2025年2月8日(土)豪州ニューサウスウェールズ州ローズヒルガーデンズレースコースにて『Eternal MMA 92』(UFC Fight Pass配信)が開催されている。前日計量では、4週間前緊急参戦の修斗世界バンタム級9位の平川智也(マスタージャパン)が、61.2kg+500gまで許容の契約のなか。61.5kgでパス。 しかし対戦相手のアラン・フィルポット(アイルランド)が62.5kgで800gの体重超過。平川陣営はキャッチウェイトでの試合に合意し、フィルポットのファイトマネーの50パーセントを得て、試合に臨む。
▼バンタム級→キャッチウェイト 5分3R〇アラン・フィルポット(アイルランド)20勝16敗 62.5kg ※体重超過[1R 4分26秒 TKO]×平川智也(マスタージャパン)13勝9敗1分 61.5kg
なお、かつて五味隆典に師事していた平川には現地で“Fireball KONG”=火の玉コングのニックネームがつけられている。アキラに続きラスカル出身の2頭目のゴリラとなってしまった平川は、対戦相手が最後の絞り込みをしなかった逆境を跳ね返して豪州で白星を掴むか。平川は『SCARY』で入場。
1R、サウスポー構えの平川、オーソのフィルポットのワンツーをかわしてインローを突く平川。長い右前蹴りを突くフィルポットに、右外足を取って右を届かせる平川。フィルポットは左右の蹴り。平川は左ボディストレート。
押し戻してきたフィルポットにワンツーの飛び込みの平川。フィルポットは右ミドルから左の入り。最後に高い蹴りに繋ぐ。さばく平川は、右前手フック。
出入りで詰める平川はフィルポットの左前蹴りをかわして左を突く。ともにクリーンヒットはないなか、右見蹴りをスウェイでかわす平川。フィルポットのワンツーはバックステップでかわす。
フィルポットの左から右をかわした平川は右を振って左を突くが、歩いてスイッチしていたフィルポットはそこにカウンターの左ハイ! 平川がダウンし、立ち際に左フックの連打、パウンドにレフェリーが入った。体重超過のフィルポットがTKO勝ち。
試合後、フィルポットは「ヤバいな。複雑な気分だよ。正直に言うと、今夜ここに来てこれが最後かもしれないと思ったんだ。ただ、いろいろなことが祟ったんだ。でも、あそこで感じたのは、僕のこのチームは、『どうやったら引退できるんだ?』とそうやって背中を押してくれたんだ。いや、今までで最高の気分だよ。
腹を突き刺してハイを蹴る。ヒザも全部。正直に言うと違う。体勢を変えたり、スイッチして動いたり。彼は爆弾を投げてきたし近づいてきた。もしこれがもう少し低い位置だったら、また違う話になっていたかもしれない。
前回の相手はロッド・コスタ、チャンピオンだった。厳しい試合をやれ。新チャンピオンは日本人(伊藤空也)だ。彼は5月に行きたがっている。だから前回の借りを返す。タイトルを取ろう。今がその時だ」と語った。
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▼Eternal MMA豪州ウェルター級王座決定戦 5分5R×スティーブン・コステロ(アイルランド)王者[3R 3分45秒 リアネイキドチョーク]〇デヴィッド・マルチネス(豪州)挑戦者※マルチネスが新王者に
メインでは元Bellatorのステファン・コステロ(アイルランド)とBRAVE CFにも参戦したデビッド・マルティネス(豪州)がウェルター級ベルトを争う5Rの王座決定戦が組まれた。
1R、ともにオーソドックス構え。左右連打で詰めるコステロに、マルチネスは細かい連打から左の蹴りを突いて左で差して組んで押し込み。小外がけで崩そうとするが、戻すコステロ。突き放したコステロのマウスペースが落ちると、マルチネスが拾って渡して再開。
左ジャブの刺し合い。左前手を着いて右を当てて前に出るマルチネス。金網背にするコステロ。押し込みヒザ、右ヒジのマルチネスだが、ブレーク。右から長い左、右ヒジで押し戻すコステロにマルチネスは右オーバーハンドを返す。
2R、先に詰めるのはマルチネス。左で差して押し込み崩し。コステロはクラッチを剥がして正対。ジャブを潜ったマルチネスは詰めてバックリンチから崩してバックへ。
両足をかけて引き込むマルチネスに、正対して立つコステロ。すぐに詰めるマルチネスが左を当てると、コステロは後退。追って押し込むマルチネス。
3R、ワンツーを振ってから組み続けるマルチネス。右差しに左小手のコステロ。際で右ヒジ、ヒザをこつこつ突くマルチネス。シングルレッグで引き出すが、ケージに戻ろうとするコステロ。
追うマルチネスは右を差し上げて崩すと、一転、ボディロックから後方にテイクダウン! ついに背中を着けさせると背中を見せて立とうとするコステロのバックに。左右の手を入れ替えてリアネイキドチョークを極めた!
ライト級に続き(23年に陥落)、ウェルター級王座を獲得し、二階級を制したマルチネスは「あの右を打たれた時、目が覚めて“ああ、オーストラリアに戻ってこの試合に勝たなきゃっ”て思ったんだ。なんとか回復して、ゲームプランを実行することができた。コーナーにいた3人のレジェンドに感謝している。彼らがラウンドの間にアドバイスをしてくれたおかげで、今夜の試合を成功させることができた」と語った。
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▼Eternal MMA豪州フェザー級選手権試合 5分5R〇セバスチャン・スーレイ(豪州)王者[判定2-1] ※48-47×2, 47-48×テサー・マローン(豪州)挑戦者※スーレイが王座防衛
『UFC 312: Du Plessis vs. Strickland 2』の前日に同じ地域で行われる同大会では、コメインで、「Eternalフェザー級タイトルマッチ」(5分5R)で、SASUKEとの対戦も候補に挙がっていた王者セバスチャン・スーレイ(豪州)が、4勝無敗のテイザー・マローン(豪州)の挑戦を受ける5R戦が行われる。
1R、ともにオーソドックス構え。マローンの刈に左右を合わせるスーレイに、マローンは後方にバランス崩すがすぐに立て直す。
右から左の蹴りのマローンに、じっくり構えるスーレイが圧力をかけて組みに。右で差すマローンは突き放し、左ミドル。
右ストレートで詰めるスーレイ。右カーフも。マローンの左ハイを詰めてバランスを崩させて詰めるスーレイ。マローンも右ローを返すと左前蹴りも。
その蹴り足を掴もうとするスーレイは詰めて左ボディ! 後退したマローンはガードを固めると、ケージに詰めたスーレイは左右ボディ打ちからバッククリンチでホーン。
2R、右の関節蹴りのマローンさらに右から左と蹴りを左右で突くが、またも左ボディを効かせたスーレイ。身体がくの字になりながら組みに行くマローン。
剥がしたスーレイはマローンの左を被弾しながらも左右で連打。組むマローンのシングルレッグにスイッチ狙い。頭を下げて組むマローンにヒザ蹴りを突き上げる。
サウスポー構えから右ボディストレートを突くスーレイ。マローンの組みに両脇を差し上げて離れる。近い距離で右ローを打ち下ろすマローン。
3R、オーソから左ローを突くスーレイ。マローンの左ハイをかわして、ワンツーの右の入りはまだ遠い。サウスポー構えから左の前蹴りのスーレイ。マローンは右ローを返して詰めて組むと脇潜りバッククリンチに。左足で左足を引き出しながら崩すが、正対したスーレイが押し込み離れる。
右ミドルをボディに当てたスーレイ。さらに左ミドル、右ローも。マローンのローからの左右の入りには金網背にしのぐ。マローンは右足を持ち上げてスーレイをテイクダウンしたところでホーン。
4R、サウスポー構えから右の関節蹴り。スイッチしたスーレイだが、オーソに戻すと右カーフ。前足を細かく入れ替えるスーレイは首投げ狙いも深追いせず。マローンは右で差して組みに行くが、クリンチから突き放すのはスーレイ。
圧力をかけて右、さらに押し込みヒア。マローンは剥がして左ヒジをかすめる。左サイドキックから右ストレートを額に当てるスーレイに組んで体を入れ替え、ダブルレッグテイクダウンはマローン! すぐに片ヒザ立ちになるスーレイだが、マローンはニアマウントを奪い、パウンドからリアネイキドチョーク狙い。さらにバックマウントからパウンド。動くスーレイにレフェリーが見るなか、ホーン。
5R、前に出るマローンを組んでいなしてバッククリンチのスーレイ。マローンが細かいパンチから正対すると、なおもボディロックするスーレイ。マローンが剥がしても組んで、さらに離れ際に右!
バランスを崩したマローンになおも組んで足払いを狙うスーレイ。マローンが正対してくるとシングルレッグに切り替え。マローンが縦ヒジを背中に突いたところで、正対したスーレイ。互いに近い距離で打ち合いになるなか、スーレイは左!
腰が落ちたマローンを詰めるとクリンチしたマローンに左ハイ、さらに右で差して押し込み。投げを狙うなど最後まで動きを落とさずにホーン。
判定は2-1に割れ、48-47×2, 47-48でスーレイが王座防衛。ショーン・シェルビーらUFC首脳陣に参戦をアピールした。
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▼ミドル級 5分3R〇キャム・ロウストン(豪州)[判定3-0] ※30-27×3×アルフレッド・スタッダート(ジンバブエ)
1R、サウスポー構えのスタッダートに、オーソのロウストンは右ミドル。その蹴り終わりにワンツーを突くスタッダート。詰めるロウストンはシングルレッグテイクダウン。
フルガードに入れるスタッダートを金網に詰まらせるロウストンは足をさばきパス狙いもケージを蹴ってガードに戻すスタッダート。下からヒジを突き、ロウストンの額をカットする。
その立ち際にがぶりパウンドのロウストン。スタッダートは被弾しながらもレッスルアップ。ロウストンは右を突いてすぐにシングルレッグ。それを切り返したスタッダートがシングルレッグで押し込むと、ロウストンがヒジを突く。
2R、長い右を届かせるロウストンのシングルレッグを切るスタッダート。しかし打ち合いのなかで詰めたロウストンが次はスムーズにテイクダウン。立ち上がりがぶり首を狙うロウストンを跳ね上げて上を取りかけるが、この際を譲らなかったロウストンが上に。
亀のスタッダートに横三角絞めも狙いながらトップからレッグドラッグのロウストン。背中を見せて立つスタッダートをコントロール。パウンドでスペースが空いた瞬間に立ったスタッダートだが、すぐにロウストンが足を手繰りテイクダウン。
背中を着いてしまったスタッダートだが後転して立ち上がる。そこを詰めるロウストンを剥がすと、ロウストンは右ミドルハイ。スタッダートが左右で押し戻したところでホーン。
3R、左ハイ、左ミドルで前に出るスタッダートに、その打ち終わりに組むロウストン。両差しで組んで離れるスタッダートを追うロウストン。スタッダートのシングルレッグにヒジを突き、さらにがぶるが、ケージを蹴って後方に回して立つスタッダート。
スタンドで長い左右を突くロウストン。またもテイクダウンを奪うが、立つスタッダート。そこに右の蹴り、ストレートから詰めてシングルレッグテイクダウンはロウストン。
エビするスタッダートの足をさばき、追ってパウンドでホーンが鳴らされた。判定は3-0(30-27×3)のフルマークでロウストンが勝利した。
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▼フライ級 5分3R〇ショーン・パーカー(豪州)6勝6敗[3R 2分40秒 肩固め]×ショーン・エッチェル(豪州)7勝7敗
エッチェルは元バンタム級王者。2022年の『ROAD TO UFC』ワンマッチで内田タケルにリアネイキドチョークで敗れている。
パーカーは、Nex Fight、eatdown Promotions、XFCを経てEternal MMA初参戦。
1R、パーカーのシングルレッグをがぶりダースチョーク狙いのエッチェルだが、ケージまでドライブしてダブルレッグで持ち上げてテイクダウンするパーカー。
しかしすぐに立つエッチェルはなおも組むパーカーをがぶり、ダース狙い。いったんは首抜いたパーカーになおも詰めてがぶるエッチェルはしつこくダースへ。仰向けになって逃れるパーカーのバックを奪い、リアネイキドチョークを狙いホーン。
2R、右オーバーハンドのパーカー。エッチェルもワンツーからケージに詰めてダブルレッグテイクダウン。国を抱えて立とうとするパーカーの送り手を掴んだまま持ち上げてテイクダウンするエッチェル。
ハーフからパス狙うが、亀になるパーカーにネルソン狙うエッチェルをいなしてバック奪うパーカーが背後からパームトゥパームでリアネイキドチョーク! いったん身体を伸ばされたエッチェルだが、手を剥がして仰向けになり凌ぐ。なおもニアマウントからバック狙いのパーカーに金網まで這って立つエッチェル。
3R、ガード固めるエッチェルのその上から左右大きなフックを突くパーカー。左ボディで金網詰めるが、ガード固めながらエッチェルは反対側のケージまで押し込み。右で差して体を入れ替えたパーカーがシングルレッグテイクダウン。
背中見せてた立とうとするエッチェルのバックに回り、その正対際に腕十字! ヒジが伸びかけるエッチェルだが、ずらしてトップ狙い。この際でトップを奪ったパーカーが右脇を開けさせて肩固めを極めてタップを奪った。