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レポート

【DEEP】福田が牛久からダウン奪う判定勝ちでバンタム級王座防衛、フェザー級GPは水野が海飛に競り勝ち、高橋が五明を上回り決勝進出。日拳・角野が佐藤を左ハイKOで新ウェルター級王者に。村元が関原との大熱戦制す、アトム級でイェジが大島に判定勝ち、RISE直樹がSB奥山をMMAでTKO

2025/05/05 14:05
 2025年5月5日(月・祝)18時から、東京・後楽園ホールにて『DEEP 125IMPACT~フェザー級GP2025 準決勝~』(U-NEXT/DEEPメンバーシップ/サムライTV配信)が開催された。前日計量では全選手が計量をパス。 ▼DEEPバンタム級タイトルマッチ 5分3R〇福田龍彌(MIBURO)王者 61.15kg[判定5-0] ※29-27. 30-26, 29-27, 30-26, 29-27×牛久絢太郎(ATT/K-Clann)挑戦者 60.95kg※福田がバンタム級王座初防衛 福田「牛久選手、ほんまにガード硬くて、あんまKO負けしてるイメージないと思うので。ちゃんとチャレンジャーのつもりで仕留めに行きます。楽しみにしててください」 牛久「僕が作ってきたMMAを、全てチャンピオンにぶつけます。皆さん楽しみにしていてください」  現DEEPフライ級&バンタム級の二階級王者で、大晦日のRIZINでは芦澤竜誠を54秒KOに下した福田龍彌が参戦。元DEEP&RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎と、バンタム級王座を賭けて戦う。  元修斗世界フライ級王者の福田は、2023年のDEEPフライ級GPで杉山廣平、安谷屋智弘、宇田悠斗、本田良介を下して優勝。2023年9月にRIZINで山本アーセンを3R TKOに下すと、カザフスタンNaiza FCで苦い敗戦を経験。2024年3月にバンタム級に転向し、雅駿介に1R TKO勝ちすると、9月に瀧澤謙太も1R TKO。そして大晦日の前戦RIZIN.49でも芦澤竜誠を1R KOに下して3連続初回KOをマークしている。  対する牛久は、元DEEP&RIZINフェザー級王者。2020年9月にDEEPフェザー級王者の弥益ドミネーター聡志に判定勝ちで戴冠すると、2021年10月のRIZINフェザー級タイトルマッチで斎藤裕に2R TKO勝ちで2団体王者に。4連勝で迎えた2022年10月のRIZIN王座防衛戦でクレベル・コイケに一本負けで王座陥落した。  2023年9月に萩原京平に判定勝ち後、バンタム級への転向を発表し、DEEPフェザー級王座も返上。2024年4月のバンタム級初戦では太田忍に判定負け。9月の佐藤将光戦でも判定負けで現在、2連敗中だ。2023年6月にアメリカントップチーム入りを表明した牛久は現在、米国フロリダと日本を行き来しながら、試合に備えている。ATTでは堀口恭司を筆頭に、同階級のダニー・サバテロ、中村倫也、元谷友貴、金太郎らと練習をともにしており、バンタム級で本領発揮なるか。  フライ級から階級を上げてナチュラルウェイトに近いバンタム級で戦う福田と、フェザー級から落としてきた牛久は、試合当日、どのくらいの体格差の戦いとなるか。  スナイパーのごとく一瞬を逃さない福田と、元来柔道ベースの粘り強い組みを軸とする牛久の戦いは、互いに主武器と言われる部分以外の引き出しが試される試合となるかもしれない、ヒリヒリしたカードだ。  1R、ともにサウスポー構えから。じっくり腰を落として構える両者。牛久の左に右にかわした福田は、右ジャブを突いて動き出す。牛久の硬いガード上に右を突く福田。牛久はガードを固めて左右を突いて組むが、差し上げ突き放す福田は右ボディストレート。  さらに右から左をガード上に突く。牛久の左ハイをかわす福田。右で飛び込む牛久。右回りでかわす福田は、牛久のシングルレッグを切る。左右フックを見せる福田。なおも牛久は詰めて首相撲クラッチで崩すが、抜けて立つ牛久はアッパー。牛久のバックキックをかわす。牛久のバッティングで中断後、再開。牛久は左カーフ、福田が左を返してゴング。  2R、先に右ジャブ、左を突いて前に出る福田。詰める牛久はダブルレッグ、差し上げる福田は右ジャブ、左カーフも牛久も外受けカット。2度目の牛久の組みに両差しの福田。体を入れ替えると牛久の首相撲ヒザも剥がしスタンドに。  頭を下げて左で突っ込んでくる牛久。剥がして右ジャブの福田に、牛久は右ヒザ、左オーバーハンド。福田のワンツーに牛久も回って右フックを入れてゴング。  3R、先に詰める牛久の組みを差し上げて離れる福田。左オーバーハンドで詰めて首相撲狙う牛久に組ませない福田。  ワンツーから左の飛び込みの福田は右ジャブ。左ハイをガード上に突き、左オーバーハンドの牛久。左から左アッパーを効かせる福田。牛久の組みを差し上げて投げてサッカーキック! 上を取るとパウンド。離れた牛久に左フックでダウンを奪い、下からは足を手繰る牛久を潰したヒザ、牛久のデーイプハーフからの足関節狙いを潰して右のパウンド、ヒジを落としてゴング。  判定は、最終回にダウンを奪うなど決定的な場面を作った福田が5-0で勝利。初防衛を果たした。試合後、福田は「今日KOできなかったです。牛久選手、すごい気持ち強くて負けへんというのを感じました。楽しめましたか? いいもん見せられたんちゃうかなと思います。いま自分は戦うことで皆さんと楽しい時間を共有するのが目的なんで、面白いことは言えないけど、面白い試合は提供するから、皆さんの声でもうちょっと稼がせてください。佐伯さん、お願いします。いいオファーを待ってます。オブリガード!」と語った。 [nextpage] 水野が大塚仕込みのテイクダウン、立つ海飛が最終回にダウン奪うも水野も打ち合い退かず判定勝ちで決勝進出 ▼DEEPフェザー級GP準決勝 5分3R×海飛(和術慧舟會 HEARTS)※奥山貴大に判定勝ち  66.20kg[判定0-5] ※28-29×5〇水野新太(フリー)※芦田崇宏にTKO勝ち 66.15kg 海飛「しっかり若い芽を叩き潰して僕の強さを証明したいと思います。応援よろしくお願いします。押忍」 水野「バチバチに殴り合って、僕が最後倒して笑って終わります。お願いします」  海飛は、極真空手で高校日本一に輝き、2021年3月のフューチャーキングトーナメントフェザー級で優勝すると共にアマチュアで7試合連続KO勝ちを収めた。同年6月のプロデビューから牧野滉風、鈴木崇矢をKOで破り、五明宏人との空手対決にも判定勝ち。しかし、雅駿介、力也、窪田泰斗といったグラップラーに3連敗と苦しんだが、2024年8月のDEEPサマーフェスティバルで西谷大成から一本勝ちを収めた。PANCRASEライト級次期挑戦者となった弟の天弥とともに、頂へと登るか。天弥とのアゼルバイジャンでのブガール・ケラモフらとの練習から帰国し、GP一回戦では奥山貴大に判定勝ちで準決勝進出。26歳。  水野は、2023年2月のフューチャーキングトーナメントライト級準優勝に輝き、10月にFighting Nexusでプロデビューしてから3連勝を飾った。そんな中、2024年9月のDEEP東京大会で石塚一を2R KOで下し、続く11月のDEEP122ではRIZIN出場経験を持つ太田将吾を2R 判定で下している。GP1回戦では実力者・芦田崇宏を跳びヒザ、右フックでダウンを奪い、パウンドアウト。準決勝進出を決めた。格闘技のバックボーンなしで格闘技を初めて4年目。石司晃一を師に持つ22歳で、GPで一気に飛躍するか。  1R、ともにサウスポー構え。ワンツーの左を見せる海飛に、ダブルレッグで先に組んだのは水野ケージに詰めて左差しで右足をかけて横に崩してヒザ。海飛は片ヒザ立ちで背中を金網につけて立ち上がりへ。正対したところで両足を引いた水野が上に。金網で上体を立てている海飛はバックを譲らずに立ち上がり、離れることに成功。  離れる海飛はワンツーの左、そこに連打から左を当ててダブルレッグの水野をがぶり中央に足を飛ばして切る海飛。ワンツーの海飛に詰めて長い左右からレベルチェンジでダブルレッグで崩すのは水野。ゴング。  2R、左の打ち合いにも退かない水野。そこにダブルレッグも、スプロールする海飛だが、クラッチした水野が持ち上げてテイクダウン。尻着く海飛は立ち上がりに。バッククリンチで崩す水野は、シングルレッグも、海飛は右で脇差し上に! 亀になり立つ水野のサイドバックも、正対しシングルレッグの水野は切られそうになりながらも海飛に尻を着かせる。  金網使い立つ海飛。右ハイの水野。右ジャブも。しかし詰める海飛が左を当てて左右。そこにシングルレッグの水野はヒザ。突き放した海飛がワンツーから左ハイに繋ぎゴング。  3R、左右から右の前蹴りを腹に突く海飛。右ジャブの水野は、細かいワンツーから右フックを返すと、海飛は首相撲から崩して左。左ボディから右の水野。右フックを当てる海飛に、左右からシングルレッグの水野は崩してバッククリンチ。正対して尻を着いて金網背に立とうとする海飛。  離れ際に右ヒザを突く。左ヒザ、右ハイの水野に右を強振する海飛、打ち合う水野もワンツーを返すが、海飛はここで左ボディから右フック! 後方にダウンした水野のシングルレッグをがぶってパウンドでゴング。水野は左側頭部から出血も。  判定3-0(29-28×5)で、終盤のダウンまでを制した水野が勝利。最後にダウンを奪った海飛だが逆転ならず。7連勝の水野が決勝進出を決めた。 決勝進出者コメント 高橋「自分はチケット売るタイプでもないですけど、格闘技が好きでコツコツ続けてきました。決勝戦、自分が大好きな格闘技をやり込んで、絶対勝ちます」 水野「初めて効いて危なかったんですが、大塚(隆史)さんと二人三脚でしんどいことをすると決めていてやりきれて良かったです。最初は相本(宗輝)さんが注目されるなかで、こうして決勝に生き残って、自分が勝たないと、この格闘技界の未来が無いと思うので、しっかり高橋さんに勝って優勝して賞金をいただきます」 [nextpage] 高橋が組んで打撃、テイクダウンも。五明の左をさばいてフルマークの判定勝ちで決勝進出 ▼DEEPフェザー級GP準決勝 5分3R×五明宏人(JAPAN TOP TEAM)※中村大介に判定勝ち 66.25kg[判定0-5] ※27-30×5〇高橋遼伍(KRAZY BEE)※相本宗輝に不戦勝 66.25kg 五明「JTTみんなに『男祭り』勝ってもらって自分もしっかり勝ちます。応援お願いします」 高橋「しっかり勝ちます。お願いします」  五明は、伝統派空手の国際大会で5度優勝し、2022年3月のDEEPフューチャーキングトーナメントで優勝した。プロデビューから3連勝を飾り、2023年2月にプロMMA4戦目で神田コウヤとのタイトル戦に抜擢されるも判定負け。その後、海飛、木下カラテ、相本宗耀に敗れたが、2024年11月にはミヨン・ジェウクに判定勝ちし、大晦日の雷神番外地で赤田プレイボイ功輝にスプリット判定で競り勝った。GP1回戦は『RIZIN男祭り』で桜庭大世に一本勝ちした中村大介と対戦。激闘の上、中村に判定勝ちで準決勝進出を決めた。29歳。  高橋は、修斗で8連勝を飾ると共に2016年11月に修斗環太平洋ライト級王者に輝いた。2019年5月からONEを主戦場に活躍するが、ユン・チャンミンをKOに下し、オ・ホテクとスプリット判定など活躍も試合の機会に恵まれず、2024年3月にRIZIN参戦。久保優太にスプリット判定で敗れた。しかし、12月にDEEP初参戦でGINJIに右ストレートからのサッカーキックで初回KO勝ちするなど、破壊力ある打撃は健在。実弟のグレコローマンレスラーの高橋昭五と磨いた組み力もMMAに融合させている。GP1回戦は計量ミスの相本宗輝に不戦勝。36歳になる実力者がビッグタイトルを目指す。  1R。オーソの高橋にサウスポー構えの五明は左を突く。詰める高橋は五明の左をかわして組んで小外がけテイクダウン! そのままマウントを奪うと、スクランブルで背中見せて立つ五明のバック狙いから足払いで崩す、五明は立って正対して突き放す。  右インローの高橋。左回りの五明。五明の左ハイをかわしてワンツーから組んで押し込み、崩してサッカーキック。五明は組みヒザ。内腿にヒザを突く高橋。右前手フックをかわした高橋が前に、右ハイも。ブロッキングの五明。  2R、右インカーフの高橋が前に。五明の左から右フックをかわした高橋が組んでテイクダウン! 立つ五明にバッククリンチからヒザ。五明の左ミドルを掴んでその足にパンチ、さらに放し際に右ミドルも。五明の左の突き終わりに組む高橋。離れる五明に右オーバーハンド! 五明の左をかわして組み。そこにヒザを突く五明。高橋も右ヒザを内腿に。  3R、詰める高橋。右カーフ。そこに左を突く五明。右のかけ蹴りからの左ストレートをかわして高橋が組んでバッククリンチ! 右のヴァレリーキックから崩してテイクダウン! すぐに立つ五明に左ジャブを当てる高橋。左カーフも。大きな右はかわした五明。左ハイを打つが、かわした高橋が左。五明も左ストレートを返すが、クリンチアッパーの高橋。  ヒザを突く五明。高橋も前手左フック。五明のワンツーに組んでバッククリンチからヒザ。正対し離れる五明は右ジャブ、左ハイ。かわす高橋が左を当ててゴング。  GPの5者の判定は組みと打撃が融合した高橋が30-27×5のフルマークで勝利。決勝進出を決めた。 [nextpage] 日本拳法出身・角野が佐藤の左をかわして左ハイKO! ウェルター級新王者に ▼DEEPウェルター級タイトルマッチ 5分3R×佐藤洋一郎(KATANA GYM)王者 77.0kg[2R 4分44秒 KO] ※左ハイ〇角野晃平(TEAM FAUST)挑戦者 76.90kg 佐藤「挑戦者にも会場にいる若手にもベテランの恐ろしさっていうのを味わわせてやろうと思います」 角野「日本拳法の僕の技を見てもらって、佐藤選手のベルトを奪取したいと思いますので、皆さんよろしくお願いします」  佐藤は、MMA25勝13敗3分。2010年にカン・ミンジョンを下し、修斗環太平洋ミドル王座を獲得。2016年からDEEPに参戦し、2018年4月にDEEPウェルター級王座戦で王者の住村竜市朗に挑戦も判定負けで戴冠ならず。一時は4連敗も喫したが、2022年5月に小林ゆたか、9月に嶋田伊吹、2023年4月にキム・デファンをいずれも判定で破り、3連勝。2023年10月にグアム『BRAWL 3』でJ.J・アンブローズとドローと。2024年4月に嶋田との再戦で1R リアネイキドチョークで一本勝ち。2024年7月に王者・鈴木槙吾を1R TKOに下して新王者となった。39歳。  挑戦者の角野は、MMA5勝(3KO・TKO)1敗。中村優作と同じ洪游會本部で2018年の第34回全日本学生拳法個人選手権優勝など、日本拳法で活躍。2022年12月にMMAデビューし、森井翼に判定勝ちも、20223年7月に山田聖真にスプリット判定負け。しかし、その後は4連勝中。2023年11月に小林裕を1R TKOに下すと、2024年3月にウェルター級に上げていたボンサイ柔術の鈴木琢仁を2R TKO。9月に中門虎鉄に判定勝ちし、12月に当時4連勝中だった阿部光太を2R KOに下した。27歳。  オーソの王者・佐藤も少年期は剣道、日本拳法を習い、ボクシングで全国高校選抜準優勝。そこにグレイシーバッハ、マカコ柔術で習得した強い極めも併せ持つなど、MMAの経験値で大きく上回る。  サウスポー構えで出入りの角野は長い左の蹴り、左相手の入りに下がりながらでもカウンターで突ける左を武器とする。懐深いがぶりでテイクダウンを切って立ち技勝負で連勝をマークしてきたが、佐藤の近い距離の打撃、上での組みもいかに凌いで当てるか。  1R、オーソから圧力かける佐藤にサウスポー構えの角野は右回りで間合いを取る。右フックで飛び込む佐藤をかわす角野は左ハイ、左ミドルを突く。中央取る佐藤に、左ボディストレートの角野は、佐藤の右を右回りで外を取ってかわす。右ミドルを返す佐藤に、右ジャブ、左インロー、左ミドルを当ててゴング。両選手にネガティブファイトで「注意」。  2R、先に詰める佐藤の右の蹴りをかわして左の突きは角野。角野は左ボディストレート。佐藤の腹が赤くなる。右回りを徹底する角野。角野の左をかわして右、左フックを当てる佐藤。その詰めには右にかわす角野。佐藤は右ミドルも浅い。角野の左も同様。佐藤は右から左まで繋ぐがかわす角野。左の蹴りで右回りを潰そうとする佐藤。  佐藤の入りをかわして左を当てた角野! 左ミドルを当てると右ジャブも詰める角野は右前手争いから左の突き。さらに左ボディストレート、右フック。佐藤の左右の詰めをかわして左ヒザ、入りに左を当てる。佐藤の右の蹴りをかわして、右ジャブ。佐藤が頭を下げて左フックで入ってきたところに左ハイ! 佐藤が腰から崩れ、残心を決めて追打はせず。  2R 4分44秒、角野がKO勝ち。プロ7戦目で新ウェルター級王者に輝いた。試合後はRIZIN出場をアピール。 [nextpage] フライ級、村元が関原との大熱戦でトップ奪いスプリット判定勝ち ▼DEEPフライ級 5分3R〇村元友太郎(ALIVE)57.0kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×関原 翔(K-PLACE)57.15kg 村元「この大一番。しっかり勝ってタイトルマッチに繋げられるように、『DEEP男祭り』最高に盛り上げたいと思います。応援よろしくお願いします」 関原「村元選手すごいスピードがあって強い選手なんで、しっかり僕が勝って王者に向けて頑張りたいです。応援よろしくお願いします」  村元は、2023年5月のDEEPでビョン・ジェウンに判定勝利後、同年10月の『RIZIN LANDMARK 6』で元UFCのホジェリオ・ボントリンに判定負け。しかし、2024年5月の前戦DEEPでは6連勝中のプロスペクトKENTAにスプリット判定勝ち。柔道ベースでパワフルなKENTAとのテイクダウン&スクランブル合戦を上回ったが、続く11月のRIZINで北米BTCフライ級王者のトニー・ララミーに判定負け。再起を図る。30歳。  関原は、2022年5月の伊藤裕樹戦で硬膜下血腫の大怪我から、グラップリング戦を経て、2024年5月のマサト・ナカムラ戦で2年ぶりに復帰し判定勝ち。9月に杉山廣平にもスプリット判定勝ちすると、12月にONE帰りの本田良介と対戦。本田のダウン後の反則のヒザ蹴りでDQ勝利となっている。33歳。村元のスクランブルを組技を磨いた関原は止められるか。  1R、サウスポー構えの関原に、オーソの村元。村元の右の低い蹴りに組んだ関原。ブルドッグチョークのような形で絞めるが首を抜いて押し込む村元、いったん離れてダブルレッグテイクダウン。関原はニンジャチョーク狙いで立ち上がり。仰向けになって外した村元がバック狙いも関原も足を戻して右の蹴り上げ!  被弾した村元だが足を手繰りに。関原はケージ背に立ち上がり。村元の右に左を返すと、村元が関原のローにダブルレッグテイクダウンでゴング。  2R、左で飛び込む関原。中央に回る村元は右を突いてダブルレッグ、その際で脇を潜りバッククリンチに。正対し離れる関原。右アッパーから左を狙う。サウスポー構えになる関原は右前手フック。インロー。圧力かける村元が関原の入りに右を当てるとダブルレッグから右。しかし、すぐに押し戻す関原が右カーフ! 2発当てる関原は左ジャブも。  右でも飛び込む関原に村元はダブルレッグテイクダウン。尻を着いてケージに座る関原がギロチンを狙いゴング。  3R、頭を下げて踏み込み右から左フックを当ててダウンを奪う関原! すぐに立つ村元がダブルレッグで尻を着かせるがすぐに立つ関原。そこに右足をかける村元。正対し離れる関原を追う村元は右で差すと、関原は右小外でテイクダウンも捨て身気味になり下に。すぐに立つ関原を右で差して押し込みシングルレッグテイクダウンは村元。  下からヒジを頭に付く関原に、村元はハーフからパウンド。左脇差しパス狙い。関原の蹴り上げをさばきながら鉄槌! 村元も足を越えさせず。ゴング。  判定は割れて29-28×2, 28-29で村元が接戦を制した。 [nextpage] スタンドで優位に立ったイェジが、引き込む大島にトップからも攻めて判定勝ち ▼DEEP JEWELS アトム級 5分3R×大島沙緒里(リバーサルジム新宿 Me,We)47.45kg[判定0-3] ※28-29×3〇イ・イェジ(韓国/team aom)48.10kg 大島「(Me.Weに)移籍して一発目の試合なので、勝って終われるように頑張ります」 イェジ「大島沙緒里選手と試合が出来て嬉しいです。よろしくお願いします」  アトム級戦。大島は、現DEEP&DEEP JEWELSミクロ級王者。元DEEP JEWELSアトム級王者。2020年にMMAデビューし、RIZINで浅倉カンナ、山本美憂、ソルト、クレア・ロペスに勝利。20245月のDEEP JEWELSで村上彩に1R TKO勝ちし、DEEPとDEEP JEWELSミクロ級王者となった。  2024年6月のInvicta FC 55でアトム級でアンドレッサ・ロメロ(ブラジル)に判定負け。約11カ月ぶりの試合に大島は、自身のInstagramに「私自身の怪我や対戦相手が見つからず、試合から遠ざかっていましたが、11ヶ月ぶりにDEEPで試合をさせていただくことになりました。また、昨年8月に長くお世話になったAACCを離れ、今回からリバーサルジム新宿Me,Weとして戦います。AACCでMMAと出会い、多くの経験を積ませていただきました。本当にありがとうございました。日本で試合をする機会も少なくなっているので、応援に来ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!」とジムの移籍と再起戦への意気込みを記している。30歳。  対するイェジは、2015年にMMAデビュー。2019年に梅原拓未に2R TKO勝ち後、2023年9月のDEEP JEWELSで4年ぶりに復帰し、古瀬美月に判定勝ち。2024年9月のDEEP大阪で49kg契約で須田萌里と対戦し、1R 腕十字で敗れている。25歳。  1R、回転速い打撃のイェジはダブルレッグテイクダウン。ギロチンスイープの大島はトップに。イェジはディープハーフから潜り。ヒジ打つ大島に、イェジも下から腕十字狙い。上四方から左脇をすくい腕十字もまたいで外すイェジは内ヒールに。ヒザを抜いてトップを奪う大島の足関節狙いにトップを取るイェジ。  互いに激しいスクランブルからトップのイェジに大島は背中を着いてフルガード。中腰から鉄槌のイェジ。ハーフで左で脇差し押さえ込んでトップから左のパウンドでゴング。  2R、イェジの右ローに合わせてシングルレッグの大島。がぶるイェジのテイクダウンに大島はギロチンチョーク。足がひっかかり、イェジのオーバーパンツが脱げてしまい、スパッツ姿となり、体を離したイェジがパンツを戻す。ブレーク。  再開。シウタンドで右で殴って右ミドル、さらに右に大島は引き込む形に。トップから足を持って蹴るイェジが、大島の引き込みにパウンドから左枕で肩固め狙い、さらにパスから腕十字狙い。これを外した大島をインサイドガードに入れるイェジ。トップの大島にイェジはラバーガード。大島は体を上げインサイドからパウンド。下のイェジも細かいパウンドでゴング。  3R、大島のジャブ、ストレートからの組みを切るイェジ。大島はシングルレッグを切られると再び引き込む形に。フルガードの大島に離れるイェジ。右から左をコンパクトに付くイェジに大島は下に。イェジはスタンドから蹴り。大島の立ち際に右を突く。首を抱えて投げを狙う大島にボディロックテイクダウンはイェジ!  サイド奪うイェジはマウントに移行。大島は腰を押して足を戻すが、スイープは出来ず。フルガードの大島に左足をパスするイェジは左のパウンド! 大島は背中を着かされたままゴングを聞いた。判定は29-28×3でイェジが勝利。 [nextpage] 伝統派空手出身RISE直樹が、SB柔道の奥山の投げから立って右でTKO勝ち ▼DEEPフェザー級 5分3R×奥山貴大(NEXSPORTS)66.10kg[1R 1分48秒 KO] ※右ストレート〇直樹(FIGHTER'S FLOW)66.15kg 奥山「NEX奥山です。トーナメント2回戦よりも面白く盛り上げて、勝っていこうと思ってるんで、応援よろしくお願いします」 直樹「FIGHTER'S FLOWの直樹です。まさかね、僕のMMAデビュー戦前日に代表が試合だなんて聞いてないですけどね。びっくりしてます(笑)。RIZINとDEEPフェザー級、全員震えさせるような衝撃的なMMAデビュー見せたいと思ってます。よろしくお願いします」  初MMAの直樹は、第7代RISEライト級王者。堀口恭司と同じ伝統派空手出身で独特の間合い操作と当て勘の良さでRISEライト級の上位選手として長く活躍。2019年11月にはムエタイ大会『スックワンキントーン』でスーパーライト級王座決定戦に勝利し、プロ初戴冠を果たした。2020年10月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」では準決勝で優勝候補の白鳥大珠を1R1分30秒、ヒザ蹴りによるTKOで破る番狂わせを演じ、決勝では原口健飛にKOで敗れるもインパクトを残した。  2021年1月には秀樹を破り悲願であった第7代ライト級王座に就き、9月には白鳥と再戦して延長戦の末に白鳥を返り討ち。11月に元5冠王ジャルンチャイ・ライオンジムを3R KOに下すなど3連勝も、以降、山田洸誓、デニス・ウォシク、チャド・コリンズ、中村寛を相手に4連敗中。キック戦績は19勝(10KO)9敗。  身長175cmのオーソドックス構えの直樹は、空手仕込みの間合いのコントロールを武器に、ロー、カーフキック、巧みな右ストレートに加えてハイキックでのKO勝ちもマークしている。もともとPRIDEの大ファンでPRIDEのテーマを入場曲にしたほどの総合格闘技愛を、今後はMMAファイターとして発揮するか。他競技からのMMA転向者を多く輩出するFIGHTER'S FLOW所属として出場する。32歳。  対する奥山は、シュートボクシング日本ウェルター級王者。柔道出身の投げも武器に、2022年6月のSB日本ウェルター級王座決定戦で村田義光に大腰で2度のシュートポイントを奪うなどで差を付けて念願の王座を獲得。その後はチェ・ヒョンソク、青谷秋未に勝利し、2024年6月にはイモト・ボルケーノを破り初防衛にも成功。5連勝をマークしていたが、9月のNJKFで亜維二に判定負けを喫した。2024年12月のSB TDCホール大会で白川ダーク陸斗に腕十字で勝利し、鮮烈のMMAデビュー。3月のDEEPフェザー級GP一回戦で、極真空手出身の海飛と立ち技で競り合うも判定負け。MMA3戦目で覚醒なるか。31歳。  強い投げも持つ奥山に対し、いかに直樹は間合いを制して組ませず打ち勝つか。注目の立ち技出身MMAフェザー級戦だ。  1R、ともにオーソドックス構え。奥山は右ローから。直樹はワンツー。奥山は右カーフ。直樹はジャブ、右ストレートを当てて奥山に腰を落とさせると右ヒジも。引手を掴んで強引に払い腰の奥山だが、腕を抜いて立つ直樹は、ジャブ、ワンツーの右、さらにノーモーションの右でダウンを奪い、TKO勝ち。  試合後、直樹は「RISEのチャンピオン、レベル違うでしょ。昨日のRIZINで打撃のストライカーもいるけど、レベル違うっしょ。シュートボクシングの世界王者どうかな? MMAやってるけど」とRIZIN参戦と鈴木博昭戦をアピールした。 [nextpage] フライ級アマチュア戦でBBJ小祝がJTT琥に判定勝ち ▼DEEP フライ級 アマチュアSルール 3分2R×琥(JAPAN TOP TEAM)57.10kg[判定0-3] ※18-20×3〇小祝歩夢(THE BLACK BELT JAPAN)56.85 琥「第1試合から会場を沸かせて俺が勝ちます。みんな応援よろしくお願いします」 小祝「喰ってやろうと思います。お願いします」  1R、ともにオーソドックス構え。琥が右ロー。小祝はシングルレッグテイクダウン。サイドから袈裟、アメリカーナ狙い。ブリッジで返した琥がサイド、パウンド。小祝はスクランブルでシングルレッグでレッスルアップ、トップ奪い返しゴング。  2R、左ハイの小祝。シングルレッグでテイクダウン。ハーフの琥は足を戻して蹴り上げから立とうとするが、小祝はその際でバックに。落ち際にキムラクラッチ。  またぐ琥に小祝も離してボディロック。ともに首相撲ヒザから右前蹴り連打の小祝でゴング。  判定3-0(20-18×3)で小祝が勝利。
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