危険な右アッパー、柔術的なパスガードからの極めも
身長165cm、リーチ173cmで、身長で平良が5cm、リーチで4㎝上回るが、大きな背中から放たれる右ストレートに加え、自身も得意技という右アッパーはコスタのみならず、カラフランスにも効かせており、破壊力を持つ。
2敗を紐解くと、6年前の初黒星のトーレス戦では、スタンドで圧力をかけ続けたトーレスがアルバジのシングルレッグを切ってトップ。引き込みギロチンにも作らせず、シングルからのバックテイクにも立ったままアルバジを背負い、極めさせなかった。後半にはトーレスがアルバジのシングルを切ってオーバーフックでの払い腰でサイドも奪っての判定勝ち。
1年3カ月前のモレノ戦では、モレノが前傾姿勢でじりじりと圧力をかけての左の蹴り、アルバジのダブルレッグテイクダウンにも背中を譲らず立ち上がり、左ジャブ、左の蹴りでアルバジを中に入らせず。最終ラウンドには、じれて組んだアルバジをボディロックで崩して立ち際にヒザ、すぐに左フックを当ててグラつかせ連打と決定的な場面を作っている。
また、組み技・寝技では、下でのダブル、シングルレッグでもテイクダウンを奪い、柔術家らしく片手で脇差し、もう一方で枕に押さえ込んでのパスガードが強い。フィゲイレードを極めたRNC、マルコム・ゴードンの正対に合わせた三角絞めなど、柔術的な攻防を手順を踏んでしてくる。19戦のキャリアで9つの一本勝ちは、5つのリアネイキドチョーク、そして3つのキムラロックも極めており、パスからサイドでは頭を挟んでのパワフルなキムラにも注意が必要だ。
平良にとっては、スタンドにおいては前に出させると厄介で、得意の右アッパー、組み際のヒザにも警戒しながらジャブ&ローで圧力をかけたいところ。組み技でも平良のレスリング、柔術が試されることになり、トップを奪っての強いパウンド、バックを譲らず、平良がトップ、バックで上回るか。
アルバジは、現在はヘンリー・セフードがいるアリゾナ州スコッツデールのFIGHT READYで練習。ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーでは、2年前に同ジムで出稽古した平良とも練習を行っている。
キャリアで一本負けが無いもの同士のフライ級3位と5位の8月2日の戦いは、モレノ戦から修正したアルバジ、ロイバル戦の敗戦を経て、課題に取り組んできた平良、両者の“進化”が問われるランキング戦となる。




