Krush.1732025年4月29日(火)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合)Krushライト級 3分3R延長1R○児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)KO 3R 2分43秒 ※左フック×上野空大(kickboxing gym SHINYUUKI+)
児玉は2020年11月からKrushに参戦し、2戦目で提髪和希に判定で敗れるもその後は3連勝。2023年6月にKNOCK OUTの大谷翔司に判定で敗れ連勝はストップしたが、2024年1月には第6代Krushライト級王者・瓦田脩二からKO勝利、12月に第9代Krushライト級王者・伊藤健人に判定勝ち。2025年2月の「Krushライト級トーナメント」1回戦で天野颯大に延長戦で敗れてからの再起戦、またK-1反乱軍「RibelLion」に加入して初の試合となる。戦績は7勝(2KO)3敗。
上野は3歳から空手を始め、フルコンタクト空手では通算70大会で優勝を果たしている“フルコンタクト空手70冠”。2021年からK-1アマチュアに出場し、2022年3月の第12回K-1アマチュア全日本大会のチャレンジBクラス優勝、9月の第13回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラスでも優勝。
2023年3月の『K’FESTA.6』プレリミナリーファイトでプロデビューを果たし、4勝(2KO)無敗の快進撃を続け、2024年9月にゴンナパー・ウィラサクレックの対戦相手に抜擢。体重超過していたゴンナパーに3RでTKOに敗れ、初黒星を喫した。今回が再起戦。空手仕込みの多彩な足技を得意とする。
1R、蹴りを放つ上野に児玉は右カーフ、上野が蹴ってくるとパンチを合わせに行く。上野に蹴らせないようにどんどん前へ詰めて接近戦を挑む児玉。左ボディをヒットさせる。上野は至近距離でも蹴りを放ち、ヒザを突き刺す。
2R、上野はジャブを突いて距離を作り、左ローを集中して蹴る。児玉はやはり距離を詰めて左ボディ、左右フック。上野も至近距離でパンチをヒットさせるが、児玉は左右フックを打ち返す。児玉のパンチに上野はヒザで応戦。
3R、児玉が勝負を懸けて打ち合いに行くと上野もこれに応戦。すると児玉はここで右カーフを蹴る。上野も蹴り返すと児玉は距離を詰めて左右フック連打。上野も打ち合うが児玉の左右フックが次々とヒット。右アッパーも。最後は左フックで上野がダウン、様子を見てレフェリーがストップした。
壮絶な打ち合いでKO勝ちを飾った児玉は超ハイテンションでリングの上をウォーク。マイクを持つと「何も言うこと考えていなかったから以上」と、反乱軍、同門の塚本らと勝利を喜んだ。
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▼セミファイナル(第8試合)Krushフェザー級 3分3R延長1R×新美貴士(名古屋JKファクトリー/第5代Krushフェザー級王者)判定1-2 ※29-30×2、30-29○関口功誠(ALONZA ABLAZE)
新美は2018年8月からK-1 GROUPに参戦し、2020年の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」で優勝して王座に就いた。同王座は2022年5月の4度目の防衛戦で玖村修平に敗れて失っている。2023年3月のRISEでRISEフェザー級王者・門口佳佑に判定で敗れた。6月に無敗の寺田匠からダウンを奪って初黒星を付け、2025年2月にK-1フェザー級王者になった寺田と再戦したが判定負けで王座奪取ならず。戦績は18勝(8KO)11敗1分のサウスポー。
関口は第14回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス-65kg優勝、第51回K-1アマチュアチャレンジAクラス-65kg優勝。2023年7月にプロデビュー以来、6戦全勝(4KO)無敗の快進撃を続けている。
1R、いつも通り開始と同時に前へ出て手数を出していこうとした新美に関口も最初からフルスロットル。関口の強烈な左右フック、左ボディが決まるが、新美は下がらず前へ出続ける。
2R、前へ出る新美は左ミドルと左ストレート、関口は強烈な左ボディ、左右フックで応戦する。新美と同じ手数で勝負する関口だが、一発一発の重さで優る。新美が左ミドルと左ストレートをヒットさせて優勢も、関口も終盤巻き返した。
3Rも激しく打ち合い、蹴り合う両者。関口は新美の手数に全く負けていない。局面では手数で上回る場面もある。新美もコンパクトな右フックで応戦する。関口は歯を食いしばりながら左右フックで前へ。最後まで両者とも手数を出して打ち合い、蹴り合った。
判定は2-1で関口の勝利。元王者を破り、無敗記録を伸ばした。
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▼第7試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R○塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)KO 2R 1分28秒 ※右ストレート×岩﨑悠斗(サイガジム)
塚本はK-1アマチュアを経て、2018年9月にKrushでプロデビュー。2019年10月から2021年6月まで3連敗を喫したが、2021年11月の川島康佑戦から2023年1月の大野祐志郎戦まで5連勝。「第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント」では準決勝で小嶋瑠久に敗れるも小嶋の棄権で決勝へ進出。稲垣柊にTKOで敗れた。2024年1月に近藤魁成、8月には不可思から判定勝ちを収めている。前戦は12月に佐々木大蔵に判定負け。戦績は8勝(2KO)7敗2分。
岩﨑は高校時代にK-1甲子園に出場し、プロデビュー後はJ-NETWORKスーパー・ライト級王座とS-BATTLE KICKライト級タイトルを獲得。2013年7月からKrushに参戦すると、東本央貴、佐々木大蔵、安保瑠輝也から勝利を収めた。しばらく試合から離れていたが、2022年4月にKPKB(九州プロキックボクシング)に参戦し、ダルビッシュ黒木から復活のKO勝利。同年8月のK-1ではいきなりゴンナパーに挑んだが、TKO負けを喫した。前戦は2024年11月に川﨑聖亮朗に判定負け。戦績は22勝(10KO)7敗2分。
1R、カーフの蹴り合いから右ストレートで前進するのは塚本。岩﨑も右のショートをヒットさせるが、終盤に塚本が右ストレートを連続ヒットさせた。
2R、右ミドルの蹴り合いから塚本が矢継ぎ早にワンツー。岩﨑も右を打ち返すが、塚本のパンチの回転が速く、右ストレートが次々と決まる。右ストレートでダウンを奪った塚本はさらにラッシュをかけ、ワンツー、右ストレートを連打。一方的な展開となり、ここでレフェリーがストップした。
気迫の猛攻でKO勝ちした塚本は「試合前にいろいろあって父が倒れたり、練習仲間が今度どうなるか分からない怪我を負ってしまって今日はどうしても勝ちたかった」と語った。
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▼第6試合 Krushウェルター級 3分3R延長1RדDARUMA” 健太(K-1ジム蒲田チームアスラ)判定0-2 ※29-30×2、30-30○大石昌輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
DARUMAは2022年7月からKrushに参戦。初戦はKO負けを喫したものの、10月の2戦目からは3連勝を飾った。2024年8月に海斗を右ストレートと右フックでダウンさせての判定勝ち、2025年1月には山際和希にKO勝ちした。戦績は6勝(3KO)3敗。
フルコンタクト空手界で活躍した大石は4歳で空手を始めジュニア時代から頭角を表し、中学・高校と数々の大会で優勝。2015年から2017年までJKJO全日本一般重量級では3連覇を達成。フルコンタクト空手の統一大会であるJFKO全日本選手権大会でも上位に進出している。空手時代は内廻し蹴りを得意に。2023年3月のKrushでデビューし、1Rわずか52秒でKO勝ちすると、6月のK-1では夜叉猿も1R1分17秒でKOした。3戦目でブハリ亜輝留に判定負けで初黒星。2勝(2KO)2敗。
1R、大石は前足を自由自在に動かしてフェイントを使いながら上と下に蹴り分けていく。DARUMAは前に出てボディ、左右フック。大石はカーフ、左ミドルも蹴る。
2R、大石は蹴り技に加えて右オーバーハンドも繰り出す。インローを蹴る大石にDARUMAは接近してボディを叩いていく。前半は大石の蹴りと右フックが目だったが、後半はDARUMAのボディ、アゴへのヒザ、左右フックが目立った。
3R、左右インローを蹴る大石にDARUMAは左右ボディと左右フック。完全に大石の蹴りとDARUMAのパンチという図式となり、どんどん蹴っていく大石。終盤には大石も左右フックを打ち、根性比べのような接近戦での打ち合い・蹴り合いが終了。
判定2-0で大石が勝利をもぎ取った。
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▼第5試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R×松本篤人(バンゲリングベイ・スピリット)KO 1R 0分17秒 ※左フック○坂本優輝(ARROWS GYM)
1Rが始まってすぐ、坂本の右ローからの左フックが決まり、松本はその場で崩れ落ちて失神KO。担架で運ばれた。
「試合で見せたので言うことはないです。自分はチャンピオンになれる人間にしてもらっているので注目してください」
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▼第4試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R○林 佑哉(K-1ジム大宮チームレオン)判定3-0 ※30-28×2、29-28×愛瑠斗(RAUSU GYM)
1R、序盤から圧をかけて前へ出る林がパンチを当てていき、左ジャブが当たったところで愛瑠斗がしゃがみ込んだためこれがダウンに。しかし、立ち上がった愛瑠斗は左三日月、左カーフ、左ミドル、左ヒザと左の蹴りを多用して逆襲。これに林が下がる。
2R、左フックと右ストレートで攻める林は、愛瑠斗が左ミドルを蹴ってくると右インローを合わせる。愛瑠斗もワンツーを繰り出して前へ出るが、林は左右のカーフとボディブロー。愛瑠斗は蹴りからパンチへとつないで前へ出るが、林のパンチに後退する場面があり印象が悪い。
3R、左ミドルと顔面前蹴りの愛瑠斗に林は前蹴りと右ストレートで応戦。どんどん蹴ってくる愛瑠斗に林は前へ出てのパンチで応戦。左右フックに愛瑠斗が頭が揺らぎ、蹴っても林はすぐに打ち返してくる。最後に左右フックで攻め込んだ林が判定勝ち。熱闘を制した。
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▼第3試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R○板橋武留(KIWAMI GYM/初代Bigbangバンタム級王者)KO 延長R 0分59秒 ※パンチ連打×鵜澤悠也(RIKI GYM)※本戦の判定は29-30、30-29、30-30
1R、左ミドルを蹴るサウスポーの鵜澤に板橋は左右のカーフを鵜澤の前足に集中させる。両者手数は少な目。
2Rも鵜澤が左ミドルを蹴り、右アッパーを見せてからの左フックを当てていく。板橋は右の三日月。
3R、手数を増やして前へ出るのは板橋。クリーンヒットはないが、ワンツーを放って前へ出る。これに鵜澤はクリンチが増えてしまうが左フックを打つ。
本戦の判定はドローで延長戦へ。ここで板橋の右ヒザがカウンターでグサリと決まり、鵜澤が後退。板橋は右フックを打ちながら一気に前進し、右の連打でダウンを奪う。
最後はパンチの連打で鵜澤を追いかけ、鵜澤が2度目のダウンを喫したところでレフェリーがストップした。
「移籍して一発目で全然動けなかったのでまだまだ課題あるんですけれど、バンタム級のベルトがないと気が済まないのでこれから目指していきます」
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▼第2試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R×鈴木太尊(クボジム)KO 1R 2分42秒 ※後ろ蹴り○遥心(K-1ジム総本部チームペガサス)
1R、前へ出る遥心が左インロー、ワンツー。ロープを背負った鈴木に遥心が左三日月蹴りを突き刺し、ダウンを奪う。
立ち上がった鈴木に遥心は今後は後ろ蹴り、これで鈴木がうずくまるようにダウンし、遥心の見事なKO勝ちとなった。
「ずっとKO続いていて僕も絶対に倒してやろうと思っていたので、こういう結果になって嬉しいです」
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▼第1試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R○倉田永輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 1R 2分12秒 ※3ノックダウン×水津空良(team NOVA)
1R開始と同時に相手コーナーまで行った倉田の右ローが水津の急所を直撃、中断となる。再開後、一発一発が強い攻撃を放って行く倉田が左フックでダウンを奪う。
一気に畳み込む倉田だったが、水津の左フックをもらって大きくグラついて後退。逆転の期待に場内が沸くが、ここで倉田も打ち合いにいき、右の相打ちの形で右をヒットさせて2度目のダウンを奪う。
最後は左右フックのラッシュで一方的な展開となり、倉田が豪快KO勝ちを飾った。
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▼プレリミナリーファイト第3試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R○山本 陸(K-1ジム総本部チームペガサス)KO 1R 2分09秒 ※3ノックダウン×野中大翔(K.I.K team BLADE)
1R、右カーフを蹴る山本に野中は左ミドル。右で蹴ろうとした野中に山本が左ジャブを突き刺し、ダウンを奪う。
蹴りで体勢を立て直そうとした野中だが、山本が左右フックのラッシュを仕掛けて右オーバーハンドでダウンを奪う。最後も打ち合いに持ち込んだ山本が今度は左フックでダウンを奪い、KO勝ちした。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushライト級 3分3R×佐野純平(K-1 GYM横浜infinity)KO 1R 0分46秒 ※左フック○光弥(POWER OF DREAM)
1R序盤から飛ばしていく光弥がパンチを放って前へ出る。ワンツー、右ストレートで佐野にロープを背負わせると最後は右フックからの左フックで佐野をダウンさせた。
立ち上がろうとした佐野だが、鼻血が流れ、フラフラしていたためレフェリーがストップした。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushバンタム級 3分3R×田中康友(KIZUNA田川本部道場)KO 1R 1分46秒 ※左フック○松谷 梛(キャピタルレイズ fighting GlaNz池袋)※田中が1.9kgオーバーのため減点2、ファイトマネー30%減額、グローブハンデは松谷が拒否。
1R、松谷は遠い距離からジャブ、横蹴りを放ち、右カーフを蹴る田中に右ストレート。ジャブから一気に近づくとパンチをまとめ、切れ味鋭い左フックでダウンを奪う。最後も左フックでダウンを奪い、レフェリーがここでストップ。松谷三兄妹の次男が衝撃のデビューを飾った。