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【UFC】ジャック・デラ・マダレナがベラル・ムハメドに5R判定勝ち、新ウェルター級王者に! シェフチェンコがフィオロに判定勝ちで女子フライ級王座防衛「数字ではなく精神的、肉体的にどう感じるか」、シウバが7連勝、バンタムからフェザー級戦変更のアルドがザハビに敗れ引退表明、軍神サンデニが一本勝ち、ジャスタビシアスがアンドラージに一本勝ちで黒帯に=『UFC 315』

2025/05/11 11:05
 2025年5月10日(日本時間11日)朝7時30分から、カナダ・ケベック州モントリオールのベル・センターにて『UFC 315: Muhammad vs. Della Maddalena』(U-NEXT配信)が開催された。  メインでは、UFC世界ウェルター級タイトルマッチ(5分5R)として、王者ベラル・ムハメド(米国)が、DWCS出身・UFC7連勝中の挑戦者ジャック・デラ・マダレナ(豪州)を相手に初防衛戦に臨んだ。試合は、JDMが左右スイッチから上下のボクシングでムハメドのテイクダウンをディフェンス。最終5Rにテイクダウンを奪われたものの、立ち上がり、反撃を凌いで判定勝ち。新ウェルター級王者に輝いた。  コメインでは、「UFC世界女子フライ級タイトルマッチ」(5分5R)として、王者ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(キルギス)に、UFC7連勝中のマノン・フィオロ(フランス)が挑戦。5Rの判定は48-47×3の接戦をシェフチェンコが制し、王座防衛に成功している。 ヴィトー・ベウフォートの殿堂入りがアルドの試合前に発表。ケージサイドのベウフォートは涙を流し、歓声に応じた。 ▼UFC世界ウェルター級選手権試合 5分5R×ベラル・ムハメド(米国/パレスチナ)24勝4敗(UFC15勝4敗)※UFC6連勝でストップ[判定0-3] ※47-48×2, 46-49〇ジャック・デラ・マダレナ(豪州)18勝2敗(UFC8勝0敗)※UFC8連勝※マダレナが新ウェルター級王者に。  レスリング出身のベラルは、2024年7月、レオン・エドワーズをテイクダウンし続けての判定勝ちで王座を獲得。過去11戦で負け知らずのムハメドは、ギルバート・バーンズ、ショーン・ブレイディ、ビセンテ・ルーケらを相手に勝利。  12月にシャフカト・ラフモノフを相手に初防衛戦を行う予定だったが感染症で欠場。ラフモノフはイアン・マシャド・ガリーと対戦し、判定勝ちでコンテンダーのままで5月に対戦予定も、今度はラフモノフが負傷。エドワーズとの対戦が組まれていたジャック・デラ・マダレナが挑戦者となった。36歳。  ラグビーから転向した豪州のマダレナは、UFCデビューから7連勝中。17勝中12のKO・TKO勝ちを誇るストライカーで、2021年にUFCロースター入りを果たして以来、ケビン・ホランド、ランディ・ブラウンらに勝利。2024年3月の前戦ではギルバート・バーンズに3Rに逆転のヒザ蹴りでTKO勝ちを収めている。28歳。  1R、ともにオーソドックス構え。顔面、ボディと上下に突くマダレナ。ムハメドも右ミドル。左ジャブ。マダレナは左ジャブ。、ムハメドは左ミドル、ワンツーの右を当てる。さらに右の飛び込み。ワンツー、左フック。マダレナも右ハイをガード上に当てると右ストレートをヒット。  サウスポー構えになり左前蹴り。右カーフのムハメドにチェックするマダレナ。。左前蹴りのマダレナ。ムハメドの右ミドルをかわし右カーフを当てる。  左フックで飛び込み、インローと下から崩すマダレナ。シングルレッグのムハメドは固執せず、離れて詰めて左ハイ。ブロッキングのマダレナ。拮抗したラウンド。  2R、右ミドルのマダレナ。サウスポー構えに。オーソのムハメドはマダレナの頭を下げた入りに左ハイ。ワンツーを突くマダレナ。遠間から右で飛び込みのムハメド。かわすマダレナは右前蹴り、左ハイ。ブロッキングのムハメドは右ミドル。マダレナは右ロー左ボディストレート。右を伸ばすムハメドはシングルレッグも、頭の位置を合わせて切るマダレナ。  左ボディストレートのマダレナに蹴りを合わせに行くムハメド。マダレナは左インロー。打ち終わりにムハメドはシングルレッグでケージに詰めると、マダレナはスイッチから切って左右を突く。  ここまでムハメドの4つの組みを切っているマダレナ。ムハメドは右を当てて前に。しかしマダレナも左を返して、ムハメドのバックフィストをかわして、右のバックスピンキックを見せる。マダレナのラウンド。  3R、右カーフのマダレナ。ムハメドも右。しかしマダレナは右ボディストレートから左と対角線攻撃。さらに左ハイも見せる。  鼻を赤くするムハメド。サウスポー構えから右の蹴りを突いて、シングルレッグのフェイントも。頭を振ってムハメドに的を絞らせないマダレナ。右の前蹴り、右カーフ。ムハメドは右オーバーハンドもすぐに右を返して左右ロー。  ムハメドの入りには前蹴りのマダレナ。ムハメドはワンツーの右で詰め、ムハメドの詰めにステップバックでかわして右ストレート! さらに入りに左フック、右カーフ。ムハメドの詰めに下がりながらも左を当てるマダレナ。右を当てて前に出るムハメドのシングルレッグを切って、逆にダブルレッグを仕掛けるマダレナ。有効打のムハメド。ダメージはマダレナか。  4R、ワンツースリーフォーの4連打のムハメドをかわして右ジャブを返すマダレナ。軟らかい上半身でダックして左から右! ジャブ、ワンツーを返すムハメド。左の跳び込み。しかし左右からシングルレッグを肩口に持ち上げようとするムハメド。ここも切ってワンツー突くマダレナ。しかし、なおもアタックするムハメド。はダブルレッグからバッククリンチ。  そこに正対したマダレナが右を差して押し込み。ムハメドも体を入れ替えクリンチボクシングもマダレナが突き放す。右ハイのムハメドに、ブロッキングのマダレナ。なおも詰めるムハメドは組んで左ハイ。離れたマダレナを詰めるムハメド。しかし、マダレナも押し返してホーン。ムハメドのラウンドに。  最終5R、左ジャブで前に出るムハメド。マダレナは右回り、ボディストレート。ムハメドは左ミドルを突く。詰めるムハメド、そこに右前手フック、そして左ストレートも。前進が止まらないムハメドは右! ダブルレッグでついにテイクダウン! 初めて背中を着いたマダレナ。  ハーフからトップで削るムハメドに、シングルレッグでレッスルアップしたマダレナ! 詰めるムハメドに右ヒジのマダレナは左ストレートを当てて前に! ボディを効かせて左右連打のマダレナ。クリンチするムハメドにニータップのマダレナ。しかし右で差し上げて投げて体を返したムハメド! ここも立ち上がったマダレナが前に。左右から右三日月蹴り。押し戻すムハメド。死闘。ホーン。両者が手を挙げる。  判定は3-0(48-47×2, 49-46)でマダレナが勝利。新王者に! ケージ内インタビューでダニエル・コーミエーから「あなたはコンテンダー・シリーズから世界チャンピオンになりました。どんな気分だった?」と問われ、「ああ、思った通りの気分だよ。最高だよ」と答えたマダレナ。  続けて新王者JDMは、「もちろん、彼はプレッシャーをかけてくるし、笑顔でいなければならない。足を取られたけどもう少し鋭いショットが打てれば良かったんだけど、まあ仕方ない。 (テイクダウンディフェンスが素晴らしかったが?)もちろん、あのようなプレッシャーのかかるレスリングの相手と対戦するんだ。賢くなければならない。終わらせるわけにはいかなかった。仰向けになっている時間が長すぎるのもダメだった。仰向けになっている時間が少し長くなると思っていたけど、一呼吸置いてから動いた感じだった。 (5R目が終わったとき、コーナーマンは「世界一だ」と言った。その言葉を聞いたとき、どう感じたか?)時計を見たら残り30秒だった。優勢だと思ったけど、追い続けたかった。彼をあそこから出したかった。レイト・フィニッシュを狙っていた。でも、彼はタフだった。彼はタフな男だ。簡単には倒せないね。 (豪州の偉大な王者、ロバート・ウィテカーやアレクサンダー・ヴォルカノフスキーについても話していたが?)オーストラリアには、このベルトを持つ王者が3人いるんだ。行くぞ。 (イスラム・マハチェフが170ポンドで王座に就けると言っているがどう思う?)素晴らしい挑戦だと思う。ヴォルカノフスキーのためにもやってやる」と語った。 [nextpage] ▼UFC世界女子フライ級選手権試合 5分5R〇ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(キルギス)25勝4敗1分(UFC14勝3敗1分)※UFC10連勝 UFC女子王座防衛記録8(歴代1位)[判定3-0] ※48-47×3×マノン・フィオロ(フランス)12勝2敗(UFC7勝1敗)※UFC7連勝でストップ※シェフチェンコが王座防衛  王者シェフチェンコは、2022年6月の『UFC 275』でタイラ・サントスに5Rスプリット判定勝ちで、女子UFC史上最多連続防衛記録となる7度目の王座防衛に成功。しかし、2023年3月『UFC 285』の王座戦でアレクサ・グラッソと対戦し、スピニングバックキックを外した際にバックを奪われ、そのままネッククランクで一本負け。王座から陥落し、約5年半ぶりの敗戦となった。37歳。  2023年9月にグラッソと再戦し、フルラウンドにわたり接戦を繰り広げ、1-1の5R判定ドロー。王座再獲得ならず。2024年9月『UFC 306』のUFC世界女子フライ級タイトルマッチで王者アレクサ・グラッソとラバーマッチを行い、グラウンドで攻勢となり5R判定勝ち。王座奪還に成功し、グラッソとの戦績を1勝1敗1分とした。  UFCデビューから7連勝中のフィオロは、シェフチェンコとグラッソの3戦の間、王座挑戦を待った。2022年10月に当時1位のケイトリン・チューケイギアンに勝利してから、2年半が経ち、ようやく王座挑戦に。  2023年9月に元UFC世界女子ストロー級王者ローズ・ナマユナスと対戦し、3-0の判定勝ち。2024年3月の前戦で女子フライ級ランキング2位のエリン・ブランチフィールドと対戦し、3-0の5R判定勝ち。35歳。  ともにバックボーンは空手。テイクダウンも強いシェフチェンコに、フィオロも柔術黒帯でテイクダウンディフェンス率は90%以上。スタンドで優位に立つのは?  1R、ともにサウスポー構え。フィオロは右の高い蹴りで牽制。シェフチェンコは右ミドル。右ジャブの刺し合いで当てたのはシェフチェンコ。さらに右フックのダブルで前に出る。フィオロも右の突きを見せて右ロー。サイドキックにはシェフチェンコが右を合わせる。  フィオロは右前足の上段の蹴りを2発。その入りに右を突くシェフチェンコ。さらに右ミドルハイ。バックウピンキックを見せる。フィオロの左の飛び込みに右を合わせに行くシェフチェンコ。フィオロは鼻から出血。フィオロの右の蹴りを掴んでテイクダウンはシェフチェンコ。ハーフのフィオロに左枕で背中を着かせて右で脇腹にパンチ。フィオロの起き上がりを剥がして上のままホーン。シェフチェンコのラウンド。  2R、右サイドキックのモーションを見せるフィオロ。シェフチェンコの右の打ち終わりにシングルレッグから押し込むも離れる。  右ハイをガード上に突くフィオロ。シェフチェンコは左後ろ廻し蹴り。フィオロはニータップ狙いも固執せず。右のサイドキック関節蹴り。シェフチェンコの右ヒザにニータップ狙いに、シェフチェンコは組んで小外刈テイクダウン! しかしフィオロもそこに巴投げを合わせて立ち上がり。  右で差して小外刈りのシェフチェンコに残したフィオロは首相撲ヒザ。離れるシェフチェンコに右ハイ。ダブルレッグでケージに押し込み、脇潜りバッククリンチ。背後からヒザ。クラッチ切るシェフチェンコは正対して突き放す。  右の蹴り、シェフチェンコの右フックをかわしてケージにドライブしてダブルレッグテイクダウン! 両足を束ねるフィオロは立ち際にヒザを突きホーン。フィオロのラウンドか。  3R、右ロー、右ハイのフィオロ。シングルレッグも切るシェフチェンコは右インロー。右ジャブも。しかし右ハイのフィオロはシェフチェンコの入りにヒジを狙う。右サイドキックのフェイントから右を突くフィオロに避けるシェフチェンコがシングルレッグ。切るフィオロは首相撲ヒザ。  左ローのシェフチェンコ。組むフィオロに首相撲ヒザ。しかし押し込むフィオロは右で差してヒザで離れる。  ともにジャブの刺し合い。シェフチェンコのバックフィストをかわしてボディロックしたフィオロがバッククリンチからヒザ。正対したシェフチェンコに頭をアゴ下につけて押し込み。シェフチェンコが右を突いて離れてホーン。フィオロのラウンド。  4R、右ジャブのフィオロは右サイドキック、シェフチェンコも左の後ろ廻し蹴りを突く。詰めるフィオロにジャブのダブルで押し戻したシェフチェンコ。そこに組んだフィオロが右で差して押し込み。突き放したシェフチェンコ。ワンツーで前に出るフィオロ。シェフチェンコのシングルを切ってヒザ蹴り。  シングルレッグに入るフィオロは深追いせず。シェフチェンコは後ろ蹴りを腹に。フィオロは組んでヒザ! 左で差して押し込み。ヒザを突いて離れる。ワンツーで前に出るフィオロにダブルレッグテイクダウンのシェフチェンコだが尻着きケージですぐに立つフィオロは首相撲からヒジの打ち降ろし。  サイドキックのフィオロ。しかし、そこにシェフチェンコが右フックのダブル! ダウンしたフィオロにパウンドもホーン。シェフチェンコのラウンドに。  5R、先に中央を取るフィオロ。左右サークリングのシェフチェンコに組んで詰めて左で差すフィオロは肩パンチ。離れ際に右ヒジを突く。左ローのフィオロ。そこに右を狙うシェフチェンコはシングルレッグ狙いもすぐに差し上げるフィオロ。  右ローのシェフチェンコ。追うフィオロは右の蹴り。左を突くシェフチェンコに左で差すフィオロを突き放したシェフチェンコが左ミドルを打つ。  左のスーパーマンパンチから組みに行くシェフチェンコ。差し上げて左で差すが、突き放したシェフチェンコ。左ハイは空振りのフィオロ。右の蹴りからワンツーで組むフィオロは右ヒザ2発。押し込み右フックとこつこつ突くとブーイング。コントロールタイムはフィオロ。  脇くぐりバッククリンチ、離れ際に左ハイもクリーンヒットならず。シェフチェンコは右で飛び込み。フィオロは右ハイ。シェフチェンコもバックフィスト。最後に右ハイもホーン。両者手を挙げる。シェフチェンコのラウンドか。  判定3-0(48-47×3)でシェフチェンコが王座防衛。試合後、「大変な試合になると分かっていたから驚きはなかった。長年、私のメイン・トレーニング・パートナーは姉のアントニーナだった。だから今回は、この勝利を彼女と母に捧げるようなもの。数字なんて何でもないようなもの。それよりも精神的、肉体的にどう感じるかが大事。これが一番重要で、数字ではなく、どうパフォーマンスするかが一番大事よ」と語り、勝利の舞いを見せた。 [nextpage] ▼バンタム級→フェザー級 5分3R〇エイマン・ザハビ(カナダ)13勝2敗(UFC7勝2敗)※UFC6連勝[判定3-0] ※29-28×3×ジョゼ・アルド(ブラジル)32勝10敗(UFC14勝9敗)  当初バンタム級だったこの試合、アルドが体重を落とせず、試合当日に両者の合意によりフェザー級契約に変更。アルドにとっては、キャリア21年目、42戦目にして初の計量失敗となる。ザハビにはアルドのファイトマネーの一部が渡されてフェザー級戦に。バンタム級ランキングではアルドが11位、ザハビが15位。  初代UFC世界フェザー級王者アルドはUFC14勝8敗(4KO)の38歳。2022年に一度引退し、UFC殿堂入りも果たした。引退後はボクシングに出場していたが、2024年5月のブラジル大会で復帰。ジョナサン・マルチネスに判定勝ち。10月の復帰2戦目でマリオ・バティスタにスプリット判定負けを喫した。  地元カナダのザハビは、名将フィラス・ザハビの実弟。ムエタイベースながら、レスリングも経験し、柔術黒帯。UFC6勝2敗の37歳で現在5連勝中。2024年11月の前戦ではペドロ・ムニョスに判定勝ちしている。  1R、先に中央を取るアルド。右回りのザハビに左ジャブ。ザハビも左ジャブのダブルを見せると、アルドは右ミドル、右ヒザからワンツー。ワンツー、右アッパーも。ワンツーを突くザハビは左ミドル。アルドは左前足を上げて牽制。片足立ち関節蹴りのフェイント。ワンツーをボディに突く。  ザハビの右ローをチェックするアルド。ジャブの入りに左ジャブを合わせる。圧力をかけるザハビは左の飛び込みから右。しかしアルドも左を上下に迎撃。ザハビは間合いを詰めて左を振って首相撲ヒザ。アルドも左を打ち返しホーン。アルドのラウンドか。  2R、左ボディからヒザのアルド。左ミドルはかわしたザハビが左ミドル、左ジャブの刺し合い。左フックはアルド。ザハビも左ジャブを打ち返すと前に。ボディフックのアルド。左ジャブも突く。圧力をかけるのはザハビ。ローブローに中断、再開。  ザハビは詰め。ケージ背にサークリングするアルド。ザハビの左ローがファールカップをかすめる。再開。ザハビの右ローをかわして左の攻撃はアルド。ザハビもジャブを当てて前に。拮抗したラウンドだがザハビか。  3R、ハグから再開。左ジャブを伸ばすザハビを詰めるアルドは、右ヒザ、ザハビも左のダブル。アルドはその詰めに右テンカオ。ザハビの左がかすめる。しかし、アルドはその入りに右ヒザでダウンを奪うとすぐに立つザハビの立ち際の微妙な際でサッカーキック。さらに連打。一瞬タイムを見て、残り3分に苦しい表情を見せたアルド。回るザハビは右アッパー、ヒザで応戦。  アルドからダブルレッグも跳ね返されて引き込む形で下に。クローズドガードで抱き寄せるアルドに、上体を起こして右ヒジはザハビ! グローブを掴むアルドに剥がして右ヒジでカットを奪うザハビ! アルドは額から出血しながら抱き寄せる。その身体をスラムしてザハビが上のままホーン。両セコンドが肩車し、両者は肩の上でハグした。  判定は3-0(29-28×3)でザハビが勝利。勝者は「私は試合を引き受けた。彼は8ポンドも太っていた。とにかく受けた。ショーン・シェルビーには、私がこの試合を引き受け、さらに多くの試合に出られるよう、大きな取引をしてくれたことに感謝したい。3R目は確かに揺さぶられたよ。混乱していたよ。でも、私のマインドセット・コーチは、こういう瞬間のために準備するようにと言うんだ。回復して、次の打ち合いで勝てばいいと自分に言い聞かせていたんだ。みんな、私はチト・ヴェラと戦いたい。それが次の相手だ。僕をランキングの上位に食い込ませてくれ。僕の両親、そして美しい妻の娘たち、そして双子のラリアとミラにありがとうと言いたい」とコメント。  グローブ置いたアルドは「最初に、ダナ、ショーン、ロレンツォ・フェティータ、UFCのみんな、僕に与えてくれた全てのものに感謝している。僕にはもう無理だと思う。タフな1週間だった。減量のことだけがすべてじゃない。ただ、いろんなことがあったんだと思った。これだけのことを経験するのはとても大変だった。今週はとてもタフな週で、自分には無理だと感じたことがあった。もう体重を切りたくないと、僕の体はノーと言った。こんな戦争のような試合に行きたくないし、こんな思いもしたくない。ただ、もう心にはないんだ。これは最後だと思う。これが僕に会う最後だと思う。もうこんなことはできない」と引退を表明した。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇ナタリア・シウバ(ブラジル)19勝5敗(UFC7勝0敗)※UFC7連勝[判定3-0] ※30-27×3×アレクサ・グラッソ(メキシコ)16勝5敗(UFC8勝5敗)  1R、コメインと連なる女子フライ級。ともにオーソドックス構えでシウバは左の上下の蹴りから。右ストレートを突くグラッソ。ワンツースリーで前に。間合いを保ちガード高くさばくグラッソ。ジャブの刺し合い。シウバは左に繋ぐ。ワンツーから右ローまで。  グラッソのジャブをかわして右を刺し、左前足をジャブのように突く。シウバがハイキックでバランスを崩したところを詰めるグラッソだが、ケージに押し込み離れる。  左ボディストレートに、シウバはテコンドー由来の左前足の高いサイドキック。さらに左ハイをガード上に当てる。右カーフ、さらに左廻し蹴りも。高いガードのグラッソは手数が少ない。かけ蹴りはかわすグラッソ、互いに左を突いてホーン。シウバのラウンドに。  2R、左の蹴りから右を突いて、蹴りの間合いを保つシウバは右回り。サイドキックの打ち終わりに蹴り足を掴むグラッソだが、足を抜くシウバ。詰めるグラッソに左ジャブ、左ハイを突く。  左右にサークリングしながら出入りのシウバは左フック。中央を取り、追うグラッソ。右を突くが、かわすシウバは左前足の蹴り、残り10秒で左右を連打し詰めるグラッソだが、額をカットする。シウバのラウンド。  3R、右で飛び込んでグラッソ。かわすシウバは前蹴りで突き放す。スイッチする両者。オーソに戻したグラッソはワンツーでケージに押し込み。左で差して四つ。首相撲ヒザも体を入れ替えたシウバが左差しで押し込み。ヒジで突き放す。  グラッソのジャブのダブルをかわすシウバは左ハイ。左ミドル。追うグラッソは左ロー。そこに右を突くシウバ。ガード上にワンツーで離れて前蹴り。さらにサイドキックで突き放す。  右のダブルで詰めるグラッソに左フックを当てるシウバ。ジャブの刺し合いから右ハイをヒット! 右ローから右後ろ廻し蹴りを上段に。ブロッキングのグラッソは、サークリングするシウバを追い切れず。後ろ回転の二段蹴りのシウバ。左目尻から出血したグラッソの拳は届かず。シウバのラウンドに。  判定は3-0(30-27×3)でシウバがフルマークで、前王者を下した。勝者は、神に感謝の言葉を捧げると、ステップワークについて問われ「聞いて、私のファイトスタイルは違うし、今週ずっと言ってきたように、これがナタリア・シウバ。コメインに注目している。ダナ、あのベルトはきっと私の腰に似合うと思うよ」と笑顔で語り、ダンスしながらケージを後にした。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ブノワ・サン・デニ(フランス)14勝3敗(UFC6勝3敗)[2R 2分35秒 肩固め]×カイル・プレポレク(カナダ)18勝9敗(UFC0勝3敗)※5日前代打  1R、左カーフを打ってダブルレッグテイクダウンのサンデニ。プレポレクは、キムラクラッチ。サンデニは右足をかけて左の送り手をコントロールしながらバックへ。今度は対角の右手を掴む。片ヒザ立ちで尻を着くプレポレクにパウンドを入れながらリアネイキドチョーク狙い。さらに立ち際にボディロックで中央側にテイクダウン。  ボディトライアングルからトップ狙いに変えてサイドバックからパウンド。さらに背中に乗ってリアネイキドチョークへ。立ち上がりアゴを引いて腕を押し上げて凌ぐプレポレク。  2R、詰めるサンデニの左右に右手を伸ばすプレポレクだが、アイポークに。再開。ワンツーから左ミドルのサンデニはケージに詰めて左ヒジを連打! 右から左アッパーのサンデニはケージに詰めて左ヒジのダブル、さらに首相撲ヒザ、ボディロックテイクダウンでハーフからサイドに出て肩固め、タップを奪った。  試合後、サンデニは「みんな、ありがとうマリアナ。ここにいられて嬉しい。光栄です。1R目は、私のコーナーの話を少し聞かなければならなかった。彼らはたくさんの努力をしている。2R目、私のコーチは少し野性的な部分を出すようにと言った。  彼の経験は知っている。彼は2013年のケビン・リー戦まで一度も倒されていない。彼はタフな試合をしてきた。でも、もし私がこの野生を出したら。ダン・フッカー、ジャスティン・ゲイジー、やろうじゃないか」と語った。 [nextpage] 【プレリム】 ▼ウェルター級 5分3R〇マイク・マロット(カナダ)13勝2敗(UFC6勝1敗)[2R 0分26秒 KO]×チャーリー・ラドキ(米国)10勝6敗(UFC3勝3敗)  1R、オーソドックス構えのラドキに、サウスポー構えのマロット。詰めるラドキにマロットはサイドキック。下がりながらもワンツー、関節蹴り、左右フック。後ろ蹴りをボディに突く。前に出るラドキは右を振る。マロット左ミドル。  2R、初回同様に前に出るラドキにマロットは左を当てると、ワンツーからラドキの打ち返しを、右にかわしながら左フック! ラドキがダウンし、パウンド連打。レフェリーが間に入った。  勝者は「みんなを代表できて誇らしい。相手をブーイングせずに自分を祝ってほしい。急がずにコツコツ行こうと思っていた」と語った。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇ジャスミン・ジャスタビシアス(カナダ)14勝3敗(UFC8勝2敗)※UFC5連勝[1R 2分40秒 リアネイキドチョーク]×ジェシカ・アンドラージ(ブラジル)26勝14敗(UFC17勝12敗)  1R、ともにオーソドックス構え、長い右オーバーハンドを打つジャスタビシアスは組んでボディロックテイクダウン。立ち際を潰してバック、右足をかけてリアネイキドチョーク狙い。パームトゥパームでタップを奪った。完勝。試合後、ジャスタビシアスは黒帯を授けられた。これで4つの一本勝ち。  ジャスタビシアスは「母国で、モントリオールで試合できて嬉しい。相手はタフで試練になると思ったけど、テイクダウンできれば極められると思っていた。ナンバー1になるためには誰とでもやる」と語った。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇モデスタス・ブカウスカス(リトアニア)18勝6敗(UFC6勝4敗)[判定3-0] ※27-30、30-27、29-28×イオン・クテラバ(モルドバ)19勝11敗(UFC9勝9敗) [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇ナバホ・スターリング(ニュージーラン)7勝0敗(UFC2勝0敗)[判定3-0] ※29-28×2, 29-27イヴァン・エルスラン(クロアチア)14勝5敗(UFC0勝2敗) [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇マルク・アンドレ・バリオー(カナダ)17勝9敗(UFC6勝8敗)[1R 1分27秒 KO]×ブルーノ・シウバ(ブラジル)23勝13敗(UFC4勝7敗) [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ダニエル・サントス(ブラジル)12勝2敗(UFC2勝1敗)[判定3-0] ※30-27×3×リー・ジョンヨン(韓国)11勝3敗(UFC2勝2敗) [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ベクザト・アルマカーン(カザフスタン)12勝2敗(UFC1勝1敗)[1R 1分04秒 KO]×ブラッド・カトーナ(カナダ)14勝5敗(UFC4勝5敗)
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