2025年3月29日(土)東京・両国国技館『RISE ELDORADO 2025』のメインイベント(第13試合)にて、SuperFight!のオープンフィンガーグローブマッチ-65kg契約3分3RでGLORYフェザー級1位ミゲール・トリンダーデ(ポルトガル/Mamba Fight Club)と対戦するRISE OFGM -65kg級王者YA-MAN(TARGET SHIBUYA)のインタビューが主催者を通じて届いた。
25日(火)には来日したトリンダーデが公開練習を行い、ミット打ちで爆音を響かせる映像が公開されるとSNS上には「YA-MANヤバい」「YA-MAN大丈夫か」とYA-MANを心配する声があがっている。
1ラウンドで終わることもある
――公開練習お疲れ様でした。現時点でもかなり仕上がっているように見えたのですが、調子はいかがですか?
「体重も順調ですし、パワーも保てている状態です。フィジカルトレーニングでの、減量を始める前の重量と今扱っている重量が変わらずできているので、パワーを落とさず減量できていてものすごく調子が良いです」
――今までの試合では、パワーを落とさずに減量するっていうことが一つの課題だったわけですか?
「今までは筋肉が減っていたというか、上手く減量できていなかった部分がありましたね。今回の相手は筋肉量も多いと思うし、パワーもある選手だと思うので、そこをどう筋肉量を落とさずに減量できるかという所もフォーカスしてやってきました」
――今回の対戦相手のミゲール選手はどんな印象がありますか?
「強いというか上手い選手だと思うんですけど、相手から見た僕との相性としてはやりづらいと思います。僕は格闘技をやる訳ではないので、自分からしたら相性が良いかなと思っています」
――「格闘技をやらない」と話が出ましたけど、格闘技をやらなければ何で勝負するんですか?
「喧嘩です。今までそれで勝ってきて、骨が折れようが脳が揺れようが、最終的に相手を倒せば良いと思っているので、ポイントアウトする気は全くないです」
――そうすると1ラウンド目からKO決着もあり得ますか?
「全然あり得ます。むしろそっちの方が都合がいいので。たぶん相手は付き合ってこないですけど、1ラウンドで終わることもあるかなと思います」
――相手が付き合って来なければどうするか、次の策についても考えていますか?
「僕がやる事は1つしかできないので、僕のやる事は変わらないですよ。『倒す』っていうそれだけです。それ以外できないので」
――この試合の後になりますが、5月のRIZIN東京ドームの朝倉未来戦という話も取り沙汰されていますけど、そっちの方はどういう風に考えていますか?
「別に何も考えていないというか、今回の試合があるじゃないですか。無傷で済む相手だとも思ってないですし、ここを終わってから考えたいなと思います。なのでめちゃくちゃ東京ドームのことを考えている訳ではないです」
――現時点ではミゲール戦に集中するということですね。
「分散して勝てるような相手ではないので、『死ぬ気で殺されてもいいからやりにいく』っていう気持ちで挑みます」
――今回の舞台がホームであるRISEの年間最大のイベントで行われるという部分についてはいかがですか?
「毎回さいたまスーパーアリーナだからとか、年末だからとか聞かれるんですけど、例えば小さい会場であってもどうでもいいというか。会場はどこでも良くて、どこの舞台でも自分は最高の試合をするっていうそれだけです」
――場所を選ばないということですね。
「目の前の対戦相手をぶっ倒すことしか考えていないです」
――志成ボクシングジムでトレーニングを積むことで、どのような変化や成長がありましたか?
「今回は井岡さんからもアドバイスをいただいて、世界のトップでずっと戦ってきた人にアドバイスをもらえるというのは『そうやって戦わないとダメなんだ』って気付かされるので、すごくプラスというか心強いですね。あとは志成ジムの島田トレーナーとは、自分がオープンフィンガーグローブでデビューした半年前からパートナーになって、そこから勝てるようになりました。5年間歩んできて、今回も2人で『これが当たるよね』とか擦り合わせてきて、そこに井岡さんの意見とか、色々な人たちの意見を取り入れて戦略を立てているので、そういった意味で志成ジムでボクシングを習っているというのは、自分にとってプラスになったんじゃないかなと改めて思います」
――井岡さんの意見というのは、技術的なパンチの当て方などの方が大きいのか、それとも戦いという面での心や考え方の方が大きいのかいかがでしょうか?
「戦い方ですね。パンチの打ち方は自分でやれるので。『こうやった方が良くないか?こうした方が良いよ』みたいなアドバイスをいただいて、それを自分の中に落とし込んでスパーリングとかで形にしていくってことをやっています」
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朝倉未来は「やっぱりカッコいい」
――5月4日の朝倉未来戦の候補に名前が挙がるということについてはどう考えますか?
「前回FIGHT CLUBで自分の土俵で戦わせてもらっているので、MMAの未来さんの土俵で戦うのが筋だと自分は思っています。やっぱり後味が悪いというか、終わった後に『自分の得意な所でやりやがって』とか、MMAよりもキックの方がリングが狭いので『リングの狭い所でやりやがって』とか言う声もあったし、そういう所も含めて自分の土俵でやってもらったので、次は向こうの土俵でやった方がみんな気持ち良いんじゃないかと思いましたね。もちろん負けるつもりはないですけど」
――やるとなったらということですよね。
「やるとなったらそこは全力で戦いにいきます。そっちの方がお互いにとって気持ち良いですよね」
――去年はずっとMMAを主戦場にやってきたと思うんですけど、改めて約1年半ぶりにキックボクシングで戦うというのは、自分の中ではどういいう位置付けでやっていますか?
「去年は木村ミノル戦が流れて、1年ぶりくらいになるんですけど、ぶっちゃけ今もMMAの練習はしていますし、やる事は変わらないです。朝に柔術をやって昼にキックをやって夜にグラップリングをやってというスケジューリングをやっていますし、今は朝に柔術をやって昼と夜にキックをやってみたいな日も多くなっているんですけど、MMAの試合だろうがキックの試合だろうが、日々のルーティーンは変わらないですね」
――YA-MAN選手の中で今1番目標にしている事や、今年こうしていきたいなどの目標はありますか?
「3月29日の同じ日にRISEスーパーライト級のタイトルマッチがあるんですけど、そこに挑戦したいっていうのと、RIZINのフェザー級のチャンピオンを目指すっていう事が今のモチベーションですね。前までは『チャンピオンになりたい』って気持ちはなかったんですけど、自分の証明をするのには1番手っ取り早いと思ったんですよね。ダウトベックとどんなに良い試合をしようが、キックで誰に勝とうが『エンタメ枠だよね』って言われたり、『白鳥に負けてるし、そんなに強くないよ』って格オタたちから言われるので、今はそこを認めさせたいです」
――FIGHT CLUBで朝倉選手と戦った時の煽りで「最近の朝倉未来はカッコよくない」と言っていたと思うんですけど、今はYA-MAN選手から朝倉未来選手という存在はどのように映っていますか?
「やっぱりカッコいいですよね。『朝倉未来=最強』っていうブランドだと思うんですけど、皆んなからも『朝倉未来は最強だ』って言われている中で負けが続いて。普通だったら金も稼いでいるし、表に出る必要もないんでしょうけど、またMMAにチャレンジしに行く姿勢がカッコいいですよね。あそこまで有名で負けを重ねても、またやろうと思えるのがすごいなと思います」
――先ほどの話も踏まえて、もう1度対戦するとしたら、東京ドームにこだわらないという考えもありますか?
「僕はMMAの試合をしたいので、どこであろうが舞台と良い相手がいれば、東京ドームじゃなくても7月とか8月とかに試合があるなら、MMAでもキックのタイトルに絡めるような試合もしたいですし、やりたい事がたくさんあるので、体が空いていたらやりたいですね(笑)。僕も今年29歳になるので、そんなに長い格闘技生活ではないと思っています。特にキックボクシングでは、後何年できるんだろうっていうフェーズに入っていると思うので、今できるうちに試合をいっぱいやりたいですね」
――先ほどミゲール戦に臨むにあたって「喧嘩をする」というお話がありましたけど、それとボクシングの技術やテクニックを学ぶということは、どういう風に融合していっているのでしょうか?
「白鳥戦で線引きされていると思っていて、あそこまではただぶん回していただけなんですけど、負けてから何かを変えていかなければいけないと思って、よりボクシングに注力してやっていったんですね。喧嘩の中にボクシングの技術を混ぜる事ができて、距離感だったりフェイントだったりという部分をあの試合以降できるようになったんですよ。自分の強みの相手の攻撃を怖がらないところというか、もらってもいいからぶっ倒すみたいな、そういう気持ち的なところにボクシングの要素が加わって、より簡単に倒せるようになりましたね」
――そういうことを学ぶことによって、当てられにくくもなっているということですか?
「当てられにくくもなっていると思いますし、あとは1番やって良かったと思う成長したポイントが、当たってもいい場所で攻撃をもらえるようになった所ですね。今までは『そこでもらったら倒れるだろう』ってところでもらっていたんですけど、もらっても倒れないところでもらうようになりました。だから効きはしますけど、最大出力のところで相手の攻撃をもらわなくなったというのが、ボクシングをやって上手くなったポイントですね」
――トリンダーデ選手は原口選手を1発でKOしたみたいにパンチの威力があると思うのですが、そういう技術を学ぶことによってトリンダーデ選手であっても倒されにくい自信はありますか?
「ミゲールの強い所も十分対策していますし、パンチで打ち負ける事はないなと思っています。上手い選手に対しては、蹴りをどう対処していくかが鍵になっていくかなと思っています」
――最後にファンの皆様とPPVを買っていただいた皆様にメッセージをお願いします。
「俺の打撃が世界に通用するところを皆さん楽しみにしていてください。この試合に勝って、RISEのチャンピオンにもなってRIZINのチャンピオンも目指していきます。ここが分岐点になると思っているので、死ぬ気で勝ちに行くので楽しみにしていてください」