2025年6月22日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2025 act.3』でプロ修斗新人王トーナメント2024バンタム級準優勝・恵真(リバーサルジム立川ALPHA)と対戦する、SB日本スーパーライト級1位・村田聖明(シーザージム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
村田は無尽蔵のスタミナから繰り出されるワンツーを主体とした手数を武器に、2017年9月にSB日本スーパーフェザー級王座を獲得。2階級制覇を狙い、2018年9月にSB日本ライト級王座決定戦で西岡蓮太と対戦。7Rに及ぶ大接戦の末に敗れたが、前口太尊、マサ佐藤、山口裕人、東修平といった国内強豪との一戦を次々とクリアー。2021年6月にはモハン・ドラゴンにも勝利、9月は力也を初回KOして12月にはSB日本スーパーライト級王座決定戦に臨んだが、イモト・ボルケーノに敗れて2階級制覇を逃した。戦績は28勝(6KO)8敗。
2022年9月のシンパヤック・YZDGYM戦以来、試合から遠ざかっていたが、約2年半ぶりにいよいよ復帰を果たす。
後輩たちの頑張っている姿を見て
――2022年9月のシンパヤック・YZDGYM戦以降、試合から遠ざかっていましたが、どういう理由で離れていたんですか。
「約2年半前にランニング中にアキレス腱を切ってしまって1年ちょっとで復帰したいと思っていたんですけど、一回離れちゃうと試合をする感覚に戻れず、シュートボクシングの運営の仕事を優先してました」
――その間は定期的に練習されていたんですか?
「アキレス腱を切った後は全然していなく、治ってからはたまに練習するぐらいで、今年に入ってから本格的に練習を再開しましたね」
――練習時間がなかったのは、やはり運営の方が忙しく?
「それは言い訳になってしまうんですけど、やはり試合から一回離れたことでなかなかスイッチが入らず、自分を追い込めないというか、ちょっと練習してもちょっと汗を流す程度でちゃんとした練習ができていませんでしたが、今回復帰すると決めてからは、ちゃんと追い込めるようになってきました」
――今回どうして復帰しようと思ったんですか?
「今年は絶対復帰すると決めていて、本当はもっと早く復帰しようと思ったんですけど、どんどん後回しになっちゃって(苦笑)。仕事もプライベートもうまくいってない時期があり、そういうのはやっぱり目標がないからうまくいかないのかなと最近思うようになり、ここで復帰しなかったら、タイミング的にもう二度と復帰できないと思ったので覚悟を決めて6月に復帰しようと思いましたね」
――休んでいた期間、笠原兄弟、山田ツインズのジム後輩たちも頑張っていましたが、復帰を決めた要因の一つだったりもしますか?
「そうですね。昔は他人の試合を見てモチベーションが上がるようなことはなかったのですが、後輩たちの頑張っている姿を見て刺激はもらいました」
――このまま引退しようという考えはなかったですか。
「それはなかったです。負けたまま終われないですし、中途半端に終わっても僕は嫌だったので、もう一回必ず復帰したいとは思っていました」
――この期間にシーザー武志会長から「復帰しないか?」といったような言葉をかけられることもありました?
「それはなかったですね。会長はそんなに強制することは今までになく、『復帰します』と会長に伝えた時は『大丈夫か?』と心配されましたが(苦笑)、応援してくれています。シーザージムでの練習では、会長はほぼ毎日のようにプロ選手たちの練習を見て喝を入れてくださっています。会長からは『練習する前に足を伸ばしとけよ』『アキレス腱を伸ばしてからやれよ』と心配してくださったり、『脇を締めてパンチを打て』といった細かい技術面のこともアドバイスしていただいてます」
――復帰に関して、運営のお仕事をされている妹の菫さんの反応はどうでした?
「『遂に!』と喜んでましたね(笑)。母も喜んでましたが、内心は心配しながらも応援はしてくれていると思います」
――今はどのくらいまで調子は上がってきてますか。
「今できる範囲で全力で追い込んでいます。最近はいろんなジムから選手が出稽古に来てくださって、すごくいい練習になっているので残りの期間でしっかり戻せるようにしたいと思っています」
――今一番どういったところに自信を持っていますか。
「以前と変わらず、負けたくない、絶対に倒して勝つぞという気持ちは凄くあります」
――では、以前のようにガンガン前に出られる姿を変わらず見られるわけですね。
「そうですね。ちょっと目が慣れていないところもあるので、パンチを被弾することもあると思うんですけど、それはそれで盛り上がればいいなと思って、ちゃんと打ち合って倒せるように頑張ります」
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いい試合をして上の選手に絡んでいけるように
――そういう中で復帰戦として用意された今回の相手に関してはどういう印象がありますか。
「修斗の新人王トーナメントに出ていて、そんなに戦績もない選手で、だからといって舐めているわけじゃないんですけど、集中してしっかり復活できるようにしたいと思います。試合映像はまだちゃんと見られてないんですけど、体がゴツかったので組んだ時に投げてきたりするんだろうなと。あと、MMA独特の打撃のタイミングもあると思うんで、特に目が慣れてない時にそういうのが来られると絶対にもらってしまうと思います。試合が久しぶりすぎて、例え相手が素人だとしても不安になるくらい集中して試合しないといけないと思っているので、全然油断してないですね」
――アマチュアSBで2023年-70kg王者に輝いている実績もあるようですね。アマチュア大会でも村田選手は運営のお仕事をされているので、恵真選手の試合を見たこともあるわけですよね。
「うちの大会に出ていたみたいですが、ちょっと覚えてないですね…(苦笑)。僕は顔と名前を結構覚えるのが苦手でして」
――村田選手の復帰を楽しみにしたファンにどういう姿を見せたいですか?
「楽しみにしていた方はいるんですかね(苦笑)。いつも今まで応援してくださった方たちはみんな来てくれて、復帰を期待してくれているので、期待を裏切らない試合をしたいですし、これで終わりではなく、いい試合をして上の選手に絡んでいけるように徐々に上げていきたいと思います」
――今後はどういったことを目標に? スーパーライト級のタイトルを狙いにいきますか?
「とりあえず何戦かして試合間隔を戻していき、後輩の(笠原)弘希がスーパーライト級に階級を上げると言っていたので、僕は体を大きくしてウェルター級に階級を上げようかなと思っています」
――二階級制覇を視野に!
「そうですね。もう一回ベルトを巻いて、応援してくれている人たちに喜んでほしいですし、会長や家族にいいところを見せたいという思いはあります。今はそんなに大きいことは言えないので、一戦一戦頑張ります」
――現ウェルター級のチャンピオンの奥山貴大選手はMMAに専念してますが、どういった印象がありますか。
「弟の義光がSB日本ウェルター級王座決定戦で負けているので(2022年6月26日)やり返したいという気持ちはあります。でも、運営側の人間としては記者会見でお会いしたらすごく良い人ですし、特に嫌いとかはないです(笑)。僕はまだ階級を上げてないですし、久しぶりの復帰戦で全然上に絡めるとも思っていないので、特に今は何も考えてないですね」
――復帰戦が決まって練習をしないといけないうえに、運営のお仕事もあるので毎日大変では?
「そうですね。今、シュートボクサーの活躍でシュートボクシングはすごく盛り上がっていて、今年は創設40周年なんで周りに迷惑かけずに運営の方も頑張って盛り上げていきたいと思います」
――シーザー武志会長の息子ということで、プレッシャーはありますか?
「あまりないですが、会長の息子として恥ずかしくないような試合をしたいと思っています」
――試合を楽しみにしているファンにメッセージを。
「僕のことを知らない人もいると思うんですけど、しっかり今回勝ってどんどん感覚を戻していき、以前より強くなって、もう一回タイトルに絡んでいけるように頑張りたいと思うので応援お願いします」