MMA
インタビュー

【RIZIN】中村K太郎「マルキーニョスはレスリングが強い柔術家。経験の差で惑わしてやりたい」=10月12日(土)大阪

2019/10/04 10:10
2019年10月12日(土)『RIZIN.19』エディオンアリーナ大阪大会で、マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)と77kg契約で対戦する元UFCファイターの中村K太郎(和術慧舟會K太郎道場)が3日、都内で公開練習を行った。 「アブダビ(ADCC)を見て影響された」というK太郎は、3分1Rのグラップリングスパーでもボトムを選択。下から足をからめてのヒールフック、デラヒーバからの足関節を相手が逃げる際でバックを奪ってのリアネイキドチョークなど、「裸絞め十段」の呼び名に相応しい絞めへのトランジションを披露した。 中村K太郎はMMA34勝10敗2分1NC。UFCに2度参戦経験があり、2006年から2007年の初参戦時は3連敗だったものの、2015年9月から2019年4月までの2回目の参戦では8試合を戦い、4勝4敗と五分の戦績を残している。 RIZINには今回が初参戦で、2017年9月の「UFC Fight Night: Saint Preux vs. Okami」以来の日本でのMMAの試合となる。同じくさいたまスーパーアリーナで開催された、2015年9月の「UFC Fight Night: Barnett vs. Nelson」でもK太郎は劇的な逆転一本勝ちを収めており、ホームで戦うことについて「基本的には良いことしかないと思っています」と語った。 対戦相手のマルコス・ソウザは、MMA8勝1ノーコンテスト(※キルギスで行われたヌルスルタン・ルジボエフ戦は無効試合に)。RIZINで活躍中のボンサイ柔術のサトシの兄であるマルキーニョスことマルコス・ソウザは柔術では、コパブルテリア2013優勝、ワールドプロ柔術2013世界大会優勝、ヒクソン・グレイシー杯優勝などの実績を持ち、ノーギ(道衣無し)でもQUINTETなどの大会で活躍するなど、中村同様、高いグラップリング力を持つ。 マルキーニョスについてK太郎は、「日本の柔術家の中で、立ち技・レスリングの部分で強い選手で大きい」と、警戒しながらも「ガス(スタミナ)はそんなにない印象なので、そこを突いて行ければ。経験の差はかなり大きいと思うので惑わしてやりたい」と、50戦近いMMAの経験の差が勝負の鍵になることを語った。 夫人の杉山しずかもMMA24戦の強豪で、現在3連勝だがRIZINでは2戦2敗と芽が出ていない。公開練習では3歳の長男・康太郎くんも見守る中、「奥さんも出ている舞台。気持ちよく勝って、リングで祝ってもらいたい」と、妻子の目前で約2年ぶりの日本での勝利を見せると意気込んだ。家族への思い、柔術挑戦なども語ったK太郎との一問一答は下記の通り。 柔術は、死にものぐるいで頑張ったら届かなくはないのかなという感覚は掴んだ ──試合が迫ってきましたが現在の心境は? 「やっぱりRIZIN初出場ということで、ファンの方々のリアクションがすごく良いので、やりがいを感じます。久々に日本で試合をすることを嬉しく感じます」 ──RIZINにどんなイメージを持っていますか? 「今は堀口(恭司)選手や朝倉兄弟など、軽量級はスター選手と呼ばれる方がいっぱい出て来ているので、とても楽しみな大会だと思っています。ウェルター以上の重量級の階級ではこの人という選手がいないと思うので、自分がそういう階級にしていきたいなという思いです」 ──今の練習環境について教えてください。 「CAVEさんに割と多くお邪魔させていただいています。あとはムエタイのセンチャイジムにも行かせていただいています」 ──センチャイジムでの練習はムエタイ、立ち技のみですか? 「立ち技のみです。ただムエタイのクリンチなどは組技にも役立つところはあると思って練習しています」 ──ロータス世田谷やTRIBE TOKYO M.M.Aにも練習に行っていますよね。試合前の青木真也選手とも? 「そうですね、良い練習させていただいています。アメリカから帰ってきている佐藤天選手(UFC参戦中)とかとも。それにフェザー級ですけど普段はすごく大きいので、徳留(一樹)選手、あと北岡(悟)さんと、という感じです」 ──今回の対戦相手のマルコス・ソウザ選手を想定した、テーマをもって練習などもしていますか? 「日本の柔術家の中で、立ち技・レスリングの部分で強い選手で、そこで勝負をするような柔術のスタイルなので、そこを意識をして練習していました」 ──道衣を着て柔術の試合にも出場していましたが、マルコス戦を意識していましたか?(※3月に全日本マスター茶帯オープンクラス優勝、8月に全日本ブラジリアン柔術選手権アダルト茶帯ヘビー級準優勝) 「いえ、それはそんなに。普通に柔術がすごい好きで楽しいですし、アダルトというカテゴリで出たことがなかったので(出場した)。あとは茶帯ですけど世界3位の選手(イゴール・タナベ)などもエントリーしていることが分かっていたのでチャレンジしてみたくて出ました」 ──手応えというか、MMAと違う競技の試合に臨み、どんな感慨を持ちましたか。 「アスリートとしては若くない年齢ですけど、死にものぐるいで頑張ったら──強い選手に負けちゃいましたが──届かなくはないのかなという感覚はなんとなく掴みました」 ──柔術の世界ではトップレベルのマルコス選手と戦うわけですが、MMAと柔術は異なる部分が多いですか? 「全然違うと思います。特に今ガードの種類がすごく細かく多くあるので、そういうガードの半分もノーギ(道衣無し)だと使えないかもしれません。MMAだと特に(ある種のガードは)殴れるポジションだったりする場合も多いので、大雑把に言えば、自分にとっては柔術もフィジカルトレーニングみたいなものだと思ってます」 ──なるほど。そんななかで、マルキーニョスはノーギでも結果を出していると思いますが、MMAファイターとしてのマルコス・ソウザ選手の印象をどうとらえていますか。 「さきほども言った通り、テイクダウンは強いと思うので、結構、大きいというか、ガスはそんなにない印象なので、そこを突いて行ければと思います」 ──会見でもマルコス選手と向き合いましたが、ちょっと違う階級の選手のように厚みがありました。 「そうですね。ただ今までもそういう選手とも戦ってきたのでそんなに威圧感やビビるということはなかったですが、大きいなとは思いました」 ──2017年9月のUFC日本大会以来の日本でのMMAの試合になると思いますが、改めて日本で戦ういいところ、困る面などありますか。 「基本的には良いことしかないと思っています。いろいろサポートしてくれる人もいたり、トラブルにも対応しやすいので」 ──UFCで色んな国に行ったと思いますが大変でしたか? 「大変じゃないようにセコンドや周りの方がやってくれていました。僕自身は大変じゃなかったけど、周りの人に迷惑をかけながらやっていましたね。その人たちにはありがとうございます、と言いたいです」 ──ファイターとして、K太郎選手がRIZINの中で新たな目標をもっていることはなんですか? 「まだRIZINに定期参戦しているウェルター級の選手がいないので、自分がそういう選手になって海外のウェルター級の選手に『あいつを倒したい』と思ってもらえるようになればいいなと思っています」 ──2回目のUFCでは4勝4敗という戦績でしたが、今の成長や進化などをご自身ではどのように感じていますか? 「ベテランですが成長していると思います。怪我とかそういうものがちょっと出てきてしまっているのでそこだけ気をつけてやっていきたいです」 ──物心ついてからお子さんの目の前で試合を見せるのは初めてですか? 「いえ、UFCに出たときに海外に奥さんが息子を連れてきてくれてました」 ──試合を見たお子さんにどう声をかけられましたか? 「勝ったのに泣いていたときがありましたね。なんか分からなくなったのか、感情が高ぶったのか泣いていました。感動とかではないと思いますが(笑)。あいつの判定基準では俺は負けてたのかなと思います(笑)」 ──今回の日本の試合ではお子さんに父親としてどういう試合を見せたいですか? 「そうですね、RIZINは奥さんも出ている舞台なので、気持ちよく勝ってリングで祝ってもらいたいです」 ──マルコス選手とはMMAの試合の経験差はあると思いますが、まだまだ敵わないぞという気持ちや自負はありますか? 「経験の差はかなり大きいと思います。向こうもそこらへんがプレッシャーになっていると思うので、惑わしてやりたいですね」 ──RIZINファンに自分のここに注目してもらいたいという点はありますか? 「どんな展開になるかはちょっと、僕の中では戦略がありますが、グラップリングになったら、お互い組み技同士の選手なので面白い展開になるんじゃないかなと思います。そういうところを見てもらいたいです」 ──公開練習のときにバックチョークなどの練習をしていましたが、フィニッシュのイメージは出来上がっていますか? 「バックチョークで、なるべくなら決めたいと思います」 ──公開練習では、引き込んで足関節からのトランジションでのバックチョークなどがありましたが、ああいった足関節は今回の試合用という部分もありますか。 「まあ、流行りというか。アブダビウィークが終わったばかりで影響された(笑)。(試合で)やるかどうかはわかりません」 ※発売中の『ゴング格闘技』11月号では、中村K太郎&杉山しずか対談「気分はK!」~RIZIN格闘夫婦の実際~を掲載!
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