2019年10月13日(日)東京・後楽園ホール『K-1 KRUSH FIGHT.106』で、喧嘩屋・堀井翼(ネクサスジム)と対戦する、KNOCK OUTスーパーライト級王者・不可思(クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者を通じて届いた。
不可思は名古屋を中心にキャリアを積んだ後、東京へ進出。ホームリングであるREBELSを中心に様々なリングに参戦し、REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王座、RISEライト級王座、BigBangライト級王座など合計5本のベルトを獲得。2019年6月からK-1に参戦したが、佐々木大蔵にTKOで敗れて今回が再起戦。
■次からはもっと自分の良さが出せると思う
──6月のK-1デビュー戦の佐々木大蔵戦はカットでTKO負けという結果でしたが、K-1ファンにとって大きなインパクトを残す試合でした。周りの反響も含めて不可思選手自身でどんなことを感じましたか?
「細かく言うと色々あるし、試合そのものは負けという結果なんですけど、試合を見てもらった人全員に自分のことを覚えて帰ってもらったと思います。試合中は分からなかったんですけど、あとで映像を見直したら客席から声援が『ワー!!!』と起こるぐらい盛り上がっていて、そこはプロのファイターとして純粋に良かったなと思いましたね」
──不可思選手は過去に両国国技館で試合経験がありますが、K-1はまた雰囲気は違いましたか?
「全然違いましたね。何ていうんですかね…言葉では上手く言い表せないんですけど、K-1にはK-1にしかない雰囲気がありました。両国は歴史があって色んな団体が使っている会場で、俺も試合をしたことがある会場なんですけど、何か今までにない新しい雰囲気を感じました。ああ、これがK-1なんだって」
──なるほど。新しい場所で戦っているという感覚もありましたか?
「そうですね。入場の時からそんな感覚はありましたよ。控え室にいる時はいつもと同じだったんですけど、入場の時から新鮮な雰囲気を感じました」
──試合そのものはTKO負けということで、競技者としては色々な反省点やルールへの対応が必要なところもあったと思います。今はどんなことを意識して練習していますか?
「最近はずっと5Rでやっていて、自分はもともと1Rからガーっと行く戦い方が得意だったんですけど、最近は5Rの試合が続いていて、ちょっとその感覚がずれちゃってましたね。自分としては昔のように1Rから思いっきり行くつもりだったんですけど、何だかんだで1・2Rは相手を見ちゃってましたよね。3Rにカットした後は思いっきり行けたんですけど、あれじゃ遅い(苦笑)。1Rからあのぐらい行けるようにしないといけないと思いました。
あと組みはなしですけど、近い距離での戦い方だったり、そういうところもK-1仕様に変えなきゃいけないなと思いました。でもK-1ルールそのものはもともと自分が得意にしているルールだし、一回K-1ルールをやってみて何を変えればいいか分かったんで、次からはもっと自分の良さが出せると思うので楽しみです」
──傷口を縫った影響ですぐに試合は出来なかったと思うのですが、気持ち的にはすぐにでもやりたかったですか?
「やりたかったすね。試合的にも自分から行けない中で、最後にやっとガーッと行ったところでストップされちゃったから、エネルギーが余っちゃってて(苦笑)。気持ち的には8月のK-1大阪大会にも出たいくらいでした」
■瑠輝也選手と戦わせてもらえるようにならないといけない
──最終的に10月KRUSH後楽園大会での復帰となり、対戦相手は堀井翼選手に決まりました。堀井選手とのオファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
「うーん……ジムの代表からこの選手とやるって名前が送られてきたんですけど、最初は『誰っ?』と思いましたね」
──最初は全く分からなかった?
「はい、誰だろうと思って、映像を調べたら『ああ、何か見たことあるな』みたいな。試合は見たことなかったんですけど、試合前のあれ(フラッシュバック=堀井のフェイス・トゥ・フェイスでの睨みつけ)は見たことがあったんで、あの選手か!と思いました」
──戦う相手として考えたことはなかった、と。
「はい。違う意味で『マジか?』と思いましたね(苦笑)」
──不可思選手も色んな相手と戦ってきたと思いますが、堀井選手のようにコミカルな挑発をする選手のことをどう思いますか?
「オモロイなと思いましたけどね。ある意味、プロだなって。別にイラつくとかそういうのはないっすね」
──ではカード発表会見でも言われていた通り、相手どうこうではなく自分がどう勝つか、どういった姿を見せられるか。そこがテーマの試合でしょうか?
「そうですね。自分の場合、名前を聞いてテンションが上がる相手じゃないといい試合が出来ないところがあるんですけど、それじゃプロとして駄目だと思って。どんな相手でも常に良いパフォーマンスを見せるのがプロだと思うし、今回相手は格下だと思いますけど、格下だとかナメたりするのは自分のパフォーマンスにとってマイナスしかないと思うんで。相手がどうこうは気にしないで、用意された相手を全力で倒しに行きます。今回は1Rで倒さなきゃいけないっていうのが自分にとってのテーマですね。相手どうこうじゃなくて、どれだけ自分の強さを見せられるか。そこでテンション上げるというか、モチベーションにする感じです」
──逆に言えば堀井戦をしっかりクリアすれば、次のチャンスにつながる一戦だと思います。
「やっぱり自分はK-1で戦いたいので、年内の大会に出られるように勢いがつく試合をしたいっすね」
──6月のK-1両国大会では安保瑠輝也選手がゲーオ・ウィラサクレックに勝ってスーパー・ライト級の新王者となり、大阪大会では大和哲也選手・山崎秀晃選手が勝利を収めました。同じ階級の選手たちの動向は気になりますか?
「特に瑠輝也選手とは前からやりたいと思っていて。瑠輝也選手がチャンピオンになったんで簡単にはやれなくなっちゃいましたけど、それでも瑠輝也選手と戦わせてもらえるようにならないといけないと思います」
──色んなファンの方が「不可思選手とあの選手の試合が見たい!」と想像していると思います。そこにさらに熱が生まれるような勝ち方を見せたいですか?
「そうですね。はっきり言ってファンの人たちは俺が派手に倒すことしか期待してないと思うんで、それにしっかり応えたいですね。そういう意味で良いプレッシャーは感じているし、自分自身も今度の相手をきっちり倒せるのか? というところで燃えてます」