キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】元K-1王者・軍司泰斗がヒジ打ちありオープンフィンガーグローブに挑戦「何が起きるか分からないが、僕はヒジで倒したいと思っている」

2025/06/05 20:06
 2025年6月22日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『THE KNOCK OUT 2025』(U-NEXT配信)にて、初のオープンフィンガーグローブ着用、ヒジ打ち&首相撲ありのKNOCK OUT-REDルールに挑む第5代K-1 WORLD GPフェザー級王者・軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)のインタビューが主催者を通じて届いた。  K-1 GROUPを離れて去就が注目されていた軍司のKNOCK OUT参戦、しかもオープンフィンガーグローブ(OFG)ムエタイへの挑戦は衝撃を呼んだ。初の舞台となるこの一戦で、軍司は何を見せようとしているのか? 『違うことがやりたいな』とずっと思っていた ──KNOCK OUTへの初参戦が発表されて、反響の方はどうですか? 「どっちの意見も多いなと思ってます。『そっちに行ったか!』みたいな好反応と、『ヒジあり向いてるのかな?』みたいな反応と両方あって」 ──実際、ご自身としてはいつ頃からヒジありをやりたいと思っていたんですか? 「以前はボクシング・トレーナーはいたんですけど、キックを教えてくれる人があまりいなくて、誰かに教えてもらいたいなと思っていた時にノップさんと出会ったんです。それぐらいからONEとかもよく見るようになったので、『やってみたいな』という思いが強くなった感じですね」 ──ではK-1 GROUPでコンスタントに試合をしていた時期は、思ってもいなかった? 「去年の3月に門口佳佑戦があって、その後に『キックのトレーナーを入れたい』と思ってノップさんと知り合ったのが去年の5月ぐらいなんですよ。その頃、試合がやりたくても組んでもらえない時期がけっこうあって、年に2回とかしか試合できないことが多かったんですよね。その中で『違うことがやりたいな』とずっと思っていて、オープンフィンガーグローブ(OFG)のムエタイというのが自分の中でピンときたというか、『やってみたい』という思いが湧いてきました」 ──ただ、それまでのキャリアではヒジありの練習って基本的にしていなかったと思います。始めた時はどう感じましたか? 「OFGの練習はチョコチョコやってたんですけど、首相撲も含めた本格的な練習は去年10月の試合(クリスチャン・ボグダン戦)の後で。その後もずーっと試合が組まれなかったので、ずっと練習していく中で、『可能性が見えてきたな』というのは思いましたね。これで試合をやっても勝てるんじゃないかという可能性が、練習をしていく内に見えてきたというか」 ──大変だった部分というと? 「やっぱり首相撲とヒジは、大変は大変でしたよ。やったことがなかったので、苦戦しました。でも練習以外の時間も動画を見たりして、ずっと研究して修得していった感じでした」 ──それでもこの短期間で可能性を感じられるまでになるのはすごいですね。しかも今回、いきなり相手が強豪ですよね。 「今回、OFGのREDルールでやるとなった時に、いろんな人から『最初は弱い相手とやる方がいいと思うよ』って言われてたんです。実際、何人か候補が挙がってくる中で『そこそこの相手にする?』という話にもなったんですけど、その相手に断られたりして、『これは強い相手とじゃないと決まらないな』となって。実際、ペットルンルアンは元ラジャダムナンのチャンピオンで強いのは間違いないし、僕も今までムエタイの強豪と戦ってきましたけど、K-1ルールだったから勝てたというのはあると思うんですよ。それが逆の立場になった時に、『やってみたいな』とより強く思えました」 ──逆に、これまでK-1ルールで戦って身につけてきたものが生きる部分というのもありますよね? 「もちろん打撃、特にパンチという部分は自信はあるんですけど、これまでと同じ戦い方じゃ絶対に勝てないというのも分かっているので、スタイルを変えながらやれればいいなと思っています」 ──改めて、ペットルンルアン選手の印象は? 「リーチも長くて、パンチもけっこう打ってくるんですけど、やっぱり一番は組みが強いので、そこは警戒しています」 ──組ませたくない? 「でも、KNOCK OUT-REDルールだと首相撲もそこまで長くはないと思うので、そんなに警戒はしてないんですけど、一番怖いのは打ち合いになった時のヒジですね。そこはちょっとやり方を変えないとなと思っています」 ──しかも初のOFGですよね。 「もちろん、ボクシンググローブでムエタイルールだったら100%勝てないと思うんですけど、OFGだから小さいですし、ガードの上からでも効くと思うんですよね。スピードも上がると思うし、僕はディフェンスが得意なので、そこを生かしつつ組まれても大丈夫なように、強い打撃を当てられたらいいなと思っています」 ──ある程度組まれることも想定しつつ、攻撃面で上回ろうと。 「そうですね。今までのようなラッシュとかは100%できないと思うので、一発で倒せるような武器を磨いている感じです」 ──今の練習環境は? 「ノップさんがいる伊原道場越谷と、K-1ジム総本部でやってますね。総本部にはスパーの日と、ボクシング・トレーナーに教わる日があるので、週2回行っています。あとBRAIDにも行っています」 ──今回、KNOCK OUTに初参戦となりますが、KNOCK OUTではどうしていきたいですか? 「KNOCK OUTは以前見ていた時よりもすごく盛り上がっているし、今はOFGムエタイもあるし、僕の中ではすごく輝いている団体というか、他にはないいい味を持っているところという感じで見ています。だからいずれはONEでという目標もあるんですけど、KNOCK OUTでも活躍できればと思いますね。今回の試合は59kg契約なんですけど、60kgでもやりたいですし、その中で機会があればベルトが絡むような試合もやれればと思っています」 ──以前、龍聖選手との対戦が取り沙汰された頃を思い出すと、「こうなるとは!」という感じですが。 「そうですね(笑)。龍聖選手と仲良くなる前から、どこかで顔を合わせることもあったんですけど、別に敵視していたとかじゃなくて『ライバル』みたいな感じで思っていましたし、今は仲良くなって、僕も練習パートナーが増えたのはよかったと思います。『戦うかもしれない』という選手が多くなって、トップレベルの選手とスパーできる機会ってかなり減ってたんですけど、僕がOFGムエタイに行ったことでいろんな選手と練習できるようになったのは、いい方向に行ってるなと思います」 ──では練習も試合も、いろいろと世界が開けてきそうですね。 「ここ最近はずっといいことがなかったので、いろいろ解放されて、すごくイキイキできるなと思っていますね」 ──代々木大会では龍聖選手と同じ大会での試合ですし。 「はい。彼がメインだと思うので、僕がバトンをつなぎたいです」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「相手は組みの選手なので何が起きるか分からないですけど、僕は倒したいと思っています。それもヒジで倒したいと思っているので、そこに注目してほしいですね」
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