2025年3月23日(日)さいたまスーパーアリーナ『ONE 172: TAKERU vs. RODTANG』(U-NEXT配信)にて、ONE女子アトム級キックボクシング世界タイトルマッチ3分5Rで元K-1女子フライ級王者KANA(Team Aftermath)の挑戦を受ける王者ペッディージャー・ルッカオポーロントン(タイ)が、ONE公式サイトにてKANA戦について語った。
ペッディージャーは7歳でムエタイを始め、「男の子を打ち負かす少女」として有名となり、10歳で100戦以上を戦い、そのうち70回以上は男子選手との戦いであった。有名になりすぎてテレビで試合が放送されるようになると、タイの法律によって男子選手との試合は禁止に。2016年2月には『ムエタイオープン』に初来日し、小林愛三と対戦して判定負け。2017年11月にはシュートボクシングに再来日するとMIOに判定負けを喫している。
ムエタイで順調に勝ち星を重ねる中、アマチュアボクシングのタイ代表として選ばれ2018年AIBA女子ユース世界選手権48kg級銀メダルになるなど活躍。2022年8月にはプロボクシングデビューも飾っている。ムエタイでの獲得タイトルは、WPMF世界ミニフライ級王座、WMC世界-45kg級王座、2021THAI FIGHTクイーンズカップ-51kg級優勝など。ONEには2023年3月から参戦し、4連続TKO勝ちを収めると2023年12月には“世界最強女子”として知られたアニッサ・メクセンを判定3-0で破りONE世界アトム級キックボクシング暫定王座に就いた。
そして2024年3月、正規王者のジャネット・トッドとの王座統一戦に挑み、判定勝ちで王座統一に成功。真女王となった。戦績は208勝6敗という驚異のレコードで、ONEでは6戦全勝。
今回が約1年ぶりの試合となるペッディージャーだが「自分が最大のパフォーマンスを出すことだけにフォーカスしている。それ以外は何も気にしていない」と、自分のことだけに集中できているという。
KANAについては「KANAの強みはパンチの強さ。特にフックがとても強力で、接近戦でのボディショットが強い。サウスポーでもオーソドックスでも戦える。スイッチしてスタンスを切り替えるので、動きを予測するのが難しい」と評するが、「因みに私もパンチが得意」と付け加える。
その自信の表れか「私が思うKANAの弱点は、スイッチしてスタンスを変化させる一瞬の隙。そのタイミングの隙を狙うかもしれない」と、KANAの弱点を指摘して攻略法まで明かす。
さらに「もう一つ、彼女に5Rを戦いエネルギーが残っているかどうか。昨年、彼女の試合を観た時、2R目の終わりにスタミナ切れになったように見えたので」と、KANAのスタミナに疑問を持っているようだ。
ペッディージャーは、今回KANAのホームである日本での試合になったことについて「今大会が彼女のホームで開催されることは、KANAにとって有利な点かもしれない。彼女は会場の雰囲気やファンの熱気に慣れているはず。その日は耳がつんざくような大歓声がKANAに向けられるはずだから」と、ホームでの戦いでアドバンテージを手にしていると考える。
しかし、自分の経験値には強い自信を持ち「海外での試合は初めではない。日本では、ムエタイとシュートボクシングの2試合に出場し、中国でもムエタイに1試合出場した。ボクシングでは、海外10カ国以上で試合をしてきた。海外での試合は私にとって良い経験。なぜなら、ノックアウトか圧倒的な勝利を収めなければ負けてしまうから」と肝に銘じている様子。
5Rの長丁場でKOするか、圧倒的な差をつけて勝利するかを目指して戦うというペッディージャー。KANAはこの最強女王を攻略することが出来るか。