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【RIZIN】榊原CEO「朝倉未来は試合をやりたがる人。カラータイマーが灯っている」、シェイドゥラエフとダウトベックの今後、ケラモフvs.木村柊也、コレスニックvs.SASUKEは「新参者に当てているわけではない」──激動のフェザー級戦線を語る

2025/05/09 16:05
 2025年6月14日の『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』(北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)の追加カード発表会見が8日、都内にて行われ、会見後の囲み取材で榊原信行CEOが、復活を果たした朝倉未来(JTT)の今後について「カラータイマーが灯っている、試合をやりたがる人」と年内の次戦に言及。また、海外勢・新鋭やニューカマーなど、フェザー級の新たな展開についても語った。  東京ドームに4万2706人(主催者発表)を集めた5月4日の『RIZIN男祭り』では、メインでクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)を1R KOに下したラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)、セミで鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)に3R TKO勝ちした朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)など、フェザー級が大きく動いた日となった。  まず、ヴガール・ケラモフ戦、YA-MAN戦(OFGキック)、平本蓮戦の連敗からビッグカムバックを果たした朝倉未来について、榊原CEOは「試合後、会場でちらっと一言二言話しただけですが、週明けに1度、ゆっくり今後のことも含めて、話し合える機会をお互い持てたらいいかなと思っています」と、今後についてこれから話すといい、次戦の時期は夏か、大晦日の問いにも「あんまりそこも(決めて)ないですね。未来も格闘家としての“カラータイマー”は灯っていて、32歳という年齢からすると、まあここから2年、3年ぐらいが格闘技選手として全力で向き合える、一番脂が乗り切ったピークの期間だと思うので。彼がその期間をどういう選択をしてくるか」と、朝倉のプラン次第とした。 「ただ」と榊原CEOは、ベルトへの意欲も口にした、ファイター朝倉の闘争本能に期待する。 「そうは言っても、本当に意外に未来っていう人は“試合をしたがる人”なんですよ。今回、復活が遂げられた中で、久しぶりの勝利を手にして自信もつけたでしょう。リング上でも言ってたみたいに──ポーカーフェイスではあるけれども、自分を応援してくれるファンに対しての溜飲も下げられたことなんで、コンスタントにこの後も試合していきたいっていう可能性もある。彼の意向に従って、年内、あと何試合するか相談してみたらいいかなと思ってます」  当初から「朝倉未来の復活祭」と掲げて始まった東京ドーム大会。そのPPVの売り上げについて、榊原CEOは、「去年の未来と平本蓮に匹敵するくらいの数字まで行ってますね。去年の大晦日(『RIZIN DECADE』)よりも数字は上回って、思いのほかたくさん買っていただけてる。『朝倉未来 応援シート』1万枚売っちゃうだけの経済効果を作り出す人ですから、未来ファンからすれば、怖くて見れなかった生配信じゃなくても、勝った試合はもう何回も見たいだろうし、アーカイブでの購入の数字も上がっています」と、注目の高さを明かす。  ベルトを目指すと宣言した朝倉未来に対し、当初、朝倉と対戦予定だった平本蓮の負傷からの復帰戦はいつになるか。7月開催が噂される『超RIZIN.4』に間に合うか。JTTの西谷大成を1R KOした萩原京平も朝倉の首を狙い、シェイドゥラエフに敗れたクレベル・コイケもリベンジを誓っている。また、バンタムとフェザーを行き来する秋元強真もフェザー級で存在感を示してきた。  その混迷と激動のRIZINフェザー級戦線のトップは、クレベルを下したシェイドゥラエフと、鈴木を下したカルシャガ・ダウトベックの海外勢であることは間違いない。  そこに立ち向かう新たな勢力がフェザー級戦線で新風を巻き起こすべく、北海道大会でマッチアップされた。また、3強となった海外勢にも異変が起きている。 [nextpage] ダウトベックのバンタム級転向は「意思に任せる」。シェイドゥラエフとは「複数試合契約」  既報通り、ダウトベックがATT入りを発表。今後についてフェザー級からバンタム級転向を示唆している。  榊原CEOは、「ダウトベックに関して言えば、フェザー級でそのまま継続っていうことももちろんあるんですけど、バンタム級転向ということも、体格的なことを考えると彼の一つの選択肢としてはあってしかりだと思うし。やっぱり同じ中央アジアで、キルギスのシェイドゥラエフが先にベルト巻いちゃったっていうところで、カザフスタンのダウトベックとしては、ゆくゆくはそこと戦わなくちゃいけないっていう。  でも両選手、(対戦を)嫌がってるじゃないですか。兄弟みたいな存在であって。そうやって考えた時にはバンタムに階級落としてっていうことも正しい選択で、プライオリティが高いのも頷けるなと思っていて、それは彼の意思に任せつつあります。7月、その先の大会に向けて、いろいろ話し合いを進めたいなと思っています」と、環境を変えて進化を目指すカザフフタンの強豪が、階級を落とす可能性も否定しなかった。  さらに、新フェザー級王者となったラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)については、ファンがUFC行きを懸念するなか、「まだ複数回の契約を持っているので、ベルトの防衛戦をせずにUFCに行くとかってことは契約上はない」と、継続参戦を明言している。 [nextpage] 木村は元王者を取れば飛び級も。SASUKEの意志は「強いやつと戦いたい」 ▼RIZINフェザー級(66.0kg)5分3Rヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)20勝6敗木村柊也(BRAVE)5勝0敗  また、北海道大会で、フェザー級の強豪外国人選手であるヴガール・ケラモフ、ビクター・コレスニックの相手が、RIZIN2戦目の木村柊也の抜擢と、RIZIN初参戦の修斗世界王者のSASUKEが相手を務めることになった現状について、榊原CEOは「無理して新参者に当ててるわけではない」という。 ▼RIZINフェザー級(66.0kg)5分3Rビクター・コレスニック(ロシア/Tiger Muay Thai/Kuznya)25勝4敗1分SASUKE(MASTER JAPAN TOKYO)13勝3敗1分  コレスニックの相手が、既存のRIZINファイターではなかったことについて榊原CEOは、「あまり、そういうふうには僕らは捉えていなくて、SASUKE選手も会見で言ったように、やっぱり修斗の王者であるということの中で言うと、彼はやっぱり強い選手が相手じゃないと出てくる意味がない。修斗の中で戦えないような外国勢だったり、レベルの高い選手とやりたいっていうのが彼の意向でもある。僕らがコレスニックを無理して新参者に当ててるってわけではないというところはご理解いただきたい」とした。  SASUKE自身も、今回のRIZIN参戦について、「個性派の多い階級なので、自分がスパイスじゃないですけど、入ったらまた一つ盛り上がるのかなと思ってます。(いきなりコレスニックが相手となったことについて)僕はどこで戦おうが、基本的に自分のスタンスは変わらなくて“強いやつと戦いたい”っていう思いで。格闘技をやっていて、ここ最近納得のいく試合が自分の中でできていなかったので、その中で今回のオファーが来た時にここしかないなと思って。『TAPOLOGY』の日本をベースにしたランキング、唯一、僕の上にいたのがコレスニック選手だったんで、ここかって。(今後の定期参戦について)強い相手を用意していただけるのであれば出ることはあると思います」と、強豪相手ありきで決断したことを語っている。  榊原CEOは、「いずれにしても、この前の5月4日に出た選手たちは出せない中ですから。今後で言えば当然、外国勢も日本人のニューカマーたちも勝っていけば、いろんな人たちとシャッフルしていくことになる。北海道は、たまさかこういう流れと巡り合わせでこのカードになった感じではある」と、今後は初参戦選手も含め、新たなマッチアップで順位付けがなされていくとした。  さらに、6月の北海道大会でケラモフと対戦する木村柊也については、「彼の強さやこれまでの戦績(5戦無敗・5試合連続1R KO勝ち)も含めて、みんなファンもよく分かっている。やっぱり木村選手の香川(横山武司戦)での勝ち方含め、ワンちゃん、ケラモフっていう分かりやすく強い外国人と対戦し、元王者を取ってしまうようなことがあれば“飛び級”してくると思う。そういう可能性も期待して。『1歩ずつ』っていうのが、僕なんかよく分かってなくて、行ける時に行くべきだし、これをチャンスと捉えるのか、まだ早いですっていうのかはオファーを受けた選手の感覚だから。これは待ってましたと、このタイミングで木村選手が行けるんなら僕は行くべきだなということで。  木村選手は有言実行しそうじゃないですか。やっぱり日本拳法をベースにした打撃で、本当にケラモフを倒すようなことがあれば、いきなりシェイドゥラエとやると。そんな可能性もないことはない。まだ幻想がすごくあります。もし負けたところで世界のフェザー級のトップレベルの選手たち、特に外国人と日本人の大きな違いはフィジカルとかよく言われるように、中央アジアや欧州のアゼルバイジャンなど、そういったエリアの選手たちとこのタイミングで肌を合わせておくというのは、木村選手にとっては成長していく過程ではプラスになる側面もあるかなと思います」と、今回の元王者との対戦の結果次第では、フェザー級王座戦線に割って入ると期待を寄せた。  木村も「前回の試合も決まった時に、自分は『一撃で倒す』って言ってたと思うんですけど、試合も実際そうなったんで。そういう意味でも1ミリも負ける気がしないっていうのはそこから来てますね」と、対ケラモフ戦の勝算を語っている。  5月31日のRIZIN韓国大会では、高木亮を1R TKOに下しているAFC王者ソン・ヨンジェと中原由貴の対戦も決定。新王者の誕生、SASUKEvs.コレスニックの実力者対決、新世代の突き上げのなか、金原正徳も東京ドーム大会を解説し「夏の復帰に向けてやる気になっちゃった」と語っている。  新たな局面を迎えたRIZINフェザー級戦線は、下半期に向けて加速していく。 [nextpage] 主なRIZINフェザー級ファイターの試合 ラジャブアリ・シェイドゥラエフ 14-0(※5.4 クレベルにKO勝ち)※選手名から試合・コメントクレベル・コイケ 34-8(※5.4 シェイドゥラエフにKO負け)カルシャガ・ダウトベック 18-3(※3.30 鈴木千裕に判定勝ち)ヴガール・ケラモフ 20-6(※6.14 木村柊也と対戦)朝倉未来 18-5-1NC(※5.4 鈴木千裕にTKO勝ち)鈴木千裕 13-6-1NC(※3.30 ダウトベックに判定負け、5.4 朝倉未来にTKO負け)金原正徳 31-15-5フアン・アーチュレッタ 29-7ビクター・コレスニック 26-4(※6.14 SASUKEと対戦)久保優太 5-2(※参院選出馬)イルホム・ノジモフ 11-3斎藤 裕 21-9摩嶋一整 17-6-0武田光司 17-7-0青井 人 14-5-1(※5.22-23『ROAD TO UFC 』出場)中原由貴 18-7-0(※5.31 韓国でソン・ヨンジェと対戦)高橋遼伍 16-9(※5.5 DEEPフェザー級GPで五明宏人に判定勝ち、決勝で水野新太と対戦)今成正和 40-22平本 蓮 4-3-0秋元強真 8-1(※バンタム級で元谷友貴に判定負け、フェザー級で高木凌に判定勝ち)高木 凌 8-3(※5.4 秋元強真に判定負け)新居すぐる 14-11萩原京平 9-10(※5.4 西谷大成にTKO勝ち)木村柊也 5-0(※6.14 ケラモフと対戦)関 鉄矢 15-10-1横山武司 5-1山本空良 12-8(※5.4 北海道大会出場予定)弥益ドミネーター聡志 12-8YA-MAN 1-2-0(※3.23 OFGキックでミゲール・トリンダーデに敗戦)鈴木博昭 4-6芦田崇宏 24-17-2カイル・アグォン 14-12中田大貴 7-6(※6.1 PANCRASEで王者・三宅輝砂に挑戦)木下カラテ 8-5-1五明宏人 8-4(※5.5 DEEPフェザー級GP準決勝で高橋遼伍に判定負け)中村大介 34-28-1(※5.4 ライト級で桜庭大世に一本勝ち)魚井フルスイング 26-15-4(※3.30 赤田に判定勝ち)西谷大成 6-8(※5.4 萩原京平にKO負け)赤田プレイボイ功輝 0-2(※3.30 魚井に判定負け)三浦孝太 2-3(※5.31 クォン・ヨンチョルと対戦)
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