思います。毎日自分は鏡を見てるので首の変化に気づきましたし、やっているから変わっていると思っているプラシーボ効果はあるかもしれないけど、次の計量や試合の時の僕の体を見てもらって、変わったと思ってもらえたら嬉しいですね」
――ちなみに首はどういう鍛え方を?
「ブリッジしたり、ケトルダンベルを吊るしたタオルを口で加えて、頭を上下したりして鍛えてます」
――シーザージムに取材に行った時にそれをやっているプロ選手の姿を何度か見かけてますが、以前から虎矢太選手もやってましたよね?
「彪太朗や笠原兄弟はやっていたんですけど、正直なところ、あれが意味あるのかなと思って今まで僕はやってなかったんです。やっていなかったら実際にダウンをしているので、今やるようにしたら首が太くなってきたので効果はあると思って続けています」
――敗戦を経て、今の自分に何が足りなかったのか気付かされたんですね。
「そうですね。僕はやられないと気付かない部分や変わらない部分はあるのだと改めて思いました。今回は見た目だけじゃなく、もう前回とは比べ物にならないくらい成長した姿を見せられると思います。S-cupでは山田兄弟による決勝戦を望むファンも多いかと思いますが、そういうストーリーに向けて負けられない一戦だとも捉えています。今年開催されるS-cupは山田ツインズのための大会だと思っているので、そこに2人揃って出場して勝ち上がり、決勝戦で当たるというのは絶対に成し遂げないといけないことだと思うので、必ず叶えたいですね」
――プレッシャーはないですか?
「もうないですね。前回すでに僕は川上選手に負けているので、あとはもう片っ端から倒してS-cupに向かって行くだけなんで、変に気負いはなく、気持ちも楽ですね。ここで負けたらS-cupの出場は遠くなり、勝てば出られる可能性も高くなり、分かりやすい感じなので、勝てばいいだけかなと考えています」
――今回の試合に向けて彪太朗選手から何かアドバイスもありますか?
「彪太朗は次の大会に出ないので、マンツーマンで一緒に練習して対策を練っています。実際にやってみないと分からない部分はありますが、イメージでは結構いい感じです。前回もイメージは良かったんですけどね……(苦笑)」
――では試合を楽しみにファンにメッセージをお願いします。
「前回は負けて応援してくれる皆さんに悲しい思いをさせてしまったので、今回は必ず成長した姿を見せて勝ちますし、皆さんには熱い気持ちにさせた上に、元気を与えるような試合をできるように頑張るので、大声援をよろしくお願いします」