2025年3月23日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された『ONE 172: TAKERU vs. RODTANG』のメインイベントで、ロッタン・ジットムアンノン(タイ)に1R1分20秒、KOで敗れた武尊(日本/team VASILEUS)が試合後インタビュースペースに現れた。
やや放心状態のように見えたが、那須川天心戦後やスーパーレック戦でのリング上のインタビューの時とは違い、取り乱すことなく記者の質問に答えた。質疑応答の全ては以下の通り。
――試合の感想からお願いします。
「試合の感想と言うか、こうやってONEのこんな大きい大会が日本で出来たことが本当にありがたいことだし、普段ONEでは見られない選手たちが日本の選手たちがみんな集まってくれて、一緒に世界と戦えて凄く嬉しかったし、大会の関係者だったり出場してくれた選手たちに感謝したいと思っています」
――ダウンしたシーンですが、カウントぎりぎりまでセコンドを見て待っていたように見えたんですが、ストップについてどう思うか。もうひとつは不用意な左フックを2発もらった、あのミスがどうして起きたか。
「カウントについてはもちろんダメージの回復を待ってはいたんですけれど、立ってもどうなったか分からなかったというのもあるし、そこについては何も文句ないし、自分が弱かっただけだと思っているので。ミスと言うか、まだ試合をちゃんと見ていないけれど、今の自分の身体で出来た限界があれかなと思うし。何よりこの最高の日本大会を大将の僕が勝って締められなかったのが本当に申し訳ない。今日出場してくれた他の日本人ファイターたち、みんな凄い頑張っていたので、メインでこういう形で終わってしまってみんなに本当に申し訳ない気持ちです」
――試合前に格闘家人生の集大成、最後のつもりでやると言っていた。今、この結果を受けて今後は現役を続けるのかどうなのか。
「追い込みからこの試合までにかけての期間、全く次のことを考えずにこの試合で身体が全部壊れてもいいつもりで追い込みをやってきて、試合がこういう結果になって。悔しさはもちろんあるし、やり切ったかと言われたらまだ分からないけれど、とりあえず今は次のことは考えてないので、冷静になってしっかり考えてまた正式に発表したいと思います」
――武尊選手が思い描いていた試合内容とは全く違う内容になった。ロッタンとリベンジマッチをしたいという気持ちは今どれくらいあるでしょうか。それと、野杁選手が武尊選手と一緒にONEのベルトを巻きたいと言っていたことについて、どう思っていますか?
「どうせ倒されるなら思い切り打ち合いたかったし、殴り合いしたかった、というのが今の率直な気持ちですけれど、もう終わったことなので受け入れるしかないと思っています。リベンジしたいかと言われたらもちろんしたいですけれど、今はちょっとこの先のことは考えてないです。
(野杁)正明の試合は入場口で見ていたんですけれど、勝ってくれてよかった。勇気をもらえたし、僕よりも下馬評では僕より凄い不利な対戦だったと思うんですけれど、それを乗り越えた正明を見て勇気とパワーをもらえて。正明からも一緒にベルトを巻かないと意味がないとずっと言ってくれていて。それも力になっているんですけれど…とりあえず今日は、正明本当におめでとうと言いたいですね」
――ファンからありがとうとの言葉がたくさん届いています。ファンへメッセージを。
「謝ってばかりでもしょうがないと思うので、僕からもこれだけの大会が出来たのはファンの方たちのおかげだし、僕が格闘技を続けているのもファンの人たちいるからなので、変わらずずっと応援してくれたファンの皆さんに、ごめんなさいではなくて、ありがとうございましたって言いたいですね。皆さん、本当にありがとうございました」