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【ZFN】“コリアンゾンビ”の愛弟子ジャン・ユンソンが、佐藤天に続き阿部大治にも勝利「これで7勝1敗、より高いステージに行きたい」

2025/04/09 12:04
 2025年4月5日(土)韓国ソウルのスポモチブにて『ZFN ORIZIN 01』(YouTube配信)が開催された。メインイベントのウェルター級戦では、日本の阿部大治が参戦。2024年12月の『ZFN02』で佐藤天に辛勝している韓国のジャン・ユンソンと対戦した。  MMA13勝9敗の阿部は、柔道&キックベース。PANCRASEでデビュー4戦でウェルター級王座につくと、2017年9月にUFC参戦で1勝2敗。ONEで2連敗後、2020年からDEEPに参戦し、2021年2月にDEEPウェルター級暫定王座獲得。  同年のRIZIN初参戦はライト級でアキラに敗れたものの、以降ウェルター級で3連勝。しかし、2023年2月のDEEPで鈴木槙吾に敗れ王座陥落すると、RIZINでイゴール・タナベに一本負け。2024年2月に押忍マン洸太を1R KOに下すが、同年7月のDEEPで嶋田伊吹に1R リアネイキドチョークで一本負け。  2024年10月の『Fight Club 2』では、10年ぶりのキックルールで体重超過のコントゥアラーイ・JMボクシングジムに判定勝ち。その2週間後に『JAPAN MARTIAL ARTS EXPO』に参戦し、83kg契約の階級上のミドル級でユン・テヨンと対戦。2R カットによるTKO負けを喫している。33歳。  対するジャン・ユンソンは“コリアンゾンビ”ジョン・チャンソンの愛弟子。MMA6勝1敗で、2024年6月のZFN旗揚げ大会で倉岡寿美津に1R TKO勝ちすると、12月の『ZFN 02』で佐藤天の組みに苦しみながらも打撃で攻勢の場面を作り、まさかのフルマークの判定で佐藤を下している。佐藤と同じく元UFCの阿部を下し、UFCへのステップアップを果たすか。22歳。 ▼ウェルター級 5分3R〇ジャン・ユンソン(韓国)[3R 0分21秒 TKO]×阿部大治(日本)  ダナ・ホワイト代表が熱視線を送る韓国のUFC登竜門大会ZFN。その新機軸大会『ZFN ORIZIN』の旗揚げ大会のメインとなる。  1R、ともにオーソドックス構え。先に阿部から左インロー。ジャンは左ジャブ。ワンツー後に右カーフを蹴る。  阿部は再びインカーフから左ハイ。ブロッキングのジャンに右ジャブを見せて右カーフを当てる。  阿部の左ジャブに右をかぶせたジャン。詰めるジャンに阿部も右フックをヒット。左で差したジャンはボディロックからシングルレッグも、半身の阿部は右足を外に出して右手で右手首をコントロール。キムラクラッチで後方に回そうとするが、残したジャンは左差しで押し込み。  そこに右オーバーフックの阿部は体を返して払い腰! が見事な一本ゆえに、その勢いのまま巻き込み上を取ったのはジャン。阿部のバックにつくと立ち上がろうとする阿部をボディロックで後方にテイクダウン。阿部もすぐに立ち上がり、壁際で正対して突き放す。  左インローを当てる阿部に、ジャンは右カーフ。阿部は細かいスイッチで右スーパーマンパンチを突く。しかし顔をずらしているジャンが前に出ると右ロー、左ボディ、右で前に。阿部も右ストレートに左フックをかぶせて打ち合いに。  前進して組むのはジャン。シングルレッグに阿部は再び半身で手首を持ってオーバーフックでキムラクラッチ。バック狙いのジャンは左で送り手を掴むが、右足を外に出した阿部。離れるジャン。  左フックで飛び込む阿部。バックステップでかわすジャン。左からワンツーの回転速く打ち込む。被弾した阿部は左ジャブを突くが、頭をずらすジャン。ジャンのラウンドに。  2R、小刻みなステップからのワンツーの阿部をかわすジャンは右ロー。阿部も右カーフを返すと、ジャンは左前足を流す。直後にワンツーで踏み込む阿部。そこに左前手フックを狙うジャン。  ジャンの右ストレートの打ち終わりに、左足を踏み込んだ阿部は得意のノーギ大外で崩しも押さえ込むものではなく、すぐに立ち上がるジャンは左ジャブ。そこに阿部は右ローを合わせる。  左ボディストレートのジャン。阿部は左ハイを狙うもガード上。右ストレートを当てたジャンは、鋭いジャブで制空圏を作る、阿部は右ロー。右の打ち合いも返しの左まで当てるのはジャン!  さらに右から左をのどもとに当てて前進すると阿部の打ち返しをずらして左右で金網に詰める。  クリンチの阿部に、左で差すジャンはシングルレッグで尻を着かせて立とうとする阿部をアンクルピック。なおも立つ阿部のキムラクラッチに背後から右ヒザ。ヒジを似てボディロックで崩しに。クラッチを放したところで阿部も離れる。  右ローを突くジャンは2発目もヒット。さらにワンツーをかすめる。顔を赤くする阿部は左ミドルもジャンも右を伸ばしている。阿部もジャブを突くがまだ遠い。右ローを突いたジャンは阿部の左ジャブを見切ってワンツーの右!  下がった阿部にさらにワンツーから左フック。右を当てると阿部の打ち返しをかわして前に。クリンチの阿部に左で差して押し込み、シングルレッグテイクダウン。背中を譲りながらキムラクラッチですぐに立つ阿部に離れるジャン。ホーン。1Rに続き、2Rもジャンのラウンドに。  3R、グローブタッチ。中央を取るジャンに阿部は右カーフ。ワンツーの挙動の前に、ジャンは速いツーの右をヒット! カウンターでもらった阿部はジャンの左右に下がりながら左を合わせに行くが、左ボディを突いたジャンは、阿部の左に構わず右から左! さらに右フックに阿部がダウン。  亀になる阿部にサイドバックから右手で腰を抱え、左のパンチを連打すると頭を抱えた阿部の動きが止まり、レフェリーが間に入った。  愛弟子のジャン・ユンソンのTKO勝ちに、師匠ジョン・チャンソンは肩を抱いて労った。  ケージの中で涙ぐんだジャンは、その意味を問われ「試合の準備でいろいろと考えたり、苦労して準備してきたので、それに報われたような気がして嬉しくて泣いたんです。僕は毎試合、いつも無条件に勝とうという気持ちで、体力勝負でも絶対に諦めずに最後までやろうと思っていました。それでこういう結果が出たみたいです。  いま僕は7勝1敗なんですけど、機会があればもっと高いステージに行きたいです。(会場で応援のパートナーに)今ここにいるんだけど、試合があるたびに応援してくれてありがとう、大好きだよ。そして、試合前にいつも助けてくれるウチのコーチたち。セコンドや減量を手伝ってくれた家族、スパーリングしてくれた選手たち、会員さん、それから助けてくれたみんななありがとう」と語った。
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