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【GLORY】クワジとベスタティはまたもドローでクワジ防衛、ボアペアがラテスクを戦闘不能に追い込んでTKO勝ち、ドン・スノが熱闘でスマイリに競り勝ち

2025/05/02 08:05
GLORY UNDERGROUND: POWERED BY BETR2025年5月2日(金)米国BETR本社※GLORY公式YouTubeにてLIVE配信 ▼メインイベント GLORY世界ウェルター級タイトルマッチ 3分5R△チコ・クワジ(オランダ/王者)ドロー 判定1-1△ティジャニ・ベスタティ(オランダ/挑戦者)※クワジが3度目の防衛に成功。  クワジは2017年6月に『スパルタカス・ファイティング・チャンピオンシップ』K-1 -75kg王座を獲得。2019年11月の『KOKウェルター級トーナメント』で優勝し、同時にIKBO K-1ルール王座も獲得。2021年10月にはKOKウェルター級王座を獲得すると、2023年3月から『GLORY』に参戦。ステファン・オルザ、ロビン・シリック、ジェイ・オーバーメールに3連勝し、2024年3月に絶対王者として君臨していたエンディ・セメリアから3度のダウンを奪い、王座を奪取した。  2024年10月に初防衛戦でGLORY世界ライト級王者ベスタティの挑戦を受け、ドローで初防衛に成功。2025年2月にはテオドール・フリストフに判定勝ちし、2度目の防衛に成功している。戦績は44勝(23KO)5敗1分。3度目の王座防衛を達成すればセドリック・ドゥンベ、ニキー・ホルツケン、セメリアと並んで、ウェルター級タイトル連続防衛記録を更新することになる。  ベスタティは2016年からGLORYに参戦し、 ストーヤン・コプリヴレンスキー、シッティチャイ・シッソンピーノン、マラット・グリゴリアンには敗れるも高い勝率で、2021年9月には王座決定戦でエルビス・ガシを破りGLORY世界ライト級王座に就いた。同王座は2022年5月にジョシュ・ジャンシーをKO、同年10月にコプリヴレンスキーにリベンジを果たして2度の防衛に成功。2023年3月には同時二階級制覇を狙ったGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンの挑戦もKOで退け、3度目の防衛。  8月には海人を判定で破り4度目の防衛、そして2024年3月にエンリコ・ケールに判定勝ちで5度目の防衛に成功した絶対王者。2024年7月にはウェルター級に階級を上げ、元王者で1位だったセメリアに判定勝ち。2024年10月に同時2階級制覇を狙いウェルター級王者のチコ・クワジに挑戦もドローとなっていた。27勝(9KO)4敗1分。  1R、ジャブを伸ばしながら前へ出るベスタティにクワジは右ロー。軽く右ローを蹴るクワジにベスタティは左右フックを叩きつけるがクワジのガードは堅い。連打を繰り出すベスタティにクワジはガードして前蹴り、右ロー、時折右ストレートを放つ。静かな立ち上がりとなった。  2R、クワジは右ローに加えてカカトでベスタティの前足を蹴る。ベスタティはジャブ。クワジはジャブをもらうとすぐにジャブを返して左右の連打、ベスタティは右フックを返すがすぐにクワジが連打を返してくる。圧を強めるクワジはパンチを見せておいての右カカト蹴りと右ロー、右フックもヒットさせる。この試合ではほとんどステップを使わないベスタティは右カーフを蹴るが、そこへクワジがジャブを合わせる。打ち合いになったところでクワジの右フックがヒットし、グラついたベスタティはダウンを取られた。  3R、右オーバーハンドを繰り出して前へ出るベスタティ。クワジは軽く当てるようなジャブと右ストレート、のらりくらりと動くクワジはいきなり前へ出ての連打を繰り出すトリッキーな動き。ベスタティの左ボディがローブローとなって一時中断。左右フックを強振し、右カーフを蹴るベスタティだが空振りさせられる。ワンツーで入って来たクワジにベスタティが右ストレート。クワジは入り込んでの左右連打。  4R、ジャブを打つベスタティだがクワジの右を被弾。クワジは右ストレートを出しながら前進、ベスタティを下がらせる。ベスタティが蹴りを出すとパンチを合わせるクワジ。のらりくらりと動き、緩急をつけるトリッキーな動きのクワジにベスタティは空振りが目立つ。クワジの左フックにのけ反るベスタティ。  5R、ベスタティはワンツーも左ミドルにジャブを合わされる。クワジはワンキャッチからのヒザ。右を連打するクワジがキャッチしてのヒザ。クワジの前へ出てのジャブ連打に転倒するベスタティ。クワジのトリッキーな動きに全く持ち味が出ないベスタティは空振りを繰り返し、そこへクワジが右を軽く当てる。最後はクワジが右ストレートと右ローで前へ出た。  両者ともコーナーへ登って勝利をアピールする。ジャッジの集計に長い時間がかかり、判定は1-1でドロー。再戦もドローでクワジの防衛となった。 [nextpage] ▼コー・メイン ライトヘビー級 3分3R×ステファン・ラテスク(ルーマニア/世界ライトヘビー級6位)TKO 2R○マイケル・ボアペア(ガーナ/世界ミドル級1位)  ラテスクはアマチュアボクシングで150戦以上を経験し、ジュニアキック時代にISKA世界クルーザー級王座に就いた。2022年12月のK-1に初来日を果たすと、マハムード・サッタリを強烈な左フックでKOして初黒星を付け、大きなインパクトを残す。2023年3月の2戦目では谷川聖哉にローキックでダウン寸前まで追い込まれるも右フックで逆転KO勝ち。7月はK-Jeeも初回KOに沈めた。GLORYには9月に初参戦を果たし、パスカル・トゥーレに判定勝ちで初陣を飾った。  11月の2戦目ではイブラヒム・エル・ボウニをTKOに破り、2024年6月のライトヘビー級GPに出場したが、1回戦でアベナに3RでKO負け。8月にはセム・カセレスに初回KO負け、12月もセルゲイ・マスロボイエフに判定負けと3連敗中。GLORY世界ライトヘビー級6位。  ボアペアはRINGS Holland Fighting Networkが主催する『Rings Gala』を主戦場とし、2022年3月には『Rings Fighting Network 2022』にてRINGSミドル級タイトルマッチを経験(ケビン・ヴァン・ヘッケレンに判定負け)。2022年8月からGLORYに参戦するも、2戦目でセルゲイ・ブラウンに判定負け。2023年3月には当時ミドル級3位のエルトゥールル・バイラックを判定で破り、6月にはウルリック・ボケメにTKO勝ち、8月にセルゲイ・ブラウンに3連勝を飾っていたが、11月のGLORY世界ミドル級タイトルマッチで王者ドノバン・ウィッセに判定で敗れた。  2024年5月の再起戦でセルカン・オズカグライヤンに判定勝ちすると4連勝。前戦ではライトヘビー級に上げた初戦でイブラヒム・エル・ボウニに3RでKO勝ちした。戦績は20勝(8KO)4敗1分。普段は棺桶作りの職人。  1R、右ローの相打ちからボアペアが飛びヒザ。右カーフと右ヒザのボアペアにラテスクはジャブを突きながら前へ出る。早くも左足を意識している様子のラテスクはジャブから右ストレート、ボアペアはボディへのジャブと右カーフ、ワンキャッチのヒザ。前足を蹴られまくるラテスクは手数が少なく、右の強打を放つもボアペアが飛びヒザ蹴りから左フック。  2R、ワンツーから右カーフを蹴るボアペアに、ラテスクが右足をロープにかけてスタンディングダウン。続いての右カーフでも転倒してダウンをとられ、また右カーフを蹴られるとロープに足を乗せてダウンカウントが数えられる。なぜか試合は続行され、ボアペアは左右フック、右アッパーから右カーフ。ラテスクはもう足が動かない様子で両手を広げて試合放棄。ボアペアのTKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第3試合 ウェルター級 3分3R○ドン・スノ(スリナム)判定2-1 ※29-28×2、28-29×ユネス・スマイリ(モロッコ)  2月にKO勝利を収めたばかりの5勝(3KO)2敗の成長株ドン・スノが、42勝(19KO)3敗と経験豊富なユネス・スマイリと対戦。  1R、スノが左ローで先制、右フックから左ボディを打つとスマイリは左ロー。スノが左フック、左ボディ、右ロー。スマイリはサウスポーになって左ボディ、右アッパー、左ロー。両者スイッチを多用する。スマイリの左フックがヒットするが、スノが前に出て左右フックと右ロー、スマイリも応戦して左右フック。激しい打ち合いが繰り広げられた。  2R、左右フックを回転させて前へ出るスマイリは右カーフも連打。さらに後ろ廻し蹴り。スノも前へ出て左フックから右アッパー、ワンキャッチのヒザ蹴り。プッシュして左右フックを放つスノにスマイリは右カーフ。スノはワンキャッチのヒザを多用してカーフを蹴らせないようにする。  3R、ミドルの蹴り合いからスノは右アッパー、スマイリもすかさずアッパーからの左右フックを返す。右カーフを警戒するスノは左ボディからワンキャッチのヒザ。スマイリは回転蹴りを繰り出すが空振りして転倒する。至近距離でフックとアッパーを打ち合う両者だが、スノが左ボディをヒットさせる。ガムシャラに前へ出るスマイリは左フック。スノは左右のバックハンドブロー連打で応戦。  両者とも両手を上げて勝利をアピールしたが、判定2-1でスノの勝利となった。 [nextpage] ▼第2試合 ウェルター級 3分3R×ゲイリー・マック(米国)判定0-3 ※27-30×3○アンドリヤ・スタンコビッチ(セルビア)  21勝(7KO)2敗1分のゲイリー・マックがフロリダを拠点とする27勝(14KO)4敗のアンドリヤ・スタンコビッチと対戦。  1R、前へ出るのはスタンコビッチ。プレッシャーをかけて左フックを強振し、右ストレートを打つ。サウスポーのマックはジャブ、左ストレート、左ミドルを打って回り込む。スタンコビッチはやや空回り気味か。  2Rも前に出るスタンコビッチだが、マックは左ストレート、左ボディで迎え撃つ。右フックを強振し、左フックを打つスタンコビッチ。リングを大きく回り込むマックをジャブでコーナーへ追いつめるスタンコビッチ。マックはロープやコーナーを背にしてジャブ、左ストレートを打つ。スタンコビッチは飛びヒザの奇襲。  3R、いきなり右ストレートをヒットさせるスタンコビッチ。ジャブから右フック、左フックを強振する。マックはジャブを突いての左ストレートを打って回り込む。そこへスタンコビッチの右フック。スタンコビッチの左右フックがヒットし、マックは飛びヒザ蹴りを放つがスタンコビッチは下がらず前へ出て右ロー、右ミドル。なぜかパンチが出なくなったスタンコビッチにマックがコンビネーションパンチを繰り出す。  判定3-0でスタンコビッチが勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 ヘビー級 3分3R○デルビン・ニコルズ(米国)判定×デミトリ・ライマン(米国)  1勝2敗のデルビン・ニコルズ(30歳)と、アレックス・ペレイラに影響を受けたアマチュア王者でプロデビュー戦のデミトリ・ライマン(19歳)によるアメリカン・ヘビー級対決がオープニングを飾る。  1R、ニコルズはサウスポーからジャブ、左ロー、ライマンもジャブを突いて左ハイを軽くヒットさせる。ニコルズが右ミドルを蹴ればライマンも右ミドルを返す。ライマンのミドルをキャッチして軸足払いで転倒させるニコルズ。サウスポーになったライマンはワンツーから右ミドルもかわされる。  2R、両者ジャブを突き合うが前へ出ていくのはニコルズ。前蹴りも放つ。両者ともジャブを多用する割には他の技の空振りが目立つ。ジャブから左ローのニコルズは、ライマンがローを蹴ってくるとしっかりカット。左フックを当てたライマンは左ハイから後ろ廻し蹴りを繰り出すが空振り、ニコルズは尻を振って余裕を見せる。  3R、ライマンは回転蹴りを繰り出すが空振り。ワンツーから左ボディはライマン、ニコルズはジャブを突く。前へ出るライマンがパンチでニコルズをロープ際へ追い込む場面もあった。 判定でニコルズの勝利に。
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