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インタビュー

【RIZIN】ホベルト・サトシ・ソウザ、6年6カ月ぶり韓国での試合、盟友クレベルの敗戦、シェイドゥラエフからの階級超えた挑戦表明を語る「面白い試合を見せたい」、シェイドゥラエフは「来るなら来てもいいけど──」

2025/05/30 12:05
 2025年5月31日(土)韓国仁川のパラダイスシティで開催される『RIZIN WORLD SERIES in KOREA』のメインイベントのライト級戦で、韓国のコリアンゾンビ門下生のキ・ウォンビンと対戦するホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)。 ▼第11試合 RIZINライト級(71.0kg)5分3Rキ・ウォンビン(Korean Zombie MMA)18勝9敗ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)18勝3敗  2013年のMMAデビューから、2019年のRIZINデビューまでに最後に海外で戦った場所は2018年、韓国ソウルでの『Arzalet Fighting 4』。 ベク・スンデを1R リアネイキドチョークで極めている。  6年6カ月ぶりに韓国の地で試合を行う“日本の至宝”サトシ・ソウザに、当初のキム・ギョンピョから負傷変更されたキ・ウォンビンのこと、盟友クレベル・コイケの敗戦と再起、そして新フェザー級王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフの挑戦表明についても聞いた。 ボンサイ柔術韓国の生徒たちも手伝ってくれる。残念なのは全席完売でチケットが無いこと ──RIZIN初の韓国大会で試合をすることになって最初にどんなことを考えましたか。 「一番心配しているのは、もう、本当に久しぶりなこと。つまり、しばらく日本の外で試合してなかったから。最後に(海外で試合を)やったときはまだRIZINに出場し始める前だったので、6、7年前になりますからね(2018年、韓国の『Arzalet Fighting 4』)。それで一番心配しているのは、体重です。日本で今71kgで今やっているけれど、直近の海外でのMMAの試合は73~74kgくらい(*前述のArzalet Fighting 4では164ポンド契約のため約74kgだった)だから、最初に思ったこと、一番心配したのは、体重です」 ──仁川は知らない土地ですしね。 「そう、場所も、スケジュールとか食べ物とか、全部が変わるのと、あとはフライトもある」 ──韓国なら近いので海外といっても移動の負担はそんなに大きくないのでは? 「でも私の一番心配は、なんか、時間じゃなくて。うん。日本語(で何と言うのか)ちょっとわからないけど、なんか体が、高いところに行ってるから、水止まるとか……」 ──気圧ですね。 「そう。クレベルが(鈴木)千裕と試合をしたとき、あれは北海道大会で(*サトシは当時セコンドとしてフライトの気圧の変化が影響して計量失敗に繋がったのではないかという仮説を立てていた)。だからもう、他のみんなが行くのは木曜日で、金曜日が計量だけど、私はちょっと今回は水曜日から早く入って、1日だけだけど体調が良くなる(はず)」 ──5月24日の公開練習に参加した時点で、減量の状況は? 「いつもと同じぐらい75kg。そこから4kgですね。体重はそんなに問題ないけどこの時期に疲れるから。体がすぐに戻らないとかいろいろ、新しい怪我がないようにとか、そういうのは、いつもと一緒です」 ──先ほどの話で、6年以上ぶりということでしたが、今回、外国といってもアジアの韓国だったことはちょっと良かったという感じですか。 「RIZINに出る前に最後に海外でMMAの試合をしたのが韓国で、いろいろ覚えているし、ボンサイ柔術・韓国支部もいっぱいあるから生徒たちも手伝ってくれる。でも今回いっこだけ残念なのは、(全席完売してしまって、)チケットの余りがなくて。生徒たちが買えなくて、来れないので、それはちょっと悲しいですね。でも大丈夫、あとでみんな一緒に焼肉食べて行きますから」 ──せっかくアウェーの地でたくさんの生徒さんが見に来たり、サトシ選手も大きな応援がもらえる機会だったのに、それは残念でしたね。他方、ホームで迎え撃つキ・ウォンビン選手ですが、昨年のROAD TO UFC(以下RTU)の雑賀ヤン坊達也戦をもしご覧になっていたら、あの試合をどう見ましたか? 根性があって、パンチも強いです。 「ああ、もう、いろいろ彼の試合を見て、やっぱり打撃選手ですよね。よく打撃戦になって、KO勝ちかKO負けしかなくて、そういう勝負をするからね。グラウンドの場面が全然ないですよね(笑)。最後にグラウンドちょっとやった試合が5、6年前くらいにあったけど、彼は打撃選手で、小さいグローブで試合してて、グラウンドは全然やらない。でもやっぱりストレートが強いし、そう、フィジカルも強い選手だから、絶対に思い切り打撃で来るし、(もらったら)効くと思います」 ──昨年のRTUでは、ヤン坊選手が1回、先にダウンを奪いました。それでもキ・ウォンビン選手が立ち上がって、2ラウンドに逆転KOしました。 「あ、そうなのか。ちょっとそこは、まだ見てない。そうなんだ。彼とキ・ウォンビンの試合はKOだけで、全部はまだ見ていないです。やられるポイントだけはちょっと見ましたが、フルではまだ観ていなくて。(逆転勝利と聞いて)もちろん彼は気持ちがあるから、前の試合でパンチやられても(気持ちで立ち直せた)」 (C)Zuffa LLC/UFC ──キ・ウォンビン選手はサトシ選手と公称で同じ身長の180cmで、リーチは185cmと長いし、しっかり伸びます。ちょっと動画を流してみますね。 「そうそう、おお!(ヤン坊がダウンを奪ったシーンを見て)近いからやられた。彼(ヤン坊)もリーチがある。それでも盛り返したっていうのが最後あったので、相当根性があるなと(試合映像を見ながら)。そしてディフェンスがいいですね」 ──アウェーになるのがいつもと違うところですが、RIZINなのでジャッジ、レフェリーは同じJMOC勢だとして(※インスペクターはRoad FCをさばく競技陣営とJ-MOCの共同)、会場の雰囲気も違うでしょうし、久しぶりの海外での試合は楽しみでしょうか、あるいは緊張が勝りますか? 「もちろん緊張はいつでもあります。でもRIZINのひとたちがいつものようにいるからそれだけは変わらないですね。セコンドとか、家族とか……、多分それが一番安心なことですよね。でもいつもと同じ場所ではないから、ちょっと“どうしようかな”と思うこともあって。でももう大丈夫です。ただ緊張はもういつもありますから。日本でもどこでも、海外でも」 [nextpage] 今、クレベルがジムでみんなのモチベーションをすごい引っ張っている ──今回セコンドは? 「怪物君(鈴木博昭)とクレベル(コイケ)です」 ──クレベル選手の前戦は、シェイドゥラエフ選手が打撃も強くて、得意の展開に持ち込む前に終わってしまいました。あの試合を、サトシ選手はどう思っていましたか? 「もちろん悲しいですね。1回だけミスして、パンチをもらって、すぐにレフェリーが入って止めて……、それが残念なんですけど、何より一番に悲しいのは、クレベルが一生懸命練習して、アメリカに行ってやってきたことを何も見せられてないから。だからもう彼の気持ちが分かるんですよね、一番悲しいポイントが。今はもう負けは気にしていなくて。もうしょうがない、選手には勝ち負けがあるから。でも、一番悲しいポイントが、何も見せないで終わること。本当に、できるかできないかはわからなかったから。  でも、良かったのは、やられてから彼(クレベル)の(試合に対する)気持ちが変わらなくて、次の日にはもう『練習したい』って。前はよくいろいろ、『いつか引退を考える』とか(クレベルが口にしていたが)、今はその気持ちがちょっとなくなったみたいですよね。だから良かったのは、今、ジムでみんなのモチベーションをすごい引っ張っていますね。それだけは良かった、嬉しいですね」 ──タイトルマッチ後、シェイドゥラエフ選手に本誌でインタビューをしたところ、フェザー級の選手が相手のいない状況になったら、ライト級のチャンピオンとやりたいと。 「とりあえずは気にしないです、もちろん。うん、来るなら来てもいいけどね。でもまだまだね、みんなが見たいと思うような対戦選手がフェザー級にはまだ多いですよね。リベンジ戦もあるし、もうあと3、4人くらい強い選手がいるでしょうから」 【写真】韓国大会出場のサトシ、右の鈴木博昭は6月14日の北海道大会で山本空良と対戦する。 ──(隣にいた)怪物君がやってくれるかもしれません。 鈴木 ああ、もともと一番最初に(シェイドゥラエフが)来るとなった時、『誰がやる?』みたいに言っている頃、マネージャーに『だったら、(自分が)やらして』って言ったのを覚えてます。『何者か知らんけど』って。 ──サトシ選手は今後ライト級でどうしていきたいという展望はありますか? 「今回またタイトルマッチじゃないから、次のことは本当にわからない。今たくさんのライト級選手がRIZINに集まってきているから、みんなが誰と見たいのか、誰と試合したら面白いのかということで、私はもう誰でもいいなと思います。うん、どっちでも。いつも私は相手を選んでないから。だから問題ないです」 ──韓国の地で、キ・ウォンビン選手とどんな試合を見せたいと思っていますか? 「面白い試合を見せたいです。いつもみんながびっくりする試合を見せたいから。皆が待っていたような試合ではなくて、面白い試合ができたらいいですね」 ──ケージでの試合になりますが、何か懸念点などありますか? 前回ケージだったのは……。 「1年前ですよね。(中村)K太郎戦です。まあ、あんまり変わらない。私は、どっちでもいいですよね。グラップラーはケージが好きですよね。私もグラップリングの選手だから。もちろん、ケージには私のスタイルの方がいいんだけれど。でも私、これまではあんまりそんなにケージを使う所は見せていない。だからうん、ケージでも、リングでも、どっちでも大丈夫です」
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